2009年06月23日:サメが丸ごと化粧品原料や機能性食品に~皮・肉・軟骨を有効利用する技術開発に成功 化粧品原料や新食材として製品化~

サメが丸ごと化粧品原料や機能性食品に~皮・肉・軟骨を有効利用する技術開発に成功 化粧品原料や新食材として製品化~のご紹介です。

2009年6月23日
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
国立大学法人東京農工大学
株式会社ホソカワ粉体技術研究所
株式会社中華・高橋
農工大ティー・エル・オー株式会社


サメが丸ごと化粧品原料や機能性食品に
~皮・肉・軟骨を有効利用する技術開発に成功 化粧品原料や新食材として製品化~

東京農工大学の野村義宏准教授は、NEDOの助成により、サメの皮・肉・軟骨等も有効利用する技術開発に成功し、このほど共同研究企業の株式会社ホソカワ粉体技術研究所と株式会社中華・高橋から製品化されました。

野村准教授の開発したサメ特有のアンモニア臭の除去を安価に短時間で行う技術と、高品質の化粧品原料を 必要としていた株式会社ホソカワ粉体技術研究所、またフカヒレ以外のサメ由来新食材開発を目指していた株式会社中華・高橋の企業ニーズとを農工大ティー・エル・オー株式会社がマッチングし、これらの製品化に成功したものです。製品化に至るまでの概要は以下のとおりです。


1.概要
【研究開発の背景】
サメは、ヒレ(いわゆるフカヒレ)部分が高級食材として珍重されるものの、ヒレ以外の部分は利用が進まず、 特にマグロ漁で混獲された場合は、一般にヒレのみを残して海洋投棄されるなどの課題が存在していました。サメ・エイ類の年間水揚げ量はFAQ(国連食糧農業機関)の調査によると、2003年に約80万トンに達しており、動物性 タンパク質資源等としての有効活用技術が求められていました。しかし、ヒレ以外の部位については、特に独特のアンモニア臭を持つことが障害となって、サメの有効利用が進まない原因となっていました。

【研究開発と製品化】
野村准教授は、サメのヒレ以外の部位についての高付加価値化を目指して、サメ特有のアンモニア臭を除去する新たな方法についてNEDOの基礎研究助成のもと研究を重ね、2005年に電気透析および特殊な活性炭等を用いることでアンモニア臭の原因となっていたタンパク質を除去でき、有用なコラーゲンを大量、安価かつ短時間に抽出する基本技術を確立しました。この技術を利用した製品としては、コラーゲン含有健康食品が2005年に商品化されています。
今回、さらに高度な技術を求める企業のニーズを受けて共同研究(※)を進め、別添1および別添2の通り製品化に至ったものです。
※ 2006~2008年度イノベーション推進事業(大学発事業創出実用化研究開発事業)「サメの高付加価値化に関する研究開発」

2.NEDO事業内容について
イノベーション推進事業(大学発事業創出実用化研究開発事業)について
NEDO技術開発機構 研究開発推進部 イノベーション産学連携グループ
池田 幸夫、尾前二三雄、角田 哲啓
TEL 044-520-5175
FAX 044-520-5177
イノベーション推進事業(大学発事業創出実用化研究開発事業)

資料

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7月 3日 科学新聞

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