カイコの休眠を「先祖返り」させられることを発見!~ゲノム編集でカイコの休眠がクワコのように~

カイコの休眠を「先祖返り」させられることを発見!
~ゲノム編集でカイコの休眠がクワコのように~

 カイコは長い歴史の中で家畜化され,人為的に繁殖をコントロールしやすいように改良されてきました。その秘密は卵の時期に起こる「休眠」であり,温度条件を人為的に操作して休眠を制御することによって,カイコの繁殖サイクルを調節することが可能です。一方,野生のカイコ(クワコ)は,温度条件ではなく光によって休眠が誘導されることが知られています。同一祖先から生じたはずのカイコとクワコの休眠メカニズムの差は,どのようにして生まれたのでしょうか?国立大学法人信州大学繊維学部の塩見邦博 教授,国立大学法人東京農工大学大学院農学研究院の横山岳 准教授,自然科学研究機構生理学研究所の齋藤茂 助教(生命創成探究センター助教併任)らの研究グループは,ゲノム編集技術などを利用し,カイコがもつ温度センサーをノックアウト (KO) することにより,カイコの休眠が温度から光周期(日長)に依存して決定されるように変化することを発見しました。つまり,カイコは家畜化される過程で日長による制御よりも,温度による休眠制御が優位に立つように改良されてきたことが示唆されるのです。これは,昆虫をはじめとする生物の環境応答機構における分子機構の解明として貴重であるばかりか,カイコが家畜化された過程を探る上で非常に重要な研究成果です。本成果は,4 月 13 日付(イギリス現地時間)で Scientific Reports 電子版に掲載されました。

詳細は、以下をご参照ください。

関連リンク(別ウィンドウで開きます)

CONTACT