物性なんでもQ&A
 
最新のQ&A(更新記録) Q&A本文開始行 「50音順キーワード索引」
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質問される方へ
このコーナーでは、これまでに佐藤研究室のHPを見てメールで問い合わせがあった材料・物性関係のご質問への回答を紹介しています。このQ&Aはボランティアワークですので下記の約束をお守り下さい。お答えできない場合がありますのであらかじめご了承下さい。
 (1) 質問はE-mailで satokats@cc.tuat.ac.jpまで。
 ご質問にはメールでお答えし、その上で、編集してWebにアップします。
 (2) HPを見ての質問であることを明記して下さい。
 (3) お名前、ご所属(学校の場合教員か研究者か学生か。学生の場合、学科、学年)を書いてください。
  所属・氏名が記載されていない質問にはお答えできません。 (質問者のレベルに合わせて回答するためです。)
 (4) Webにアップする場合に匿名を希望される場合は、その旨記入して下さい。
 (5) このQ&Aコーナへの質問と回答は、多くの方がシェアできるように原則として公開します。
  質問者はお金をかけないで情報を得ようとするのですから、それなりの覚悟が必要です。
なお、お答えできない場合があります。 ( 専門ちがいでお答え出来なかった例)



「物性なんでもQ&A」更新記録 (2005.12.14 update)

