東京農工大学

NEWS & TOPICS

2020年 9月28日  イノベーションジャパン2020 大学見本市Onlineに出展しました。

2020年 4月 1日  本格フェーズ移行 が決定しました。

2020年 3月 5日  命をつなぐ技術コンソーシアム 第1回若手研究者交流会を開催しました。 

2020年 2月27日 命をつなぐ技術コンソーシアム 第2回協議会を開催しました。

2019年 3月18日 命をつなぐ技術コンソーシアム 第1回協議会を開催しました。

2018年11月16日  命をつなぐ技術コンソーシアム キックオフミーティングを開催しました。

2018年 9月 6日  産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)共創プラットフォーム育成型
                         に採択されました。

会員向け情報(調整中)

領域統括からの挨拶

 東京農工大学は、科学技術振興機構(JST)による「産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム
(OPERA)平成30年度共創プラットフォーム育成型」に提案した「光融合科学から創生する‘命をつなぐ早期診断・予防技術’研究イニシアティブ」が採択され、事業を開始しました。
 本事業は、東京農工大学を幹事機関とする「命をつなぐ技術コンソーシアム(参画機関:2大学、27企業 *令和2年5月現在)」として産業界の協力の下、実施していきます。このコンソーシアムでは、農工大が誇る光科学分野における最先端技術に加えて、生命科学分野と獣医学分野の6つのキーテクノロジーを設定し、光科学との融合研究から創生する革新的な「命をつなぐ早期診断・予防技術」の提案を新たな学術的挑戦として設定し、これを国際標準化する手法を検討します。
 こうした基礎研究から実用化までをシームレスにつなぐ研究活動により、日本発の革新的な医薬品・検査キット・医療機器あるいは機能性食品等の創出に向けた研究開発を推進することで、世界のQOL向上に貢献し、新たな市場を創出します。

                         領域統括 東京農工大学工学研究院長 三沢 和彦

命をつなぐ技術コンソーシアムの概要

 命をつなぐ技術コンソーシアムでは、高齢化社会を迎えるにあたり、健康及び医療サービスへのニーズが増加している状況を背景に、実際の早期診断や予防に直結する、生命科学分野と獣医学分野の研究領域を7つのキーテクノロジー(以降 KT)として設定しました。既存の産業分野で共同研究を進めるのと並行して、新たな学術的挑戦として、物理学のカテゴリーの中でも異分野との親和性が極めて高い光科学により、これら生命科学分野と獣医学分野を基盤的かつ横断的に融合させます。領域横断的な融合分野を総合しシステム化することで、産業構造に大きな変革をもたらします。さらに、光融合科学から創生する「命をつなぐ早期診断・予防技術」を、国際標準化して世界に展開することで、QOL向上に貢献し、新たな市場を創出します。
 具体的には、東京農工大学の三沢教授は、生体細胞内における生体関連分子の分布と動態を対象に、その場で分子構造を同定しながら画像化する技術で世界最先端を走っています。特に、分子量が小さい低分子の蛍光顕微観察を行うには蛍光ラベルの方が大きくなり、可視化が困難でした。本技術を実用化した「コヒーレントラマン顕微鏡」を用いれば、低分子の局在分布を生体中で画像化できます。実用上は、創薬あるいはスキンケアの分野において、薬剤の動態評価が行える標準的なツールとなっていく可能性があります。
 コヒーレントラマン顕微鏡の研究報告例が多数ありますが、従来のものは光学的セットアップが複雑であり、生命科学研究者が気軽に活用できる状況にはありません。一方、三沢教授が開発した機器は、単一のレーザービームを顕微鏡に導入するだけで計測が可能となるため、一般のユーザーでもハンドリングできるツールとなっています。本技術はすでに米国特許を取得しており、この発明をオープンイノベーションの骨格とします。
 この革新的な機器(KT1)を、他の6つのKTと組み合わせることで、ゲノム情報等を活用した医療、生活習慣病や認知症の予兆発見、ワクチン開発や薬剤耐性対策、AIや情報技術を利用したがん診断に関する新しい方法を世界に先駆けて提案します。
【7つのKT】
 KT1「生体関連小分子の無標識検出技術」(課題代表者:三沢 和彦教授)
 ●ゲノム情報等を活用した医療を目指す●
 KT2「エピジェネティクスセンシング」(課題代表者:池袋 一典教授)
 KT3「生体恒常性破綻で生じる疾患の予測系開発」(課題代表者:渋谷 淳教授)
 ●生活習慣病や認知症の予兆発見を目指す●
 KT4「オプトリピドミクスと食由来栄養」(課題代表者:木村 郁夫教授)
 ●ワクチン開発や薬剤耐性対策を目指す●
 KT5「光科学に基づく感染症・疾病の未来予測と未然対策」(課題代表者:有江 力教授)
 ●AIや情報技術を利用したがん診断を目指す●
 KT6「がん細胞のイメージインフォマティクス」(課題代表者:田中 剛教授)
 ●農産物や医薬品の生物由来成分から機能性成分を特定しその品質認証方法や生物メカニズムを共有する●
 KT7「農産物製造と品質評価法の開発」(課題代表者:吉田 誠教授)

