市民公開講座「正しく知ろう・新型インフルエンザと鳥インフルエンザ」の開催について

市民大学講座「正しく知ろう・新型インフルエンザと鳥インフルエンザ」の開催についてのご案内です。

2011年6月6日

国立大学法人東京農工大学


日時 平成23年7月2日(土) 15時から17時(受付開始14時30分)
場所 東京農工大学農学部2号館2階21番教室
演題と講師
講演①「高病原性鳥インフルエンザ-いま何が起きているか-」
竹原 一明 東京農工大学大学院・農学研究院・獣医衛生学研究室 教授

1997年香港で、家きんから直接感染したと考えられる高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)ウイルス(H5N1)で人が亡くなりました。2003年以降、アジアを中心に同じ系統のウイルスによる人への感染と死亡が相次いでいます。2009年のブタ由来インフルエンザウイルス(H1N1)の流行騒ぎの後、日本のマスコミでH5N1はあまり目にしなくなりましたが、世界ではH5N1による人の感染と死亡は続いています。
去年10月には北海道で野鳥のカモの糞便からHPAIウイルス(H5N1)が分離され、健康な野鳥からHPAIウイルスが見つかった世界初の例となりました。鶏など家きんのHPAIは去年の11月から今年の3月までに9県23農場で発生し、約180万羽の鶏が殺処分されています。死亡や衰弱した野鳥からも今年3月までに14県でHPAIウイルス(H5N1)が検出されていて、このような多くの確認事例は国内初のことです。人への感染の恐れから、白鳥への餌付けの禁止や動物園の一時閉園のニュースなどを見た方も多いでしょう。
HPAIウイルスが国内の野鳥にまん延・定着しているのかどうか、今後の調査を待たなければなりませんが、これまで死んだ野鳥の多くは渡り鳥です。この秋からの渡り鳥のシーズンには養鶏業者はさらなる注意が必要となりますし、市民も正しい情報を得てパニックにならずに冷静に行動することが大切です。新型インフルエンザを含め、どう対応したらいいのかお話しします。

講演②「動物園における高病原性鳥インフルエンザ対策」
植田 美弥 横浜市立よこはま動物園ズーラシア 獣医師

よこはま動物園ズーラシアは、世界の希少動物を中心に展示しており、80種400点ほどの動物を飼育しています。そのうち鳥類は30種180点ほどであり、その中にはカンムリシロムクをはじめとした多くの絶滅危惧種が含まれています。動物園はこれらの鳥類を健康に飼育しながら、なおかつ、来園者になるべく見やすい形で展示しなくてはなくてはなりません。
横浜市では、横浜市立の3つの動物園に対して、「横浜市立動物園での高病原性鳥インフルエンザ防疫対策」を定めており、私たちはそれに従って対応しています。国全体では、ニワトリやアヒルなどの家きんには家畜伝染病予防法が適用され、野鳥には環境省が作成したマニュアルが用いられています。しかし、動物園で飼育されている動物については、法やマニュアルなど体系だったものは何もなく、その対応は、公立の場合は各自治体に、民間の動物園では個々の動物園に任されているのが現状です。今後は動物園水族館を支援するための所轄官庁の整備と法整備を期待するところです。今回は、よこはま動物園ズーラシアでどのような対策を行っているのかを紹介します。



◆本件に関する問い合わせ◆
東京農工大学同窓会獣医学部会事務局
TEL: 042-367-5769 e-mail: ms@cc.tuat.jp

※ 事前申し込みは不要です。当日直接、会場にお越しください。



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