   
アップした日付
質問項目
分類
質問者
2005.12.14薄膜の誘電率の光学的決定法光物性N大Wさん
2005.12.12シリコンと酸化チタンのマイクロ波誘電率と誘電損失誘電物性S高専Hさん
2005.12.12Fe-Ni合金の飽和磁束密度磁性A大Kさん
2005.12.12ITOとAgペーストの界面の不具合光デバイスS社Uさん
2005.12.07遷移金属錯体の磁化率への軌道角運動量の寄与について磁性H大Sさん
2005.12.07シリコン酸化厚膜の用途セラミクス材料O大学Yさん
2005.12.06CrとITOの熱膨張係数熱物性N社Kさん
2005.12.06Si-Alコンタクト半導体デバイスD大学Mさん
2005.12.06Niの透磁率の周波数特性磁性材料C大Wさん
2005.12.1閃亜鉛鉱型GaNの熱膨張係数 半導体物性M大Aさん
2005.12.1金メッキ端子と半田(錫)メッキ端子の接続部は腐食するか金属物性O社Mさん
2005.12.1スズの高温でのふるまい金属物性T社Mさん
2005.12.1サイズモ式ピックアップ計測学北九州工大瀬戸口さん
2005.11.21ニッケル酸化膜の用途セラミクスB社Bさん
2005.11.21デバイ温度と物理量の関係物性基礎名大Mさん
2005.11.21水の誘電率はなぜ大きいか誘電性京都工繊大大場さん
2005.11.21多結晶シリコンの抵抗率のばらつき結晶工学A社Aさん
2005.11.21半田の融点における抵抗率変化金属物性T大Kさん
2005.11.21マイカから発生する、白色の煙と、刺激臭の気体が何であるかセラミクス会社顧問Aさん
2005.11.09吸収性物質における多重干渉光物性立命大長瀬さん
2005.11.09電磁波中の磁場の大きさ電磁気学D社Fさん
2005.11.09無機材料の通電性 電気物性日大石井さん
2005.11.08原子と分子の電子状態の記号の見方物性基礎A社Yさん
2005.11.08貴金属の色光物性Y社Sさん
2005.11.08渦電流による電磁制動電磁気学会社員矢野さん
2005.11.07FDTD法によるフォトニック結晶の解析光物性T大N君
2005.11.02SiO2へのSbの拡散結晶工学T社Hさん
2005.11.02ランダウ準位から電子を取り出すエネルギー半導体物性K大伊藤さん
2005.10.31界面電荷の発生原因半導体物性都立大Oさん
2005.10.31水の粘性の温度変化レオロジー臨床工学技師江嶋さん
2005.10.26ITOにおける格子定数のスズ濃度依存性結晶工学T大学Rさん
2005.10.26田んぼのひび割れ土壌学N社Sさん
2005.10.26シリコンインゴットのρb値の計算法結晶工学A社Yさん
2005.10.25ドルーデ則、バンド間遷移と貴金属の色光物性Y社Sさん
2005.10.24熱電対による温度測定のデータのばらつき計測工学T高校Bさん
2005.10.24金属表面の酸化による変化金属物性K大学Sさん
2005.10.24金属の誘電率の温度依存性光物性N社Oさん
2005.10.20炭素繊維の繊維方向と垂直の物性値材料物性J機構Aさん
2005.10.20ITOの可視光の透過性について光物性U機構Kさん
2005.10.20コランダムのヤング率の温度依存性機械的性質T大Nさん
2005.10.13超伝導体の永久磁石上における浮上超伝導東理大工藤さん
2005.10.13鉱物の発光の温度依存性光物性O大Nさん
2005.10.4マイクロ波誘電率の温度係数誘電物性M大学Kさん
2005.10.4ウィレマイトの結晶構造結晶工学山口東京理科大Hさん
2005.10.4円偏光フォトンと直線偏光フォトン光物性A社Kさん
2005.10.4アルマイト加工したアルミ板のマイクロ波反射率電磁気学N社Tさん
2005.09.21高反射率の金属が太陽光を吸収して熱くなる訳光物性L社Fさん
2005.09.21高圧円筒容器の軸方向ののび力学I社Mさん
2005.09.16金、銀、Ni、Al、Cuの反射率光物性O社Hさん
2005.09.16X線回折でシリコンの200禁制反射が観測される理由結晶工学F県工業試験場Kさん
2005.09.13金属とITOの密着性セラミクスT大学Yさん
2005.09.13高電圧電流導入端子における金属の異常蒸発金属物性S社Hさん
2005.09.13光吸収による熱発生光物性M社山田 さん
2005.09.13モワレ縞光物性T大Kさん
2005.09.07格子面間隔結晶工学名城大Kさん
2005.09.06重金属の汗への排出金属物性B社Kさん
2005.09.06酸の水溶液の誘電率誘電物性H社Yさん
2005.09.05シリコーンゴムの屈折率分散光物性S社Aさん
2005.08.31マイカの熱不安定性素材セラミクスN社Sさん
2005.08.31磁気光学効果の測定磁気光学A社Kさん
2005.08.31金属電極と半導体の合金化の結合エネルギー金属工学Tさん
2005.08.31力のモーメントの問題力学基礎主婦Sさん
2005.08.31液晶の交流駆動光物性A社Mさん
2005.08.29サファイアの1850℃までの高温特性素材セラミクスP社佐藤さん
2005.08.29シリコン研削粉のpn分離半導体プロセスエムセデック齊藤さん
2005.08.29カーボンブラックの濡れ性物性基礎N社Aさん
2005.08.2910円銅貨の汚れ落とし化学中学3年生関山さん
2005.08.22トンボの眼の紫外線視感度光物性磐田南高佐藤さん
2005.08.15導波管にTEM波を入射するとどうなるか 電磁気学S社Nさん
2005.08.12電子レンジによる水の加熱の原理誘電体物性電通大村田さん
2005.08.04有機溶媒の誘電率の周波数分散誘電体物性C社Nさん
2005.08.04ダイヤモンドとグラファイトの違い固体物性Aさん
2005.08.04モル吸光度から屈折率を求めるには光物性F社Uさん
2005.08.04TEM 波と静電磁界電磁気学S社Nさん
2005.07.29スピン演算子の固有値問題物性基礎X大学Yさん
2005.07.27ステンレスにおけるマルテンサイト量の評価金属物性A社O様
2005.07.27グラファイトの誘電率(εr)と損失角(tanδ)誘電物性R大Oさん
2005.07.27回折格子と近接場光物性M社Fさん
2005.07.25誘電損失はなぜ生まれるか誘電体物性R大学Oさん
2005.07.25単結晶Siの線膨張係数半導体熱物性三菱電機柳澤さん
2005.07.25AlGaN/GaN HEMTの抵抗率異方性半導体物性N大学Hさん
2005.07.20金属水酸化物金属物性Mさん
2005.07.18ZnSと[CuInS2]2の占有軌道数電子物性T大Tさん
2005.07.18分子軌道法物性基礎S大学坂口さん
2005.07.18誘電加熱誘電性K社Yさん
2005.07.13ITOの電気分解による導電性の劣化電子材料物性H社Sさん
2005.07.11NaのD線のゼーマンスペクトル光物性T大学Aさん
2005.07.11 プラチナ・パラジウムの分離法金属物性T社Tさん
2005.07.11チタン・ニッケル合金の機械的強度金属物性T社Tさん
2005.07.11LEDにおける波長と光度の関係光物性T大学Yさん
2005.07.07ひずんだシリコンのバンド構造と有効質量半導体物性農工大七条さん
2005.07.06二酸化珪素の熱伝導率の温度変化 熱物性名大田中さん
2005.07.05炭素繊維の構造結晶工学東洋大浜野さん
2005.07.05エチレングリコールとトリエチレングリコールの粘度と表面張力流体物性K社Yさん
2005.07.01厚底鍋のIH加熱電磁気学M社Mさん
2005.07.01磁性ナノビーズの磁束観察磁性A社Oさん
2005.06.30水素化アモルファスシリコンの電子移動度と正孔移動度の差はなぜか半導体物性S社Hさん
2005.06.30遷移金属酸化物のバンドギャップと移動度光物性S社Mさん
2005.06.28TiO2とUO2の結晶構造結晶物性神戸大Hさん
2005.06.27マイクロ波を用いたセラミックスの焼結セラミクスK大学大学院A
2005.06.27ユーイングのたわみ法と引っ張り試験で得られるヤング率機械特性D大Yさん
2005.06.272D, 1D, 0D 量子構造における発光光物性T大Tさん
2005.06.27TFEのp-h線図熱物性W大Nさん
2005.06.23金属の赤外反射・吸収特性光物性T社Oさん
2005.06.23アルミニウムの塗装と接着性金属加工電線会社池田さん
2005.06.23シリンダー内のピストンのロック金属工学S社Kさん
2005.06.23一般的な無機物の熱伝導率と硬さのデータ熱物性M社草間さん
2005.06.23鉛フリーハンダの銅食われ金属物性N社Uさん
2005.06.23浮力に関する入試過去問物理基礎主婦Sさん
2005.06.22GaAsにドープしたMn中性アクセプターの光遷移の選択則光物性K大Hさん
2005.06.22磁流と導磁率電磁気学S社Nさん
2005.06.22金属表面への吸着金属物性S社Uさん
2005.06.222次元フォトニックバンドギャップ光物性大学院生Tさん
2005.06.21水の解離定数と電気化学反応電気化学T大Mさん
2005.06.21ステンレスのヤング率金属物性 園部さん
2005.06.21YIGのディスアコモデーーション磁性久武さん
2005.06.21メッキの素過程における結晶成長電気化学ICメーカ松永さん
2005.06.14不純物半導体のフェルミ準位の決定法半導体物性W大学Sさん
2005.06.14超伝導体への電場の侵入長超伝導物性M社Yさん
2005.06.10コランダムの熱膨張係数の方位依存性熱物性Y専O.M.君
2005.06.1042合金の光吸収係数光物性X高専Hさん
2005.06.10温泉水の冷却熱物性S社Kさん
2005.06.10バンドギャップボーイングの起源半導体物性N社Tさん
2005.06.10LEDの通電劣化の原因光デバイスT社Zさん
2005.05.30水の最大密度物性基礎N社Sさん
2005.05.30樹脂の硬さ測定法 機械的性質N社Sさん
2005.05.27シリコンの熱酸化膜形成によるシリコンの消費半導体プロセスT大Tさん
2005.05.26異種金属間における電位差と腐食速度金属物性船舶修理技師村上さん
2005.05.23Geの仕事関数と電子親和力半導体物性S大学Nさん
2005.05.23光導電材料の感度光物性T大Kさん
2005.05.19低抵抗液体の誘電率測定法電気化学S大学Sさん
2005.05.16Rayleighの分解能の式光物性早大斉藤さん
2005.05.13圧着端子の加熱による強度変化金属物性J社Rさん
2005.05.13化学処理後の高濃度ドープシリコンに見られる不動態膜半導体プロセスS電機Tさん
2005.05.12フェライトによるインダクタンス増大の理由電磁気学成蹊大藤田さん
2005.05.12ステンレスの赤外領域における反射率の温度依存性光物性サーモエレクトロン社牛場さん
2005.05.10半導体の光学定数の温度依存性光物性N社Tさん
2005.05.10ダイヤモンドの熱膨張係数熱物性Y大学Yさん
2005.05.06カーボンブラックの誘電特性誘電性Kさん
2005.04.28X線と光の透過について光物性放射線技術者Hさん
2005.04.21シャフトの輸送中の磁化磁気物性TセンターKさん
2005.04.21フォトダイオードの量子効率光デバイスE社Mさん
2005.04.21バンドギャップの温度依存性光物性N社Tさん
2005.04.21金属酸化物薄膜の熱膨張係数 熱物性H社Hさん
2005.04.16直交するレーザ光の干渉光物性A社Mさん
2005.04.16微小ビーズの銀メッキの色光物性PB社赤沼さん
2005.04.16電子回路の問題回答電気工学M大学Kさん
2005.04.16電気回路の問題回答電気工学A社Nさん
2005.04.11ポリエチレンの誘電率(2)電気物性H社Nさん
2005.04.11消光係数の意味光物性化学会社Mさん
2005.03.28シリコーンの気体透過性化学W社Kさん
2005.03.25ドープされたシリコンの赤外吸収光物性H社Kさん
2005.03.25高圧ガス配管の伸び金属物性J社Oさん
2005.03.18ニオブ酸リチウムの物性値機械物性F社Sさん
2005.03.18薄膜の誘電率薄膜物性O大学Dさん
2005.03.16陰極蛍光管の暗黒効果光物性T社Sさん
2005.03.15表皮効果のシミュレーション電磁気学P社Sさん
2005.03.141000℃におけるシリコンの物性値 半導体物性日清紡竹崎さん
2005.03.14黒クロムの反射率光物性O社Mさん
2005.03.3シリコンの熱処理 半導体物性M社山田さん
2005.03.3真空の導電率光物性ダイキン工業池田さん
2005.02.23αスズの屈折率スペクトル光物性N社Sさん
2005.02.23高温におけるシリコンの比抵抗半導体物性M社Sさん
2005.02.23ガラス転移温度の低い高分子有機化学D社Sさん
2005.02.227075アルミニウム合金の焼鈍後の腐食金属物性茨城大雲さん
2005.02.22材料工学科vs物理工学科一般的質問T大Nさん
2005.02.17アモルファスカーボンの評価物性一般R社Iさん
2005.02.15X線領域での屈折率光物性T大学Zさん
2005.02.14初透磁率と分子場近似磁性H社西尾さん
2005.02.14ブリルアン散乱と偏光面の回転 光物性X大学Sさん
2005.02.14水酸化アルミニウムと炭酸カルシウムの熱伝導率熱物性N社Kさん
2005.02.10光と磁気p.48の質問光物性筑波大菅野さん
2005.02.08反射を用いた食塩の同定光物性N大Yさん
2005.02.04表面プラズモン共鳴センサー光物性阪大川住さん
2005.01.27金属の誘電率のシミュレーション光物性N社Sさん
2005.01.24レーザパワーの計測法光物性A社Nさん
2005.1.24ポリシリコン、銅の赤外での光学定数光物性もと半導体材料会社員山本さん
2005.1.24ナイトライドのエピ成長における問題点と解決法結晶成長Y大学Sさん
2005.1.24微結晶シリコンの核生成結晶成長A高専Kさん
2005.01.19高周波回路と誘電率 電子物性N大学Kさん
2005.01.17電子の利用電子物性九州東海大尾崎さん
2005.01.17原子中の電子物性基礎熊本大学Oさん
2005.01.13金属の電気抵抗の起源 電子物性K高専Sさん
2005.01.13真空中の導電体の誘電率光物性T社Uさん
2005.01.13圧延後と低温焼鈍による伸び率の変化金属物性T社Mさん
2005.01.12アルミと銀のスキンデプス光物性阪大Tさん
2005.01.12ITOの熱物性熱物性名大Aさん
2005.01.12周期表の原子の並べ方物性基礎樟蔭大小野田さん
2005.01.12金属混合による発色金属物性A社Mさん
2005.01.12全反射と屈折率光物性高専学生
2005.01.12鉄イオンの拡散について物性基礎アドテック半井さん
2005.01.12アルミ合金とステンレスのポワソン比金属物性シンコー佛円さん
2005.01.04X線結晶解析結晶学M大学Tさん
2004.12.29バンド理論について物性基礎阪市大Nさん
2004.12.29液晶の表面電位電子物性KS大Fさん
2004.12.24ショットキー障壁と整流性電子物性W大学Kさん
2004.12.24バンド励起後の電子緩和光物性大阪市大Nさん
2004.12.22パラジウムの表面の曇り金属物性S社Kさん
2004.12.22レジスト回転塗布と広がり方プロセスN社Nさん
2004.12.20モリブデン焼結体の粒径結晶成長K大学Mさん
2004.12.20光学異方性とスネルの法則光物性岐阜大望月さん
2004.12.20X線吸収端の定義光物性東大伊藤さん
2004.12.16モリブデンの反射率光物性M大学Oさん
2004.12.16色覚について光物性キャノン長谷川さん
2004.12.13タンタルの仕事関数 金属物性名大佐々野さん
2004.12.13方向性鋼板の磁区観察 磁性H大Fさん
2004.12.13オーステナイトステンレス鋼の脆性金属物性石川島播磨豊嶌さん
2004.12.08チタン・クロム・アンチモン系の顔料光物性S社Tさん
2004.12.07高屈折率透明物質光物性帝京平成大阿部さん
2004.11.30混相のX線回折材料評価M大学Tさん
2004.11.30カーボンマトリックスとグラニュラー磁性体磁性材料某大学Nさん
2004.11.30ステンレスの屈折率金属物性N大Tさん
2004.11.30Si/SiO2/air構造におけるSi発光の反射光物性N大Tさん
2004.11.25金属反射率の温度変化光物性K社Oさん
2004.11.24電界によるバンド間励起は可能か電子物性T大Oさん
2004.11.24アモルファスシリコンの光化学光物性T大Sさん
2004.11.241/4波長板の偏光状態光物性W大Kさん
2004.11.22光吸収による汗の分析光物性A高専Tさん
2004.11.22YIGの放射率熱物性F社Sさん
2004.11.22密度汎関数理論とバンドギャップ物性理論T大Nさん
2004.11.18金属と絶縁体の屈折率光物性京大Iさん
2004.11.18強誘電体の誘電率誘電体物性T社Tさん
2004.11.17電磁波の電界測定電気通信電通大笹川さん
2004.11.17銀薄膜の酸素透過率金属物性三社電機寺本様
2004.11.16一般炭素鋼での高温でのヤング率金属物性会社員Nさん
2004.11.12プラズモン励起について光物性北陸先端大岩井さん
2004.11.12反磁性の磁化率磁性京大Kさん
2004.11.11金属の粘性係数と表面張力金属物性D社Kさん
2004.11.11「光と磁気(改訂版)」付録Cの式の導出」磁気光学関西大小川さん
2004.11.09チタンの屈折率金属物性T高専K
2004.11.09半導体金属複合材料の光吸収光物性T大Nさん
2004.11.09スーパーボールがドアの動きを止める物性基礎K 高校2年Hさん
2004.11.08異方性結晶中の光の伝播光物性岐阜大1年望月さん
2004.11.02円二色性のミュラー行列光学農工大小川さん
2004.11.01エアロゲルの熱輸送について熱的性質K社Yさん
2004.11.01反射スペクトルと屈折率光物性日大Hさん
2004.11.01配管リークの許容値へのコメントプロセスS社Kさん
2004.10.28めっき材と被めっき材の抵抗金属物性C社Kさん
2004.10.28ステンレスの不動態の抵抗金属物性Y社Oさん
2004.10.27Bi2Te3の誘電率誘電性R大Mさん
2004.10.25グラファイトの抵抗率電気的性質茨城高専内藤さん
2004.10.25光の屈折とダイヤモンドの輝き光物性中1土井さん
2004.10.25配管リークの許容値プロセスE社Oさん
2004.10.22シリコンと同等の熱膨張をもつ金属熱的性質プロブエース社木本さん
2004.10.22示温塗料熱的性質川村さん
2004.10.22金属の接触電位差電子物性筑波大大場さん
2004.10.22磁気テープの層厚と入出力特性磁性埼玉大浜田さん
2004.10.20接地用のSUS板電気特性ミズノ金型石黒さん
2004.10.20分散と群速度光物性/td>京大Yさん
2004.10.20回折格子とプリズム光物性大学2年佐々木さん
2004.10.20Mie散乱と表面プラズモン共鳴光物性Oさん
2004.10.19銀パラジウムの物性値金属物性C社Kさん
2004.10.18表皮効果とリアクタンス電磁気学O大学Iさん
2004.10.14小孔からの空気のリーク物性基礎M社Oさん
2004.10.13光ファイバーのレーリー散乱を減らすには回答せず電機大4年斎藤さん
2004.10.13常磁性極限から導いた磁気光学効果のスペクトルのちがい磁気光学東大大学院嶋田さん
2004.10.12光のエネルギーの吸収・損失光物性A社Kさん
2004.10.12音響的に優れた金属の加工法金属物性K大学Kさん
2004.10.12光の全反射について光物性化学工業協会高橋さん
2004.10.12カーボンの付着と剥離機械的性質O大学Nさん
2004.10.08ナノ粒子の光反射光物性F社Nさん
2004.10.07高分子と金属の物性比較物性一般早大YTさん
2004.10.07水銀の光吸収係数光物性光関連企業Oさん
2004.10.06 半導体エピ層における圧電効果半導体物性東京工科大大平さん
2004.10.04フォトリフレクタンス光物性K大学Sさん
2004.10.04コイルの磁界電磁気学花田さん
2004.09.24回転磁界電磁気学技術者汐崎さん
2004.09.22水晶の転位点での熱膨張係数熱的性質K社Sさん
2004.09.15注射器の中の空気の膨張物性基礎S社Kさん
2004.09.15MOSキャパシター半導体デバイス東北大小林さん
2004.09.15吸収端決定のための吸収スペクトルの式光物性B社Hさん
2004.09.15変圧器の等価回路電気回路神戸大鈴木さん
2004.09.07 プラズモン増強とエネルギー保存則光物性M社Oさん
2004.09.07プラズモンとエバネセント波光物性R社Yさん
2004.08.31電子部品の硫化による断線(8/7質問:up忘れ)金属化学電機メーカーHさん
2004.08.30プラズモン振動数について光物性R大Tさん
2004.08.27炭素繊維複合材料の透磁率磁気的性質素材関係 Aさん
2004.08.27IH加熱に適した鍋材電気物性金属会社鈴木さん。
2004.08.27合金の仕事関数金属物性N社のOさん
2004.08.251次元の箱に閉じこめられた質量mの粒子の運動量物性基礎社会人学生中島さん
2004.08.25自然酸化膜につて半導体プロセスG社上山さん
2004.08.24アルゴンガスの飽和水蒸気量物理化学基礎C社Hさん
2004.08.24シリコンウェハーの赤外線スペクトル半導体光物性K大学Tさん
2004.08.17フロロシリコン化学A社Nさん
2004.08.17鉄、アルミ、ステンレスの熱膨張金属熱的性質建築金物業寺西さん
2004.08.17拡散反射を用いたバンドギャップ算出光物性K大KSさん
2004.08.17金属はなぜさびる金属化学美容学校生山田さん
2004.08.06ITOの密着度機械的性質G社Aさん
2004.08.0642合金への銀メッキ金属工学R社Kさん
2004.08.04表皮効果と金属の反射電磁気学A社Kさん
2004.07.30アッベの屈折計光学装置フィルムメーカーのAさん
2004.07.29バイポーラトランジスタのhFE(=Ic/Ib)の温度依存性半導体デバイスM社山田さん
2004.07.26金属の反射(ZnとAl)金属光物性M社Wさん
2004.07.24酒石酸単結晶結晶成長都立大Iさん
2004.07.23誘電損失と結晶性誘電特性K大学Yさん
2004.07.21空気は積もらないか物理基礎金沢大持田さん
2004.07.21Siにショットキー障壁を作る金属半導体デバイスG社上山さん
2004.07.20 逆バイアスでのトランジスタの破壊半導体デバイス立命館大岡本さん
2004.07.20石英ガラスの低温特性セラミクス熱的特性N社Sさん
2004.07.15金属による光吸収金属光学的性質M社Wさん
2004.07.15Pd/Geはショットキーダイオードになるか半導体物性Y大学Mさん
2004.07.14透明電磁波シールドフィルムの電気抵抗電子材料A社Kさん
2004.07.13アナログ電子回路の現状と課題電子回路広島工大Tさん
2004.07.12真性半導体の活性化エネルギー半導体物性群馬高専亀谷さん
2004.07.12ハイブリッドICの熱設計半導体デバイスM社Kさん
2004.07.12半導体素子の温度依存性半導体物性M社山田さん
2004.07.08シンチレーションカウンタ用のオプティカルセメント光学岐阜大学杉原さん
2004.07.05トムスン四面体結晶学K大学四年Oさん
2004.07.05シリコンの曲げ応力機械的性質R社Fさん
2004.07.05MOSFETのフラットバンド電圧の評価法半導体デバイス法政大Tさん
2004.07.02 空気/金/ガラスの反射率光物性M社Oさん
2004.07.02冷却したときのセラミクス箱の内部圧力物性基礎R社Fさん
2004.06.29回折限界の式の係数は0.5か0.82か光学基礎会社員Kさん
2004.06.28化学実験における誤差の考察物性基礎高校生Kさん
2004.06.28FeとAlの沈降速度の計算物性基礎M社Yさん
2004.06.25偏光板の金属微粒子光物性K大学Mさん
2004.06.25金属材料の線膨張係数金属物性N社Kさん
2004.06.25超格子のサテライト回折線結晶物性O大学M2Oさん
2004.06.24モース硬度をショアー硬度に換算出来るか機械的性質会社員山口さん
2004.06.24間接遷移がわからない物性基礎化学系Oさん
2004.06.22ITOの特性改善電子材料 N社Iさん
2004.06.22エチレンプロピレンゴムの誘電率絶縁材料豊橋技科大田中さん
2004.06.22アルミ板の反り金属材料O社和佐さん
2004.06.21光の屈折光物性中学1年山田さん
2004.06.18パソコンのモジュラージャックの材料金属材料豊橋技科大 藤森さん
2004.06.18高温での銀ペースト金属材料M社Mさん
2004.06.17ロッド形微粒子分散系の表面プラズモン共鳴光物性F社Nさん
2004.06.10縮退半導体の静電遮蔽効果半導体物性F社Oさん
2004.06.07偏光板とヨウ素光物性 道立理科教育セ前田さん
2004.06.07非線形光学特性の評価法光物性I大学Dさん
2004.05.26IH鍋と銀ペースト金属・電気的性質M電機Mさん
2004.05.24樹脂封止での金属の強度材料T社Fさん
2004.05.24光の伝搬光物性X教育大学Iさん
2004.05.20キャリア濃度の評価半導体物性T大学Mさん
2004.05.20カーボンブラックと黒鉛の違い材料物性M社のSさん
2004.05.20金属表面処理金属物性N大学Tさん
2004.05.20縦波弾性率とヤング率音波物性医用機器メーカMさん
