世界初のキャパシタ分野・産学連携イノベーション 「次世代キャパシタ研究センター」の寄贈を受けたことについて

世界初のキャパシタ分野・産学連携イノベーション「次世代キャパシタ研究センター」を日本ケミコン株式会社から寄贈されたことについてのご案内です。

2011年6月6日

国立大学法人東京農工大学


東京農工大学(学長:松永是、本部:東京都府中市)は、平成24年2月9日(木)、日本ケミコン株式会社(代表取締役社長 内山 郁夫、本社:東京都品川区大崎)から「次世代キャパシタ研究センター棟」の寄贈を受け、環境・エネルギー分野に重点化したイノベーション・コア施設として運用を開始しました。


<次世代キャパシタ研究センター>
所在地:東京都小金井市中町2-24-16 国立大学法人東京農工大学 小金井キャンパス内
建築面積:291.19㎡
延床面積:517.32㎡(地上2階)

この度寄贈を受けた本研究センターは、小金井キャンパス内に建設され、産学連携による次世代蓄電デバイスに用いられる電極材料の最先端研究施設として、次世代キャパシタや次世代二次電池などの構築デバイスに向けた高性能電極材料の研究を推進する施設です。本学、直井勝彦工学研究院教授と次世代キャパシタの共同開発・実用化を行ってきたキャパシタ関連のトップ企業である日本ケミコン株式会社により、今後、キャパシタ分野での産学連携体制をさらに強化し、国内外からの知を集約するとともに、本学における産学連携イノベーションのシンボルとして、世界的な研究拠点に強化・発展を目指しています。

本学と日本ケミコン株式会社は、2006年度に開設した日本ケミコン株式会社の寄付講座「キャパシタテクノロジー講座」を中核として、産学連携による次世代キャパシタの共同研究を進めてまいりました。以来6年間、有限会社ケー・アンド・ダブル(東京農工大発ベンチャー、2002年設立、代表者:直井 和子)が創出した革新的ナノ材料創製技術(超遠心ナノハイブリッド技術)を活用して、今までにない構造のナノマテリアルを続々と生み出し、キャパシタ電極のエネルギー密度を大幅に向上させるなど画期的な成果を挙げてきました。
このナノハイブリッド技術は、次世代キャパシタだけでなく、さまざまな二次電池用電極材料に応用が可能であることが、これまでの実験で実証されており、直井研究室と大学院工学府キャパシタテクノロジー講座は、平成21年3月に「大容量ナノハイブリッドキャパシタ(NHC)の開発」を記者発表、同研究室、同講座及び日本ケミコン株式会社が共同開発した次世代大容量キャパシタ「NHC」は、現在、サンプル出荷に向けて準備を進めています。さらに、平成22年4月に「カーボンナノチューブを使用したNHCにより世界最高のキャパシタ特性を達成」を記者発表し、平成22年5月にはカーボン内包型の特殊なナノ構造を持つオリビン型リン酸鉄正極を記者発表しており、これまでに無い世界最高レベルの出力特性やサイクル特性を達成し、エネルギー密度7倍を達成した第3世代「スーパーレドックスキャパシタ」へと進化しています。

次世代キャパシタの登場は、電気二重層キャパシタが開拓した既存市場に対してキャパシタの普及を加速するとともに、電気自動車、鉄道車両、太陽光・風力発電設備など、機器の省エネルギー化や自然エネルギーの有効活用を目的とした環境エネルギー分野において、新たな市場を創出する技術としても期待されています。
本研究センターの代表である本学工学研究院の直井勝彦教授は、グリーンデバイス「スーパーキャパシタ」分野の世界的権威であり、これまでスーパーキャパシタ・高性能蓄電デバイスの新分野において常に世界をリードする研究を展開しております。今後、本研究センターにおいて、次世代キャパシタ研究や高性能リチウムイオン電池を中心にオープンイノベーションを推進する予定です。また、色素増感太陽電池、燃料電池、ナノ触媒などの分野への新ナノ材料を適用、新展開を開始していきます。


◆本件に関するお問い合わせ◆
東京農工大学大学院 直井研究室
電話:042-388-7174

日本ケミコン株式会社 経営企画部広報グループ 宮川 尊
電話:03-5436-7711

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