学長メッセージ

科学を基盤に人の価値を最大に

 今、大学の使命は大きく変化しています。研究活動を通じて得られる知識の集約が社会の中核に位置づけられる中、大学は常に外に目を見開き社会との直接的な繋がりの中で生み出す知と実践力によって、新たな課題解決に向けた行動へと発展して行かなければなりません。そのためには大学が、より質の高い教育、研究を実践すると共に、持続発展的に社会を動かす原動力となるよう、ますます進化することが大切です。

 東京農工大学は自律化を推進する国立大学としての信念と基盤をもち、知的に、社会的に、そして倫理的に人の価値をさらに大きく高める大学となり、国際社会、地域社会や他機関との連携の中で主体的に持続発展する道を拓きます。自由と多様性を尊重した学びと実践によって科学的探求を深化し、世の中の新しい変化に結びつけること、すなわち、あるべき次の世界を描き、その実現に向け自ら行動することによって、学生と教職員が輝き続けることが何よりも大事です。学生の創造力と好奇心に火をつけ、科学、テクノロジー、および事業の世界で活躍するための力を身につけることができる大学であり続けることを、本学の重要な存在意義として位置づけます。

 教育活動においては学生の論理的思考力の基盤構築と創造性を刺激する講義、実験、実習教育を行い、その中で新たな考えや価値を創出し、他者の個性を敬い自らの独創性を発揮するための基礎力を養います。公益性、透明性、国際性、倫理観を基盤とした知の共有化と、人の大切さを軸とした価値判断、信頼、承認、自己制御の力、持続する力と共に熱意と勇気を持った、スケールの大きな人となることを大学教育として目指します。
また、研究活動では自らの存在意義を確固たるものにしながら、自発的かつ創造的な活動を進めようという内発的動機を駆動力として、独創性に優れた成果に繋げます。競争環境に置かれる研究の世界においても、常にこの精神的な高揚に基づく知の生産活動を力強く進めることが真の研究大学への道となると考えています。また産業界や公的機関との連携研究においても、将来の社会の姿はどうあるべきかという課題を共にする真のパートナーとなり、共有された目標の下でその活動を推進する必要があります。

 社会と共に大きな目標を一致させた創造的な活動こそ、大学が責任をもって教育と研究を通じて未来に向けてどれだけ大きな役割を果たせるかの試金石となるものと考えています。

 

東京農工大学長  千葉 一裕

学長ビジョン

学長ビジョンのご紹介です。

飛躍する農工大~本学の機能強化を推進する取組~

本学の機能強化の取組のご紹介です。

学長コラム

千葉一裕学長が、取り組みや展望について綴ります。

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