2004.05.20逆圧電効果と電気歪誘電体物性M大学Tさん
2004.05.20ガラスの赤外特性光物性K社Kさん
2004.05.20金属の近赤外反射特性光物性K社Kさん
2004.05.10鉄心材料磁性M大学Tさん
2004.05.10空気のヤング率材料物性R社Fさん
2004.05.10カーボンブラック中の金属の除去法材料物性S社Kさん
2004.05.10石英ファイバーとシリカファイバーの違い光デバイスJ社堀内さん
2004.05.06人間の血液での732nm励起生体光物性A社小澤さん
2004.05.06酸化スズの熱伝導率熱的性質グローリー工業上山さん
2004.04.26ペロブスカイト型強誘電体の圧電性誘電体阪府大Oさん
2004.04.26鉛の密度金属核燃料メーカ高橋さん
2004.04.26アルミニウムの反射率金属広島大高瀬
2004.04.12ポリエチレンの比誘電率有機材料M社Oさん
2004.04.09青色波長でのアイソレータ材料磁気光学T社Mさん
2004.04.08バーベキューで日焼けするか一般S社Kさん
2004.04.04フォトダイオードの低温特性光デバイス金沢工大中村さん
2004.03.26フォトニック結晶のlight lineとlight cone光物性奈良先端大Tさん
2004.03.16薄いファラデー回転子Q&Aへのコメント磁気光学東北大Kさん
2004.03.16導体の誘電損失誘電率K社中堀さん
2004.03.16薄いファラデー回転子磁気光学N社中村さん
2004.03.15複合誘電体の誘電率誘電体D社Oさん
2004.03.15アモルファスカーボンの電気特性電気伝導K大学Hさん
2004.03.10ZnOの赤外吸収光物性イビデン玉木さん
2004.03.04「光と磁気」誤植p206磁気光学千歳科学技術大川辺さん
2004.03.03「光と磁気」誤植p147磁気光学阪大山内さん
2004.03.03サファイアの放射率光物性A社Sさん
2004.03.01高圧ケーブルの劣化電気材料S電機Kさん
2004.02.24ZnOのフォトルミネッセンス(2/2質問の続き)光物性S大Hさん
2004.02.23スピン依存散乱の起源(10/27質問のつづき)磁性H大Wさん
2004.02.19物質中の光速の波長依存性光物性高校教員古家さん
2004.02.19ZnOの圧電性について半導体/物性京都工繊大Mさん
2004.02.17もろみの比熱熱的性質O社藤沢さん
2004.02.10磁気光学効果の測定法について磁気光学群馬大米山さん
2004.02.06クロムの降伏応力 金属/物性Y大Kさん
2004.02.05表面プラズモンとエバネッセント波の結合光物性O大学Nさん
2004.02.04酸化しない金属ってあるの金属N社Sさん
2004.02.04 薄膜における干渉と膜厚光物性K大学Mさん
2004.02.02 導体の誘電率電磁気A社Bambooさん
2004.02.02 ZnOのフォトルミネッセンス光物性 S大学Hさん
2004.01.30 紫外線340nmのLED光物性/デバイス T大学山本さん
2004.01.29 二次非線形分極率と2光子吸収との関係光物性 K社Mさん
2004.01.22 光の散乱と吸収光物性 T社内田さん
2004.01.22 酸化ゲルマニウム中のエルビウムの発光機構光物性 某大学SKさん
2004.01.22 太陽電池におけるジュール発熱光電変換 M高専Oさん
2004.01.22 ポリ塩化アルミニウム化学 まさひろさん
2004.01.22 水の非線形屈折率光物性早大川口さん
2004.01.22 アゾベンゼンの光異性化現象光化学N大学Kさん(コメント追加1/29)
2004.01.13 標準電極電位電気化学S大Hさん
2004.01.13 無機砒素の定量分析化学味の素兜嵩。さん
2004.01.09 Feスパッタ膜磁性 江原さん
2004.01.09 ゼロ次回折効率を上げるには光物性 F社Sさん
2004.01.09 光学フィルタ膜をコートした水晶板光物性 半導体メーカKさん
2004.01.06 ニッケル亜鉛フェライトの飽和磁化磁性 早大TMさん
2004.01.06 アーンショウの定理電磁気 
2004.01.06 偏光板の劣化について光物性 S社Sさん
2003.12.26 金属の吸収係数、反射率金属/光物性 T社Fさん
2003.12.25 有機物の光学定数光物性 K社Aさん
2003.12.25 表面プラズモンのエバネセント波金属/光物性 社会人1年生平井さん
2003.12.18 超硬合金の英訳金属 翻訳家小泉さん
2003.12.15 粗さの単位KA材料 法政大高松さん
2003.12.13 溶液の吸光係数光物性 T大学Oさん
2003.12.13 太陽電池の温度上昇による効率低下光電変換 M高専Oさん
2003.12.09 スチール缶とアルミ缶材料/金属 日本化学工業協会高橋さん
2003.12.08 絶縁体のバンドギャップ光物性 東芝三菱電機産業システム田畑さん
2003.12.08 インダクタンスと磁気電磁気 セルバック大沢さん
2003.12.08 ファラデー効果はなぜ起きる磁気光学 室蘭工大佐藤さん
2003.12.03 酸化タンタルの色光物性 東理大住大さん
2003.12.01 金属光沢について金属/光物性 日本航空専門学校教員谷村さん
2003.11.28 緩和弾性率材料/物性 S社Kさん
2003.11.28 金属の臭い金属/物性 K大学Iさん
2003.11.21 ステンレス鋼の耐酸性金属/物性 竹中工務店結城様
2003.11.20 スパッタクロム膜の最適膜厚金属/物性 H社Mさん
2003.11.18 可変スモークガラス光学素子 V社Mさん(質問日 03/10/27)
2003.11.17 水の紫外線吸収光物性 H社松山さん
2003.11.16 オペアンプ回路の飽和現象電子工学 八尾市前川さん
2003.11.15 金属微粒子の赤外光物性金属/光物性 電機会社Hさん
2003.11.13 オパールの色とシリカ粒子のサイズ光物性 A高校Mさん
2003.11.13 CVDラジカルの平均自由行程ものづくり A社Sさん
2003.11.11 シリコンの屈折率半導体/光物性 岐阜大Sさん
2003.11.10 空気の熱膨張係数気体/物性 V社Sさん
2003.11.08 LEDの発光の原理光物性/デバイス K大学Yさん
2003.11.01 Alの焼鈍材と圧延材金属/物性 X大知能生産システムMKさん
2003.10.30 結晶中のポテンシャル固体物理 長岡技科大高原さん
2003.10.30 カーボンの赤外透過率光物性 高校教諭大島さん
2003.10.28 鉄の固有振動数物性 静岡県石田さん
2003.10.27 スピン依存平均自由行程磁性/伝導 広島大Wさん
2003.10.26 人工オパールと天然オパールの屈折率のちがい光物性 A高校Mさん
2003.10.25 電析膜の光学的バンドギャップ半導体/光物性 早大Iさん
2003.10.23 ダイヤモンドと黒鉛の色のちがい光物性 日本化学工業協会高橋さん
2003.10.22 異方性物質のファラデー効果磁気光学 東大松原さん
2003.10.21 高耐電圧・高誘電率材料電気材料 S社Nさん
2003.10.21 金属結合金属/固体物理 H社Kさん
2003.10.20 磁心材料の具備条件磁性 C大学鈴木さん
2003.10.19 規則配列はなぜランダム配列より安定か材料/物性 九大Keethさん
2003.10.18 希土類磁石の結晶場磁性 N社Kさん
2003.10.13 延伸した高分子の異方性化学/光物性 学生市川さん
2003.10.12 トレハロースの立体構造と旋光性化学/光物性 慶大Oさん
2003.10.08 高校理科における半導体関係半導体 高校3年 小坂さん
2003.09.30 表面プラズモンを理解するための本光物性 K社Aさん
2003.09.30 中赤外における金属の反射金属/光物性 矢崎総業宮崎さん
2003.09.29 MBEはなぜ非平衡結晶成長なのかものづくり T大学Sさん
2003.09.20 脆性材料の延性モードでの切削材料/金属 K大学Oさん
2003.09.19 反発係数の算出物性 F社Oさん
2003.09.19 焼結金属材料の電気抵抗熱劣化金属/伝導 T社Mさん
2003.09.12 ナノ結晶シリコンの発光メカニズム半導体/光物性 A社Kさん
2003.09.09 αコバルトとβコバルト金属/磁性 東北大Mさん
2003.09.06 比透磁率の膜厚依存性磁性 高橋さん
2003.09.01 硫化銀の誘電率誘電率O社中川さん
2003.08.30 昆虫の構造色について光物性大学受験生星さん
2003.08.27 ステンレスの磁化金属/磁性 S社Oさん
2003.08.27 渦電流の発生について電磁気 M社Iさん
2003.08.27 ITOのキャリア密度と反射率光物性TK大学Fさん
2003.08.24 「光と磁気」p.66 図4.3間違い磁気光学 旭化成 小高さん
2003.08.20 ITOの結晶構造固体物理 S大学碇さん
2003.08.19 金属はなぜ光る金属/光物性 佐合さん
2003.08.13 酸化クロムの硬さについて材料/物性 M社Yさん
2003.08.12 透磁率が1でない物質の誘電率測定誘電率 井上さん
2003.08.09 マンセル明度と反射率色彩 勝呂優香さん
2003.08.07 二酸化珪素と炭素の誘電率誘電率 N社清水さん
2003.08.06 ITO電極を用いた水の電気分解反応電気化学 G社のMさん
2003.08.06 液晶の解説書に疑問光デバイス 化学会社Mさん
2003.08.04 夕日の色の謎色彩 沖縄西原中2年大迫さん
2003.07.31 シリコンの光伝導スペクトル半導体/光物性 半導体企業Yさん
2003.07.30 磁性ガーネットの光学定数磁気光学 リコー桂川さん
2003.07.30 交流電場への液晶分子の配向光デバイス 東北大大学院生Oさん
2003.07.30 真空の導電率電磁気/導電率 ワクチン製造メーカーTさん
2003.07.25 熱測定の際のダミーの選定基準熱的性質T大学Tさん
2003.07.24 酸化アルミニウムのnとkについて光物性 C大学Sさん
2003.07.23 k-空間の物理的説明固体物理 電気会社Tさん
2003.07.23 分極率の高エネルギー側のふるまい誘電率 化学会社Mさん
2003.07.23 真鍮の結晶構造金属/物性 H社Kさん
2003.07.20 鉄・銅・真鍮の密度 金属/物性 S中学Hさん
2003.07.18 白色絶縁体について光物性T社Mさん
2003.07.17 ポリブタジエンの伸縮性化学中央大伊古田さん
2003.07.14 アンモニアの固有振動モード光物性 理科大山口さん
2003.07.11 熱収縮熱的性質 主婦 Hさん
2003.07.10 身近にある磁性材料磁性 I大学Tさん
2003.07.07 熱抵抗について熱的性質/伝導 S社Uさん
2003.07.03 Ti-Ni形状記憶合金の状態図について 金属/物性 信州大学4年Tさん
2003.07.02 斜め入射反射における位相の飛びについて光物性 S社MSさん
2003.06.30 ITOの溶解化学 N大学Oさん
2003.06.29 二酸化炭素の自然界での分解化学 T中学13才Kさん
2003.06.28 反射の際の位相のずれ光物性 S社MSさん
2003.06.20 真空の耐電圧電気工学 森本さん
2003.06.19 金属結合と共有結合の関係金属/固体物理 Iさん
2003.06.19 金属の吸収端とプラズマ振動数金属/光物性 O社Mさん
2003.06.18 焼結法と状態図材料/ものづくり M大学Yさん
2003.06.17 酸化チタンの光伝導(2)光電変換 N社Hさん
2003.06.13 透過率とシート抵抗光物性/伝導 東大M2村瀬さん
2003.06.12 鉄の相変態と格子定数金属/物性 電気会社山下さん
2003.06.11 磁石の大きさと電磁誘導磁性/電磁気 W大学Kさん
2003.06.05 ぬれた石はなぜ黒い色彩 成蹊大川田さん
2003.06.03 光の周波数における透磁率磁性 東大先端研 馬さん
2003.06.03 シリカガラスの赤外屈折率光物性 TQ社Aさん
2003.05.29 現像銀は何故黒いか金属/光物性 コニカ大谷さん
2003.05.28 アルミニウムのUV反射率金属/光物性 C大学Uさん
2003.05.27 ITOの成膜条件と物性値の関係ものづくり/物性 KK大学Nさん
2003.05.21 シュブニコフ・ドハース(SdH)振動磁性/固体物理 TK大学Hさん
2003.05.14 空気と水の誘電率誘電率 苫小牧高専森さん
2003.05.13 光ファイバー中のラマン散乱光応用/光物性 A社Mさん
2003.05.13 ブリルアン領域固体物理 某大学福井さん
2003.05.10 グラファイトカーボン物性値物性 T社Sさん
2003.05.08 サファイアのエッチャント材料/化学 F社Kさん
2003.05.07 アルミニウムの反射率金属/光物性 F社Wさん
2003.05.02 酸化チタンの光伝導光電変換 N社Hさん
2003.04.22 BLTの赤外スペクトル光物性 F大Tさん
2003.04.21 FEDの封止法ディスプレイ T社Yさん
2003.04.21 不純物準位計算法固体物理 M社Nさん
2003.04.16 金属結合の原子モデル金属/固体物理 R社Iさん
2003.04.10 シリコンの超音波反射半導体/音波物性 半導体会社RYさん
2003.04.10 円筒電子レンジとソーラーエアコン電気電子工学 商品開発会社Yさん
2003.04.09 セラミックのマイクロ波透過電磁気 Tさん
2003.03.19 ITOの熱伝導率熱的性質 S社Sさん
2003.03.18 転位密度の測り方結晶工学 熊本大学浅田さん
2003.03.15 接触面積と電流による損傷電気工学 Nさん
2003.03.14 引き上げ法で金属が作れるか金属/ものづくりK社Kさん
2003.03.10 ハードディスクに対するX線の影響磁性/物性Sさん
2003.03.07 磁区と結晶粒磁性 K社Tさん
2003.03.05 炭素のマイクロ波加熱電磁気 S株式会社Sさん
2003.02.26 白金黒と銅粉の違い(金属微粒子の反射)金属/光物性 A高専Tさん
2003.02.10 磁歪について磁性 K社Tさん
2003.02.10 シリコンウェハーの斜め入射UV反射率半導体/光物性 C大学大学院Uさん
2003.02.09 液晶の赤外特性光デバイス/光物性 H社Nさん
2003.02.03 規格化周波数と薄膜の反射率光物性 岡山理大中瀬さん
2003.01.31 CIS太陽電池におけるCdSの光伝導度光電変換 T大学Eさん
2003.01.29 焼結体のEPMA分析物性 T大学江原さん
2003.01.28 黒くなった液晶表示ディスプレイ O社Kさん
2003.01.27 磁性フォトニック結晶における光局在光物性金沢工大佐々木さん
2003.01.22 斜め入射の光吸収光物性Sさん
2003.01.21 45度入射の薄膜の反射・透過の計算法光物性 OS大学MNさん
2003.01.21 有機ELについてディスプレイ佐藤さん
2003.01.20 レーザ照射と吸収の増加光物性 理科大花田さん
2003.01.20 チタンとカーボンの光吸収金属/光物性 岡山大行司さん
2002.01.18 アルミと酸化アルミの光学的性質光物性 田岡さん
2002.01.10 温水の超音波伝搬音波物性山梨大学Mさん
2002.01.09 セラミクスのマイクロ波焼結ものづくり M社Iさん
2002.01.07 整流作用について電子工学 romansuさん
2002.12.28 機能材料のための量子工学固体物理日大鈴木さん
2002.12.26 コバルト置換YIGについて磁気光学 S社Kさん
2002.12.22 電析膜の光吸収光物性 早大Iさん
2002.12.20 同位体の購入材料北Texas大、神(ジン)さん
2002.12.13 屈折率分散のない材料光物性 C社Aさん
2002.12.12 中赤外域のファラデー効果磁気光学 R社Kさん
2002.12.06 半導体についたヨウ素を除くには半導体/化学北Texas大、神(ジン)さん
2002.12.02 超伝導ギャップとスピンギャップ超伝導 T大江原さん
2002.11.29 多層膜の反射率光物性 ニュークリエイション坂井さん
2002.11.25 高分子光物性光物性/光化学 T大学Iさん
2002.11.22 磁気相転移磁性 某国立大のMさん
2002.11.21 結晶粒界結晶工学 東京理科大下田さん
2002.11.21 X線吸収光物性 筑波大Tさん
2002.11.19 色素増感太陽電池光電変換 H大Sさん
2002.11.18 磁性フォトニック結晶磁気光学 S社Kさん
2002.11.18 放射性夜光塗料(光物性工学講義ノートへの指摘)色彩/光物性 TKPLABさん
2002.11.15 半導体のサブギャップ吸収半導体/光物性 東京理科大田中さん
2002.11.13 光伝導について光電変換 神戸大細川さん
2002.11.10 熱電効果について熱的性質/伝導 RYOさん
2002.11.08 YIGと反射膜磁気光学/光物性 金沢工大佐々木さん
2002.11.08 IH鍋電磁気 Eセンター重松さん
2002.11.06 Birch-Murnaghan の状態方程式物性T大学Tさん
2002.11.06 光学ローパスフィルタ用IRフィルタ光学素子/光物性 C社Aさん
2002.11.04 絶縁体の光吸収光物性 東京理科大田中さん
2002.10.31 薄膜の柱状構造材料/物性T大Eさん
2002.10.29 キャリア活性化半導体/物性 日産自動車金子さん
2002.10.29 透明電極光物性 H大Sさん
2002.10.29 金属微粒子のプラズモン励起 金属/光物性 N大Kさん
2002.10.28 金属のキャリア濃度金属/物性 N大Oさん
2002.10.18 光触媒光化学 M社Fさん
2002.10.18 液晶ディスプレーのIPSモードディスプレイ N社Mさん
2002.10.15 金属の有効質量金属/物性 N大Oさん
2002.10.15 表面プラズモン共鳴バイオセンサーについて光物性/バイオ M.A.さん
2002.10.11 円偏光の反射光物性 T社Kさん
2002.10.10 複素誘電率について誘電率 M工大Tさん
2002.10.09 鉄心のB-H曲線磁性 衛藤さん
2002.10.03 逆格子の参考書固体物理 島根大Hさん
2002.10.02 RFイオンプレーティング用コイルのマッチングものづくり/電磁気 T大Eさん
2002.10.02 エバネッセント波について光物性 *大Kさん
2002.09.28 光学的バンドギャップとホトニックバンドギャップ光物性 O社Kさん
2002.09.23 シート抵抗について伝導 法政大学Hさん
2002.09.21 硬さと反発係数機械的性質 H高Mさん
2002.09.18 Si半導体中の電子の有効質量 半導体/物性K大Iさん
2002.09.14 デバイ温度と結合力物性/熱的性質 N大Hさん
2002.09.03 導波管の磁場と磁性体 磁性/電磁気 S研Nさん
2002.09.01 電子の性質について知りたい固体物理 Nさん
2002.08.22 メタルの上に材料を積層したときの反射率の求め方金属/光物性 M社Yさん
2002.08.19 コメント「エクセルで薄膜の反射率が計算できる」光物性 大塚電子大川内さん
2002.08.18 なぜ、コイルの中に磁石を入れるだけで、電気が生じるのですか電磁気 中学生伊藤さん
2002.08.13 ウィレマイトの誘電率がわかりました誘電率 N社Uさん
2002.08.07 ウイレマイトの誘電率誘電率 N社Uさん
2002.08.01 North Coast EO-817 Detectorの仕様を知りたい計測 Olivierさん
2002.07.29 光学定数から薄膜の反射率を計算できるか光物性 N社Sさん
2002.07.12 X線消滅則について物性 同志社大SC-219さん
2002.07.12 ハーフメタルについて金属/磁性 A社Bさん
2002.07.06 bilayer-CIS太陽電池における低抵抗CdSの役割光電変換 T大Eさん
2002.07.08 物質の温度低下について熱的性質 N社林さん
2002.07.08 電子レンジによる炭素の加熱電磁気 同志社女子中高物理科北野さん
2002.07.07 誘電体を含むコンデンサ電磁気 九工大Fさん
2002.06.28 うつぶせの洗面器力学 武井さん
2002.06.17 誘電体中の光の伝搬光物性 Mさん
2002.06.05 金属結合について金属/物性 ウシオ電機池内さん
2002.06.02 太陽電池の本光電変換 T大Eさん
2002.05.31 ランセット磁区磁性 高岡さん
2002.05.28 水分子の結合角物性 Mさん
2002.05.25 高熱伝導率材料熱的性質/伝導 ウシオ電機池内さん
2002.05.22 CIS太陽電池におけるCdSの役割光電変換 T大Eさん
2002.05.20 亜鉛の光吸収係数金属/光物性 T大Tさん
2002.05.20 カーボン粒子を含むゴムの誘電損失誘電率 A社Nさん
2002.05.16 金属の熱膨張係数金属/熱的性質 B社Yさん
2002.05.12 励起子ポラリトン光物性 筑波大小山さん
2002.04.19 ガラスの高温での結晶化について物性 Davidさん
2002.04.22 空気と水の質量について物性 Aさん
2002.04.19 斜めギザギザ構造からの発色(反射光)について光物性 T社Yさん
2002.04.13 振幅反射率とエネルギー反射率光物性 MKさん
2002.04.04 リンゴはなぜ赤い色彩 印刷会社Kenjiさん
2002.04.03 斜め入射の反射における複素数の屈折角光物性 O社Oさん
2002.04.02 はんだのぬれ上がり金属 ロンさん
2002.04.02 光の吸収係数について光物性 市嶋さん
2002.03.29 カー楕円率によるヒステリシス磁気光学 日立中研松山さん
2002.03.28 「光と磁気」への質問(誤植の指摘)磁気光学 阪大諏訪さん
2002.03.21 表面粗さと反射率の関係光物性 半導体メーカTYさん
2002.03.09 半田メッキ上の半田くずの検出法金属/計測 半導体メーカTYさん
2002.03.08 Ta2O5薄膜の組成について物性 A社HSさん
2002.03.04 1次元格子のデバイ温度固体物理 K大学稲葉さん
2002.02.19 「新しい磁気と光の科学」についての質問磁気光学 東大志村さん
2002.02.18 シリコンの硬さ半導体/機械的性質 K大学UJさん
2002.02.18 XRDの配向性とは物性 Daisuke Yoshidaさん
2002.02.06 MOディスクの動作原理磁気光学 T.K.さん
2002.01.31 アモルファス磁性体とは磁性 熊本さん
2002.01.28 In2S3の結晶構造について結晶工学 都城高専Hさん
2002.01.24 スピネル構造の密度・硬度について結晶工学 同志社大tj6041、tj6153さん
2002.01.23 非線形磁気光学について光物性/非線形 K大学Nさん
2002.01.21 半導体の誘電率に関する質問半導体/誘電率 筑波大学小山さん
2002.01.19 光ファイバのレイリー散乱について光通信/光物性 Tさん
2002.01.17 酸化チタン(III)について材料 DS大学岡本さん
2002.01.16 有効質量について固体物理 D大学Ikedaさん
2002.01.10 励起子発光について光物性 N大学Kさん
2001.12.21 CVDと真空ものづくり K大学Tさん
2001.12.20 光学吸収端の裾光物性T社Yさん
2001.12.20 磁性薄膜の光学測定磁性/光物性 KM大学Nさん
2001.12.18 比誘電率が大きいとは?誘電率 池田さん
2001.12.10 フェルミディラック分布固体物理 Aoki Kojiさん
2001.12.10 宝石について色彩/光物性 N.Okamuraさん
2001.11.24 整流作用の実用例電気工学 Takaさん
2001.10.30 ポリマーの色と電気伝導化学/光物性 バンドー化学 武居さん
2001.10.10 硬さと濡れ性の関係について金属/機械的性質 T社IJさん
2001.10.10 岩石と木材の見分け方材料/計測 KSさん
2001.10.10 色彩の見え方色彩 ATさん
2001.9.27 最近の磁性半導体の話題磁性/半導体 阪大 金村さん
2001.9.07 誘電率の周波数分散誘電率 D社Mさん
2001.8.28 CDの虹色色彩 Nonoguchiさん
2001.8.22 炭素の性質物性 Y社Nさん
2001.6.26 光学定数の抽出法光物性 MTさん
2001.6.26 金属の誘電率金属/誘電率 豊田工大 松浦さん
2001.6.21 オシロスコープと磁界磁性 Kotaro Takahashiさん
2001.6.13 材料の硬さと延性について材料/機械的性質 B大学THさん
2001.5.23 光電変換材料光電変換 阪大Nさん
2001.5.16 反強磁性体の磁気光学効果磁気光学 東大Kさん
2001.5.15 PEMによる磁気光学効果測定におけるフィードバック回路磁気光学 K大学Sさん
2001.5.11 光子と電波のちがい電磁気 Mさん
2001.5.07 水中での紫外線の減衰光物性 山形大学 横田憲司さん
2001.5.07 朝日と夕日の色の違い色彩/自然 
2001.4.27 低周波における金属の誘電率金属/誘電率  
2001.4.27 ミリ波帯の誘電損失電磁気  
2001.4.10 固体の熱膨張係数熱的性質  
2001.3.13 液晶ディスプレー(2)ディスプレイ  
2001.3.05 斜め入射の金属の反射率金属/光物性  
2001.2.20 「光と磁気」への質問:プラズマエンハンスメント磁気光学  
2001.2.06 液晶ディスプレイディスプレイ 
2001.1.22 裏面反射を拾わない反射率測定光物性 
2001.1.22 圧電セラミクスと鉛音波物性 


