2024年度 飛躍する農工大~本学の機能強化を推進する取組~
地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)・地域中核施設整備事業に採択
中期計画(1)
本学は、2023年度に文部科学省で公募された「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)および、地域中核・特色ある研究大学の連携による産学官連携・共同研究の施設整備事業(施設整備事業)」に採択されました。
J-PEAKSは、地域の中核大学や研究の特定分野に強みを持つ大学が、その強みや特色のある研究力を核とした戦略的経営の下、研究活動の国際展開や社会実装の加速等により研究力強化を図る環境整備を支援する事業であり、本学は連携大学である電気通信大学、東京外国語大学、参画大学であるハワイ大学マノア校(米国)、クイーンズランド大学(豪州)とともに、国際的社会課題を解決できる国立大学群を形成し、国内・海外連携大学の「知」を集め、世界の「産」へと展開し、そこで得た資金を基礎研究に還流させることで研究力の強化、さらには教育の充実と質向上へとつなげる経営手法を確立させます。
また、施設整備事業では電気通信大学、東京外国語大学と連携して西東京地区の地域のニーズと大学のシーズの好循環を図るとともに、食とエネルギーの協働研究を文理融合で推進するための施設(西東京国際イノベーション共創拠点)を整備していくこととしています。これらの施設を通し、基礎研究力の強化とその基礎研究成果の国内外での社会実装を推進し、その成果を国内に還元して地域活性化につなげます。
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共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT 共創分野・本格型)カーボンネガティブの限界に挑戦する炭素耕作拠点
中期計画(16)
本学は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)共創分野(育成型)」から共創分野(本格型)への昇格を経て、拠点活動を推進しています。
本拠点では、炭素循環社会を実現するために、食料以外のエネルギーや材料もバイオマスから生産する炭素耕作を提唱し、バイオマスの特徴であるカーボンニュートラル特性を最大限に活用、さらにネガティブエミッション特性をも付与した全く新しい炭素循環コンセプトである炭素耕作によるカーボンネガティブ社会の実現を目指します。
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共同利用施設における他大学との相互利用、研修の実施
中期計画(19)
スマートコアファシリティー推進機構(スコップ)は、本学の重点研究分野である食料・エネルギー・ライフサイエンスを支える研究設備(電子顕微鏡、核磁気共鳴装置、質量分析計、分光分析装置)をコアファシリティーとして集約し、本学の研究者・学生だけでなく、学外の研究者、技術者にも先端の研究設備と専門技術者による分析技術を提供するプラットフォームとして2021年11月に設立しました。
2023年度は人材育成の一環として、技術職員を協力機関の共同利用施設に派遣するとともに、協力機関からも技術職員を本学に受け入れて、相互に技能向上のための研修を行いました。また研究設備の利用拡大、研究支援の充実を図るため、連携機関間にて共同利用設備の相互利用を行いました。
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工学府改組(欅型教育による工学系知的プロフェッショナル人材の育成)
中期計画(9)
工学府では、科学と工学の基礎学問から先端応用技術に至る広範囲の教育研究を教授することにより、時代の要請に対応した幅広い学識と高度な研究能力を有する独創性豊かな学術研究者、専門技術者の養成を目的としています。
2023年4月には、「欅(ケヤキ)型教育による工学系知的プロフェッショナル人材の育成 ~専門性の幹を育て、多様性の枝を広げる」をコンセプトに、工学部の6学科を基礎として、高度な専門分野の教育研究にダイレクトにつなげる6専攻(生命工学専攻、生体医用システム工学専攻、応用化学専攻、化学物理工学専攻、機械システム工学専攻、知能情報システム工学専攻)の博士前期課程・博士後期課程に再編しました。専攻ごとの専門科目に加えて、学際性を育む3つの科目群(学際パッケージ科目群「医薬・創薬」「エネルギー・環境・マテリアル」「ロボティクス・AI」、総合知科目群、工学実践科目群)を教育課程に編成し、「複雑多様化する現代社会の持続的な発展と問題解決に自ら挑戦し続ける人材」を養成しています。
