ロボット研究会 R.U.R がNHK学生ロボコンに出場

ロボット研究会 R.U.R がNHK学生ロボコンに出場
特別賞「ローム株式会社賞」を受賞!

ロボット研究会 R.U.R 会長
工学部 機械システム工学科 3年 近岡 倫太朗さん

工学部機械システム工学科公認のものづくりサークル「ロボット研究会 R.U.R(以下・ロボ研)」が、今年6月に開催された「NHK学生ロボコン2022~ABUアジア・太平洋ロボコン代表選考会~(以下・学ロボ ※)」に出場し、「ローム株式会社賞」を受賞しました。ロボ研の会長である近岡倫太朗さんと、学ロボに出場したチームのみなさんにお話を聞きました。

大会の様子は、大会公式Youtubeチャンネルで閲覧できます。

【学生ロボコン2022】2022年6月12日 12時半開会式(ロボコン公式)
https://www.youtube.com/watch?v=juYlfcXIgFk 

また、2022年7月18日(月・祝)午前11時からNHK総合テレビで放送されます。

※NHK学生ロボコン2022~ABUアジア・太平洋ロボコン代表選考会~
日本全国の大学・高等専門学校・大学校が参加するロボットコンテスト。書類選考、第1次ビデオ審査、第2次ビデオ審査を経て、選ばれたおよそ20チームがアイデアとチームワークを駆使して競う。優勝チームは日本代表として、世界大会「ABUアジア・太平洋ロボットコンテスト」へ出場する。
2022年の競技課題は「LAGORI~ラゴリ~」。インドで親しまれてきた「ラゴリ」という屋外ゲームをモチーフに作られたもので、「シーカー」と「ヒッター」の2チームに分かれて行われる。シーカーがボールを投げて「ラゴリ」と呼ばれるオブジェクトを崩すことから始まり、シーカーが再びラゴリを元通りに積み上げる間、ヒッターはボールをシーカーに当てて積み上げを妨害する。試合は、攻守交代の2ラウンド制で、崩したラゴリと積み直したラゴリの合計得点が高いチームが勝利する。

学ロボ出場、そして特別賞「ローム株式会社賞」の受賞、おめでとうございます!

ありがとうございます。
学ロボは、例年よりも本選に出場できるチーム数が3分の2に減っており、例年以上に厳しい審査だったうえに、コロナ禍で活動規模が縮小し、出場を危ぶまれましたが、無事出場することができました。
ロボ研は、学ロボに何度も出場実績のある学ロボ常連校です。伝統を引き継ぐことができて、非常に嬉しく思います。

大会前日のテストランでは、本番環境に合わせるために機体を調整したり、制御の調整をしたりしました。特にラゴリの仕様が練習時と異なっており、細かい調整を行いました。テストランの最後に、新潟大学さんと模擬試合をしましたが、操縦ミスが重なり、ラゴリを積むことができませんでした。ですが、そのときに実際の試合感を掴めたのがよかったです。

大会当日でも、機体を微調整して初戦に臨みました。全体の最初の試合ということもあり、緊張もありましたが、無事にラゴリをすべて崩し、すべて積み上げる「パーフェクトラゴリ」を達成できて良かったです。

ボールを射出するロボットが終始不調だったのが心残りですが、代表選考会予選リーグ4位で通過し、目標であった決勝トーナメント進出を果たすことができました。
「パーフェクトラゴリ」が評価されて、特別賞でローム株式会社賞をいただきました。

出場したロボットについて教えてください。

今回のルールでは、主にボールを射出する「R1」と、ラゴリを積む「R2」の2つのロボットがあります。

ロボ研のR1「聖天八極式(せいてんはっきょくしき)」は連射性が特徴です。
ボールを必要以上に搭載可能な本機は、ボールの装填から射出までの導線が滑らかであり、射出時にボールの位置合わせが必要ないため、一般的な機体に比べて素早く射出から再装填までが可能です。また、射出にはローラー(実はキャスターのタイヤです)を用いています。
「聖天八極式」は射出部と土台部で機構的にも回路的にも分離されています。そのため整備性やまとまりがよく仕上がっています。