キーワード索引

  
 
  • ア行
  • ア:
  • IH加熱に適した鍋材
  • IH鍋
  • IH鍋と銀ペースト
  • IPSモード(液晶ディスプレー)
  • ITO(キャリア密度と反射率)
  • ITO (成膜条件と物性値の関係)
  • ITO (熱伝導率),
  • ITO (溶解)
  • ITO (結晶構造)
  • ITOの特性改善
  • ITOの密着度
  • 青色波長でのアイソレータ材料
  • 亜鉛(光吸収係数)
  • 赤い色(リンゴ)
  • 朝日の色
  • 汗の分析(光吸収による)
  • 「新しい磁気と光の科学」
  • 圧延材(Al)
  • 圧着端子の加熱による強度変化
  • 圧電セラミクス
  • 圧電性(ZnO)
  • アナログ電子回路の現状と課題
  • アナログ通信とディジタル通信
  • アッベの屈折計
  • アモルファス磁性体
  • アモルファスシリコンの光化学
  • 粗さ(金属表面の反射率)
  • 粗さの単位KA
  • アルゴンガスの飽和水蒸気量
  • アルミ缶(スチール缶と)
  • アルミ板の反り
  • アルミニウム合金の焼鈍後の腐食
  • アルミニウムの反射率
  • アルミニウムの反射率のディップ
  • アルミニウムの反射率(高い反射率の起源)
  • アルミニウムのUV反射率
  • アルミパイプ
  • アルミニウムの焼鈍材と圧延材
  • αコバルトとβコバルト
  • アントシアン系色素
  • アンモニアの固有振動モード
  • イ:
  • EL(有機)
  • EPMA分析(焼結体)
  • 異方性物質のファラデー効果
  • 異方性結晶中の光の伝播
  • 色(宝石)
  • 色(ポリマー)
  • 色(暗所での見え方)
  • 色(塗料の白色・黒色)
  • 位相のずれ(反射の際の)
  • 位相の飛び(斜め入射反射)
  • 一般炭素鋼(高温でのヤング率)
  • インダクタンスと磁気
  • ウ:
  • ウイレマイトの誘電率
  • エ:
  • エアロゲルの熱輸送について
  • エッチャント(サファイア)
  • エチレンプロピレンゴムの誘電率
  • エバネッセント波について
  • エバネッセント波(表面プラズモンとの結合)
  • エリプソメトリ(CVD膜)
  • エルビウムの発光機構(酸化ゲルマニウム中の)
  • 液晶ディスプレー(1)
  • 液晶ディスプレー(2)
  • 液晶ディスプレーのIPSモード
  • 液晶表示(黒くなった)
  • 液晶の交流駆動
  • 液晶の赤外特性
  • 液晶分子の配向(交流電場)
  • 液晶の表面電位
  • X線回折の消滅則
  • X線回折(混相の)
  • X線吸収
  • X線吸収端の定義
  • X線結晶解析
  • XRDの配向性とは
  • X線と光の透過について
  • FEDの封止法
  • MBE(なぜ非平衡結晶成長なのか)
  • MOディスク
  • LEDの発光の原理
  • LED(紫外線340nmの)
  • LSI
  • 延性
  • 延性モード(脆性材料の切削)
  • 延伸した高分子(異方性)
  • 円二色性(ミュラー行列)
  • 円偏光(反射)
  • オ:
  • 黄錫鉱
  • オシロスコープと磁界
  • オーステナイトステンレス鋼の脆性
  • オパール(人工オパールと天然オパールの屈折率のちがい)
  • オパールの色とシリカ粒子のサイズ
  • オプティカルセメント(シンチレーションカウンタ用)
  • オペアンプ回路の飽和現象
  • 温室(ガラスの働き)
  • 温度依存性(半導体素子の)
  • 温度依存性(バンドギャップの)
  • 温度変化(金属反射率の)
  • 音響的に優れた金属の加工法
  • 音波の縦波・横波
  • カ行
  • カ:
  • カー楕円率(ヒステリシス)
  • カーボン粒子(を含むゴムの誘電損失
  • カーボン(グラファイト)物性値
  • カーボン(赤外透過率)
  • カーボンの付着と剥離
  • カーボンブラックと黒鉛の違い
  • カーボンブラック中の金属の除去法
  • カーボンブラックの誘電特性
  • カーボンブラックの濡れ性
  • カーボンマトリックスとグラニュラー磁性体
  • 回折格子とプリズム
  • 回折格子と近接場
  • 回折効率
  • 拡散反射
  • 拡散反射を用いたバンドギャップ算出
  • 硬さと延性
  • 硬さ(ショアーの)
  • 硬さ(シリコン)
  • 硬さ(と濡れ性)
  • 硬さ(と反発係数)
  • 活性化エネルギー(真性半導体の)
  • ガラス(高温での結晶化)
  • ガラス(赤外特性)
  • 岩石と木材
  • 干渉縞(薄膜)
  • 間接遷移がわからない
  • 緩和弾性率
  • 顔料(チタン・クロム・アンチモン系)
  • キ:
  • 規則配列(なぜランダム配列より安定か)
  • 気体透過性(シリコーンの)
  • 希土類磁石の結晶場
  • 逆格子の参考書
  • 逆圧電効果と電気歪
  • 逆磁歪効果
  • キャリア濃度
  • キャリア濃度(金属)
  • 吸光係数(溶液の)
  • 吸収(薄膜)
  • 吸収係数(シリコン、水)
  • 吸収端
  • 吸収端(X線)
  • 吸収端(とプラズマ振動数)
  • ギザギザ構造(からの反射光の色)
  • 強誘電体の誘電率
  • 回折格子と近接場
  • 金属(キャリア濃度)
  • 金属(吸収端とプラズマ振動数)
  • 金属(接触電位差)
  • 金属(低周波における誘電率)
  • 金属と絶縁体の屈折率
  • 金属(なぜ光る)
  • 金属(なぜさびる)
  • 金属(粘性係数と表面張力)
  • 金属光沢
  • 金属(熱膨張係数)
  • 金属(反射率)
  • 金属(反射率の温度変化)
  • 金属(反射と表皮効果)
  • 金属(反射,ZnとAl)
  • 金属(光吸収)
  • 金属(中赤外における反射)
  • 金属(におい)
  • 金属(反射率,斜め入射)
  • 金属(半導体の合金化)
  • 金属(有効質量)
  • 金属(誘電率)
  • 金属微粒子(プラズモン励起)
  • 金属微粒子(赤外光物性)
  • 金属結合
  • 金属結合について
  • 金属結合と共有結合
  • 金属結合の原子モデル
  • 金属酸化物薄膜の熱膨張係数
  • 金属材料(電気抵抗)
  • 金属表面処理
  • 銀メッキの色(微小ビーズ)
  • 電子部品の硫化による断線
  • 銀薄膜の酸素透過率
  • 銀パラジウムの物性値
  • 銀ペースト(IH鍋と)
  • 銀ペースト(高温での)
  • 銀メッキ(42合金)
  • ク:
  • 空気(熱膨張係数)
  • 空気のリーク(小孔からの)
  • 空気(ヤング率)
  • 屈折
  • 屈折計(アッベの)
  • 屈折率
  • 屈折率(金属と絶縁体)
  • 屈折率(高屈折率、透明物質
  • 屈折率(シリカガラス、赤外)
  • 屈折率(シリコン)
  • 屈折率(ステンレス)
  • 屈折率(チタン)
  • 屈折率(反射スペクトルと)
  • 屈折率(モル吸光度から求める)
  • 屈折率分散
  • グラニュラー磁性体(カーボンマトリックス)
  • グラファイト(ダイヤモンドとの違い)
  • グラファイトカーボン物性値
  • グラファイトの抵抗率
  • グラファイトの誘電率(εr)と損失角(tanδ)
  • クロム(スパッタ膜の最適膜厚)
  • クロム(降伏応力)
  • 光の分散と群速度
  • 群論
  • ケ:
  • k-空間の物理的説明
  • 形状記憶合金(TiNiの状態図)
  • 結合角(水分子の)
  • 結晶構造(真鍮)
  • 結晶中のポテンシャル
  • 希土類磁石の結晶場
  • 現像銀は何故黒いか
  • コ:
  • コイルの中に磁石
  • 高圧ケーブルの劣化
  • 光学異方性とスネルの法則
  • 光学定数
  • 光学吸収係数
  • 光学吸収端
  • 光学定数(磁性ガーネット)
  • 光学定数(酸化アルミニウムのnとk)
  • 光学的バンドギャップ
  • 光学フィルタ膜をコートした水晶板
  • 光学ローパスフィルタ用
  • 高屈折率透明物質
  • 光子と電波
  • 合金の仕事関数
  • 格子定数(鉄の相変態)
  • 構造色(昆虫)
  • 光速
  • 物質中の光速の波長依存性
  • 光伝導(酸化チタンTiO2 1)
  • 光伝導(酸化チタンTiO2 2)
  • 光伝導スペクトル(シリコン)
  • 光伝導について
  • 光伝導の測定
  • 光電変換材料
  • 降伏応力(クロムの)
  • 高分子の異方性(延伸した・・)
  • ダイヤモンドと黒鉛の色のちがい
  • 黒色(塗料)
  • コバルト(αとβ)
  • コバルト置換YIG
  • ゴム(カーボン粒子を含む)の誘電損失
  • 固有振動数(鉄の)
  • 固有振動モード(アンモニア)
  • 混相のX線回折
  • 昆虫(構造色)
  • コンデンサ(誘電体を含む)
  • サ行
  • サ:
  • さびる(金属)
  • サファイア(エッチャント)
  • サファイアの1850℃までの高温特性
  • 酸化亜鉛(ZnOの圧電性)
  • 酸化亜鉛(ZnOの赤外吸収)
  • 酸化亜鉛(ZnOのフォトルミネッセンス)
  • 酸化アルミニウム(nとk)
  • 酸化ゲルマニウム中のエルビウムの発光機構
  • 酸化しない金属ってあるの
  • 酸化チタン(III)
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  • シ:
  • CDの虹色
  • CIS太陽電池におけるCdSの役割
  • CVDと真空
  • CVDラジカルの平均自由行程
  • CVD膜のエリプソメトリ
  • シート抵抗
  • シート抵抗(透過率との関係)
  • 示温塗料
  • 磁界(オシロスコープ)
  • 紫外線(水中での減衰)
  • 紫外線LED
  • 紫外線吸収スペクトル(水の)
  • 磁気光学効果(測定)
  • 磁気光学効果(測定法)
  • 磁気光学効果(測定)
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  • 磁気光学効果のスペクトル(常磁性極限から導いた)
  • 色覚について
  • 色彩の見え方
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  • 磁区観察(方向性鋼板)
  • 磁区と結晶粒
  • 仕事関数(合金の)
  • 仕事関数(タンタルの)
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  • 質量(空気と水の)
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  • 磁性材料(身近にある)
  • 磁性薄膜の光学測定
  • 磁性半導体(最近の話題)
  • 磁性フォトニック結晶1
  • 磁性フォトニック結晶2
  • 磁性フォトニック結晶における光局在
  • 自然酸化膜につて
  • 1/4波長板の偏光状態
  • シャフトの輸送中の磁化
  • 周波数分散(誘電率)
  • 周波数分散(有機溶媒の誘電率;)
  • 樹脂封止での金属の強度
  • 酒石酸単結晶
  • 10円銅貨の汚れ落とし
  • 16進数
  • シュブニコフ・ドハース(SdH)振動
  • 縮退半導体の静電遮蔽効果
  • 樹脂封止での金属の強度
  • ショアーの硬さ
  • ショアー硬度(モース硬度を換算出来るか)
  • 消光係数の意味
  • 状態図(Ti-Ni形状記憶合金)
  • 状態図(焼結法と)
  • 焼結体のEPMA分析
  • 焼結体の粒径(モリブデン)
  • 焼結法(と状態図)
  • 消光係数
  • 焼鈍材と圧延材(Al)
  • 消滅則(X線回折)
  • ショットキー障壁を作る金属
  • Pd/Geはショットキーダイオードになるか
  • シリカガラスの赤外屈折率
  • シリコーン(気体透過性)
  • シリコン(硬さ)
  • シリコン(屈折率)
  • シリコン(研削粉のpn分離)
  • シリコン(光伝導スペクトル)
  • シリコン(光の吸収係数)
  • Si(単結晶の線膨張係数)
  • Si/SiO2/air構造におけるSi発光の反射
  • シリコンの物性値(1000℃における)
  • シリコンの比抵抗(高温における)
  • シリコン(曲げ応力)
  • シリコン(ウェハーの赤外線スペクトル)
  • シリコン(と同等の熱膨張をもつ金属)
  • シリコン(熱酸化膜形成によるシリコンの消費)
  • シリコン(化学処理後の高濃度ドープシリコン)に見られる不動態膜
  • 磁歪について
  • 真空の耐電圧
  • 真空の導電率
  • 真性半導体(活性化エネルギー)
  • 伸縮性(ポリブタジエン)
  • シンチレーションカウンタ用のオプティカルセメント
  • 真鍮の結晶構造
  • 真鍮の密度
  • ス:
  • スチール缶
  • スチール缶とアルミ缶
  • ステンレス鋼の耐酸性
  • ステンレスの屈折率
  • ステンレスの不動態の抵抗
  • ステンレス鋼(オーステナイト)の脆性
  • ステンレスにおけるマルテンサイト量の評価
  • スーパーボールがドアの動きを止める
  • スネルの法則(光学異方性と)
  • スパッタクロム膜の最適膜厚
  • スパッタ膜(Fe)
  • スピネルフェライト
  • スピン演算子の固有値問題
  • スピンギャップ
  • スピン依存平均自由行程
  • セ:
  • 脆性(オーステナイトステンレス鋼)
  • 石英ファイバーとシリカファイバーの違い
  • 赤外光物性(金属微粒子)
  • 赤外吸収(ZnO)
  • 赤外透過率(カーボンの)
  • 赤外特性(ガラスの)
  • 赤外線スペクトル(シリコンウェハーの)
  • 脆性材料(延性モードでの切削)
  • 整流作用
  • 接触電位差(金属)
  • 接地用のSUS板
  • 絶縁体(光吸収)
  • 絶縁体(バンドギャップ)
  • セラミクス(マイクロ波焼結)
  • セラミック(マイクロ波透過)
  • 旋光性(トレハロースの立体構造)
  • 線膨張係数(シリコン単結晶)
  • ソ:
  • 相変態(鉄)
  • タ行
  • タ:
  • ダイヤモンドとグラファイトの違い
  • ダイヤモンドと黒鉛の色のちがい
  • ダイヤモンドの輝き(光の屈折と)
  • ダイヤモンドの熱膨張係数
  • 耐酸性(ステンレス鋼)
  • 耐電圧(真空の)
  • 太陽電池(CISセルにおけるCdSの役割)
  • 太陽電池の温度上昇による効率低下
  • 太陽電池(色素増感)
  • 太陽電池(パネル)
  • 太陽電池の本
  • 多重反射と干渉(薄膜の反射率)
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  • 光(光伝導)
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  • 光の伝搬
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  • 「光と磁気」(質問1)
  • 「光と磁気」(質問2)
  • 「光と磁気」(質問3)
  • 「光と磁気」(質問4)(プラズマエンハンスメントについて)
  • 「光と磁気」への質問5(誤植の指摘
  • 「光と磁気(改訂版)」付録Cの式の導出
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  • 偏光板とヨウ素
  • ホ:
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  • ポリエチレンの比誘電率
  • ポリエチレンの誘電率(2)
  • ポリブタジエンの伸縮性
  • ポリマーの色と電気伝導
  • マ行
  • マ:
  • マイカ(熱不安定性)
  • 摩擦力(スーパーボールがドアの動きを止める)
  • マルテンサイト量の評価(ステンレスにおける)
  • マンセル明度(と反射率)
  • 曲げ応力(シリコンの)
  • ミ:
  • Mie散乱と表面プラズモン共鳴
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  • 水(赤外吸収)
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  • 密度(鉛)
  • 密度汎関数理論とバンドギャップ
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  • ミリ波(誘電損失)
  • ム:
  • メ:
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  • モ:
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  • ヤ:
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  •  
  • ユ:
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  • 有効質量
  • 有効質量(Si半導体中の電子)
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  • 誘電率(強誘電体)
  • 誘電率(金属)
  • 誘電率(金属、低周波)
  • 誘電率(空気と水)
  • 誘電率(周波数分散)
  • 誘電率(二酸化珪素と炭素)
  • 誘電率(半導体)
  • 誘電率(Bi2Te3の)
  • 誘電率(複素)
  • 誘電率(ポリエチレン)
  • 誘電率(ポリエチレン;2)
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  • 誘電損失(なぜ生まれるか)
  • 誘電損失(ミリ波)
  • 誘電損失(カーボン粒子を含むゴム)
  • 夕日の色
  • 夕日の色の謎
  • 輸送中の磁化(鉄製シャフトの)
  •  
  • ヨ:
  • 42合金への銀メッキ 
  • ラ行
     
  • ラ:
  • ランダム配列(規則配列はなぜ安定か)
  • リ:
  • リーク(配管)の許容値
  • 裏面反射
  • 硫化銀(誘電率)
  • 硫化による断線
  • 粒子性(光)
  • 粒子の運動量(1次元の箱に閉じこめられた粒子)
  • 量子効率(フォトダイオード)
  • リンゴ(なぜ赤い)
  •  
  • レ:
  • 励起子ポラリトン
  • レイリー散乱
  • レジスト回転塗布と広がり方
  • レポート
  • ワ行
  • YIGと反射膜
  • YIG(放射率)
  • YIG(コバルト置換)  

  • 1.

    スチール缶が方位磁石になる


    Q: 先日は、わたくしめの突然のメールにお忙しい所、たいへん詳しくお答を頂きまして、本当にありがとうございます。ご多忙の所、貴重なお時間を割いていただきまして大変恐縮しております。先生に教えていただきましたメカニズムがたいへん分かりやすく、今まで、苦戦していた謎がするすると解けていくようです。わたくし自身、水に浮かべたスチール缶が方位磁石のように回りだしたときは、とても信じられませんでしたが、スチール缶の製造工程に、このような秘密が隠されていたとはたいへん驚きです。先生から教えていただきましたメカニズムがたいへん分かりやすかったので、そのまま制作のほうに提出してみようと思っております。今後また、何かありましたら、先生のお力をお借りできましたらと思っております。今後とも、何卒よろしくお願い致します。
    日本テレビ  伊東家の食卓 リサーチ担当  ****
    A:**様、佐藤勝昭です。
    satokats> 私は、16年前まで前NHKに勤めており、新任の大阪放送局でVTRなどを担当後、東京の研究所で技術研究を行っていました。放送については、ある意味でご同業なので、ご質問の趣旨を理解し、民放でこのようなまじめな番組をお作りになっておられるご苦労に敬意を表します。
     さて、1つ1つのご質問に答える前に、「磁性体一般」について、簡単に解説しておきます。**さんは、「磁化」などという専門用語をお使いになっているので、理科系ご出身と拝察します。従って釈迦に説法かも知れませんが、大学で学ば れた復習だと思って、読んで下さい。磁性体には、大きく分けて、常磁性体、反磁性体、反強磁性体、フェリ磁性体、強磁性体などの種類があり、このうち、常磁性体(例えばルビー、クロムみょうばんなど)、反磁性体(アルミニウムなど)、反強磁性体(黄銅鉱など)は「自発磁化」をもたず、従って、通常の磁界では磁石に吸い付きません。
     実用的に使われる磁性体は、強磁性体(鉄、コバルト、ニッケルなど)とフェリ磁性体(フェライト、磁性ガーネットなど)の2種類で、自発磁化を持ちます。そこで、以下では、磁性体といえば「強磁性体、フェリ磁性体」をさすものとして話します。自発磁化というのは、外部から磁界を加えなくても、原子磁石がそろってある方向を向くようなものです。
     自発磁化を持つからといって永久磁石になるわけではありません。ハードディスクやウォークマンの磁気ヘッドに使われるパーマロイとよばれる磁性体は鉄とニッケルの合金ですが、この磁性体は、磁界を加えないときは、磁気を帯びていません。この種の磁性体を軟らかい磁性体(軟質磁性体)とよびます。これは、磁性体の内部がいくつかの「磁区」とよばれる領域に分かれていて、それぞれの磁区の中では、原子磁石がそろえあっているのですが、磁区同士はさまざまな方位を向いていて、全体として磁化をうち消し合っているのです。外部から磁界が加わるとそれに比例した磁化が発生しますが、外部磁界を切ると元に戻ってしまいます。
     一方、ハードディスク媒体やカセットテープに塗布されている磁性体(ハードディスクではコバルトとクロムの合金が、カセットテープでは酸化鉄や酸化クロムやコバルト燐などが使われます)は、電気信号に応じた磁界が加わると、その方向に磁化され、磁気を切っても記憶しています。これを、残留磁化といいます。また、逆の磁界をかけて、磁化状態を反転することが出来ます。反転するには、一定以上の強さの磁界が必要でこれを保磁力といいます。記録媒体に使う磁性体のような記憶が残る磁性体を、やや硬い磁性体(半硬質磁性体)と呼びます。永久磁石は、この保磁力が恐ろしく大きな磁性体で、硬質磁性体といいます。
     さて、ご質問にお答えしましょう。スチールと一口に言っても、ステンレススチールなどの合金の中には、自発磁化を持たないものもあれば、スチール缶に用いる半硬質磁性のもの、よく焼きナマした釘のように軟磁性のもの(普通の釘は半硬質です)などがあります。合金材料の構成比、圧延の仕方、焼き鈍し方などの方法によって、保磁力は大きく変化しますから、物質本来の性質ではないので「技術磁化」などと呼ばれています
    。    **>『中身を出したスチール缶に方位磁石を近付けると、方位磁石が反応します。』

    satokats>方位磁石の磁針は、弱く磁化した強磁性体が使われます。磁針が触れたことは、スチール缶がすでに磁化していたことを示しています。缶のスチールは残留磁化をもっているので、軟磁性ではないのです。これは、スチールの圧延の際に磁気異方性が誘導され、磁区の向きが完全にはバラバラではないことを示唆します。

    **>そこで、本当に方位磁石が反応するのか、実験してみました。
    **>@コーヒーに方位磁石が反応するのか実験…缶コーヒーの中身をカップに移し、方位磁石を近付けてみました。⇒結果・コーヒーは方位磁石を反応させる飲み物ではありませんでした。
    satokats>これは当たり前です。コーヒーはほとんど水ですから弱い常磁性か反磁性でしょう。

    **>A次にコーヒーの「缶」が方位磁石に反応するのか実験…中身を出したカラの缶に方位磁石を近付けてみました。⇒アルミ缶の場合…方位磁石は反応しませんでした。
    satokats>アルミニウムは「反磁性体」ですから、磁石にくっつきません。強い磁気を急に近づけると、レンツの法則で、この磁気の変化をうち消そうとアルミの内部に渦電流がながれます。(電気のメータでくるくる回るアルミ板が見えますが、この原理が使われています。)

    **>⇒スチール缶の場合…方位磁石は反応を示しました。
    **>Bそこで、スチールが方位磁石に反応するのか、と考え、スチールウールを方位磁石に近付けてみました。
    **>⇒結果・スチールウールに方位磁石は反応しませんでした。
    satokats>スチールウールは、非常に細いスチールの繊維が絡み合っています。非常に細いためにその方向が磁化容易軸となっていますが、いろんな方向に向いているので全体としては残留磁化がうち消しています。強い磁石にはくっつくはずですが・・。さびにくくするためクロムなどを添加してあるものは常磁性になっていることがあります。

    **>スチール缶に方位磁石が反応したのは…スチール缶を方位磁石に近付けたことにより、磁気誘導によって、スチール缶が一時的に磁化されたためと考えてもよろしいのでしょうか?
    satokats>方位磁石は非常に弱い磁束しか出しませんから、これによりスチール缶が磁化したとは考えられません。はじめに述べたように、スチールがすでに磁気を帯びていたのでしょう。

    **>Cさらに、スチール缶が方位磁石の代用にならないかと思い、中身を出したカラのスチール缶を水をはった洗面器に浮かべて、方位磁石と同じように南北を指すのか実験してみました。
    **>⇒すると、なんと、水をはった洗面器に浮かべたスチール缶が方位磁石のように南北を指しました。
    satokats>このことはまさに、スチール缶がはじめからある方向に残留磁化を持っていたことをしめします。

    **>

  • ●飲み口の方が北を指しました。
  • ●南北の精度は「はぼ」というレベルです。
  • ●タイプの違うスチール缶をいくつか使い実験してみました所…
  • 5.2cm×10.4cmの通常のコーヒー缶→飲み口がほぼ北を指す。
  • 6.2cm×12.0cmの柔らかいスチール缶→飲み口がほぼ北を指す。
  • 6.2cm×12.0cmの固いスチール缶→北を指さなかった。
  • 6.2cm×9.8cmの固いスチール缶(ミルクティーがよく入っている缶です)→北を指さなかった。
  • …という、結果が得られました。
    > **>そこで、スチール缶について調べてみました所…
  • ●缶用のスチールは回転するローラーの間に通し、うすくした後、電解処理という方法でクロムという金属を加えたティンフリースチールと言うものを現在では、ブリキの変りに、9割という割合で使われています。>
  • ●スチール缶の製法には、2種類あります。
  • *ふた・胴・底の3つに分けて、それぞれ製造し、繋ぎ合わせる方法(3ピース缶)
  • *底と胴の繋ぎ目がなく、底と胴を一体としてスチールからくりぬき、それにふたを繋ぐ方法(2ピース缶)
  • ●スチール缶と一口に言っても、フタはアルミニウム製。
    ちなみに、実験の際、使用したそれぞれの缶は…
  • 5.2cm×10.4cmの通常のコーヒー缶と6.2cm×12.0cmの固いスチール缶は3ピース缶
  • 6.2cm×12.0cmの柔らかいスチール缶と6.2cm×9.8cmの固いスチール缶は2ピース缶…でした。
  • **>鉄の性質上で、このような、方位磁石のように南北を指すような性質として考えられるメカニズムは存在するのでしょうか?
    satokats>まさに圧延や型抜きにより発生した「誘導磁気異方性」や「逆磁歪効果」のために、作製時点である方向を向いて磁化したのですね。薄いほど、この効果は大きいと思われます。鉄の固有の性質というよりは、製造工程で誘起されたもので、「技術磁化」のよい例だと思います。

    **>佐藤先生が磁性研究等を専門とされていて、強磁性体についても、お詳しいと知りましてメール致しました。
    satokats>より詳しくは、東北大学金属材料研究所や東北大学工学部材料物性工学科に専門家がおられると思いますのでおたずね下さい。


  • 2.

