• 共同獣医学科 Cooperative Department of Veterinary Medicine
  • 共同獣医学専攻 Cooperative Division of Veterinary Sciences

臨床獣医学

臨床獣医学教育では、各種動物の疾病の発生機序および病態を把握する能力を啓発し、的確な診断、治療および予防を実現する能力を涵養する。実践的参加型臨床実習により、高度化する小動物獣医療に必要な知識・技術と共に、畜産振興と食の安全を両立させるための大動物獣医療に必要な知識・技術を身につける。

内科学総論

獣医学領域における診療の進め方の全体像を理解する。その中で、総論部分においては、問診、身体検査、診療記録、説明と同意、臨床検査、画像診断といった項目に関する基本的な概念を理解した上で、それらを論理的に組み立てて診療を進めるための実際的な考え方と知識を習得する。

皮膚病学・内分泌代謝病学

内分泌病・皮膚病学

生体内細胞が細胞外に分泌する化学伝達物質であるホルモンの作用と、そのホルモンによる生体内の代謝変化を理解し、ホルモン異常による病態(亢進症・低下症)の診断法と治療法を習得する。さらに、内分泌性疾患とも密接な関連性を有する皮膚病について、皮膚の正常な構造と機能を十分に理解したうえで、その病因、病態生理、症候、診断法および治療法を学ぶ。

代謝病・中毒学

食品、薬品、化学物質、農薬、殺虫剤、殺鼠剤など各種の中毒物質に起因する疾患、ならびにエネルギー代謝、蛋白質代謝、糖質代謝、脂肪代謝、水電解質代謝など物質代謝が障害されることによって起こる疾患(代謝病)の病態生理、症候、診断法および治療法を学ぶ。

血液免疫病学

正常な造血機構を十分に理解した上で、赤血球、白血球および血小板が増加あるいは減少する機構について学び、各種血液疾患に関する臨床的な考え方と対応法を習得する。

呼吸器病・循環器病学

獣医学が対象とする動物(主に犬、猫)の呼吸器系および循環器系の正常な構造と機能を理解した上で、主な呼吸器系疾患と循環器系疾患の病因、病態生理、症候、診断法および治療法(内科的・外科的)を学ぶ。

 

消化器病学

歯牙も含め口腔から肛門にいたる消化器系の全領域について、その正常な構造と機能を理解した上で、各種消化器系疾患の病因、病態生理、症候、診断法および治療法(内科的・外科的)を学ぶ。

 

外科学総論

外科的疾患に対する診断と治療の基礎を横断的に理解するために、外科的侵襲、損傷、創傷治癒、ショック、出血・止血、周術期の輸液や栄養管理、理学療法などに関する基本的な知識を習得する。

麻酔学・手術学

手術を実施する上で必要な理論と実践に関する基本的な知識、技能および態度を身につけるために、手術の方法と技術論について包括的に学習する。さらに、麻酔学では麻酔・疼痛管理および心肺脳蘇生・集中治療の基礎理論を学ぶ。

 

軟部組織外科学

小動物の軟部組織・臓器における外科疾患について、病因、病態、症候、診断法および外科的治療法を理解する。

神経病・運動器病学

神経系疾患の診断手法を理解し、基本的技能を身につけるために、主要な神経疾患について病因、病態生理、症候、診断法および治療法を学ぶ。また、神経系疾患とも密接な関連性を有する運動器病について、筋骨格系の正常な構造と機能を十分に理解したうえで、その病因、病態生理、症候、診断および治療についての基礎的な知識と技術を習得する。

 

泌尿器病・生殖器病学

泌尿・生殖器系の構造と機能を理解し、主な泌尿器病および生殖器病の病因、病態生理、症候、診断と治療(内科的・外科的)に関する知識を学ぶ。 

 

小動物内科学実習

小動物内科学実習・基礎編

内科学的な診断法と治療法に関する基礎的な手技・技術を習得する。

小動物内科学実習・応用編

基礎編で習得した手技・技術を実践可能なレベルにまで高める。

小動物外科学実習

小動物外科学実習・基礎編

外科学的な診断法と治療法に関する基礎的な手技・技術を習得する。

小動物外科学実習・応用編

基礎編で習得した手技・技術を実践可能なレベルにまで高める。

臨床病理学

動物の生体試料を用いて様々な検査を実施し、それらの検査で得られた情報を解釈して、疾患について適切な診断、治療、予後判定を行う能力の獲得を目指す。そのために、臨床診断に用いる様々な臨床検査の原理、方法、ならびに意義を理解・習得する。さらに、検査結果を総合的に解釈し、診断・治療・予後判定に結びつける方法を習得する。

