中田宗隆 教授


最終学歴:東京大学大学院理学系研究科
称 号 :理学博士
専門分野:量子光化学
電話番号:042(388)7349
FAX :042(388)7349
E-mail :necom@cc.tuat.ac.jp (アットマークの前に816)


プロフィール

 研究者にとって人との出会いがとても大切であるとつくづく思います。私は学生時代に有機合成法と気体電子回折法を学びました。また、東京工業試験所に出向いて、マイクロ波分光法を学びました。東京大学助手時代には、赤外分光法とラマン分光法などを使って赤外光誘起反応を研究しました。広島大学講師時代には、カリフォルニア大学バークレー校に出向き、ピメンテル教授のもとで低温マトリックス単離赤外分光法を学びました。そして、東京農工大学に赴任してからは、工業技術院産業技術融合領域研究所の協力のもとで分子クラスターの光反応機構の解明を行っています。いろいろな時代に、いろいろな人と出会い、いろいろな技術や知識を得ることができました。新しい研究は「融合」によって始まるということを身にしみて感じています。「研究者にとって過去にとらわれることは百害あって一利なし」これは恩師である森野米三先生から頂戴したお言葉です。理学、 農学、工学を融合してできた新しい大学院研究科で、新しい出会いと共に研究を発展させていきたいと思っています。


研究概要

1.地球環境問題へのアプローチ

 成層圏のオゾン層の破壊に関係した化学物質のひとつに二酸化窒素があります。二酸化窒素は酸性雨の原因の一つとも考えられています。この二酸化窒素がどのようにして光反応を行うかについては、これまでのところ十分には研究されていません。私の研究室では、二酸化窒素が紫外光のようなエネルギーの高い光を吸収しなくても、赤や黄色などのエネルギーの低い可視光を吸収するだけで、いろいろな有機化合物と反応することをつきとめています。とくに、このような反応では、二酸化窒素と反応物質が弱い力によって相互作用した超分子(分子クラスター)が重要な役割を果たしていることを確認しています。

2.新規有機化合物の合成

 分子と分子が相互作用した超分子を利用すると、通常の方法では合成できないような物質を合成することができます。私の研究室では、これまで存在が実験的に確認されていなかったアレンオキシドを、アレンと二酸化窒素の超分子を利用することによって合成しました。すなわち、アレンと二酸化窒素の超分子に537nmのレーザー光を照射すると、最終生成物としてアレンオキシドが合成されることを赤外吸収スペクトルの測定から確認しました。オゾンや酸素などを用いて、エネルギーの高い紫外光を照射すると、二酸化炭素や一酸化炭素、アルデヒドなどの混合物になってしまいます。

中田研トップページへ

著書

ケミカル イントロ
・ケミカル ジョーク

パーティーにて

コンサートにて

大学院GP合同フォーラムにて

量子化学:演習による基本の理解
量子化学V−化学者のための数学入門12章
量子化学−基本の考え方16章
量子化学U−分光学理解のための20章
化学熱力学
なっとくする量子化学
なっとくする機器分析
・ケミカル 川柳
化学−基本の考え方13章 第2版

物理化学入門シリーズ 化学結合論