    アルミパイプの中を磁石が回りながら落ちる


    Q:いつも大変お世話になっております。
    先日は、『スチール缶が方位磁石になる』という件で、たいへんお世話になりました。お忙しい所、わたくしめの疑問に、適切なお答等をいただきまして、本当にありがとうごさいます。番組云々以外で、わたくし個人としましても、大変興味深く、また勉強になりました。実は、また磁石関係で、別件で、またメカニズム解明に苦戦している件がございまして…ご多忙中、ご迷惑とは思いましたが、先生にお伺いするのが一番と思い、メールをうってしまいました。
    たいへん恐縮なのですが、なにかアドバイスを頂けますと、たいへん助かります。なにとぞよろしくお願い致します。
    視聴者のかたから下記のような投稿がありました。
    *****************視聴者情報************
    (小学校6年生クラス全員からの情報でした)

    『アルミパイプの中に磁石を落とすと、磁石はらせん状にゆっくりと落ちていく。』

    そこで、視聴者情報に基づき、私の方でも、ネオジム磁石を取り寄せて実験してみました。

    1. <垂直に落とした時>
      ●直径3cm×長さ1mのアルミパイプの中に直径2.5cm×高さ2.0cmのネオジム 磁石を落としてみました。
      ⇒ネオジム磁石はゆっくりとぐるぐるまわりながら落ちていく。(フワッとした感じでした・落とし方によってはらせん状に…)
      そこで、他の磁石でもできないか?…と思い、フェライト磁石でも実験してみました所,途中磁石が回転するもののストンッと落ちました。つぎに…
    2. <斜めに落とした時>
      ●同じアルミパイプの中に、直径2.5cm×高さ2.0cmのネオジム磁石を落とした時
      ⇒垂直に落とした時と同じ結果が得られました。
      ●フェライト磁石を落とした時⇒アルミパイプの内壁を転がるように下へ落ちました。
      そこで…直径2.5cm×高さ2.0cmのネオジム磁石と同じ形をしたアルミの塊を同じように垂直の場合と斜めに落とした場合と落としてみたらどうかと思い、実験してみました。
      ●垂直に落としてみた時⇒落とし方により、内壁に引っかかったり…っとありますが、比較的ストンッと下へ落ちました。
      ●斜めに落とした時⇒ぐるぐる回りながら落ちましたが、ネオジム磁石のようなフワッとした感じはありませんでした。まるで、アルミパイプ内の内壁にぶつかっているように見えました。
    3. ちなみに、アルミパイプ以外のパイプではどうか、と思い…アクリルパイプでも同じように実験してみました。
      ⇒結果は…すべて、どの場合でも、そのままストンっと下へ落ちました。

      ***********************************
      **>これは、『電磁誘導』といわれる現象で説明しても差し障りありませんでしょうか?

      satokats>アルミなどの磁石につかない金属の近くで磁石を動かすと、磁石の磁束が金属を貫通し、さらにその金属を動かすとそれに伴って磁束の束も移動して磁界が変化するため、電磁誘導が起こり、その結果、金属中で、その磁束の変化を打ち消すように渦を描いたような電流が流れ(渦電流)、アルミなどの普段磁石につかない金属も電流が流れているときにだけ磁石になり、その内部を流れる渦電流によって生じる磁界により引き合いや反発が起こります。

    4. そこで…
      **>どうして引力が少なくなるの?…という疑問なのですが…
      アルミパイプの中を磁石が落下すると、磁界の変化によって電磁誘導が起こり、アルミパイプ内にその磁石の磁束の変化を打ち消そうと渦電流が流れます。その結果、アルミパイプのような磁石にくっつかない金属であってもアルミパイプ内に磁界ができ、引き合いや反発が起こるため、アルミパイプ内を磁石が移動するのに強い抵抗を受け、磁石の落下の加速度が小さくなり、引力が小さくなって、ゆっくり落下するものと思われます。

      …という説明をしたとしても、差し障りありませんでしょうか?

    5. ちなみに…
    6. どうして、ネオジム磁石はアルミパイプの中をゆっくりと(フワッと)落ちるのですか?
    7. どうして、ネオジム磁石はアルミパイプの中をぐるぐる回りながら落ちていくのですか?
    8. これは、アルミと磁石の組み合わせだからこそ、できることなのでしょうか?
    9. アルミの塊がぐるぐる回りながら落ちていったのは、摩擦で説明できるのでしょうか?
    10. お忙しい所、細かい質問ばかりになってしまいまして、大変申し訳ございません。また、この投稿内容も、まだオンエアが決定しているわけではないのですが制作前段階のメカニズム解明を大変急いでおります。

    お名前を先生に無断で放送することや、ご出演を強要するような事は一切致しませんので、ご安心下さい。また、今回の件が、ご研究の分野とかけ離れているものだったとしましたら大変申し訳ありませんでした。もしも宜しければ、どのような分野の先生に伺えば良いかアドバイスを下さいませ。何卒よろしくお願い致します。

    日本テレビ  伊東家の食卓 リサーチ担当  ****


    A:
    ****様、佐藤勝昭です。  応用物理学会開催中で、大学に行っておらず、家からお答えします。
     小学生の質問ということで、なるべくやさしく解説しなくてはなりませんね。今の質問はアルミパイプの中で磁石を落下させる話でしたが、逆に強い磁石のN極とS極を向かい合わせておき、上からその間を通り抜けてアルミ板が落下するときにも同様に、磁極の間でふわふわとおちます。理由は、**さんの説明の通りです。アルミニウムの反磁性のためにアルミを通り抜ける磁束の変化を妨げるように渦電流が流れて逆向きの磁束変化がアルミに誘起され、それとNdFeB(ネオジミウム鉄硼素)磁石(略称ネオジム磁石)の磁化との反発で力が働きます。変化を妨げる方向ですから上向きの力が働くので、あたかも引力がなくなったように見えるのです。

      Q>『アルミパイプの中に磁石を落とすと、磁石はらせん状にゆっくりと落ちていく。』
    sato>パイプなので、反磁界は周り中のアルミから生じており、その分布が均一ではないので(試料の近くは強く遠くは弱い)くるくる回ります。

    Q>(フワッとした感じでした・落とし方によってはらせん状に…)
    > sato>運動は反磁界の大きさ、試料の形状、重さ、パイプの太さによって条件が変わるので、いろんな運動が起きます。

    Q>そこで、他の磁石でもできないか?…と思い、フェライト磁石でも実験して>みました所途中磁石が回転するもののストンッと落ちました。
    sato>ネオジム磁石に比べフェライト磁石は磁力が弱いので、誘起される反磁界も弱いのです。

    Q>つぎに…
    <斜めに落とした時>
    **>同じアルミパイプの中に、直径2.5cm×高さ2.0cmのネオジム磁石を>落とした時
    ⇒垂直に落とした時と同じ結果が得られました。
    sato>最初だけ斜めでも一度壁に衝突した後は、運動は垂直の場合とほとんど同じでしょう。

    **>フェライト磁石を落とした時⇒アルミパイプの内壁を転がるように下へ落ちました。
    sato>反発力が弱かっただけです。

    **>そこで…直径2.5cm×高さ2.0cmのネオジム磁石と同じ形をしたアルミ>の塊を同じように垂直の場合と斜めに落とした場合と落としてみたらどうかと思い、実験してみました。
    >●垂直に落としてみた時⇒落とし方により、内壁に引っかかったり…っとありますが、比較的ストンッと下へ落ちました。
    >●斜めに落とした時⇒ぐるぐる回りながら落ちましたが、ネオジム磁石のようなフワッとした感じはありませんでした。まるで、アルミパイプ内の内壁にぶつかっているように見えました。
    sato>アルミ同士なら電磁誘導はおきません。

    **>ちなみに、アルミパイプ以外のパイプではどうか、と思い…アクリルパイプでも同じように実験してみました。
    **>⇒結果は…すべて、どの場合でも、そのままストンっと下へ落ちました
    Q>これは、『電磁誘導』といわれる現象で説明しても差し障りありませんでしょうか?
    sato>良いでしょう

    Q>アルミなどの磁石につかない金属の近くで磁石を動かすと、磁石の磁束が金属を貫通し、さらにその金属を動かすとそれに伴って磁束の束も移動して磁界が変化するため、電磁誘導が起こり、その結果、金属中で、その磁束の変化を打ち消すように渦を描いたような電流が流れ(渦電流)、アルミなどの普段磁石につかない金属も電流が流れているときにだけ磁石になり、その内部を流れる渦電流によって生じる磁界により引き合いや反発が起こります。
    sato>完璧です。説明の言葉はちょっと難しいですから、優しい言葉に言い換える必要がありそうです。

    Q>そこで…どうして引力が少なくなるの?…という疑問なのですが…
    アルミパイプの中を磁石が落下すると、磁界の変化によって電磁誘導が起こり、アルミパイプ内にその磁石の磁束の変化を打ち消そうと渦電流が流れます。その結果、アルミパイプのような磁石にくっつかない金属であってもアルミパイプ内に磁界ができ、引き合いや反発が起こるため、アルミパイプ内を磁石が移動するのに強い抵抗を受け、磁石の落下の加速度が小さくなり、引力が小さくなって、ゆっくり落下するものと思われます。
    …という説明をしたとしても、差し障りありませんでしょうか?
    sato>「引力が小さくなり」というのは不正確です。地球の引力は不変ですから、「地球の引力をうち消すように上向きの力が働き」とすべきでしょう。

    Q>ちなみに…
    Q>@どうして、ネオジム磁石はアルミパイプの中をゆっくりと(フワッと)落ちるのですか?
    sato>反磁性による磁化は、磁束の変化によって生じるので、落下速度に比例します。従って、急に減速するのでフワッという感じになるのでしょう。

    Q>Aどうして、ネオジム磁石はアルミパイプの中をぐるぐる回りながら落ちていくのですか?
    sato>もし、磁石が完全に球形でパイプの内径に比べて十分小さく、かつ正確に円筒の中心軸にそって落ちたとすると、その運動はおそらくスピードが落ちるだけで回転はしないでしょう。しかし、中心軸からずれていると、磁石に近い側の内壁は大きな磁束の変化を感じその結果反磁界も強くなりますが、磁石から遠い内壁の反磁界は弱くなります。従って、近寄った壁から強い反発を受け、反対側の壁に向けて運動します。こうやってジグザグに落ちますが、磁石が球形でなければ、力の向きには斜めの成分も生じますから、近くの内壁にぶつかり、くるくる回るのでしょう。

    Q>Bこれは、アルミと磁石の組み合わせだからこそ、できることなのでしょう>か?
    sato>電気抵抗が低い反磁性体なら何でも結構です。銅でも亜鉛でも真鍮でも、起きると思います。電気抵抗が高いと電子が円運動をする前に減衰してしまうので渦電流とならず、反磁界は弱いでしょう。また、いうまでもないことですが、鉄、コバルト、ニッケルなど強磁性体ではくっついてしまうので実験になりません。

    Q>Cアルミの塊がぐるぐる回りながら落ちていったのは、摩擦で説明できるのでしょうか?
    sato>内壁にぶつかったとき反跳を受けますが、内壁が円形なので斜めに跳ね返され、内壁の別の場所にぶつかりながら落ちていくので回るように見えるのでしょう。摩擦があると、反発係数が小さくなるので、壁に沿って回っていくように見えるかも知れませんが、摩擦だけではくるくる回りません。

    **>お忙しい所、細かい質問ばかりになってしまいまして、大変申し訳ございません。また、この投稿内容も、まだオンエアが決定しているわけではないのですが制作前段階のメカニズム解明を大変急いでおります。



  • 3.

    「光と磁気」(初版)


    Q: 佐藤さんがお書きになったテキスト「光と磁気」を購入したいのだけれども,絶版で手に入らない,と学生が言っています.どうすればよいのでしょうか.お尋ねします.

    M.Y.

      A: 版元に問い合わせましたところ、もとの版が活字を拾ってつくられたものであるため、既にすり増しができない状態になっているそうです。それで、qualityは落ちるけれど写真版で増刷することを考えているそうです。私としては、応用磁気学会誌の連載講座に書いた新しい部分も加えて、全面改定したいと考えているところです。Y先生のrequestにつきましては、とりあえず急ぐので、どこかの書店で余っているのがあれば、調達して欲しい旨、伝えておきました。

    追伸、長い間、絶版になりご迷惑をおかけしました。2001年11月に改訂版できました。ぜひお読み下さい。


  • 4.

    音波


    Q: こんにちは、Nです.質問があるのでメールを送ります.
    1.  空気中の光はなぜ横波で進むことができるのですか.
    2.  音場は固体中では縦波と二つの横波になるらしいんですけど、これが固体内で反射をすると、縦波は横波に、横波が縦波にかわるらしいんですが、これはなぜですか。
    3.  空気中の音波は、押す力と押し返す力によって進みますが、押し返す力は、何が押し返すのですか.
    4.  光のスペクトルは1波長では連続ですが、10波長でも連続ですか.
    もし分かりましたら、返事をください.

    --------------------------
    A: N君、佐藤勝昭です。

    1. 光は、物質の移動をともなう波ではないので基本的に音波と異なります。ご存じのように光の伝搬はマクスウェル方程式に従います。▽D=0なので光は基本的に横波です。
    2. 2,3については、質問する前に、音波物性に関する参考書を1冊きちんと読まれることをおすすめします。特に押す力と押し返す力の問題は、圧縮性流体の本質的なことですから、そのような基本的なことは自分で勉強してください。さらに詳しく勉強したいとき、固体中の音波に関することは、Y先生またはP科のN先生のほうが専門ですので、両先生に聞いてください。
    3. 質問の意味がよくわかりません。1波長しかない光のスペクトルは1本の輝線が出るだけで「連続」であるわけがありません。基本的な知識の不足です。

  • 5.

    金属の反射スペクトル


    Q: はじめまして、TS社のの$$$$というものです。本日は急なお電話で申し訳ありませんでした。
    当研究所では現在MO−SILの研究開発を行なっています。今後、さらに光ディスクの高密度化が進むことが考えられ、私は今後の技術動向の調査探索の仕事を4月から行なっています。
    光ディスクの高密度化には色々な方法が考えられますが、一つにはレーザーの短波長化が挙げられるかと思います。現在、400〜410nmのLDが実用化にかなり近づき つつありますが、私どもはさらなる短波長の200〜300nmの領域を一つのターゲットとしてとらえ膜材料の探索から進めることも考えております。(反射膜、誘電体膜)
    そこで、金属の反射率などについてインターネットで調べていたところ佐藤先生の研究室のHPに出会ったというわけです。(私も、以前から先生のお名前は知っていましたが(著書で)...。)そこで、電話でもお話しましたが、金属の反射率(スペクトル)などについてのレビューのようなペーパーや本などがありましたらご紹介頂けないでしょうか?
    A: 金属の反射率については、PalikのHandbook of Optical Constants in SolidsおよびLandolt BoernsteinのニューシリーズのIII-15bに詳しく載っています。詳しくは、研究室にお越し下さい。 $$$$>本日は御忙しい中、時間を空けて下さり有意義な話しをどうもありがとうございました。貸していただいた本は、急いでコピーし、返却致しますが、会社の休日の都合で5/8の週になってしまいそうです。申し訳ありませんが、ご了承願いたいと思います。 今後もよろしくお願いします。


  • 6.

    黄錫鉱は人工的に作れるか


    Q: 初めまして、鉱物科学研究所の####と申します。天然の鉱物を取り扱って いる会社に勤めております。
    先生のご著書「金色の石に魅せられて」を大変興味深く拝読致しました。
    黄銅鉱や黄鉄鉱の結晶を作るところは、また、私は天然のインジウムの鉱物に興味ありますので、硫化インジウム銅(ロケサイト=インジウム銅鉱)については大変興味深いです。さて、天然のに黄錫鉱(Cu2FeSnS)という黄銅鉱に近縁な鉱物があります。さらに錫をインジウムで置き換え更に鉄を亜鉛で置き換えた桜井鉱(Cu,Zn,Fe)3(In,Sn)S4という鉱物があります。これらの鉱物は気相化学輸送法で合成できるものなのでしょうか?

    A: メールありがとうございます。黄錫鉱は、人工的に作製されていると思います。(米国鉱物学会編Sulfide Mineralogy参照)。桜井鉱のように多元素になりますと、ストイキオメトリの制御が難しいと思います。なお、最近はMBE(分子線エピタキシ)法などによって複雑な組成の物質も(薄膜ですが)可能になっています。私の研究室では、MBEによって高温超伝導体Bi2Sr2CaCu27-xを作製しています。龍谷大学の和田隆博先生はstannite構造の複雑な化合物の薄膜成長に成功しておられます。


  • 7.

    光速を超音波の速度まで落とせるか?


    Q: 今日はNです。また質問があるのでメールを送ります。

    光の速度は一定ですが、この光速を何かを用いることによって、超音波と同じ速度まで落とすことはできませんか。

    A: 物質中の光速c'は、物質の屈折率をnとするとc'=c/nで与えられます。物質のnはせいぜい5程度ですから、音速にまで落とすのは困難です。しかし、全反射光学系における表面付近の近接場は基本的には伝搬しないので、超音波とのカップリングは可能です。実際そのような研究が行われているのではないかと思います。


  • 8.