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経済的支援体制の整備
中期計画(3)
経済的な理由で学業の継続を断念することのないよう、大学の独自財源を活用することで、2024年度から、大学院博士課程進学までを見据えた経済的支援制度を整備し、給付型奨学金等の拡充を図ることとしました。
授業料等減免の実施に加え、博士課程進学を目指す学生の経済的な負担を軽減すべく、修士(博士前期、専門職学位)課程への進学時および博士(博士後期、一貫制博士)課程への進学時における奨学金の支給など、学部段階、大学院段階において、奨学金制度等の充実を図ります。
博士課程学生に対しては、安心して研究に専念できるよう、博士課程在学者全体(社会人等を除く)に経済的支援が行き渡ることを目指した取組みを実施します。
また、将来を担う優秀な若手研究者の育成のため、独立行政法人日本学術振興会(JSPS)の特別研究員制度の活用を念頭に置きつつ、リサーチ・アシスタント(RA)制度や国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の次世代研究者挑戦的研究プログラム等の支援を受けた「FL-SPRING」、「FL-BOOST」を実施するとともに、JSPS特別研究員に意欲的かつ積極的に申請したものの採用に至らなかった者に対して、本学独自の研究奨励金「JIRITSU(自立)」制度による支援を実施します。
さらに、投稿論文のランクに応じて支給される「博士(博士後期)課程優秀学生奨学金」を全学的に導入し、優秀な博士課程学生への経済的支援および博士課程進学へのモチベーション向上につなげる取組みを行うこととしています。
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全学教育システム「SIRIUS(シリウス)」の運用開始
中期計画(13)
本学では、学修環境向上に資するDX化のため「学生にとっての教育サービス向上」を目的とした新システム「SIRIUS(シリウス)」を2023年10月から本格稼働しました。
SIRIUSは学修支援システムおよび学務システムが一体となったシステムであり、最大の特長は、学務システムで管理しているカリキュラムやシラバス、学生の履修情報、成績データが、LMS(学習支援システム)とデータ連携していることです。これにより学生はLMS内のディスカッションやアンケートによって主体的かつ積極的に授業に参加できるうえ、教材や課題などをいつでも確認できることになり、学修スケジュールも立てやすくなりました。教員は、教材、ディスカッション、テスト等の授業準備が容易になる他、課題の締め切りや提出状況をリアルタイムで管理できるなど、学修プロセスの評価等も効率的に行うことができ、教育の効率化につながっています。
また、大学院型ポートフォリオシステムの構築のために「論文管理システム」の改修および「研究題目兼研究指導計画」のシステム化を行い、学生~教員間における研究計画の策定、研究指導、学位論文審査を適切に実施することが可能になりました。
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持続的な女性研究者促進サイクル形成プログラムの構築
中期計画(18)
本学では、国籍や性別を超えた多様な人材を採用し、それぞれが自分らしく活躍することのできるよりよい教育研究環境の実現を目指し、多様なリーダーの育成を推進しています。
そのなかでライフイベント支援として、妊娠、出産、育児、介護期に関わる研究者に対し、研究補助者を派遣する「研究支援員制度」を運用しており、女性研究者だけではなく男性研究者を含めた利用実績が高くなっています。本制度においてライフイベント期の研究者を支援することにより、当該期間における教育研究活動の停滞を防ぎながら、持続的な教育研究の成果が認められる効果を上げています。
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新たな基金「農工大つながるプロジェクト」の設置
中期計画(20)
創基150周年の記念事業の一つとして、学生のための新たな基金「農工大つながるプロジェクト」を開始しました。この基金は、全国の生産物・加工品等に携わる本学の卒業生・修了生の商品を返礼品とすることで、本学を中心に卒業生・在学生・教職員などのすべてのステークホルダーが相互に繋がる仕組みとなっています。本学の経営基盤強化の施策における学生の経済支援の一つであるとともに、ステークホルダーからの理解・協力を得ることが期待されます。
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