 これらを、既存の産業分野との共同研究を進めつつ、新たな学術的挑戦として、物理学の中で異分野との親和性が極めて高い光科学により基盤的かつ横断的に融合させ、システム化することで、産業構造への大きな変革をもたらします。
 また、成果を具体的市場に普及するためには、成果の利用方法・評価方法を「国際標準化」して市場を拡大することです。本コンソーシアムでは、一橋大学が「国際標準化」実現のための社会科学的研究(課題代表者:江藤 学教授)を担当し、開発した技術を受け入れる市場を生み出します。この社会科学的研究との革新的な協働は、過去の自然科学系の研究開発プロジェクトでは見られない新規性と優位性を持っています。
 
 東京農工大学は、基礎研究から実用化までシームレスにつなぐ研究活動により、日本発の革新的な医薬品・検査キット・医療機器あるいは機能性食品等の創出に向けた研究開発を推進します。

命をつなぐ技術コンソーシアムの体制について

幹事機関である東京農工大学と参画機関(2大学)、参画企業(27社※2020.5.1時点)で構成されており、以下のような推進体制となっています。

①コンソーシアム推進本部
 東京農工大学内組織。幹事機関として本コンソーシアム運営のための学内意思決定を、責任持って行う組織。
 本部長 直井勝彦理事を中心に工学研究院、農学研究院、先端産学連携研究推進センター、研究推進部からの
 委員により構成される。

②共創会議
 研究推進を担う組織。議長である(領域統括)三沢和彦教授を中心に参画機関の研究者が集まる会議体。

③協議会
 研究支援をとりまとめる組織。
 議長である直井勝彦学術・研究担当理事/副学長を中心に参画機関の代表者で構成された会議体。
 コンソーシアムの基本的運営方針(新規参画・脱退、研究開発課題の追加変更など)を審議する。
 運営委員会および部門会議を配し、コンソーシアム運営等に関する最終決定機関。

④運営委員会
 部門会議、共創会議での検討事項、協議会からの委任事項を審議する組織。
 委員長の(領域統括)三沢和彦教授を中心に各部門会議の代表、参画機関代表(有志)で構成された会議体。

⑤研究戦略部門会議
 研究のシナリオ検証・見直し等、基本的な研究戦略に関する事項を検討する組織。
 議長の(領域統括)三沢和彦教授を中心に各研究開発課題の代表者で構成された会議体。

⑥知財戦略部門会議
 コンソーシアムの知財戦略の策定・見直しなど知的財産の取扱に関する事項を検討・提案する組織。
 東京農工大学知財担当、一橋大学、参画企業代表(有志)で構成された会議体。

⑦人材育成部門会議
 博士課程学生を含む若手研究員の育成支援など人材育成に関する事項を検討する組織。
 東京農工大学人材育成担当、人事課、学務課、参画企業代表(有志)で構成された会議体。

⑧研究管理部門会議
 産学連携管理業務の高度化、研究倫理に関する事項を検討する事項。
 東京農工大学研究推進担当、財務部で構成された会議体。

研究開発課題代表者の紹介

三沢 和彦 教授
研究開発課題1代表
キーテクノロジー:生体関連小分子の無標識検出技術
領域統括 東京農工大学 工学研究院長

<経歴>
1993/04       東京大学大学院理学系研究科 助手
1999/04       東京農工大学工学部 助教授
2001/10       電気通信大学 非常勤講師(併任)
2002/04-2004/03 岡崎国立共同研究機構分子科学研究所 助教授(併任)
2002/04       東京農工大学大学院 助教授
2006/10-現在    東京農工大学大学院 教授
2011/08/01-現在   文部科学省研究振興局 学術調査官(併任)
2015/05/01-現在   文部科学省科学技術・学術審議会専門委員 

<所属学協会>
日本物理学会
Optical Society of America
European Physical Society
American Chemical Society
日本物理教育学会
応用物理学会
電子情報通信学会

