英国科学誌『Advances in Physics:X』に本学の三沢和彦教授によるレビュー論文が掲載されました

2016年9月5日

国立大学法人東京農工大学大学院工学研究院 先端物理工学部門(グローバルイノベーション研究院 兼務)の三沢和彦教授によるレビュー論文が英国科学誌『Advances in Physics: X』9月2日号に掲載されました。

三沢教授の研究グループでは、光の持つ電場の向きと大きさの時間変化を自在に制御できる「超高速偏光パルス波形整形技術」を有しています。この技術は、光を用いて物質を分子・原子レベルで操作するために重要となるものです〔2013年8月12日本学プレスリリース〕。また、この技術を応用して、生体組織内で薬剤分子の濃度分布を可視化することも実現しています〔2015年9月8日本学プレスリリース〕。

このように、超高速偏光パルス波形整形技術は、物理学、化学、情報・通信工学、生命科学から医療に至る様々な分野で応用されています。今後もさらに多くの分野に活用されていくことが期待されます。このレビュー論文では、超高速偏光パルス波形整形技術の歴史的経緯から始まり、波形整形の実験装置、波形整形の原理、整形パルスの特性評価手法、現在における技術の活用事例と将来の見通しを系統的に論じています。出版元からは、「この総説は、偏光波形整形パルスを用いた研究に従事する全ての研究者にとって役立つ参照文献となる、非常に有意義な論文である」と評価されました。

〔2013年8月12日リリース〕光の電場の向きと波形を自在に制御することに成功
http://www.tuat.ac.jp/disclosure/pressrelease/2012_20130409122803/20130807190100/

〔2015年9月8日リリース〕マウス組織に投与した低分子化合物の濃度分布測定に成功
http://www.tuat.ac.jp/disclosure/pressrelease/20150409130023/20150911/index.html

論文は、下記リンク先からご覧いただけます。
『Advances in Physics: X』誌オンライン版「Applications of polarization-shaped femtosecond laser pulses」
http://dx.doi.org/10.1080/23746149.2016.1221327(別ウィンドウで開きます)

『Advances in Physics: X』は、物理学における学術雑誌の中でも最も古い雑誌の一つであるPhilosophical Magazine(1798年創刊)の流れを汲むものです。本学工学研究院の篠原俊二郎教授も編集委員を務めています。

◆研究に関する問い合わせ◆
東京農工大学大学院工学研究院
先端物理工学部門 教授
三沢 和彦(みさわ かずひこ)
TEL/FAX:042-388-7485

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