Tokyo-NoKoGenがiGEM 2010で金メダルを獲得しました

2010年12月15日

11月6日(水曜日)から8日(月曜日)、マサチューセッツ工科大学(MIT)において、合成生物学の国際大会であるiGEM (International Genetically Engineered Machine competition) 2010が開催され、工学部生命工学科の学生18名を中心とする「Tokyo-NoKoGen」が、「Eco Tanker」をプレゼンテーションし、「金メダル」を獲得しました。
iGEMは、2003年に初の大会が開催され、本年度は、世界各国から128チームが参加し、BioBrickと呼ばれる過去のチームが開発した「遺伝子」や「制御系」などの様々な規格化された生物部品を組み合わせ、生命工学のエンジニアとして、エンジニアリングマインドに基づいて優れた生物ロボットをデザイン・作成します。また、規格に従って新規BioBrickを構築・評価し、登録するという積み重ねも重要な課題であり、さらに、倫理的な側面を考え生物ロボットを多くの人に正しく理解してもらうことも各チームに課された重要な使命となっています。

「Tokyo-NoKoGen」は、特定の物質を貯蔵し、目的場所に運ぶというタンカーの一連の動作を生物で実現することを目指し、大腸菌を宿主とした生物ロボット「EcoTanker」を開発することを目的として研究を進めてきました。
「EcoTanker」は環境中に存在する標的分子を取り込み、これを目的の場所に運ぶことができます。蛋白質の殻でできたEcoTank中に標的分子を取り込み、青色光に従って目的の場所へ移動し、緑色光によりEcoTankerが自己集合して細胞間シグナル伝達系(クオーラムセンシング)により自己溶解します。
これらEcoTankerの一連のシステムにより、環境中に存在する標的分子で満たされたEcoTanksを容易に回収することが可能になることから、標的分子は環境中の有害物質や産業上有用な物質など対象を選ばず、目的に応じて変更可能であるため、バイオレメディエーションや産業上の用途において有用な生物ロボットになると期待しています。

CONTACT

お問い合わせ一覧はこちら