平成29年度連合農学研究科修了式告辞

平成29年度連合農学研究科修了式告辞です。

平成30年3月15日
東京農工大学長 大野 弘幸

 

 本日、東京農工大学大学院連合農学研究科博士課程を修了し、博士号を取得された皆さん、おめでとうございます。教職員一同を代表し、心よりお祝い申し上げます。
 平成29年度では、生物生産科学専攻16名、応用生命科学専攻7名、環境資源共生科学専攻10名、農業環境工学専攻2名、農林共生社会科学専攻1名、論文博士5名、計41名の皆さんが、博士の学位を授与されました。長年にわたる努力の結果、ようやく博士学位を取得し、皆さんは達成感に包まれていることでしょう。くじけずによく頑張ったな、と自分を褒めて下さい。ただ、自分を褒めてあげることも大切ですが、皆さんが本学で学んでいた間、皆さんを様々な形で支えて下さったご家族、友人、関係者の方々に対しても、深く感謝して下さい。周囲に感謝する人がいると言うことは、皆さんが沢山の人に支えられていることを意味しますから、これは実はとても幸せなことです。皆さんの成長を支援して頂いた方々に、我々教職員一同も心から謝意と敬意を表しつつ、本日の晴れの日の大いなる喜びを分かち合いたいと思います。
 本日は、学位取得のお祝いを述べておりますが、在学中に得られたものは研究業績以外にもあります。友人や知人がそれにあたります。人的なネットワークは今後ますます重要・有用になって行くでしょう。気の置けない仲間は一生の宝です。皆さんは一人ではなく、集団の中で相互に刺激されながら個性を持って活躍しているのです。化学の世界でも同じことが言えます。たとえば、水は分子量が18と極端に小さいのにもかかわらず、常温・常圧で液体です。これは水素結合などの分子間相互作用が複数作用しているためです。同程度の分子量を持つメタンは相互作用が極めて弱いため、常温・常圧では気体で、あっという間に拡散してしまいます。このように友人・知人と相互に影響を与えることのできるような生き方は皆さんの心を豊かにし、安心と共に様々な刺激を与えてくれると思います。社会に出てもたくさんの友人・知人を作って下さい。皆さんが学んだこの連合農学研究科は名前の通り3大学が連携して教育・研究を行っています。それぞれに個性の異なる環境を提供し、皆さんをスケールの大きな博士として育てています。農学は基幹の学問であるばかりではなく、人類や地球そのものにとっても非常に重要です。これから起こるであろう、あるいは既に危機が及んでいる問題の多くは皆さんが解決すべきものです。この地球環境を健全に保ち続けるために、これまで学んできたことを活かし、未解決の課題に挑戦することが皆さんに課された使命でしょう。
 卒業したら大学とは縁が切れてしまうのでしょうか?そんなことはありません。より強い絆を保ち、お互いを刺激しあえるような関係を築くことができれば素晴らしいと思います。将来、皆さんが学園祭やホームカミングデーなどの機会に本学に戻ってきたとき、卒業してからのことを聞かせて下さい。私たちも皆さんの母校として誇れる「心のふるさと」となれるよう、またいつでも皆さんを支援できるよう努力し続けます。東京農工大学の教職員が一丸となって協力し、世界の役に立ち、世界に認知される実力ある大学を目指して努力を続けてまいります。
 今後とも同窓会活動やそれぞれの仕事を通して、皆さんと本学との交流が有意義に深まることを願い、本日の学位授与を祝し、皆さんの今後のご健闘・ご活躍を心よりお祈りして、告辞と致します。

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