◎ 平成17年度 公開講座開催

「子どもインターネット教室2005」
 − 8月5日(金)〜7日(日) −
 6年目をむかえた今年は、インターネットの危険性や検索方法を保護者にも共有してもらおうと初日に講習会を開き、初めて大人の参加も募り、保護者・市民10名の参加がありました。 2日目からは子ども達のホームページ作りを行いました。

 参加した子供は29名(内1名は初日のみ)に対して、スタッフは大学院生・高校生・教員・他大学図書館員・市民など52名におよび、子供一人に一人以上のスタッフが付くことが可能となりました。
 子ども達のホームページ作成技術の習得は目を見張りますが、今年は特に内容に優れた物が多く、漫画によるストーリーや自分が描いた絵を動画に仕立てるなど スタッフも驚く作品が多数ありました。
 子ども達の作品は、こちらをご覧下さい。
    http://www.biblio.tuat.ac.jp/event/kids2005/links/
 
 
「野生動物の救護と外傷治療」 
 − 8月27日(土)・28日(日) −
 公開講座「野生動物の救護と外傷治療」が、8月27日(土)および28日(日)の2日間にわたり、農学部構内で開催されました。実施担当は、広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センター(FSセンター)野生動物保護管理分野の中垣和英客員教授と鈴木 馨分野長のほか、地域生態システム学科・神崎伸夫助教授の協力を得ました。
 内容は、野生動物救護の一般と外傷治療の講習、国内外の野生動物保護管理の解説、FSセンターの野生動物保護活動の紹介などで、実習を取り入れたこともあって受講者に好評でした。首都圏だけでなく中部地方や中国地方からの参加者もあり、熱心な質疑応答もあって大変盛況でした。

 この野生動物関係の講座は毎年開催していますが、例年予定定員を上回る多くの申し込みがあります。高校生など若い希望者の割合が非常に大きいことも特徴で、来年以降も研究を重ねながら充実に努め、できるだけ多くの要望にこたえて行きたいと思います。
  
 
「子ども樹木博士」
 −8月29日(月)〜9月4日(日)−
 子ども樹木博士は、大学等地域開放特別事業(大学子ども開放プラン)の1つとして東京農工大学が平成11年に始めました。各地で賛同するプログラムが続出し、現在、全国規模の子ども樹木博士ネットワークが、文部科学省と林野庁の支援を受けて組織化されています。
 府中キャンパスでは、9月2日までが自習日で、3日と4日にテスト日が設定され、教職員5名と大学院生・学部生13名が、それぞれの日に対応しました。
 参加者は110名以上で、小学生とその家族が大半でしたが、大人のみの参加者も散見されました。インストラクター役の院生・学部生は、一人で数人の参加者を受け持ち、約2時間をかけて構内の50種の樹木の名前や特徴、用途などについて説明した後、樹木名の鑑定テストを行いました。1種しか正解できないと9級、10種以上で初段、20種以上で2段と昇段します。小学校低学年生でも約3分の2は初段と優秀で、子どもの知識欲の旺盛さに驚かされます。最高位は小学校3年生で4段(50種中40種以上の正解)でした。参考までに保護者に行った同一テストでは、最高位は5段(50種全部正解)と、すばらしい成績を残した母親がいました。

 残暑の大学キャンパス内で、子ども・家族・院生・学部生などが、樹木を仲立ちに楽しく交流しました。来年の再会を約束した子どもがたくさんいました。子どもたちは木々に親しむことで、森を考えるようになり、さらには森林が失われている地球環境全体へと視野を広げるでしょう。院生・学生たちは、教えることで学んできた以上のことを新たに学んだでしょう。
 
 
「遺伝子操作トレーニングコース」
 −9月7日(水)〜9日(金)−
 本コースは、初心者を対象として、実習を通じて遺伝子操作の基礎を学んでいただくもので、遺伝子実験施設の設置当初より公開講座として実施しています。参加者は大学教員や民間企業の研究開発担当者が多く、毎年定員を超えた応募者があり、社会人を対象としたリカレント教育として評判が高いものです。

 実習内容は、DNAを制限酵素で切断してプラスミドベクターに結合させ、大腸菌に導入してコロニーを観察します。次に、コロニーの菌体からDNAを抽出し、PCR法で目的のDNAがクローニングされていることを確認します。関連の講義を含めて、遺伝子実験施設の専任教員が全てのプログラムを担当しています。

 参加者の中には、翻訳業務を通じて分子生物学に接しているだけで、一度も実験をしたことのない方もいましたが、初めて手に取る実験器具の扱いも3日間の実習ですっかり慣れたようでした。昼休みなどの雑談を通じて、初心者同士の情報ネットワークもできあがり、参加者がそれぞれの職場に遺伝子組換え技術を生かせる日も近いものと思われます。
  
  
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