2008年08月21日:傷病鳥類の野生復帰を支援するため構築された東京農工大学教員学生有志、東京都、NPO法人等による連携体制が早速貢献 !

傷病鳥類の野生復帰を支援するため構築された東京農工大学教員学生有志、東京都、NPO法人等による連携体制が早速貢献 !についてのご紹介です。

~ 第1号となる絶滅危惧種『アカアシカツオドリ』を保護・治療し野生へ復帰 ~

東京農工大学教員学生有志は、東京都、NPO法人等と傷病鳥類の野生復帰を支援するため連携体制を平成19年度より構築しており、その第1号となる絶滅危惧種「アカアシカツオドリ」の野生復帰に早速貢献しました。概要は以下のとおりです。

8月5日、太平洋に向かって

<8月5日、太平洋に向かって
飛び立つアカアシカツオドリ>

8月5日、大空を飛ぶアカアシカツオドリ

<8月5日、大空を飛ぶアカアシカツオドリ>

◆概 要◆
絶滅危惧種「アカアシカツオドリ」が東京都内の民家の敷地で動けない状態で見つかり保護されたのが今年の7月中旬。東京都環境局に届出があり、野生動物救護獣医師協会(WRV)会員の動物病院で手当を受けたあと、7月21日に東京農工大学に運ばれてきた。
東京農工大学教員学生有志は、リハビリ施設において検査・往診治療・リハビリを約2週間にわたりおこない、運ばれてきた時に800gしかなかった体重が1,200gにまで増え、血液検査の値や羽毛のコンデションも順調に回復したことから、8月5日の早朝、三浦半島・横須賀に運び放鳥、太平洋に向けて無事飛び立ち野生へ復帰させることができた。

●連携体制
東京都で保護される傷病鳥類の野生復帰を支援するため、東京農工大学農学部の渡邉 泉・准教授(環境毒性学)、渡辺 元・准教授(獣医生理学)、船田 良・教授(環境資源科学)、学生サークルの野生動物研究会と、東京都環境局、野生鳥類救護に実績のあるNPO法人、野生動物救護獣医師協会(WRV)等による連携体制を平成19年度に構築。

●野生復帰のノウハウの蓄積
東京農工大学教員有志は、このような取組みが学生に対する教育プログラムとしても必要だと考えており、今後も連携体制を強化しつつ野生復帰可能な傷病鳥類のリハビリやテストをおこないながら野生復帰のノウハウを蓄積することとしている。

●アカアシカツオドリ
南方を生息地とする「アカアシカツオドリ」は、環境省鳥類レッドリストIB類に指定されている絶滅危惧種。

●三浦半島・横須賀
放鳥の場所は、外洋に面していること、できるだけストレスを与えず短時間で輸送すること等を考慮し、NPO法人が海鳥(ミズナギドリなど)の放鳥経験もある三浦半島・横須賀を選んだ。

◆参考◆
【新聞等掲載状況】
(7月31日 朝日新聞夕刊掲載)
(8月6日 朝日新聞朝刊掲載)

リハビリ施設でのアカアシカツオドリ

<リハビリ施設でのアカアシカツオドリ>

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