本学博士課程学生の今田泰史さんが、半年の海外留学の研究成果を国際共著論文の筆頭著者として発表

2018年7月25日

 国立大学法人東京農工大学大学院生物システム応用科学府食料エネルギーシステム科学専攻の今田泰史さん(日本学術振興会特別研究員DC1)は、マインツ大学(ドイツ)にて、半年という短期間で一般化学雑誌「Angewandte Chemie International Edition(インパクトファクター:12.102)」に国際共著論文の筆頭著者として発表しました。

背景:

 本活動は、東京農工大学大学院生物システム応用科学府食料エネルギーシステム科学専攻の今田泰史さん(博士課程、日本学術振興会特別研究員DC1)がリーディングプログラムの一環として、単身マインツ大学 (ドイツ)に渡ったことに始まります。研究室ローテーションというプログラムを活用し、6ヶ月間マインツ大学のWaldvogel groupにて研究を遂行しました。

ドイツでの研究活動:

(1.留学直後)
 今田さんは日本出国前から「半年ドイツ行くなら、論文1本は出さなければ。」と意気込んでいました。
 しかし、元々ハードワークタイプの今田さんは、Waldvogel groupでの研究生活が始まるや否や、ドイツの労働環境に苦しむことになりました。Waldvogel groupではほとんどの人が9時-17時だけ働き、帰宅します。
 「日本の研究室ではやりたいだけ自由に実験することができた。しかしドイツでは研究室で長時間実験をすることは評価されない。18時まで実験していた日には、同僚には即時帰宅を要求された。9時から17時までではとてもではないけれど6ヶ月では研究テーマが終わらないと、内心焦った。」と振り返ります。

(2.半年間の取り組み)
 それでも、現地の文化や考え方を尊重し順応するのが大切だと考え、ドイツ人の仲間の働き方を踏襲しました。「それが仲間からの信頼獲得に繋がった。」と今田さんは言います。今田さんにとっては、ドイツの学生・研究者の研究への取り組み方を学ぶ良い機会となったようです。
 「彼らは各々研究テーマを始める時点でゴールがわかっていた。ここまでやったら論文にしよう、と最初から目処をつけて取り組んでいたのが印象的。走りながら探り探りゴールを定めていく多くの日本人とは異なる取り組み方。更に、ドイツ人は互いに頻繁にディスカッションし、実験に取り組む前によく計画を練っていた。それが日本と比べ短い時間でも同等、あるいはそれ以上の成果を出す効率性に繋がっていると思った。」
 実験ができる時間に制限があっても、効率よくハードワークできるようになったことで、6ヶ月間でもかなりの実験量をこなすことができました。

(3.留学の成果と今後)
 研究に対してのみならず、ドイツの文化を積極的に学んで実践していく姿が周囲のドイツ人学生の心を動かし、自分の研究テーマにおける協力も得られ、良いチームを形成することができたとのこと。その結果、「Angewandte Chemie International Edition(インパクトファクター:12.102)」という一般化学雑誌に国際共著論文の筆頭著者として研究成果を報告することができました。
 帰国後も、今田さんは率先してこの経験を研究室の仲間に伝えて学んだことを共有し、自分より若い学生の育成にも励んでいます。

マインツ大学Waldvogelグループメンバーとともに

研究体制など

  • 本研究は、東京農工大学大学院生物システム応用科学府食料エネルギーシステム科学専攻 今田泰史さん(博士課程)と同大学大学院農学研究院応用生命化学部門千葉一裕教授、ならびにマインツ大学Waldvogel教授らにより行われました。また本研究は、Evonik Industries AG Co.,Graduate School of Excellence Materials Science in Mainz, 東京農工大学における文部科学省「博士課程教育リーディングプログラム」の助成を受けたものです。 
  • 本研究成果は、ドイツの一般化学雑誌(Angewandte Chemie International Edition)オンライン版(5月24日付)に掲載されました。
    論文名: Metal‐ and Reagent‐Free Dehydrogenative Formal Benzyl–Aryl Cross‐Coupling by Anodic Activation in 1,1,1,3,3,3‐Hexafluoropropan‐2‐ol
    著者名: Yasushi Imada, Johannes L. Röckl, Anton Wiebe, Tile Gieshoff, Dieter Schollmeyer, Kazuhiro Chiba, Robert Franke, Siegfried R. Waldvogel
    URL:https://doi.org/10.1002/anie.201804997(別ウィンドウで開きます)

 

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