江藤 学 教授
研究開発課題2代表(開発技術の国際標準化)
一橋大学イノベーション研究センター

<経歴>
2008/04-2011/03 一橋大学イノベーション研究センター 教授
2013/07-2016/07   一橋大学イノベーション研究センター 特任教授
2016/07-現在    一橋大学イノベーション研究センター 教授
2016/07-2018/03 一橋大学商学研究科 教授
2018/04-現在        一橋大学経営管理研究科 教授

<所属学協会>
研究・イノベーション学会
国際ビジネス研究学会
日本知財学会
国際標準化教育協力会議

池袋 一典 教授
研究開発課題3代表
キーテクノロジー:エピジェネティクスセンシング

東京農工大学 工学研究院

<経歴>
1993/04     東京大学先端科学技術研究センター 助手
1996/04     東京大学先端科学技術研究センター 講師
2001/04     東京農工大学工学部 助教授
2009/04/01-現在 東京農工大学大学院工学研究院 教授

<所属学協会>
日本核酸化学会
日本化学会
日本分子生物学会
日本生物工学会
電気化学会 生物工学研究会

渋谷 淳 教授
研究開発課題4代表
キーテクノロジー:生体恒常性破綻で生じる疾患の予測系開発
東京農工大学 農学研究院

<経歴>
2012/10-現在 東京農工大学大学院 農学研究院 動物生命科学部門 病態獣医学研究分野 教授
2012/10-現在 東京農工大学 農学部共同獣医学科 獣医病理学研究室 教授
2016/06-現在 東京農工大学大学院東京農工大学大学院グローバルイノベーション研究院兼務
         ディスティングイッシュトプロフェッサー

<所属学協会>
日本獣医学会
日本癌学会
日本トキシコロジー学会(現 日本毒性学会)
日本毒性病理学会
日本毒性学会

木村 郁夫 特任教授
研究開発課題5代表
キーテクノロジー:オプトリピドミクスと食由来栄養
東京農工大学 農学研究院

<経歴>
2006-2008 千葉科学大学 薬学部 応用薬理学教室 助手・助教
2008-2013 京都大学大学院 薬学研究科 薬理ゲノミクス分野 助教
2011-2012   米国カリフォルニア大学サンディエゴ校 医学部
        生殖神経内分泌教室 客員研究員(兼任)
2013-2015   京都大学大学院 薬学研究科 薬理ゲノミクス/ゲノム創薬科学分野 客員准教授(兼任)
2013-2018   東京農工大学大学院 テニュアトラック推進機構 代謝機能制御学研究室 特任准教授
2018-2019   東京農工大学大学院 農学研究院 応用生命化学専攻 代謝機能制御学研究室 准教授
2017-現在   日本医療研究開発機構(AMED)CREST微生物叢 研究代表者(兼任)
2019-現在     東京農工大学大学院 グローバルイノベーション研究院 代謝機能制御学研究室 教授
       (農学研究院 応用生命化学専攻 兼務)

<所属学協会>
日本栄養
食糧学会
日本内分泌学会
日本抗加齢医学会
腸内細菌学会
日本肥満学会
日本薬学会
米国分子生物学会(ASBMB)

有江 力 教授
研究開発課題6代表
キーテクノロジー:光科学に基づく感染症・疾病の未来予測と未然対策
東京農工大学 理事・副学長/農学研究院 

<経歴>
1989/4               日本学術振興会特別研究員(東京大学農学部)
1989/6               理化学研究所 研究員(微生物制御研究室)
1995/4               理化学研究所 先任研究員(微生物制御研究室)
2000/4               東京農工大学 助教授 農学部
2004/4               国立大学法人東京農工大学 大学院共生科学技術研究部 助教授
2007/4               国立大学法人東京農工大学 大学院共生科学技術研究部 准教授
2010/4               国立大学法人東京農工大学 大学院農学研究院 教授
2015/4-2019/3    国立大学法人東京農工大学学長補佐(グローバル戦略担当)
2017/4-2020/4    国立大学法人東京農工大学大学院グローバルイノベーション研究院
           イノベーション推進機構長
2019/4-2020/3    国立大学法人東京農工大学グローバル教育院長
2019/4-2020/3    国立大学法人東京農工大学副学長
2019/4-現在     国立大学法人東京農工大学理事(教育担当)・副学長

<所属学協会>
日本植物病理学会(会長)
日本農薬学会
日本糸状菌分子生物学研究会(会長)
American Phytopathological Society
国際植物保護科学会(北アジア地区理事)
日本菌学会
日本土壌微生物学会
International Society of Molecular Plant-Microbe Interaction
日本芝草学会