    「光と磁気」


    Q: 佐藤 様
    「光と磁気」(初版)26頁16行目から[改訂版p.28,line4)
    金属はシグマを,絶縁体ではイプシロンを用いる,としてその理由の説明がありますが,理由の説明がわかりにくいのです.

    M.Y.
    -------------------------------
    Q; Y先生、佐藤勝昭です。
     イプシロンεにおいて光の周波数がゼロの極限を考えると、直流での誘電率になります。直流での誘電率は絶縁体では有限ですが、金属では無限大であることは電磁気学の基本です。一方、シグマσにおいて周波数0の極限は直流における普通の導電率ですから、金属では有限の値をもつが、絶縁体では0です。(ε=1+4πiω/σにおいて、ω→0のときσ'→0としますと、誘電率は一定値になります。)
    金属において無限大に近づく大きな誘電率を使うよりは、有限の値をもつ導電率を使う方が扱いやすいでしょう。どちらを使った方が都合がよいかは、実用的な問題で、物理的にはどちらを使ってもよいのです。


    早速にお返事有り難うございました.よくわかりました.
    M.Y.

  • 9.

    フェライト


    Q: 私は、最近フェライトを勉強した学生で沢田という者ですが、特にHPに関しての質問 というわけではないのですが、スピネルフェライトに関する質問をさせていただきます。スピネルフェライトには、正スピネル、逆スピネルというものがあって、Zn等は正スピネルだと知りました。ここで、なぜZnやMn(80%正)等は正スピネルとなり、Co等は逆スピネルになるのでしょうか?よろしかったら、簡単で結構ですのでお教え下さい。

    A: スピネル構造には、遷移金属イオンのはいるサイトとして八面体サイト(B-site)と、四面体サイト(A-site)があることはご存じの通りです。Aに2価イオンがはいり、Bに3価イオンが入っているとき正スピネル、Aに3価イオンがはいりBの半分を3価イオンが、残りの半分を2価イオンが占めると逆スピネルといいます。フェライトと呼ばれるものの大部分は逆フェライトで、Zn, Mnは例外的です。正スピネルになるか、逆スピネルになるかは、イオン半径、安定な価数、結晶場の大きさなどさまざまな因子があるので、それほど簡単な話ではないと思います。ちなみにCdCr2S4などカルコゲンクロムスピネルではほとんどが正スピネルです。これはCr3+イオンが四面体位置にはいると結晶場的に不安定になるからだと考えられています。これに対しFe3+は四面体位置でも八面体位置でも結晶場的に安定です。あとは2価イオンの方が四面体位置と八面体位置のどちらで安定かどうかということで決まるのではないかと存じます。  埼玉大学には、平塚信之教授というフェライトの世界的な専門家がいらっしゃいますから、むしろ平塚先生に直接聞かれた方がよいのではないかと存じます。E-mail addressは、hiratuka@fms.saitama-u.ac.jpです。

    沢田>質問にお答え頂きありがとうございました。この事については、本などで勉強してみても箸にも棒にもかからない状態だったので、少し前に進めたと思います。しかし、残った疑問はやはり自分の力で解決しなければ意味はないと感じるので、何とか自分で頑張ってみようと思います。それでは、失礼します。

    佐藤>さっそくのお礼状有り難うございます。結晶場の話は難しかったかも知れませんね。もし、自分で勉強されてどうしてもわからないことがあれば、私の研究室を訪ねてきてください。あなたの理解度に合わせてやさしく解説します。


  • 10.

    「光と磁気」


    佐藤勝昭様、
    (1) 「光と磁気」(初版)47頁 (3ー66)式の分母は正しいでしょうか.
     (a)  n02ーn2ーk2は、  n2ーn2ーk2+ではないでしょうか  (b)  4n0は4n2k2
    のように下付きの0が不要ではないでしょうか
    M.Y.
    ----------------------
    A: Y先生、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございました。お返事が遅くなりました。ファックスまでお送りいただき恐縮です。大変トリッキーな感じがしますが、実はどちらも同じなのです。
    (n02-n2-k2)2+4n02k2
    =(n02-n2-k2+2i n0k)(n02-n2-k2-2in0k)
    ={(n0+ik)2-n2}{(n0-ik)2-n2}
    =(n0+n+ik)(n0+n-ik)(n0-n+ik)(n0-n-ik)
    一方、
    (n02-n2+k2)2+4n2k2
    =(n02-n2+k2+2ink)(n02-n2+k2-2ink)
    ={n02-(n+ik)2}{n02-(n-ik)2}
    =(n0+n+ik)(n0-n-ik)(n0-n+ik)(n0+n-ik)
    となり、順番が変わっているだけで同じなのです。
    -----------------------------------------------------------------
    教科書の説明不足で余計なお手間をおかけしたことをお詫びします。

    Y> よくわかりました.こんなに化けて同じになるとは思いませんでした.有り難うございました.
    M.Y.

    追伸: なお、改訂版(2001.11発行)第3章(p.48)では、煩雑さを避けるため、この導き方をしておりません。


  • 11.

    非接触でp,n判定できるか


    Q: 前略 益々清栄のこととお慶び申し上げます。はじめまして、私はK精工鰍フMと申します。突然のメールでお許し下さい。さて、先生の研究室のホームページを拝見させていただきましたところ、先生の講義の内容が、今私が調べていることと関連の深いことがわかりました。そこで是非とも質問したいことがありましたのでメールをお送りしました。
    [質問事項]
    Q1.シリコン表面を非接触にてn形半導体か、p形半導体かを判定する方法はありますか?また、もし装置として市販されているものがございましたらメーカー名などを教えていただければ幸いです。
    Q2.半導体の導電率を非接触にで測定する方法はありますか?また、これも装置として市販されているものがございましたらメーカー名などを教えていただければ幸いです。
    現在、私の会社ではシリコンウエーハ(特にφ300mmなど大口径ウエーハがメインですが)等の平坦度検査装置の開発を行なっております。近頃、平坦度測定以外でウエーハの物性を測定できないか、との要望がユーザーからあるため、装置に組み込める(特に検出原理が非接触の)測定装置がないか調査しております。
    私の不勉強で大変恐縮ではございますが、メールにてお教え頂ければ幸いです。何卒宜しくお願い申し上げます。草々

    ---------------
    A: M様、メールありがとうございました。
    Q1.
    非接触で半導体の評価をしたいとのご質問ですが、タイプの判定には光を使うとよいかもしれません。たとえばn型シリコンにはドナー不純物(Pなど)がドープされているので、ドナーによる吸収や発光を検出してやれば可能かと思います。p型ではアクセプタによる吸収や発光を使えると思います。詳細は、田島先生(文部省の宇宙科学研究所教授、 E-mail=tajima@pub.isas.ac.jp)がこのような研究の世界的権威ですからメールされてはいかがでしょうか。

    Q2.
    非接触で導電率の判定をされるには、キャリア密度が高ければ、赤外の反射スペクトルからDrudeの法則を使って推定できます。ただし、いくつかのパラメータは別の測定から決めておく必要があると思います。


  • 12.

    光の波動性と粒子性


    Q: こんにちは、Nです。また質問したいことがあるので、メールを送らせて頂きます。光には波動性と粒子性と言うパラドックスが存在しますが、ディラクの理論によりますと、「粒子として遇すれば粒子としての振る舞いを示し、 波動として遇すれば波動としての振る舞いを示す。」と書かれていて、これで解決したことになっていますが、私の考えでは、上の理論はただ現象を言葉で言っているようにしか思えません。どうして上の理論で光のパラドックスが解明できるのかを教えてください。

    A: N君、佐藤勝昭です。
     光に限らず電子も含め量子的粒子はすべて波動性と粒子性の2面性をもって います。これはパラドックスでも何でもなくそれが実体なのです。2つのス リットを使って干渉させる実験をすると、その観測により粒子としての実体が 抑制され、波動という側面が見えてくるのです。一方、フォトンカウンティン グ法を適用すると粒子としての性質が見えてくるのです。

    N> 私の質問に対する返事ありがとうございました。しかし、先生の返事の中でちょっと納得いかないところがありました。それは光の2重性の解明方法です。ある授業の中で、物理現象を解明するには、実験結果とそれを理論づける何かが必要だということを聞いたことがあります。しかし、先生の答えによると、ただ、実験結果を言葉にしたに過ぎないと思います。やはりこの現象に対する論証は難しいのでしょうか

    satokats>N君、佐藤勝昭です。
     理論というものはすべて、実験事実に基づいて作られています。量子力学は、観測された実験結果をできるだけシンプルに理解する方法として提案され、成功を収めてきました。量子力学では波動関数という概念が導入され、その絶対値の二乗が確率分布を与えると考えられています。このことが正しければ量子力学でははじめから2重性が前提となっているわけです。従って、「2重性を論証せよ」というのは、「量子力学を論証せよ」というのと同じです。量子力学の論証は、観測の問題と深く関わっています。我々は、系を一切乱すことなく系を観測できないからです。例えば光で見るということは光と対象となる量子との相互作用をすることだからです。「スリットを置く」という実験をすることが、すでに系に相互作用を与えているのです。従って、いまだに観測の問題は物理学の根本に関わる問題として残されており、すでに論証されたのか論証されていないかさえ人によって違ったこたえが返ってきます。申し訳ありませんが、この話は、これ以上は私の手に負えません。物理システムの三沢助教授は量子コンピューティングや量子テレポーテーションなどをテーマとしてfsオーダーの超短パルス光を用いた計測技術に取り組んでおられます。三沢先生は、東大理学部物理を出ておられるので、彼なりのしっかりしたお考えを聞かせてもらえると思いますので、彼に尋ねてください。


  • 13.

    キャリア濃度


    Q: こんにちわ。
    私、大阪府立大学工学部材料工学科で勉強しているのですが、今回、キャリア濃度についてのレポートがでて、色々、文献や、HPで検索していました。そして、探しているうちに、この、ページについた訳なんです。非常に、わかりやすく質問に答えていらっしゃっていて、「あぁ、講義もわかりやすいんだろうなぁ・・・」と、思いました。

    さて、今回、メールを書かせて頂きましたのは、ちょっと、勉強を進めているうちに、ある疑問が沸いてきて、どこを探してもその答えはなく、先生ならご存知かと思いまして、突然で本当に失礼だとは思うのですが、お答え願えないでしょうか・・・?

    それは、「半導体の、キャリア濃度はn=C*T(3/2)*exp(-E/2kT)で求められます。与えられた温度を代入すると、わかります。が、もし、融点を超えてしまったら、どうなるんですか?実際に測定することはできないですが、キャリアは、どうなってしまうんですか? 融点ということは、振動と関係ありますか?

    と、いうことなんですが、お忙しいとは思いますが、もしも!ちょこっと暇な時間があれば、お返事もらえないでしょうか。お願いします。

    大阪府立大学 *;*;
    ----------------------
    A: *;*;様、佐藤勝昭です。  メールありがとう。大阪府立大学の電気系には私の古くからの研究仲間である山本信行先生が半導体の研究をしておられます。優しい先生ですので、一度訪ねてご覧なさい。農工大の佐藤教授の紹介だといえば、温かく迎えてくれますよ。

     さて、ご質問の件ですが、
    *;*;> もし、融点を超えてしまったら、どうなるんですか?実際に測定することはできないですが、キャリアは、どうなってしまうんですか?

    satokats> 半導体を加熱して融点を超えると融液という液体になります。液体は固体よりやや密度が低く原子と原子の平均距離が離れています。また固体結晶にあったような規則正しい配列がなくなり乱れています。このため、もはや結晶のバンド構造とは異なった電子状態になります。
     バンドギャップは存在せず液体金属(HgやGa)のようになります。

    シリコンの融液成長法としてCzhochralski法を知っていますね。融液に浸した種結晶を回転しながら引き上げる方法です。このとき、液面付近での温度変動があるとよい結晶が得られません。この温度変動は対流によって起きるのです。そこで引き上げ装置を強い磁界に中に置くと、あたかも回転する金属円盤に磁界をかけたときのように、レンツの法則で反磁界が発生し、制動がかかります。すなわち磁界をかけたとたんに対流がピタリと納まって液面の温度が一定になります。この方法をMCZといいます。
    *;*;> 融点ということは、振動と関係ありますか?
    satokats> 格子振動のエネルギーはデバイ温度の程度です。デバイ温度が高いほど熱容量が小さいです。PbとAlのデバイ温度を比べると、前者は80K程度、後者は400K程度です。一方、融解点はPbが600K, Alが933Kですから、デバイ温度が高いほど融点が高くなっているように見えます。たぶん、関係があると思いますが、きちんと両者の関係を論じた書物を見たことがありません。(不勉強で申し訳ありません)


  • 14.

    微小磁区の観察


    Q: S電機のMと申します。突然のメールで失礼いたします。現在当社では、YIG単結晶薄膜における光とマイクロ波の相互作用に関する研究を推進しております。そのなかでの疑問ですが、光の波長程度に周期を制御した強磁性細線配列格子をYIG表面上に形成したとき、強磁性配列格子の有無によるフェリ磁性体単結晶の磁区構造変化を観測する手法は存在するでしょうか?もし存在するのであれば、上記概要の研究にご関心のある大学あるいは公的研究機関に所属されている研究者の方をご紹介いただけないでしょうか?

     以上、当社におきましては早急に検討したく、おさしつかえなければぜひご教示賜わりたくお願い申しあげます。ご繁忙のところお手数をおかけしますが、なにとぞよろしくご高配のほどお願い申しあげます。

    A: 光スピニクスに関する先端的なご研究に敬意を表します。お尋ねの強磁性細線の有無による磁区構造の変化ですが、マイクロ波の磁界での応答を見る必要があるのでしょうか?それとも静磁界での磁区の変化でよいのでしょうか?マイクロ波の応答を光学的に見るのは、不可能ではないが大変難しいのではないかと拝察します。

     静磁場であれば、ランダム磁区かストライプかは分解能の高い磁気光学顕微鏡で可能かと存じます。また、磁区がストライプになれば裏側で見たときに回折光が得られますから、磁気応答する1次の回折線が見られるかどうかで判断が可能かもしれません。もっとも、磁気薄膜を付けたために生じる効果があるかもしれないので、分離に注意が必要ですね。 私の乏しい知識ではこの程度しかお答えできません。ご質問の趣旨をきちんと理解しているかどうか不安ですが。

    この問題に関心を持っていただける他の公的研究機関の研究者としては電総研の安藤功児様、東北大の大谷先生、東工大の阿部先生、名工大の奥田先生あたりでしょうか。 -----------
    M>M@S電機です。早速のご教示、深く御礼申し上げます。前回のメールで言葉足らずの部分がありましたが、先生のご指摘のとおり、我々が期待するところは「静磁界での磁区観察」です。
     さて、下記ご教示を基に、スタッフ一同で今後の研究の進め方について検討いたしました。つきましては、メールにある『高分解能磁気光学顕微鏡』をお持ちで、我々の研究を共同で進めていただける方をご推薦いただけないでしょうか(この分野の権威である佐藤先生にご指導いただくのがベストですが...)?大谷さんにつきましては個人的なお付き合いもあるのですが、上記実験装置は保有されていないと思います。
     以上、身勝手なお願いですが、よろしくご検討下さい。

    satokats> 本来ならMO-SNOMがよいのですが、反射型はいま私どもで開発中です。透過型はあるのですが、ガーネットが488nmのレーザ光を透過しないので使えないのです。
     通常の金属顕微鏡という光学顕微鏡に冷却型の高感度CCDカメラを付けてクロスニコルでやれば、後の画像処理にもよりますが、波長程度の分解能が得られます。これなら、当研究室でも可能ですし、貴社でも液晶関係の研究室でお使いではないかと思うのですが。 顕微鏡が良くなれば、波長以下まで結構見えます。共焦点型(conforcal)の顕微鏡を使えば、かなりよい画像が得られます。(小倉での応用磁気学会で日本科学エンジニアリングがデモをやっていました。電話は、0426-27-7211です。)キーエンスでも、共焦点型の高分解能顕微鏡を売っています。偏光が可能かは、聞いてみないとなんとも言えません。


  • 15.

    透明磁性体


    Q: 東大H研究室で、O先生のもとで研究を行なっている修士1年のMと申します。カレントコンテントで、透明磁性体について検索していたところ、佐藤先生の研究室のホームページがピックアップされました。ホームページでの質問と回答のページでは、丁寧に回答がされていて、非常にためになりました。そこで、是非おうかがいしたいことがありまして、メール致しました。青色とか緑色といった、可視領域の短波長側で光が抜けてくるような磁石は存在するかご存知でしょうか?私の作成している磁性膜は、プルシアンブルー類似体を用いたもので、金属イオンとしてバナジウムイオンとクロムイオンが入っています。透明で、かつ青色(lmax=620nm)や緑色(lmax=730nm)をしております。私達が調べた範囲ではどうやら存在していないようなのですが、実際のところどうなのでしょうか。お忙しいとは思いますが、是非教えてください。O先生からも、失礼のないように佐藤先生にメールしてみればいいんじゃないか、とのアドバイスを頂きまして、メール致しました.
    ------------------
    A: メールありがとうございました。H研でプルシャンブルーを磁性体として研究しておられることはよく存じております。これまでの透明磁性体は、赤外透明であって、可視透明ではありません。もっとも、低温で強磁性のものであれば、CrBr3というものが知られていますが、室温で強磁性のものはありません。プルシャンブルーはその意味でも面白い物質だと思っていますが、スピン密度が低いので、磁性体としてみた場合にはやや不満足な気がしますが・・

  • 16.

    群論を学びたい


    Q: 昨年7月に大阪で開催された結晶工学スクールに参加した九州大学D1のKです。結晶工学スクールで先生が担当された「結晶の格子と電子状態」について質問があります。あれから半年も過ぎて質問するという失礼をお許し下さい。
    質問は群論についてです。講義の中で先生が「群論とは手続きだと思ってください。」とおっしゃっていましたが、私は分子軌道法をGaussian98を使ってスペクトルと比較することとなりました。XPS等のスペクトルと比較する際に群論の知識が必要です。そこで質問ですが、初心者向けの群論のテキストを紹介して頂けませんか。図書館で見ましたが、以上に複雑な本ばかりでした。
    お忙しいとは思いますが宜しくお願いします。
    私は現在SiもしくはSiCに希土類元素をドープイングした薄膜を作製する研究をしています。薄膜成長法は超音速フリージェットCVD法です。
    それでは失礼します。

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    A: 群論を勉強したいとのこと。ゆっくり勉強する気なら数学屋の書いた群論の本を読んで1から勉強するのがよいでしょうが、お急ぎの方にはおすすめできません。(「群」という概念は持っていたほうがよいとお考えでしたら、培風館あたりからやさしい入門書が出ています。)分子軌道法でクラスタの電子状体の計算する場合は点群の知識があれば十分です。結晶のバンド構造の場合は周期性による並進対称性が入るので空間群の知識が必要です。
     私が修士学生の頃読んだ新楽(にいら)著の、たしか「化学者のための群論入門」(共立全書)という本が、具体例から入っていて分かりやすかったです。次に、比較的分かりやすいのが、ランダウリフシッツの「量子力学」の中にある対称性の議論の中ででてくる群論の話がコンパクトにまとまっていると思いました。本格的に理解するには、犬井哲郎著「応用群論」(裳華房)が、しっかり書けていて、勉強になると思います。数学的な式の導出の部分がやや面倒ですが、それほど難しくはありません。点群の配位子場スペクトルへの応用については、田辺・菅野・上村著「配位子場理論とその応用」(裳華房)がおすすめです。


  • 17.

