• 共同獣医学科 Cooperative Department of Veterinary Medicine
  • 共同獣医学専攻 Cooperative Division of Veterinary Sciences

教員組織

教員組織の編成

共同獣医学専攻の教育課程を担当する教員組織は、各専任教員のほかに国際家畜感染症防疫研究教育センター(東京農工大学)、動物医療センター(東京農工大学)、動物医学食品安全教育研究センター(岩手大学)および動物病院(岩手大学)の教員も大学院の専任教員として参画します。また、東京農工大学と岩手大学が連携する機関からも客員教員として教員組織に加わります。専任教員については、平成30年4月の開設時は東京農工大学29名、岩手大学23名の合計52名で編成します。客員教員は東京農工大学2名、岩手大学1名の合計3名を予定しており、各大学ともに研究・教育指導に十分な教員数を確保しています。

岩手大学および東京農工大学の共同獣医学科は、東京農工大学、岩手大学ともに基礎獣医学講座、病態獣医学講座、応用獣医学講座、臨床獣医学講座の4講座により組織されていいます。本共同獣医学専攻ではこれらを再編して「動物基礎医学講座」(教員数18名)、「獣医衛生科学講座」(教員18名)、「獣医臨床医科学講座」(教員数19名)の3講座を設置します。

さらに、各講座には2つの教育・研究分野を設置します。「動物基礎医学講座」には形態機能学および機能制御学に関する教育・研究分野を置き、共同獣医学科における基礎獣医学講座および病態獣医学講座を中心として組織します。「獣医衛生科学講座」には動物衛生学および獣医公衆衛生学に関する教育・研究分野を置き、共同獣医学科における応用獣医学講座の教員を専門によって配置します。また、「獣医臨床医科学講座」は産業動物臨床医科学および伴侶動物臨床医科学に関する教育・研究分野として、共同獣医学科における臨床獣医学講座から組織します。

共同獣医学専攻の講座編成と予定教員数(開設時)

講座 教育・研究分野 東京農工大学 岩手大学 合計
大学 連携 大学 連携
動物基礎医学 形態機能学 4
5
18
機能制御学 5
4
獣医衛生科学 動物衛生学 7
4 1 18
獣医公衆衛生学 3 2 1
獣医臨床医科学 産業動物臨床医科学 1
3
19
伴侶動物臨床医科学 9
6
合計 29 2 23 1 55

以上のように、共同獣医学科の講座編成を基盤として構築した組織体制で3講座6教育・研究分野を構築することによって、共同獣医学科からの教育の連接性を担保した組織を構築します。

岐阜大学大学院連合獣医学研究科での教育システムの最大のメリットは、各大学の教員を集約して多様な教員の授業や研究指導を提供することにありました。連合獣医から共同獣医としての専攻設置に伴って、大学連携の枠組が変更されますが、岐阜大学や帯広畜産大学との授業連携や学位審査の協力体制はこれを維持します。新たな連携により地域に根ざした各大学の特色がさらに発揮されて、多様な人材(ニーズ)に対応できる教育システムを構築することが可能になることから、獣医学分野の教育の質は確保できるものと考えられます。さらに、自大学の学生となることから、東京農工大学および岩手大学が持つ独自の教育プログラムに参加させることも可能となり、獣医学博士課程教育においても各大学の特徴的な教育を実現することができます。

なお、共同獣医学専攻では、岐阜大学大学院連合獣医学研究科の4講座制の実績を踏まえて、東京農工大学と岩手大学の特徴をより活かすための3講座を設置します。獣医公衆衛生学分野においては連携機関と協力することによって、また、産業動物臨床医科学分野においては関連する動物基礎医学講座および獣医衛生科学講座のサポートによって、教育体制の充実を図り、高い教育水準を担保するものとします。

教員組織の基本的な考え方

共同獣医学専攻では、以下の人材を育成することとしています。

  1. 獣医学の基盤を担う動物基礎医学に関する高度な専門知識と研究能力を備えた人材
  2. 動物衛生および公衆衛生に関する高度な専門知識と研究能力を備えた人材
  3. 産業動物および伴侶動物の獣医療に関する高度な専門知識と研究能力を備えた人材

