令和元年度連合農学研究科修了式告辞

令和元年度連合農学研究科修了式告辞です。

令和2年3月16日
東京農工大学長 大野 弘幸

  本日、東京農工大学大学院連合農学研究科博士課程を修了し、博士号を取得された皆さん、おめでとうございます。 教職員一同を代表し、心よりお祝い申し上げます。 新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっている今日、本日の修了式を挙行するにあたり、修了生の皆さんの安全を最優先してお祝いするために様々な角度から検討した結果、例年にない形で行うこととなりましたことをご理解下さい。
 令和元年度では、生物生産科学専攻14名、応用生命科学専攻1名、環境資源共生科学専攻11名、農業環境工学専攻7名、農林共生社会科学専攻2名、論文博士4名、合計39名の皆さんが、博士の学位を授与されました。長年にわたる努力の結果、素晴らしい成果を出し、本日、博士学位を取得した皆さんは大きな達成感に包まれていることでしょう。研究は予定通りに進むものではありません。幾多の困難があったと思います。予期しない問題が起こったり、考えに行き詰ったりしたと思います。しかし、皆さんはそれらの困難に打ち勝ちました。「よく頑張ったな」と自分を褒めて下さい。また、皆さんが本学で一生懸命学んでいた間、皆さんを支えて下さったご家族、友人、関係者の方々の暖かい愛情に対して、深く感謝して下さい。周囲に感謝する人がいると言うことは、とても幸せなことです。皆さんのこれまでの成長を支援して頂いた方々に、我々教職員一同も心から謝意と敬意を表しつつ、本日の晴れの日の大いなる喜びを分かち合いたいと思います。
 はじめに申し上げましたが、トンコレラや新型コロナウイルスによる疾病が世界的規模で流行しています。これらには獣医学の研究者が先頭を切って解決すべき課題が多くあります。このほかにも私たちの生活には農学分野の研究力を駆使して解決すべき問題が山積しています。是非、皆さんが大学院を修了した後も、その知識と経験を活かし、強い意志と共に、社会に貢献することを願っております。そして皆さんの活躍を見て後に続く意識の高い後輩が沢山増えることを、大学の教員の一人として心から願っております。
 さて、皆さんが在学中に得られたものは研究業績以外にもあります。友人や知人という大きな財産です。人的なネットワークは今後ますます重要・有用になって行くでしょう。これから様々な人たちの流れの中に入って行く皆さんにとって、気の置けない仲間は一生の宝です。皆さんは一人ではなく、集団の中で相互に刺激しあいながら個性を持って活躍して行くことでしょう。本学で知り合った友達を大切にすると共に、社会に出てもたくさんの友人・知人を作って下さい。皆さんが学んだこの連合農学研究科は名前の通り3大学が連携して教育・研究を行っています。それぞれに個性の異なる環境を提供し、皆さんをスケールの大きな博士として育てています。農学は基幹の学問であるばかりではなく、人類や地球そのものにとっても非常に重要です。食料や環境など、既に危機が迫っている問題、さらにはこれから起こるであろう様々な問題の多くは皆さんが主役となって解決すべきものです。私たちの地球を健全に保ち続けるために、これまで学んできたことを活かし、未解決の課題に挑戦することが皆さんに課された使命です。
 博士学位を取得し、本学を卒業してからも、東京農工大学は皆さんとの間により強い絆を保ち、お互いを刺激しあえるような関係を今後とも築くことができれば素晴らしいと思います。将来、皆さんが学園祭やホームカミングデーなどの機会に本学に戻ってきたとき、卒業後の活躍ぶりを聞かせて下さい。私たちも皆さんの母校として誇れる「心のふるさと」となれるよう、またいつでも皆さんを支援できるよう努力し続けます。東京農工大学の教職員は一丸となって協力し、世界の役に立ち、世界に認知される実力ある大学を目指して努力を続けてまいります。
 本日の学位授与を祝し、今後とも同窓会活動やそれぞれの仕事を通して、皆さんと本学との交流が有意義に深まることを願い、皆さんの今後のご健闘・ご活躍を心よりお祈りして、告辞と致します。

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