寄席文字の特徴

寄席文字の特徴

寄席文字とは?

寄席のポスターや名ビラ、テレビ番組「笑点」などで、独特の書体 が使われているのを見たことがあるでしょう。あれが寄席文字といわれるものです。寄席文字は、昔、ビラ字と呼ば れていた書体を、橘右近が時代に合わせて完成させたものです。

寄席文字の心得

寄席文字は普通の書道と違い、独特の型があります。相撲文字や勘 亭流などとも独特の型があるという点で共通しています。この独特の型を覚えることが大切です。

寄席文字は縁起文字です。ですから、お客様がたくさん入るように、 業績がだんだんよく なるようにという願いをこめて書くことが大切です。例えば、寄席文字は白い部分が少なくなるように文字を太く書きま す。これは、文字自体が客席を表してお り、黒い部分がお客様、白い部分が空席ということで、空席を少なくという願いから、余白を少なく書くのです。

寄席文字の特徴

余白を少なく

上にも書きましたが、空席を少なくという意味から、余白をなるべく 少なく書きます。

縦長に書く

寄席文字は、漢字は縦:横が4:3になるように縦長に書くと、綺麗 に見えます。また、ひらがな、カタカナに関しては、正方形に書くと綺麗です。

線は太く、一定の太さに

筆に墨をたっぷりとつけて、太く、一定の太さになるように線を書き ます。このとき、普通の書道のようにかすれを作らないようにしてください。

横線は右上がりに

寄席の業績や芸がだんだん良くなるようにという願いから、横の線は 右上がりに書きます。

線は平行に

文字のバランスを考えて、縦、横、斜めの線が二本以上並ぶときは、 平行になるように書き、その間の余白も均等になるようにします。

参考文献:「寄席文字字典」橘右近著 グラフィック社
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