ロボ研のR2「武御雷(たけみかづち)」は、ラゴリの倒れ方によらず、ラゴリの回収が可能な機構を備え、ロボットの中でラゴリを積むことで、時間の短縮を図っています。
「武御雷」はハンドが特徴的です。普通にラゴリを積むハンドを作ると「昇降」と「開閉」の二自由度のハンドになりますが、機体中でラゴリを積むために「回転動作」を追加し、三自由度で動作します。これにより様々な動作が可能になりました。
また、ラゴリを吸い込む機構は上下のローラーを回転させ、ラゴリが横になっていても吸い込めるようにしました。

機体名称は私が命名しました。由来は完全に個人の趣味ですが、某ロボットアニメとロボットが出てくるゲームに登場する機体からいただきました。

ロボット製作にあたり、どんなところが大変でしたか。

ラゴリの材質、形状が特殊で、タスク進行を考えることが難しかったです。

また、当初、ラゴリを良い形で崩すことで、効率的にすばやく積み上げる作戦だったのですが、ラゴリの仕様が変更され、重心バランスが変わったため、思い通りの形に崩すことができなくなってしまいました。
そこで、本戦直前に、R2「武御雷」を設計し、作り直しました。通常、1ヶ月でロボットを作って半月で調整していくのですが、2週間で作って1週間で作り上げる必要があったため、かなりがんばりました。
達成できたのは、メンバーの気合の賜物です。

ロボ研の普段の活動の様子を教えてください。

活動の概要は、ロボットの制作です。大まかに分けて、機体の設計製作等、ハードウェア担当の機械屋、機械の制御や回路設計等のソフトウェア担当の電気屋に分かれています。部員は約60人いて、アクティブに活動しているのは、その半分くらいです。

NHK学生ロボコン、しいてはABUロボコンが最大目標で、その他のロボコンにも出場しています。その他のロボコンについては、NHKロボコンのための制作練習の意味合いが強いため、本当にNHKロボコンのために活動しています。

テレビで学ロボの放送を見て、ロボットを作りたいと思い入部したメンバーや、ロボット作りをこのサークルでやってみたいと思い、農工大を受験したメンバーもいます。

大会が近づいてくると、だんだん緊張感が漂い始めますが、みんなロボットが好きでやっているので、楽しくやっています。大会の製作を一緒に乗り切ることで、部員同士のつながりは深まっていると感じます。
例年は、冬のスキー合宿などでも親睦を深めています。

活動に取り組むうえで、役立った授業や経験はありますか。

授業で学んだことが役に立つというよりも、むしろ逆に、ロボ研での活動が授業に反映されて、授業が楽になる気がします。とくに、「CAD演習」や、「機械設計」の授業は、ロボット製作での経験を活かすことができます。

私は、高校のときにロボット部でロボットを作っていたので、それは確かに役に立っていると思いますが、ロボ研に入って初めてロボット作りをするメンバーも多いため、経験は必須ではありません。

今後の目標を教えてください。

サークルとしての目標は、次年度も学ロボ出場です。

今回の大会出場にあたって、苦労したのは人手が足りないことでした。ロボットを作り上げるには、単に人数がいるだけではなく、ある程度の技術力をもっている必要があります。
ただ、コロナ禍の影響で活動が制限されたことで、これまでロボ研で培ってきた技術が、うまく継承できていない部分がありました。

これまで、ロボ研では実践を通じた教育を行ってきた伝統があります。学ロボ以外にも、夏に大会があったり、部内でのロボコンを企画したりしているので、今後、後輩たちに大会出場の経験を積んでもらいながら、アドバイスしていくことで、ロボ研全体の技術力を向上していきたいと考えています。

私個人としては、しばらくはサークル運営の方に回りたいと思いますが、機会があればまたロボットを作りたいですね。

受験生に向けてのメッセージをお願いします。

NHKロボコン出場校の古参で、出場回数も多いです。ロボットを作るなら是非!
部員のほとんどが初心者の状態から始めているので、ロボット作りに興味があれば、誰でも楽しむことができます!
興味やモチベーションを大切にして、楽しい大学生活を目指して頑張ってください!

学ロボ出場チームのみなさん。左から佐藤 日向子さん(知能情報システム工学科 2年)、濱中 諒さん(機械システム工学科 3年)、近岡さん、渡部 凌さん(知能情報システム工学科 3年)、古徳 友真さん(機械システム工学科 2年)、野村 直輝さん(知能情報システム工学科 3年)

(2022年7月11日掲載)

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