日本初、スマートコンタクトレンズに関するコンソーシアムを設立

日本初、スマートコンタクトレンズに関するコンソーシアムを設立

 国立大学法人東京農工大学大学院工学研究院先端電気電子部門の高木康博教授は、これまでにホログラフィー技術を用いたコンタクトレンズディスプレイを提案し1)、2024年度から本技術の研究開発を行う産学連携プロジェクトを開始しています2)
 この度、スマートコンタクトレンズ技術の社会実装に向けたコンソーシアムを設立しました。本コンソーシアムでは、AR・メタバースに加え、ヘルスモニタリングや診断・治療等に用いるスマートコンタクトレンズ全般を対象としています。
 スマートコンタクトレンズは、スマートフォンに次ぐ技術として期待されており、国内外の大学や企業で研究開発が開始されています。しかし、これまで、日本国内にはこの分野に特化したコンソーシアムが存在していませんでした。今回、『スマートコンタクトレンズコンソーシアム』を設立することにより、国内技術力の向上、新産業の創生、国際競争力の強化への貢献を目指しています。今後参画機関を募集し、2026年4月にコンソーシアム活動を開始する予定です。
*参考プレスリリース
1) ホログラフィック・コンタクトレンズディスプレイの開発〜究極のAR用ディスプレイが実現へ〜(2021年3月23日リリース)
https://www.tuat.ac.jp/outline/disclosure/pressrelease/2020/20210323_04.html
2) 「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))」のNICT事業に採択 〜ホログラフィックコンタクトレンズディスプレイを実現する革新的基盤技術の開発〜(2024年4月15日リリース)
https://www.tuat.ac.jp/outline/disclosure/pressrelease/2024/20240415_01.html

【コンソーシアム設立の背景】
 近年、情報表示や健康管理などの機能を持つスマートコンタクトレンズが、次世代技術として世界的に注目されています。
 海外では、UAEのスタートアップ「XPANCEO」が約2億5,000万ドル、米国の「Mojo Vision」が約7,500万ドルの資金を調達するなど、技術開発と事業化が急速に進んでいます。世界市場は2030年には約1.3兆円規模に達すると予測されており幅広い分野での活用が期待されています。
 また、国際的にも国際電気標準会議(IEC)のTC110/WG12アイウェア・ディスプレイ・グループでコンタクトレンズディスプレイの標準化作業が開始されています。
 一方、日本国内では、約3人に1人がコンタクトレンズを使用しており、特に女性や若年層に多く使われています。
【コンソーシアム設立の趣旨】
 本コンソーシアムは、次世代の携帯型情報機器としてスマートコンタクトレンズの実現に関心が集まっている状況を背景に、①スマートコンタクトレンズの研究開発の促進、②スマートコンタクトレンズの普及、③スマートコンタクトレンズに係わる業界標準の策定等の活動を行うことで、人々の豊かな生活を実現し、AI、情報通信、電気電子、医療・福祉など関連した産業分野の高度化を可能にすることを目的とします。

【関連する産業分野】
〇製造:コンタクトレンズ、電子部品、ディスプレイ、半導体、光学部品、薄膜、材料、電池、フレキシブル材料など
〇サービス:VR・AR、メタバース、AI、モバイル通信、情報通信、コンテンツ、ゲーム、アプリ、娯楽など
〇医療:医療機器、スポーツ、ヘルスケア、リハビリなど

【活動内容】
最新動向調査、業界標準化検討、情報発信、展示会出展、勉強会、講演会、現場見学、会員間のリエゾン等

【初期参画機関】
東京農工大学、徳島大学、早稲田大学、株式会社シード、株式会社メニコン、シチズンファインデバイス株式会社、トヨタ自動車株式会社、株式会社ロボット、伊藤光学工業株式会社、Sensimed SA、山口大学医学部眼科学(2025年10月現在)

【今後の予定】
2025年10月 コンソーシアム発足、参画機関(大学等(非営利)、企業)の募集開始
2026年 4月 コンソーシアム活動開始


  ◆本件に関する問い合わせ◆
  東京農工大学 スマートコンタクトレンズコンソーシアム事務局(工学部・高木康博研究室内) 
  Email:smartcl(ここに@を入れてください)m2.tuat.ac.jp
  ホームページ:https://smartcl.org/

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