    太陽電池パネルを設置したい


    Q: 大変興味深くホ−ムペ−ジを拝見しております。その後の太陽光発電所の様子はいかがでしょうか。実は私もパネルを上げようかと思っているのですが、まだ3KWH機器なると400万円近く。、また補助金をもらっても100万円程度とかなり高いものになりますので悩んでます。お時間があるときで結構ですのでSuggestionをお願いします。

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    A: メール有り難うございました。
     太陽光発電の件ですが、その後もしっかりと発電しております。ホームページのデータは、古くなっていますが、現在は、JQA(日本品質管理機構)が測定装置をとりつけ自動測定しています。
    価格は、太陽電池の普及にともない現在シリコンの原材料不足が続いており、値下がりは期待できません。私の家の場合屋根材一体型ですので、瓦を敷く分が安くなっていますが、あまり参考になりません。私の場合、補助金なしでやったので、600万円以上かかりました。それにくらべれば、300万なら安いと言えます。
     3kW型なら、月平均300kWh発電しますから、給湯や調理にガスをお使いならば、電気代はほとんどタダになります。それでも30年でやっと元がとれる程度でしょうか。でも、地球に投資すると考えてぜひご使用になることをおすすめします。


  • 18.

    水分を含んだ物質の分光測定


    Q: 今日は、初めまして。Wというものです。
    実は、一ヶ月ほど前から、佐藤先生のホームページをたまに見させていただいていました。一問一答形式になっているページがとても興味深く、大学を出ていない私にはすごくためになりました。ありがとうございました。
    ところで、今、私の会社では、分光計を使った仕事を始めまして、そのことでよくわからないことがあり、佐藤先生に質問しようと思ったのです。もしよかったら教えてください。
    水分を含んだ物質に光をあてると、OH分子の結合振動によって970nm、1450nm、1940nmの光が吸収されますよね。その原理を使うと、どろどろした有機物(果物をつぶしたものなど)に光をあてると、その水分含有量に応じてその波長の光は吸収されます。ところが、このことは実際に確認しましたが、これと同じことを無機物にしてみても、うまく含有量に応じた値が返ってきませんでした。これにはどういうわけがあるのでしょうか?何かわかることがあれば、教えてください。そもそも有機物、無機物という区分け自体、間違っているのかもしれませんが。

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    A:メール有り難うございました。ホームページを参考にしていただき有り難うございます。いろいろご意見をいただければ幸いです。
     ご質問の件ですが、水の分子振動のモードは結合の仕方によって大きく変わります。水が遊離の形であれば、H-O-Hにおける分子振動が970nm=10309cm-1、1450nm=6896cm-1、1940nm=5155cm-1に出ます。はじめの2つはO-H2の伸縮モード(3500cm-1)の3次および2次の高調波だと言われています。また、5155cm-1の吸収はH-O-Hの変角振動モード(1600cm-1)の3次高調波光です。これらの振動はHをD(重水素)に変えると振動数が低いエネルギーに移ることが知られています。振動数ω0は√(K/M)に比例するのでMが2倍の大きさになると1/√2になります。(Kは原子間のバネ定数です)もし無機物質で重い金属と結合していれば振動の波数はグンと低波数に移ります。先ほどの970nm、1450nm、1940nmの吸収は分子振動の高調波ですから、振動数が低下すれば、高調波も低波数になり、長波長に移動します。それで見られなかったのでしょう。
     無機・有機の違いではなく、水が遊離の水のままで存在するか、結合しているかの違いではないでしょうか。(貴方の扱っておられる物質の名前がわかりませんので、一般論でお答えしました。従って、違っているかも知れません。)
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    W>詳しい回答をいただきありがとうございました。 あえて結論だけを簡単に言うと、水は遊離の状態では970nm、1450nm、1940nmの3波長を吸収するが、無機物質で重い金属と結合していると、その3波長は、長波長に移動し、確認できなくなる、ということですね。
    水分含有率に応じた値が出なかった(水の吸収線が明確にでない)物質の写真を添付しました(すべて同じ物質です)。その物質は私どもの客先から提供された物なので、 詳しいことはわからないのですが、汚泥を処理する時に使われるもので、アルミなどの無機物質が含まれているそうです。
    「無機物質で重い金属と結合している」というのが、よくわからないのですが、この試料の場合はどうだと思われますか?写真を見てわかることが何かありましたら、教えてください。
    すみません。 前回のメールで間違いがありました。実際に試してみたのは、970nmと1450nmだけで、1940nmは調べていません。(うちの分光計では1600nmまでしか調べられないのです。)
    水をセルに入れて水の吸収線を透過法で調べる時に、970nmは1cmセルでよいが、760nmは吸収が弱いので最低10cmセルが必要になります。それと同じように、1450nmでは、吸収が弱いから駄目だが、1940nmなら吸収が強いから確認できるという可能性はありますか?何か気がつくことがありましたら、教えてください。
    ---------------------------------------
    satokats> 写真を見ましたが、あれの「透過率」をどのようにして測定されたのか、不思議です。写真5.jpgが測定の様子なのでしょうか。光ガイドで白色光を照射し、試料から散乱されてきた光をもう一つの光ガイドで受け、分光器に入れて光センサで検出しているのですね。これは決して透過スペクトルの測定ではなく、一種の「散漫散乱反射」(diffuse scattering)スペクトルの測定法です。しかし、正式に散漫反射を測定するには、積分反射球というものを使います。これを使って反射率Rを求めると、透過率Tは、T=1-Rで求められます。積分反射球は、日製産業、日本分光などから市販されています。 水の分子振動をモニタにつかおうというアイデアはユニークで、何か別の測定に応用できるのではないかと存じます。 ---------------------------------------
    追伸
    「無機物質で重い金属と結合している」というのが、よくわからないのですが、この試料の場合はどうだと思われますか?写真を見てわかることが何かありましたら、教えてください。という質問に答えていませんでした。申し訳ありませんが、これを見ただけでは何とも言えません。無機化合物なら、XRD(X線回折)を測定すべきでしょう。

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    W: 回答ありがとうございました。

    > 写真5.jpgが測定の様子なのでしょうか。

    写真の通りに実験しております。ですから、あれは、「中途半端な」散漫散乱反射光の測定ですね。どうやら間違って理解していたようです。

    それに関連する質問ですが、「一般に、試料に光があたった場合、その照射された光は、透過光、反射光、吸収される光、にわけられる。」と私は理解していましたが、それで良いのでしょうか?たとえば、「試料に水分が含まれていれば、970nm前後の光が多く吸収され、糖分が含まれていれば、910nmの光が多く吸収され、そして照射光の中で、吸収されなかった分が、透過と反射にある割合でわけられる」ものだと、理解していました。

    しかし、その考え方では、佐藤先生の> これを使って反射率Rを求めると、透過率Tは、T=1-Rで求められます。という説明とは矛盾してしまいます。透過率と反射率が、(増減に関して)ほぼ同じものだと思っていたので、前のメールで「透過率」と書いてしまったのだと思います。私はどのあたりで誤解しているのでしょうか?わかることがあれば、教えてください。
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    satokats>説明不足で、誤解を与える表現をしてすみません。
     おっしゃるとおり「一般に、試料に光があたった場合、その照射された光は、透過光、反射光、吸収される光、にわけられる。」の通りです。従って吸光度をA、透過率をT、反射率をRとすると、A+T+R = 1と表されます。
     もし、すべて吸収されてしまって透過光がないような場合はT=0なので、A=1-Rです。一方、もし、吸収が非常に少ない物質の場合はA=0なのでT=1-Rです。試料の透過率が試料と空気との屈折率の違いのみから生じているばあいがこれに相当します。
     W様の場合は、吸収が非常に強い場合なので、おっしゃるようにA=1-Rとしてよいと思います。ただし、上の式は散乱されて出てきた光がすべて積分球で集められたと仮定していますので、あのような方式で吸光率が正確に求められるかどうかは不明です。でも目安にはなりますね。

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  • 19.

    LSIの発展のきっかけになった発明


    Q:はじめまして、私、岡山県の通信高校に通ってるYと申します。現在、電子工学に興味があり、特に半導体に興味があるのです。それなので、私は教えてくださる先生もいないため、大変困った状況となっております。そこで誰か教えてくださる方はいないかなと、インターネットで探してる状況であります。そこでどうか私にこれから述べることについて教えてくれませんか?よろしくお願いします!

    質問:半導体分野の発展、特に大規模集積回路(LSI)の発展をもたらすきっかけになった発明とLSI作製における基本技術を三つ上げ、これについて詳しく説明してください。というものなのです。期待してます!

    A: 私は、LSIの専門家ではありません。知っている範囲でお答えします。大規模集積回路(LSI)の発展をもたらすきっかけは、キルビー特許です。米テキサスインスツルメンツ(TI)のJack Kilbyによるもので、この発明は「半導体の上に電気回路を作る」というアイデアで、その後の集積回路の基礎となりました。

    LSIにおける3つの重要技術というのが何を指すのかはよくわかりませんが、(1)大口径の高品質のシリコン単結晶を作る技術、(2)そのシリコン単結晶を切断して研磨し基板を作製する技術、(3)基板上に写真製版技術を用いて回路パターンを焼き付け、エッチングによって回路以外の部分を削り落とし、そのパターンどおりの配線をしたり、トランジスタやコンデンサを作り込む技術(フォトリソグラフィ技術)が重要です。NHKで昔放送された「電子立国日本の肖像」という番組の内容が、その時の相田プロデューサによって出版されています。


  • 20.

    アナログ通信とディジタル通信


    Q: アナログ通信方式とデジタル通信方式について詳しく説明してください。あとその特徴を教えてください。期待してます!

    A: 前回の質問に対する回答はあれでよかったのですか?忙しい時間を割いてお答えしているのですから、あなたはつぎの質問をする前に、一言、分かったとか、ありがとうとか言えないのですか?メールでのエチケットですよ。
    -------------------------------------------------------
    アナログ通信方式とデジタル通信方式との違いですが、私は、材料物性系の専門家であって、通信工学の専門家ではありませんから、一般的なことしか答えられませんが、アナログ通信というのは現在の中波ラジオや現行TV映像のAM(=amplitude modulation)方式, 超短波ラジオやTV音声に用いられるFM(=frequency modulation)のように信号に応じて振幅や周波数を連続的に変化させておこなう通信方式をいい、1つの通信のために一定の周波数領域(バンド幅)を占有します。中波ラジオでは1つの放送局あたり9kHz、FMラジオでは15kHz、通常のTV放送では6MHz、ハイビジョンでは8MHzです。これに対して、ディジタル通信方式では、信号をディジタル化して2進数に変えて、0,1のパルス列として送ります。これはCDで音楽を楽しんだりDVDで映像を楽しんだりするのと同じです。パルスはクロックに従ってタイミングをとって送られていますから、タイミングをずらせて送れば、同じチャンネルを使って同時にたくさんのパルス信号列を送ることができます。携帯電話の大部分はそのようにして送っているのです。映像は大変情報量が多いので、適当な圧縮をして、情報量を少なくして送ります。これが、MPEG方式というディジタル通信方式です。また、ディジタルでは、映像、音声、データ、プログラムなど何でも送れますからアナログ方式よりはるかに融通の利く通信方式だといえましょう。もっと詳しく知りたい方は、NHKのホームページに12月から始まるBSディジタル放送の方式のことがわかりやすく書かれていますよ。


  • 21.

    16進数


    Q: 佐藤先生お久しぶりです。先日は失礼しました。前回電気についてお世話になったMYです。また質問があります。どうか教えてください。
    質問: 次の十進数を八ビット二進数に変換し、十六進数で表してください。ただし負の数は二の補数で表現してください。お願いします。
    1)   0            2)    1
    3)  −1            4)   10
    5)   −10           6)  127
    7)  −127           8)  −128

    ---------------------
    A: この問題に関しては、たくさんの参考書や演習問題集があります。2進数の基本演算なので、自分でやってください。何でもかんでも、メールで答を教えてもらっていては、あなたの実力が付きませんよ。 参考までに16進数での答は、 (1)00, (2)01, (3)FF, (4)0A, (5)F6, (6)7F, (7)81, (8)80 ----------------------------------------------------------------------------------------------------

  • 22.

    レポート

    Q: こんにちは、先日は半導体について詳しく教えてくださいましてありがとうございました。
    ところで大学のレポートのシステムを伺いたいのですが、半導体のもたらすきっかけとなった発明をあげよと、例えば学校からレポートを書けとなったら、半導体のはじめにホールのドナーなどの発明などありましたが、そのようなことを、いろいろ書いたほうが良いのですか?それともレポートの時は、先ほどショックレーなどの三人の発明のことについて詳しく書いたほうが良いのですか?あと上手な大学のレポートの書き方をどうか教えてください。よろしくお願いします。レポートはこれから大学に良くと必要になりますから。あと半導体のもたらすきっかけになった発明について教えてください。
    ---------------------
    A: レポートについての質問ですが、こうしなければならないというきまりがあるわけではなく、出題者の意図に応じて、ケースバイケースで判断する必要があります。レポートを出させることの趣旨が、「授業で学んだことを復習し、確認しなさい」ということであれば、授業の範囲以上に書く必要はありません。一方、「授業では十分教えきれなかったことを自分で調べなさい」という趣旨のレポートの場合は、授業内容に関係することの背景や、その前提となった論文などを、図書館やインターネットで調べて、レポートします。研究室での論文講読のレポートの場合などは、その論文の内容紹介にとどまらず、その研究の経緯や、そこに引用されている論文まで調べて、その論文がどのくらいオリジナルで、しかもインパクトがあるか、それをさらに進めるには、どのような研究が必要であるか、などを議論しなければなりません。 レポートは、他人のために義務的に書くのではなく、そのレポートを通じて、自分が一歩でも前進するよう「自分のために」書くのだと言うことを忘れないでください。


  • 23.

    塗料の分光特性


    Q: 先生のホームページをいつも拝見し、楽しく、興味深く感じております。私は、最近、車本体やナンバープレートの塗膜片から、交通事故や車両利用犯罪の追跡捜査について、分光的な研究を始めたところです。その過程で、先生のホームヘージの存在を知りました。ところで、ふと、初歩的な疑問にとらわれてしまったのですが、差し支えなければ お教えいただけませんでしょうか。
     それは、「白色」(例えば白顔料の酸化チタン)と「黒色」(黒顔料のカーボンブ ラック)は、どのような光学的過程で生じるのであろうか、ということです。RGBが適切に混ざれば、白に見えるということではなくて、酸化チタンの分光的反射特性が、可視光から赤外にわたって一様に反射していること、そして、カーボンブラックが一様に吸収しているという現象をどのように理解すればよいのだろうか、という疑問です。
     この分野はまったくの専門外なのですが、無機物の配位子場吸収帯、電荷移動吸収帯 があること、有機物の分子による吸収(赤外領域)があることなどが市販の解説書には記載されており、概略は理解できるのですが、上記の「黒」と「白」につきまして
  •  なぜ、一様に反射したり、吸収したりするのか?
  •  その一様な反射や吸収の特性は、赤外のどの領域まで持っているのか?
  • という疑問につきあたります。 おいそがしいところ真に恐縮ですが、何かご指摘いただければ幸いです。よろしくお願い申しあげます。 
    ---------------
    A:
    y>「白色」(例えば白顔料の酸化チタン)と「黒色」(黒顔料のカーボンブラック)は、どのような光学的過程で生じるのであろうか、ということです。RGBが適切に混ざれば、白に見えるということではなくて、酸化チタンの分光的反射特性が、可視光から赤外にわたって一様に反射していること、そして、カーボンブラックが一様に吸収しているという現象をどのように理解すればよいのだろうか、という疑問です。

    satokats> 酸化チタンは、可視光線に対して無色透明で屈折率が、赤(650nm)で2.86、黄(560nm)で2.94、青(480nm)で3.08と、ほぼ一定の値(n=3)を持っています。従って、反射率もR=(n-1)^2/(n+1)^2=4/16=1/4=0.25=25%と一定です。顔料は多結晶体をバインダで練り上げたものですが、いろんな粒子を透過しいろんな粒子で反射されても、選択反射や選択吸収が起きないので「白い」のです。一般に無色透明の結晶体が粉末や微粒子になると白く見えます。塩は結晶化すると無色透明ですが、粉になると白いですね。吸収に波長依存性がないのは、酸化チタンの光学吸収端(band gap)が3.5eV(紫外線354nm)付近にあり可視領域の光は透過するからです。一方、屈折率のピークは吸収端付近で最大値4を取り反射率も36%に増加しますが、紫外線の領域なので人間の目には色が付いては見えないのです。

    satokars>カーボンブラックは炭素の微粒子の集合体で、(おそらくフラーレンやナノチューブも含まれているのでしょうが)基本的にはグラファイトでしょう。この物質の光学定数はc軸に垂直の面と平行な面とで大きく異なります。(これは、グラファイトの蜂の巣構造の面内は共有結合であるのに対し、面間はファンデアワールス結合であるためです。c面に垂直入射した光について示すと、赤の光に対してはn=2.86, k=1.3, 黄色ではn=2.68, k=1.36, 青ではn=2.64, k=1.3とほぼ一定です。吸収係数α=4πk/λは2.5×10^5cm^-1(赤)、3.0×10^5(黄)、3.5×10^5(青)とほぼ一定で、反射率については、n=2.7, k=1.3とするとR={(n-1)^2+k^2}/{(n+1)^2+k^2}=(1.64^2+1.3^2)/(3.64^2+1.3^2)=0.293となり反射率は可視域で30%一定です。従って、グラファイトの単結晶は「黒光り」の状態にあります。
    このように可視光領域に大きな吸収があるのは、この物質が半金属だからです。すなわち、バンド構造は価電子帯の頂と伝導帯の底との電子波数が異なっており、しかもエネルギー的には重なりがあるのです。このため、光学遷移が連続的におきます。一方、c面に垂直な方向から見るとこの物質はバンドギャップが0.12eV付近にある半導体です。このため、キャリア数がすくなく、通常の金属に見られるような自由電子の集団運動によるDrudeの反射が見られません。従って、グラファイトの微粒子の集合体では、粒子中に入った光は10^5cm^-1におよぶ強い吸収のためほぼ吸収されるのです。たとえ、通り抜けても、散乱された光は別の微粒子に吸収され、光は戻ってこなくなります。

    satokats>上のような説明でご理解いただけたでしょうか。なお、TiO2の光学定数はPalik:Handbook of Optical Constants of Solid I (Academic Press 1985)p799, Graphiteの光学定数はPalik:Handbook of Optical Constants of Solid II (Academic Press 1991)p455から引用しました。


  • 24.

