Abstract
芝草の葉枯性病害はCurvularia, Bipolaris, Drechslera, Exserohilum属菌類によって引き起こされるため,その病害の識別は大変困難である.とくにこれら属間の分類基準となる分生子の形態,発芽様式などが類似しているため,形態的分類には熟練を要する.そこで,DNAマーカーによる芝草葉枯病菌の簡易同定法について検討した.各病原菌のITS領域のDNA配列を比較したところ,Drechslera属およびExserohilum属において属特異的配列を見出すことに成功した.その特異配列を利用してDrechslera属特異的プライマーDr1とDr2,Exserohilum属特異的プライマーEx1とEx2を構築し,各病原菌ゲノムDNAについてPCR増幅をおこなった.その結果,プライマーDr1-Dr2はDrechslera属菌類,プライマーEx1-Ex2はExserohilum属菌類を選択的に検出することに成功した.一方,CurvulariaおよびBipolaris属においては属特異的配列を見出せず,ITS領域による系統樹ではCochliobolus型の Bipolaris属菌類,およびPseudocochliobolus型のBipolaris属菌類とCurvularia属菌類の2つの群に分かれた.
*明大農 Meiji Univ.
平成15年度日本植物病理学会大会(2003年3月、東京都千代田区)口頭発表