イネいもち病菌におけるLPL1遺伝子の機能解析
Effect of A26 Gene Highly Expressed During Early Infection Stage on Appressorium Formation in Magnaporthe grisea
金森正樹・齋藤憲一郎・有江 力・寺岡 徹・山口 勇*・鎌倉高志*
Kanamori, M., Saitoh, K., Arie, T., Teraoka, T., Yamaguchi, I. and Kamakura, T.

Abstract

イネいもち病菌の付着器形成時におけるディファレンシャルcDNAライブラリーより, 低分子lysophospholipaseと推定された遺伝子LPL1A26)を見出し, 付着器形成ならびにイネ細胞への侵入に関与する可能性が示唆された(金森ら, 2002). そこで, lysophospholipaseが機能する脂質・リン脂質代謝と付着器形成との関連を明確化する一環として, 付着器形成初期における脂肪滴の移行・消失をNile Red染色により観察した. 本遺伝子破壊株は付着器内での脂肪滴の消失がやや遅延する傾向を示したが, 付着器への脂肪滴の移行には差異は認められなかった. 付着器内グリセロール濃度の測定から, 破壊株の付着器内膨圧は低下していた. これらの結果はLPL1が脂質・リン脂質の代謝分解とそれに伴う膨圧生成に関与していることを示唆していた. また, 本遺伝子はフレームシフトを起こさずに2つの転写産物(LPL1a, LPL1b)を生じたことから, 両遺伝子を個々にクローニングし, 大腸菌発現系を用いてLysophospholipase活性の確認を行っている.
*理研 RIKEN


平成15年度日本植物病理学会大会(2003年3月、東京都千代田区)口頭発表