2021年新年のご挨拶

2021年学長の年頭挨拶です。

令和3年1月1日
東京農工大学長 千葉 一裕

 新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 東京農工大学は昨年4月に新たな執行部体制となり、ここで掲げた学長ビジョンに基づく大学としての活動が始まりました。その一方で、ご存知の通り、新型コロナウイルスによる世界的な危機により、大学の全ての活動のあり方について教職員が一丸となって検証しながら、連綿と続く課題への迅速な対応に追われる毎日となりました。学生と教職員の安全確保を第一に考えつつ、在学生にとってかけがえのない大学生活の機会を最大限、有意義なものにするための関係者の努力は並大抵のものではありませんが、大学として最も大事なことは何かということをしっかり共有し、常に改善をしながら活動を進めて参りました。ご協力を頂いている学内外の皆様にはあらためまして心から感謝申し上げます。
 さて、本学はこれまで長きにわたり、持続発展可能な社会の実現—「地球をまわそう。」を理念に、農学、工学およびその融合領域における世界レベルの科学的探究を通じて未来を担う人材育成を推進しています。そのような中、今回のコロナ禍での経験は、これから本学が果たすべき役割を更にしっかり考え、次の明確な行動へと展開するための大きな教訓となりました。今起こっている感染症の問題も、真に人類が地球に与えてしまった過大なダメージから生み出されてきたものと考えるべきです。そしてこの地球は、窒素、リン、水などの循環や生物多様性に迫る危機、エネルギー問題など、元に戻すことが不可能に近いレベルに到達している事象が数多く発生しており、すでに「現実の問題」として我々人類に次々と襲いかかっています。本学の基盤である農学と工学はこの直面する課題をより深く、先見性を持って捉え、それを社会と共有し解決策を見いだしていくことを大きな使命とし、その役割の重要性をあらためて認識すべきであると考えます。
 今年は様々な意味でいつもとは違う新年を迎えましたが、そのような時だからこそ、これまで見過ごしてきたことを今一度振り返り、この一年に実践すべきことをしっかり考え、実行に移す年にしなければならないと思っています。是非とも皆様と共に力を合わせ、よりよい年にできるよう願っております。

 今年一年の皆様のご多幸を、心からお祈り申し上げます。

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