2026年新年のご挨拶

2026年学長の年頭挨拶です。

令和8年1月1日
東京農工大学長 千葉 一裕

 新年明けましておめでとうございます。
 令和8年、2026年を皆様と共に、気持ちも新たに迎えることができましたことを、心よりお慶び申し上げます。そして旧年中、本学を支えてくださった学生・教職員の皆さん、地域、産業界、行政、国際パートナーの皆さまに、心から感謝申し上げます。

 2025年は、世界が大きな変化と不確実性に揺れた一年でした。しかしその中で、私たち東京農工大学の存在意義と、未来に向けた使命は、かえって一層鮮明になったと感じています。

 みなさんもご承知のとおり、東京農工大学は、自然と産業、社会とをつなぐ大学として150年の歩みを重ねてきました。いま、気候変動、食料安全保障、エネルギー転換、そしてAIの急速な進展など、世界は複雑な課題に直面しています。こうした課題の解決には、分野横断の知と新しい価値創造が不可欠です。本学が掲げる「農学と工学」の融合は、まさにこの時代の核心を担っています。自然資本を正しく理解し、その大切さを共有すると共に、そこから生み出される価値を科学技術によって引き出し、社会に還元していくこと。これこそが、東京農工大学が日本と世界に貢献できる最も重要な道だと確信しています。

 昨年、本学では“未来価値を創造する研究大学”をめざし、多くの取り組みが始まりました。カーボンニュートラル、エネルギー、ロボティクス、AI、ライフサイエンスなどに関連する分野での尖端研究の加速。スマート農業の実証、森林やバイオマスの活用、国際的な食料供給モデルの構築。産業界や自治体と連携した新しい研究・教育拠点の形成。そして学士から博士に至る人材育成の抜本的な強化。これらは単なる研究テーマの集合ではありません。日本の未来を支える基盤を再設計し、次世代の社会を形づくる挑戦です。学生の皆さんには、学びの境界を越え、社会に飛び出し、新しい価値を生み出す“世界の実践者”として成長していくことを期待しています。

 いま世界では、「自然資本」や「ネイチャーポジティブ」への転換が急速に進みつつあります。森林、水、土壌、生態系を、単なる資源ではなく価値として捉え、産業や金融と接続する——東京農工大学は、この分野で日本を牽引する大学であるべきだと考えています。地域連携、国際協力、企業との共創を通じて、本学から新しい社会モデルを発信し、持続可能で豊かな未来をともにつくっていきます。

 2026年、東京農工大学は「より一層の構想力と実行力をもつ大学」へと一段高く踏み出します。多様性と創造性に満ちたキャンパスの形成はその基盤であり、未来を恐れるのではなく、未来を自ら創りに行く大学として取り組んで行きます。

 新しい年が、本学に関わるすべての皆さまにとって、希望と挑戦に満ちた一年となることを願っています。
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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