海鳥が食べたプラスチック片から添加剤を検出

研究成果のポイント

  • 海鳥が食べていたプラスチック片から、紫外線吸収剤や臭素系難燃剤などの添加剤が検出された。
  • プラスチックから添加剤が移行して、海鳥の体内に蓄積することはすでに確認されており、今回の結果と併せて、食べたプラスチックから溶出した添加剤が、海鳥の体内に蓄積する実態が明らかとなった。
  • 仮に海鳥が15個のプラスチック片を食べると、添加剤が体内に蓄積する確率は73%となることがわかった。

 国立大学法人東京農工大学大学院農学研究院物質循環環境科学部門の高田秀重教授をはじめとする国際研究グループは、海鳥(北大西洋フェロー諸島のフルマカモメと小笠原諸島のクロアシアホウドリならびにコアホウドリ)が摂食していたプラスチック片やプラスチックペレット194個一粒一粒について、添加剤の有無と種類の分析を行いました。その結果、4種の紫外線吸収剤と2種の臭素系難燃剤がそれぞれ4.6%、2.1%の検出頻度で検出されました(100粒調べた場合、それぞれおよそ5粒、2粒から検出されるという意味)。プラスチックの中には、機能の向上のため多種類の添加剤が少量配合されることがあります。高田教授らはこれまでに、海鳥が添加剤入りのプラスチックを摂食すると、添加剤がプラスチックから溶け出し、海鳥の脂肪や肝臓に蓄積することを確認しています。
 今回の結果と併せると、海鳥が1羽当たり15個のプラスチック片を摂食すると、73%の確率で体組織中に何らかのプラスチック添加剤が蓄積することになります(4羽調べると3羽から添加剤が検出)。
1羽当たり15個というのは今回調査した海鳥で実際に検出されている数です。そして、この数が2倍(1羽当たり30個)になると、添加剤の蓄積確率は90%になります。

本研究成果は、Marine Pollution Bulletin(2019年5月18日付)に掲載されました。
タイトル:Piece-by-piece analysis of additives and manufacturing byproducts in plastics ingested by seabirds: Implication for risk of exposure to seabirds.
URL:https://doi.org/10.1016/j.marpolbul.2019.05.028

研究体制 :本研究は、東京農工大学大学院農学研究院の高田秀重教授、オランダ・ワーヘニンゲン大学海洋研究所のJan Andries Van Franeker博士、山階鳥類研究所の出口智広博士(現在、兵庫県立大学大学院)らの研究グループにより行われました。本研究はJSPS科研費14J08120,16H01768の助成を受けたものです。

図.海鳥から検出されるプラスチック片(マス目は5ミリメートル)の例。

◆研究に関する問い合わせ◆
東京農工大学大学院農学研究院
物質環境循環環境科学部門 教授
高田 秀重(たかだ ひでしげ)
TEL/FAX:042-367-5825/042-360-8264
E-mail:shige(ここに@を入れてください)cc.tuat.ac.jp


兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科 准教授
(併任)兵庫県立コウノトリの里公園 主任研究員
出口 智広(でぐち ともひろ)
TEL:0796-34-6079 
E-mail:deguchi(ここに@を入れてください)rrm.u-hyogo.ac.jp

プレスリリース(PDF:186KB)

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