~植物栽培に適した「多糖ハイドロゲル」の素材・特性を探求〜『未来のスーパー科学者養成EPOCHプログラム』受講の中学生が第61回日本学生科学賞で『環境大臣賞』を受賞

〜植物栽培に適した「多糖ハイドロゲル」の素材・特性を探求〜
『未来のスーパー科学者養成EPOCHプログラム』受講の中学生が第61回日本学生科学賞で『環境大臣賞』を受賞

受賞者の岸田さん(左)と指導した東京農工大学大学院工学研究院 有機材料化学科 渡辺敏行教授(右)

 国立大学法人東京農工大学の中学生向け教育プログラム「未来のスーパー科学者養成EPOCH(エポック)プログラム」の受講生である岸田彩花さん(武蔵野市立第二中学校3年生)が、プログラム中の自由研究課題「人工イクラで植物を育てるには?多糖ハイドロゲルでの植物栽培について」に対して、第61回日本学生科学賞中央表彰式において約7万件の応募作品の中から『環境大臣賞』を受賞しました。日本学生科学賞は、中学生、高校生を対象にした歴史と伝統のある科学コンクールで、『環境大臣賞』には中学・高校から各1点が選ばれます。本学では、今後も科学教育を通じた地域貢献に取り組んで参ります。

自由研究課題の内容
土ではなくゲル状の培地に植物を植えることで、水の少ない環境でも安定して植物を栽培することが可能になると考えられています。岸田さんは、植物の栽培により適した培地の素材の探求に取り組みました。実験では、何種類かの金属塩を用いた「多糖ハイドロゲル」を培地として作成し、それぞれについて「植物の根の張りやすさ」「植物の茎の成長」を調べました。結果として、「塩化カルシウム」を用いた培地で最も植物が成長し、その原因として培地の固さ(弾性率)や防カビ性が適切であったことを見出しました。

岸田さんの発表ポスターから、茎と根の長さの測定グラフ。同一の環境で複数の植物を育て、2ヶ月以上にわたって茎と根の長さの観察を続けました。

受賞のポイント
実験の工夫として、ていねいに実験の環境を揃えたこと、何度か同じ実験を繰り返すことで、再現性と環境要因の分離を試みたこと、根の張りやすさの画像解析(フラクタル解析)を行ったことが重要でした。

一部の専門的な測定と助言を除き、岸田さんは実験・観察のほとんどは自宅で実施しています。2ヶ月間にわたり、毎日植物の根と茎の成長を観察するという根気の必要な実験を、岸田さんは4回繰り返しました。
ていねいな実験と記録の積み重ね、そして「水の少ない環境でいかに植物を育てるか」という明確な問題意識が、今回の実験への高い評価に繋がったと考えられます。

未来のスーパー科学者養成EPOCHプログラムについて
大学の研究・教育リソースを用い、地域の中学生に理科教育を施すプログラムであり、東京農工大学と多摩六都科学館の共催で実施しています。2015年度に17名の受講生が共通の実験・講義プログラムを受講し、2016年度・2017年度には希望者が自由研究課題に取り組みました。
  

◆本賞の受賞に関する問い合わせ◆
東京農工大学大学院工学研究院 有機材料化学科 教授
  渡辺 敏行(わたなべ としゆき)
 TEL/FAX:042-388-7289
 E-mail: toshi(ここに@を入れてください)cc.tuat.ac.jp

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