柔らかい小さな分子を組み立てて巨大環状構造を構築することに成功~人工タンパク質の創出にむけた第一歩~

柔らかい小さな分子を組み立てて巨大環状構造を構築することに成功
~人工タンパク質の創出にむけた第一歩~

 [発表者]

・三宅 亮介 お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系 講師
・村岡 貴博 東京農工大学大学院グローバルイノベーション研究院
(大学院工学研究院応用化学部門) 准教授

 [ポイント] 

  • 柔らかい小さな分子を使って、タンパク質に匹敵する巨大空間を作ることに成功した。
  • 全く同じ分子から、わずかな条件の違いを認識して10倍以上大きさの異なる数種類の空間形成が可能である。
  • 生体の効率的な分子輸送や物質貯蔵、正確な環境応答性のキーとなる柔軟な巨大空間形成を通じて、これまで困難であった省エネルギー・高効率な人工のタンパク質とも言うべき分子システムへの展開が期待できる。

[概略]

今回、人工的にデザインしたペプチドを用いて、網目構造を形成することによって、柔軟な分子から巨大な空間を持つ分子集合体の構築に成功しました。タンパク質などの生体物質は、わずかな環境の違いを認識して物質を運搬・貯蔵するなど、究極の省エネルギー・高効率な分子システムを構築しています。タンパク質では、一分子または分子集合体によってこれらの高度な機能を示す空間が作られており、その高い効率性や正確性の発現には、柔軟な骨格に起因した空間の運動や、複数の空間同士の連動が重要な役割を果たしています。したがって、生体に匹敵するこれら機能を持つ材料の創成に向けて、生体に見られるような柔軟な骨格からなる空間を構築することは重要であると考えられます。しかし、柔軟な骨格は潰れやすく、大きな空間を組み上げることは非常に困難でした。本方法では、金属配位結合と水素結合で柔らかい骨格の形状をコントロールすることで、とても柔軟な構造を持つ(決まった形を取らない)ペプチド分子から、様々なサイズの空間構造を(巨大な構造から小さな構造まで)作ることができました。このことから目的に応じて空間を自在にデザインすることも期待できます。したがって、本研究成果は、分子集合体における様々な柔軟な空間の形成を通じ、高い効率性や省エネルギー性を示す複合機能を持つ様々な新規物質(人工のタンパク質)の創出への展開が期待できます。

詳細は、以下をご参照ください。

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