臨床薬理学

薬物治療を行う際に必要となる医薬品の基礎知識を学び、投薬方法の根拠となる薬物動態学の理論、投薬後に現れる効果や副作用を理解する。これらの事項に関わる獣医学領域の特殊性を、特に比較生物学的な立場から理解する。また、産業動物における疾病治療を含めた医薬品の使用方法と残留について理解する。

臨床腫瘍学

動物に発生する各種の腫瘍疾患に対して適切な診断と治療を施すために、腫瘍に関する生物学的および臨床病理学的な基礎知識、診断法、治療法、予防法について理解する。

眼科学

眼・視覚器系の構造と生理・機能を理解し、視覚機能に障害をおよぼす眼科(眼・視覚系)疾患の病因・病態、臨床徴候、診断(介助・補助犬の正確な視覚機能検査実施能力も含む)、治療(視覚機能維持、もしくは視覚機能を維持できないまでも良好な生活の質を確保することを目的とした内科・薬物療法と外科療法)、予後判定、予防法を理解する。

臨床栄養学

健常小動物の栄養学的な健康管理法をベースとして、罹病小動物の各種疾患時における栄養補助や病態の悪化防止を目途とした栄養管理法について理解する。

動物行動治療学

「行動治療学」は比較的新しい学問領域であるが、これまで動物の身体的健康に主眼が置かれてきた臨床獣医学においては、動物の心身の健康を維持・増進するという観点から、今後ますます重要性が増すことが予想される。「行動治療学」について、その基本的な概念、すなわち、問題行動の定義、種類、特徴、病因、病態生理、危険因子、症状、診断方法、治療方法、フォローアップ方法などを体系的に理解し、臨床に応用する能力を培う。

画像診断学

獣医臨床において用いられる各種画像診断法の基本原理を学び、それぞれの画像診断法の特性を把握した上で、各種疾患に対する具体的な臨床応用方法について理解する。さらに獣医臨床において重要かつ代表的な疾患の画像上の特徴を学習する。

画像診断学実習

放射線の発生、測定、生物への影響を理解し、放射線と放射性同位元素を安全かつ有効に利用する能力を養う。また、獣医臨床において用いられる各種画像診断法の基礎原理とそれぞれの画像診断法の特性を理解するとともに、主要疾患の画像診断に関する知識と技術を習得する。

臨床繁殖学

繁殖機能制御学

動物の繁殖に関わる生理学を体系的に学び、代表的な動物の発情周期、妊娠、分娩および産褥の過程を理解する。また、動物の生殖機能を人為的に調節する方法についても学習する。

臨床繁殖学

動物の繁殖障害、妊娠期の異常、分娩時の異常、産褥期の異常、泌乳および乳房の疾患の原因、診断、治療および予防法を理解する。

臨床繁殖学実習

繁殖機能制御学実習

動物の各種生殖器検査の基本的手技を学び、発情診断、妊娠診断、人工授精、胚移植および各種関連技術を実践する。

臨床繁殖学実習

動物の繁殖障害および産科疾患に対する診断方法と治療方法ならびに生殖制御法を学び、実践する。群としての動物の繁殖管理方法を学ぶ。

産業動物臨床学

産業動物内科学

産業動物臨床の基本事項と特性,産業動物における各種内科疾患の病態,原因、診断法および治療法を理解し,疾病予防と生産性の向上に必要な予防法について学ぶ。

産業動物外科学

産業動物における各種外科疾患の病態,原因,診断法および治療法を学ぶ。

馬臨床学

動物としての馬の特徴を理解し、競走馬・乗馬・コンパニオンアニマルとしての馬について知り、馬を取り扱う技術、馬特有の疾患について原因・症状・診断法・治療法・予後に関する知識を学ぶ。

大動物臨床実習

大動物臨床実習・基礎編

大動物の健康情報を収集・診断するための基本的手技を習得する。

大動物臨床実習・応用編

大動物の内科ならびに外科疾患に対する処置ならびに治療法について学ぶ。

総合参加型臨床実習

実際の診療技能と臨床的知識を身につけることを最終目標に、主に双方向授業によりコミュニケーションスキル、チーム医療、インフォームドコンセント、医療の安全性確保等の重要性について十分に理解する。さらに模擬症例を用いて問題志向型システム(POS)にそった診療法を理解し実践できるようになった上で、教員の同伴もしくは指導下で臨床例に対する診療行為を実践する。