酒井憲司教授が「2021年度日本農学賞・読売農学賞」を受賞

2021年4月30日

農学研究院農業環境工学部門の酒井憲司教授が、2021年4月6日(火)、「2021年度日本農学賞・読売農学賞」を受賞しました。

■受賞名
2021年度日本農学賞・読売農学賞

■受賞概要
受賞業績
「トラクタ非線形動力学理論の確立と社会実装」

賞の概要
日本農学賞(Japan Prize of Agricultural Science)は、大正14年当時の「農学会」が「農学賞」の授与を行ったことに始まり、昭和4年、「日本農学会」が設立され、昭和17年に「日本農学賞」と名前を変え、日本の農学研究者間における最高栄誉の賞として、今日まで続いている賞です。読売農学賞(The Yomiuri Prize of Agricultural Science )は、昭和39年より読売新聞社から授与されていますが、授賞業績の推薦、選考は当時より日本農学会に委任されており、毎年2月の選考会・総会で日本農学賞の授与を決定し、読売農学賞へ推薦する形式をとっています。授与式と受賞講演会は4月6日に東京大学弥生講堂で開催されました.本年度はzoomで公開され,国内外から700名以上の登録,400名以上の参加がありました。

業績の概要
農作業死亡事故は我が国の労働災害死亡事故の3割を占め,トラクター事故がその最大の原因となっています.従来のトラクターのダイナミクスモデルは線形運動方程式で構成されているため、事故メカニズムは明らかにされていませんでした。 1980年代に登場したカオス理論と非線形ダイナミクスに触発されて、酒井教授は30年に亘る研究に取り組み、共振ジャンプやパワーホップなどの農用トラクタに特異的に発生する非線形現象を理論的に解明し,トラクタ非線形動力学を確立しました。また,実機によって致命的な事故を再現することは,研究開発現場においてコスト面・安全面で困難であるため、仮想空間内でこれを実行するシステムを構築しました。農水省等の農業事故の調査事業で得られた事故事例のメカニズムを詳細に研究するために、農用トラクターの特異な挙動を再現しうるモーション型トラクタードライビングシミュレータを実現しました。これらはわが国だけではなく世界のトラクター事故防止のために不可欠な技術基盤であり、わが国だけではなく国際的にも高く評価されています。

一般社団法人日本農学会ウェブサイト(別ウィンドウで開きます) 

授賞式での発表の様子
日本農学賞授賞の様子(右は、西澤直子日本農学会会長)
読売農学賞授賞の様子(右は、佐藤俊彰読売新聞社科学部長)

関連リンク(別ウィンドウで開きます)

•東京農工大学 酒井憲司教授 研究者プロフィール
•酒井憲司教授が所属する 東京農工大学農学部地域生態システム学科

CONTACT