栄養塩マネジメント学研究領域
概要
ヒト・動物を含むすべての生物の健康・生存は、取り巻く環境の健全性や持続性の確保によって支えられています。一方、環境・農業・水産分野における栄養塩(窒素・リン)の循環は、バランスを欠いた状況であり、不健全な循環がもたらす食料・環境問題が世界的に顕在化しています。窒素・リンの健全な循環・管理の達成に向け、環境工学、地球科学、環境化学、化学工学、微生物学、植物生理学、栄養学などの研究者による、農学・工学にまたがる学際的な研究の推進が必要です。生物の生存・自然環境を脅かす栄養塩問題に多角的に挑むため、栄養塩マネジメント学研究領域では、農学・工学の学問の垣根を取り払い、窒素とリンに関する各分野の資源、材料、概念、プロセスを相互に取り入れた、環境動態解析、革新的栄養塩回収技術、機能性材料開発技術の研究を行います。さらに、若手研究者の持続的な育成を通した国際頭脳循環を促進させるとともに、異分野知の融合を基盤とする「栄養塩マネジメント学」の創成を目指していきます。