3講座体制は、これら3つの人材養成に対応するものです。動物基礎医学講座では、獣医衛生科学および科学の基盤となる基礎獣医学に関する高度かつ最新の教育研究指導を行います。獣医衛生科学講座では、動物衛生学および獣医公衆衛生学に関する高度かつ実践的な最新の教育研究指導を行います。獣医臨床医科学講座では、診断治療に関する高度かつ実践的な最新の教育研究指導を行います。
なお、各講座とも2つの教育・研究分野を置き、下の表に示す内容の教育と研究指導に当たるものとします。

講座名 教育・研究分野 教育研究指導内容
動物基礎医学 形態機能学 動物の解剖・生理に関する高度基礎獣医学的研究
機能制御学 動物の病態に関する高度基礎獣医学的研究
獣医衛生科学 動物衛生学 家畜感染症と家畜衛生に関する高度応用獣医学的研究
獣医公衆衛生学 獣医公衆衛生学に関する高度応用獣医学的研究
獣医臨床医科学 産業動物臨床医科学 産業動物における高度動物臨床医科学的研究
伴侶動物臨床医科学 伴侶動物における高度動物臨床医科学的研究

本共同獣医学専攻では、連携機関の参加により教育体制をさらに強固なものとします。東京農工大学では国立感染症研究所の客員教員によって、岩手大学では農業・食品産業技術総合研究機構の客員教員によって、獣医衛生科学講座の教育研究機能の強化を行います。連携機関の客員教員は学生の研究指導のほか、実践的な教育として先端実践科目における実地教育を担当します。

教員組織の特色

本共同獣医学専攻では、岩手大学共同獣医学科と東京農工大学共同獣医学科を基盤として、両大学の持つ4つの附属施設と連携機関の参加によって、内容、人員共にバランスの取れた3講座体制を実現しています。

動物基礎医学講座では、学部での基礎獣医学講座と病態獣医学講座を有機的に結び付け、基本的な機能形態から病態までをカバーしています。特に産業動物臨床分野、あるいは公衆衛生および家畜衛生分野を基盤とした研究分野を専門とする多数の教員から構成されていることから、共同獣医学専攻としてまさに獣医衛生科学および獣医臨床医科学を基礎として支えることになります。

獣医衛生科学講座では、東北地域フィールドを中心として、国際家畜感染症防疫研究教育センター(東京農工大学)、動物医学食品安全教育研究センター(岩手大学)および諸連携機関の協力を得て家畜衛生や公衆衛生の諸問題を研究する体制を整えています。両大学の所属する専任教員に加えて、連携機関から同分野を専門とする教員が参画することによって東日本全体で同分野に取り組む仕組みを構築し、教育研究体制を充実させます。
獣医臨床医科学講座では、動物医療センター(東京農工大学)、動物病院(岩手大学)を組織に取り入れて、首都圏と東北地域の臨床現場を強く意識した教育研究体制を構築しています。特に産業動物臨床医科学分野に関して、本共同獣医学専攻では動物基礎医学講座と獣医衛生科学講座に産業動物を通じた公衆衛生、家畜衛生に関連した研究を実践する教員が多く存在し、講座間の密接な連携により教育研究を遂行します。

また、産業動物臨床医科学分野と伴侶動物臨床医科学分野の教員との研究協力連携によって、従来の生産性を重視した産業動物臨床に加えて、伴侶動物において実践されている治療を目指した高度獣医療の産業動物への応用が取り組まれており、獣医臨床医科学講座としてあらゆる動物種に対する高度獣医療の実践と研究を遂行します。
したがって 本共同獣医学専攻では上記の特色を活かした多方面からの教育研究指導が可能となるため、教育研究水準の向上が期待されます。

教員の年齢構成

本共同獣医学専攻における教育課程を担当する専任教員55名の内訳は、教授25名、准教授20名、講師5名、助教が5名です。専任教員の年齢構成は、完成年度(平成33年度)3月末時点で、30歳代が2名、40歳代が17名、50歳代が19名、60歳代が14名となっており、教育研究水準の維持向上と活性化に相応しい、バランスの取れた構成となっています。
なお、東京農工大学および岩手大学における定年年齢は、両大学とも65歳で、完成年度前に定年退職となる3名の専任教員に所属する学生の研究指導については、当該退職教員と同じ教育・研究分野に所属する他の専任教員が当該学生の研究指導を引き継いで修了までの指導を行います。