田中 剛 教授
研究開発課題7代表
キーテクノロジー:がん細胞のイメージインフォマティクス
東京農工大学 工学研究院

<経歴>
2000/07        Heriot-Watt University, Department of Mechanical and
           Chemical Engineering, Research Associate
2001/09          Heriot-Watt University, Department of Biological Sciences,
                              Research Associate
2002/04-2005/01  東京農工大学 工学部 助手
                               (2004/04より同大学大学院共生科学技術研究部・助手)
2004/07-2007/05  エムバイオ株式会社 取締役
2005/02              東京農工大学・大学院共生科学技術研究部・講師
                             (2006/04より東京農工大学・大学院共生科学技術研究院に名称変更)
2008/02-2014/12  東京農工大学・大学院共生科学技術研究院・准教授
            (2010/04より東京農工大学・大学院工学研究院に改組)
2015/1-現在       東京農工大学大学院工学研究院 生命機能科学部門 教授

<所属学協会>
日本生物工学会
日本化学会
電気化学会
マリンバイオテクノロジー学会
電気化学会化学センサ研究会
国際マリンバイオテクノロジー学会
バイオインダストリー協会
American Chemical Society
American Association for the Advancement of Science

寺田 純雄 教授
研究開発課題8代表(蛍光偏光関連技術)
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科

<経歴>
1989/06-1991/03 埼玉医科大学附属病院 外科 レジデント
1993/11       東京大学 医学部附属脳研究施設 助手
1997/04       東京大学 大学院医学系研究科 助手(配置換)
2001/08-2005/08 東京大学 大学院医学系研究科 講師
2005/09-2018/03 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学系専攻
          認知行動医学講座 神経機能形態学 教授
2005/10-2008/03 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 さきがけ研究者(兼任) 
2008/04-2017/03 東京医科歯科大学 脳統合機能研究センター 教授
2017/04-現在    東京医科歯科大学 統合研究機構 先端医歯工学創成研究部門
          脳統合機能研究センター 教授
2018/04-現在      東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学系専攻
                             認知行動医学講座 神経機能形態学 教授

<所属学協会>
日本解剖学会
日本神経科学学会
アメリカ細胞生物学会(ASCB)
アメリカ生物物理学会(BPS)
日本細胞生物学会
日本顕微鏡学会

吉田 誠 教授
研究開発課題9代表
キーテクノロジー:農産物製造と品質評価法の開発
東京農工大学 農学研究院

<経歴>
2002/04 日本学術振興会特別研究員(DC1)
2005/04 独立行政法人食品総合研究所 特別研究員
2006/04 日本学術振興会特別研究員(PD)
2006/11 東京農工大学若手人材育成拠点 特任准教授
2011/04   東京農工大学農学研究院 准教授
2017/10 東京農工大学農学研究院 教授

<所属学協会>
日本木材学会
セルロース学会
日本農芸化学会
日本応用糖質科学会
日本きのこ学会
日本木材保存協会
日本木材加工技術協会
糸状菌分子生物学研究会
セルラーゼ研究会

参画機関一覧

2大学、26社に参画いただいています(2020年9月現在)。

コヒーレントラマン顕微鏡について

 集光したレーザを試料に走査して画像を得るレーザ顕微鏡の一種です。瞬間的に光るパルスレーザを試料に照射して分子振動を強制的に開始させ、そこにさらにもう1つのレーザを照射すると、分子の振動数の分だけ周波数がずれた新しい信号光が放出されます。この信号光の周波数から分子固有の振動数を、信号の強さから濃度をそれぞれ測ることができます。染色が不要なラマン顕微鏡の中でも、特に高い感度を持つ次世代技術として注目されています。
 なお、コヒーレントラマン顕微鏡の研究報告例が多数あるが、2台のレーザー装置を同期させるなど何れも光学的セットアップが複雑であり、生命科学研究者が気軽に活用できる状況にはないのが現状です。そこで、領域統括である三沢教授のグループが開発した「位相制御コヒーレントラマン顕微分光法」では、通常のコヒーレントラマン顕微鏡と異なり、単一のレーザービームを顕微鏡に導入するだけで計測が可能となるため、セットアップの大幅な単純化が可能となっています。この位相制御コヒーレントラマン顕微鏡は、三沢教授独自の技術である広帯域超短パルスレーザーの光位相制御技術がなければ実現しなかった機器なのです。

<関連リンク>
三沢和彦大学院工学研究院長 研究者プロフィール

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