連合農学研究科生物生産科学専攻1年の杉本晃一さんがThe 57th Annual Meeting of the Society for Invertebrate Pathology(SIP 2025)「Poster Presentations 2nd Place」を受賞
2025年8月26日
連合農学研究科生物生産科学専攻1年の杉本晃一さんが、2025年8月7日にThe 57th Annual Meeting of the Society for Invertebrate Pathology(SIP 2025)「Poster Presentations 2nd Place」を受賞しました。
■受賞名
「Poster Presentations 2nd Place」
■受賞者
杉本 晃一(すぎもと こういち)さん
連合農学研究科・生物生産科学専攻1年
静岡県立清水東高等学校業
指導教員:農学研究院 生物制御科学部門 仲井 まどか 教授
■受賞概要
●テーマ:「Pathological changes associated with Oryctes rhinoceros nudivirus infection in Oryctes rhinoceros」
●内 容:
この研究は、太平洋州に南アジア等から侵入してヤシ類を食害するサイカブトというカブトムシの防除に関する研究です。1970年代からこのカブトムシに感染するnudivirusというDNAウイルスを用いて生物的防除(天敵を用いた防除)が成功していましたが、このウイルスとカブトムシとの病理学的な関係については詳しく調べられていませんでした。nudivirusに近縁なバキュロウイルス(イモムシに感染する)では、ウイルスが昆虫の脳に感染して、光に対する応答を変化させて感染したイモムシが樹上で致死する現象が知られており、本研究では、nudivirusに感染したカブト幼虫でも同様のしくみが存在するのかどうか、脳での感染と感染した虫の行動をビデオで撮影する手法などでこの現象に迫りました。
ウイルスによる行動操作が、バキュロウイルスだけでなくnudivirusでも見られるとすると、この行動操作の進化的起源がかなり遡ることになり、進化生物学的に重要な発見になります。また、行動操作が幼虫や成虫でも起きているなら、ウイルスを使った防除の成功の真の原因は、ウイルス感染による害虫個体群の減少ではなく、害虫の行動変化が原因であったという仮説がたち、ウイルスを使ったより良い防除方法(脳に感染しやすいウイルス系統の選抜など)に繋がります。
●受賞日:2025年8月7日
●参加学会等:The 57th Annual Meeting of the Society for Invertebrate Pathology(SIP 2025)
https://www.sip2025chile.cl/(大会ページ)
