東京農工大学科学博物館「幻の製糸場を追え!勧工寮葵町製糸図面3D化プロジェクト」 近代製糸技術初期の繰糸器と製糸場の概観を復元

東京農工大学科学博物館「幻の製糸場を追え!勧工寮葵町製糸図面3D化プロジェクト」
近代製糸技術初期の繰糸器と製糸場の概観を復元

 クラウドファンディングの支援を受け、2019年4月から開始された勧工寮葵町製糸場図面3Ⅾ化プロジェクトの第1期、第2期が終了し、本学科学博物館の収蔵庫から発見した、同製糸場の約40点の図面を元に、製糸場の概観および繰糸器を、模型と映像により復元することに成功しました。
 今回、成果公開として模型・3D映像のプレ公開を行い、11月には企画展を開催する予定です。

 わが国の製糸技術発展の基は、明治3(1870)年に、スイス人C.ミュラーが、前橋製糸所へイタリア式の技術をもたらしたことにありますが、実物の繰糸器・製糸場は現存せず、手掛かりは築地製糸場の錦絵等、わずかしか残っていませんでした。
 勧工寮葵町製糸場は、同じくミュラーが指導したもので、明治6(1873)年に現在の港区虎ノ門付近で開業した官営2番目の製糸工場です。今回、図面を基に復元された映像を見ると、蒸気機関を用いたフランス式の富岡製糸場(明治5(1872)年開業)と対照的な、水車と竈を用いたイタリア式製糸場の様子がはっきりと分かります。
 今回は概観の復元に成功しましたが、今後さらなる図面の考証により、細部機構の実態が明らかになることが期待されます。

「勧工寮葵町製糸場3D映像のプレ公開動画」は  こちら(科学博物館WEBサイト) をご覧ください。

葵町製糸場図面(一部)
3Dデジタルデータを元に制作した勧工寮葵町製糸場模型
3Ⅾ復元映像

 

~模型・3D映像のプレ公開について~

勧工寮葵町製糸場の模型・3D映像のプレ公開を、ホームページおよびデジタル教育研究展示室で行う予定です。

ホームページでの映像公開(デジタル教育研究展示室映像をウェブ上で公開します。) NEW!

【期間】:2020年5月13日(水)~6月30日(火)
【掲載URL】:東京農工大学科学博物館ウェブサイト  

科学博物館デジタル教育研究展示室での公開(期間未定)

【期間】:臨時休館が開け次第、1週間程度公開予定(科学博物館は、当面の間、臨時休館しております)。決まり次第、科学博物館ウェブサイトでお知らせします。
【会場】:東京農工大学科学博物館 1階 デジタル教育研究展示室
【備考】:入館無料。開館後も「月曜・日曜・祝日」は休館(※休館日は変更の可能性があります。)

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、延期・中止の可能性があります。
詳しくは、東京農工大学科学博物館ホームページをご確認ください。

参考情報

 

 ◆本件に関する問い合わせ◆
東京農工大学科学博物館 特任助教
齊藤 有里加(さいとう ゆりか)
TEL:042-388-7161
E-mail:kahaku(ここに@を入れてください)cc.tuat.ac.jp
〒184-8588 東京都小金井市中町2-24-16
東京農工大学科学博物館ホームページ 

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