    光伝導の測定法


    Q: おせわになります。I技研営業課のTともうします。先日、突然の御電話にもかかわらず丁寧にご説明して頂きありがとうございました。
    先日、佐藤先生にお伺いした件は工業試験場からの依頼物件でございましてその依頼内容は弊社には取扱った実績がない商品で、何処に問い合わせてよいものか見当もつかず先生にご相談したしだいです。
    つきましては、ご多用のところ恐縮に存じますが、先日お問い合わせしました件の続きのお話ですが、測定したい物は、薄膜の電導率です。薄膜に電極を付けた物に光を当てて電導率を測定したいのですが、なにか良い測定システムをご紹介頂けませんでしょうか。
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    A: メール有り難うございました。
    光電導率を測るだけならそれほどむずかしいものではありません。すでに電極が着いているのであれば、単に電圧をかけておいて流れる電流の、光を当てないときと当てたときの違いを測るだけでよいのですから。ただし、、暗抵抗が非常に高いものや、光伝導がひじょうにひくいものでは、それなりに工夫が必要です。光伝導が弱いものの場合は、光をチョップして、断続し、電流はロックインアンプで検出します。また、電話でも申しましたように、光強度や光のスペクトル分布を考慮しないと材料評価としては、意味がありません。 もう少し、具体的なことがわからないと、十分なアドバイスをすることができません。あしからず。

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  • 25.

    薄膜の吸収スペクトルから干渉縞を除くには?


    阪大産研のMJです。 急のメール大変申し訳ありません。 ところで、過去の結晶工学スクールで、反射スペクトルをとる時の話として、 干渉がスペクトルにのるときに、その干渉を分をキャンセルする方法が、 あると聞いたのですが、それについて詳しく教えて貰えませんか。 よろしくお願いします。
    追伸
    先生のホームページを見させてもらいました。 身の回りにある、金属や、磁性体、そして半導体などの固体の性質についての 素朴な疑問と答えが載っておりとても興味深かったです。 特に金属の様々な見た目の色についての記述は具他的に書かれており、 固体の奥深さを改めて感じました。

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    MJ様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございました。 干渉縞をsupressするには、TとRのスペクトルを測定し、 T/(1-R)を求めれば、ほとんど干渉は消滅します。 exp(-αd)=T/(1-R)としてαを求めて下さい。 なお、これには、近似がはいっています。 正確な議論は、下記の論文をご覧下さい。
    R.H.Klazes et al. Phil. Mag. 45 (1982) 377.
    Y.Hishikawa et al. JJAP 30 (1991) 1008
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  • 26.

    積分球を用いた拡散反射


    阪大産研のMJです。
    先日は、干渉スペクトルのキャンセルの仕方について、ご教授ありがとうございました。 さっそく論文を調べて測定してみました。
    ところで、我々の使用しています分光光度計の関係上、反射スペクトルを取るときには、積分球を使用し、 拡散反射を取る仕組みになっています。
    拡散反射よりKubelka-Munkの式より吸収係数/散乱係数=(1-Rd)^2/2Rdとして吸収係数を求める場合、そのままこの吸収係数を使い、直接なり間接なりの半導体の バンド端を決定しても良いのでしょうか。(直接遷移の場合(αhν)^2として)。 それから、この拡散反射率および拡散透過率を利用して、干渉スペクトルの式に当てはめても良いのでしょうか。 拡散反射(透過)と一般的な反射(透過)との関係が良くわかりません。教えてもらえませんか。 また測定した感覚では、拡散反射においては(一般の反射測定に比べて)バンド端が強調されて、観測されていたように思えます。 なんか不思議な感じです。いろいろ書いてしまいましたがよろしく願いします。
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    追伸
    今先生のホームページが研究室で大流行です。QアンドAは身近なことでも意外に知らないことについて丁寧に答えられており、みん なのお気に入りになっています。

    ---------------------------------------------------
    A: MJ様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございます。私のHPが人気との由、嬉しく存じます。これからもっと充実し ていきたいと思っています。
     さて、積分反射球を用いる場合の吸収の求め方ですが、この前にご紹介した干渉のキャンセル法 は、基本的にはspecular reflection(鏡のような反射)を前提としています。なぜなら散乱された 光は、干渉に寄与しないからです。従って、たとえば、日立のU-3410に反射のアタッチメントをつ けるとかの方法により、積分球を用いない普通の反射測定をされた方がよいと思うのですが・・。
     積分球を用いて吸光度を測るのは、粉末試料のときは有効ですが、薄膜についてはお薦めできま せん。(hνα)^2 vs hνなどのプロットでバンド端をきめる場合には、吸収係数測定のlinearity が保証されていなければなりませんが、一般には、拡散反射から測定された吸光度のlinearityは 余りよいとは言えないのです。


  • 27.

    裏面反射を拾わない反射率測定


    Q: 突然のメールで失礼いたします。私はX社薄膜室のUと申します。現在、ブラウン管ガラスの反射防止膜開発の仕事をしております。  反射率測定についてインターネット上にて調べていましたところ、偶然佐藤先生のホームページを見つけました。
     実は大変基本的な問題で申し訳ございませんがご教示頂きたいことがありましたので、メールを送らせていただきました。  現在、ガラス上に反射防止膜を成膜しまして、その表面反射率を分光光度計にて測定していますが、その時裏面反射を拾わないようにラッカーにて裏面を黒く塗りつぶ す方法を採っています。しかしながら、完全にシャットできるわけではなく、極低反射領域(0.数%台)の測定では、値が高めに出てしまうようです。  この裏面反射を拾わないようにする方法として何か良い方法はございませんでしょうか?
     もしくは良い測定機がございましたらご紹介いただけませんでしょうか?
    お忙しい所大変申し訳ございませんがよろしければご回答下さいますようお願い申し上げます。(2000.12.27)
    ---------------------------------------
    A:  U様、メールありがとうございます。
    文面だけからは詳細がわかりませんが、もし反射防止膜自身の裏面反射を消すというのならそれ は無理です。それは膜の裏面からの反射との干渉を使って反射防止にしているからです。
    一方、ブラウン管ガラスの裏面反射を消すのであれば、これは裏を黒くしても意味がありません。 反射はガラスと塗料の界面での屈折率のミスマッチで起きるのですから、反射はやっぱり起きます。
    ガラス裏面での反射率は、ガラスの屈折率ng、塗料の屈折率をn、塗料の消光係数をkとして、 R={(n-ng)^2+k^2}/{(n+ng)^2+k^2}で与えられます。ガラスの屈折率をng=1.5、塗料については よくわかりませんが、仮に黒鉛が使われているとして屈折率をn=2、消光係数を0.7としますと、 R=0.058となり5.8%も反射します。つまり、黒い塗料は界面から塗料に透過して行く光を吸収す るだけです。
    一番よいのは裏面をサンドペーパなどで荒らして黒い塗料を塗ることです。つまり 黒いすりガラスです。裏面の凹凸で光を散乱させてそれを塗料で吸収してしまえばよいわけで す。これなら、散乱光のうち、表面に戻った分だけが寄与するので少なくとも1桁は減らせると 思います。(2000.12.27)
    -----------------------------------------------------------------
    AA: X社のUです。
     先日は、ご回答いただきありがとうございました。先生のご教示の通り裏面を荒らして測定したところ、 かなり、裏面反射を抑えた測定値が得られました。お返事及びお礼が遅れまして申し訳ございませんでした。(2001.1.19)

  • 28.

    圧電セラミクスとPb


    Q: 自分はここの大学の生徒ではありませんが、インターネットで調べものをしていたと ころ、ちょうど分かりやすいここのHPに行き着きました。
    ちなみに今自分が調べていることは、携帯電話などに使われている「圧電セラミク ス」です。ここの資料はわかりやすく、大変参考にさせていただきました。
    しかし調べている途中、ここで書いていない気になる点がでてきました。 すると、「質問は遠慮なくどうぞ」とあったので、あつかましくメールを差し上げ た、というわけです。(笑)
    そこで質問の内容なんですが,
    ○圧電セラミクスにはすべてと言っていいほどPbが使われていますが、環境に良く ないPbがそこまでして使われなくてはならないのはPbにどのような利点があるからで しょうか?
    突然のメールで本当に失礼しました。
    お返事お待ちしています。
    九州大学3年 日野隆博(2001.1.18)
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    A: 日野君、佐藤勝昭です。
     メールありがとう。今の学生さんは、何でもインターネットで調べものをするのですね。これ からの情報化社会の姿が見えてくるようです。
     さて、お便りの件ですが、圧電材料にPbが使われている理由と、毒性・安全性の問題ですね。
    圧電材料としては、必ずしもPbが必要というわけではなく、BT(BaTiO3), LN(LiNbO3)などの ようにPbの入らないものもあります。実際テレビの中間周波数用のSAW filterにはLNが使われて います。ただ、PZT(Pb1-xZrxTiO3)の圧電定数は、LNより1桁大きいのと、焼結体(セラミ クス)として作りやすく、価格が安いことなどから最もよく使われています。
     Pbを口に入れたり、肌につけたりすると鉛毒といって慢性の症状がでるので危険ですが、PZTはデバイスの中に 使われているのですから直接触れることはないので安全です。また化合物の場合毒性は結合状態にもよりますが、 元素の毒性とは異なっており、それほど心配しなくてもよいのではないでしょうか。例えば砒素は猛毒ですが、 ガリウム砒素GaAsはそれほど心配がありません。貴方のCD-driveにもMDにも半導体レーザが使われていて その中身はGaAsを主体とした化合物半導体ですが、Asが入っているからといって大騒ぎしていないでしょう。 それと同じです。(2001.1.18)
    -------------------------------------------------------------------------------------
    AA: 素早い返答どうもありがとうございました!
    圧電材料の文献は非常に量が少なく、苦労してましたので大変助かりました!
    これからももっと勉学に励んでいきたいと思います。(2001.1.18)
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  • 29.

    液晶ディスプレイについて


    QQ: 佐藤勝昭教官 殿
    はじめまして。私、通信事業をやっておりますT-K社 技術部のM.Tと申します。 突然メール致しまして誠に申し訳ありません。
    実は今、液晶について調べておりまして、インターネット検索していましたら、佐藤教官の 物理システム工学科2年次「材料物性工学概論」のHPにたどりつき、拝見させていただきました。 学生の質問に1つ1つ丁寧に答えて下さっていて、非常に暖かいHPに感じましたし、 私自身非常に勉強になりました。
    もし、よろしかったら、わたしも液晶で疑問に思った点があるのですが、 ご存知であれば教えて頂けないでしょうか?
    お忙しい中誠に申し訳ありませんが返信頂ければ幸いです。
    Thu, 1 Feb 2001 20:17:48
    ---------------------------------------------------------
    Q1・単純マトリクスとアクティブマトリクスの構造がよくわかりません。
    (単純マトリクスについて液晶面の電極を格子状に並べ、横と縦にそれぞれ電圧を 加えてその交点にある液晶を制御するとありますが、X軸方向、Y軸方向それぞれの 電極と液晶はどういう構造になっているのかいまいちわかりません。ねじれの位置み たいな感じに電極がなっているのでしょうか?そして、そのすきまに液晶が入ってい るという感じなのですか?)
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    A1・メール有り難うございました。私は、液晶の専門家ではないので、詳細につ いては、間違っているかも知れませんが、大づかみにご質問にお答えします。 詳しくは、液晶関係の書物または液晶関係のサイトでお調べ下さい。
    透明電極というのを知っていますか。In(インジウム)Sn(スズ) の酸化物は、ITOと呼ばれますが、透明な電気伝導体です。
    透明電極はガラス板の上に短冊状のストライプとして+付けられています。 このガラス2枚を電極を内側にして向かい合わせ、電極の短冊の向きが互いに直交するようにします。
    そしてこの2枚のガラス板の間の隙間(数ミクロン)に液晶を注入します。しかしこれだけでは、液晶はランダムに配向するので、液晶ディスプレイとして使 えません。液晶をガラス板に平行に配向するためには、(2枚張り合わせる前に)電極の上にPI(ポリイミド)など*の配向剤をスピンコート(回転する基板の上に液を 垂らし、振りとばして均一に塗布する方法)して、配向したい方向に、布を用いてこすります。これをラビングといいます。(なんと原始的な!と驚くなかれ) すると、界面付近の液晶分子はこすった方向に配列します最近では、光を用いて配向する研究も盛んです。(*)従って、向かい合うガラス板の液晶の配向方向を90度ねじっておけばツイストできるのです。
    注(2001.2.25)
    1. +アクティブマトリクスの場合ITOは、カラーフィルター側の基板全体に、TFT基板 ではそれぞれの画素毎に形成されています。
    2. LCDもかっては、ほとんどTNもしくはSTNタイプだったのですが、今日では視 野角改善のため、IPS(In Plane Switching)VA(Vertical alighnment) な どさまざまな方式が使われています.
    3. 「液晶ディスプレイの原理」に関しては シャープのサイトがわかりやすいで す。*
    (*ご注意していただいた林様、ありがとうございます。)
    =========================================
    Q2・液晶の構造のところを調べていると、電極が導線とかかれたもの、配線とかかれたもの、走査線とかかれたものとかありますけど、これらは同一のもののことをいって いるのですか?
    -----------------------------------
    A2・アクティブマトリクス方式では、液晶を配向させる電極に供給する電圧を 制御するための薄膜トランジスタがあり、このトランジスタをOn-Offするため の配線があります。この配線を導線とも言っているのです。
    一方、走査線というのは、テレビの画面に絵を出すために画面上を挿引する線のことを言います。 通常のNTSC方式のTVでは525本の走査線を用います。ハイビジョン(HDTV)では走査線の数は1025本です。 横方向のストライプ電極の本数を走査線の数と一致させることもありますが、もっと荒いこともあります。
    =======================================
    Q3・有機ELディスプレイは薄型化、低消費電力化、軽量化しやすいといわれています が、それはなぜですか?
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    A3・液晶は自分で光を出すことがなく裏に光源が必要です。有機ELディスプレーは、液晶と違って自ら発光するので、 光源を別に必要としないから、薄型化・軽量化が可能です。消費電力については、液晶と異なり電流注入が必要 なので、現在では必ずしも低消費電力とは言えませんが、、今後発光効率が改善されれば、低消費電力に なるでしょう。
    ========================================
    Q4・有機ELではアクティブマトリクス方式の方が単純マトリクス方式よりも、消費電 力が低くなるということですが、それはなぜですか?(調べたら、単純マトリクスは 走査線が1本づつ選択している間だけ発光しているがアクティブマトリクスは1フレー ムづつ表示する時間光つづけるからとありました。よく意味がわからなかったので)
    -------------------------------------
    A4・フレームというのは、1枚の画面全体を言います。上に述べたように画面 は525本の走査線によって構成されます。単純マトリクスでは走査線を順番に1 本ずつ選択して光らせ残像を利用してずっと光っているように見せますから、 1/525に平均化されるので、1本をかなり強く光らせないといけないのです。一 方、アクティブマトリクスでは、選択された画素をずっと光らせ続けるので、 それほど強く発光させる必要はないのです。
    2 Feb 2001 01:11:42
    ==============================================================================
    AA: 早速のお返事とご回答、誠にありがとうございました。
    非常にうれしく思っております。とても勉強になりました。お忙しい中本当にありがとうございました。2 Feb 2001 15:34

  • 30.

    ブラウン管の振動について


    Q: はじめまして。
    Nと申します。突然のメール送信をお詫びするとともに、お忙しい中申し訳ありません。
    大変興味深く、貴殿のホームページを拝見させて頂いております。
    一つ質問がありますが、もしよろしければ教えていただきたくメールしました。
    テレビのブラウン管は、大きなコンデンサと言われています。 このブラウン管の管面に手の平を近づけて、完全に接触させずに微妙 な距離を保った時に、ブルブルと機械的振動が伝わってくると思います。 静電気ではなく、機械的な振動です。
    この現象は、どう理解したらよいのでしょうか?
    CRTをコンデンサと考えた場合、この電極に働く力という考え方でいいのですか? お忙しい中申し訳ありませんが、理論を教えて下さい。
    (6 Feb 2001 17:29)
    ===============================================================
    A: N様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございました。私のホームページを見ていただきありがとうございます。
    ご質問の件ですが、私は、手との間には強い静電力が働くのは感じたことがありますが、わたしは 残念ながらおっしゃるような振動を感じた経験がありません。我が家の TV(SonyのWEGA)でやってみましたが、振動は感じません。
    もし、振動を感じられたとすれば、振動の周波数はいくらでしょうか?
    もし60Hzであれば、垂直同期の周波数なので、電子ビームが画面の同じ場所に戻ってくる周波数 ということになります。静電的な理由で振動するとすれば、ビームが到達して電流が流れたことによって コンデンサの電荷量が変化したのでしょうか。その可能性がないとは言えません。
    そのほか振動の原因としては、ブラウン管の首の部分に偏向ヨークというコイルがありますが、 これを使って磁界によって電子ビームを左右および上下に振っているのです。これにも左右に振 るための水平同期周波数(17.5kHz)と、垂直に振るための垂直同期周波数(60Hz)が印加されてお りますから、コイルが振動して、ブラウン管に伝わっている可能性もあります。
    あるいは、シャドウマスク(これは磁性体です)がその磁界を受けてわずかに振動しているかも 知れませんね。(ちなみに、SONYのトリニトロン管にはシャドウマスクがありません)
     私は、むかし、NHKに勤めてはいましたが、ブラウン管やTVセットの専門家ではないので、 正しいお答えができるか心配です。むしろ、テレビメーカーには専門家が多いと思いますので、 そちらに問い合わせてはいかがでしょうか。
    (06 Feb 2001 20:44)
    ===================================================
    AA:おはようございます。Nです。
    早速のご返事ありがとうございます。また、疑問にぶち当たりましたら、宜しくお願いします。
    (07 Feb 2001 10:09)

  • 31.

    「光と磁気」への質問:プラズマエンハンスメント


    Q1: 以前メールをお出しした東大工学部M1のMと申します.お返事どうもありがとうございました.そこでぜひ佐藤先生に御質問させていただきたいと思います.
    ------------------------
    1) まず,光の旋光性についてお聞きしたいと思います.
    よく有機の物質で,不斉炭素をもっているか螺旋構造をしていると直線偏光の振動面が 回転すると思いますが,この二つはどういう考え方をすると一つの概念で統一的に理解 できるのでしょうか?
    また同じ事を磁性体にあてはめることはできるのでしょうか?
    -------------------------
    2)金属磁性体の磁気光学効果において,プラズマエンハンスメントとよばる現象が あります.佐藤先生のお書きになった‘光と磁気’にはプラズマ・スプリッティングに よるモデルとプラズマ共鳴によるモデルがのっていました.
    このプラズマの位置でのエンハンスメントの原因はもう分かっているのでしょうか?
    --------------------------
    3)磁気光学材料の性能指数の大きいものに金属磁性体が多く,また,そのほとんどがプラ ズマエッヂにおけるものだとお思いますが,これにはなにか金属磁性体のプラズマ特有 の理由があるのでしょうか?
    (Sat, 17 Feb 2001 09:20:19)
    ===============================================================
    A1: M様、佐藤勝昭です。
    以下に各項目にお答えします。
    1. 自然旋光性の起源は、結晶のもつ対称性にあります。この結果誘電テンソ ルの非対角成分が生じれば、旋光性が現れます。
      例えば、小川智哉「結晶物理工学」(裳華房,1976)p.205, §6.3 ランダウリフシッツ「電磁気学」(井上他訳:東京図書)第2巻§83「自然旋光性」にもあります。
    2. 磁気光学効果の大きさは、誘電率の非対角成分ばかりでなく誘電率の対角 成分に依存します。複素カー回転角ΦK=εxy/(1-εxx)√εxxなのでプラズマ周 波数付近では分母が小さくなって磁気光学効果は大きな値になります。これを プラズマエンハンスといいます。
    3. 自由電子による本来のプラズマ周波数は紫外域にありますが、バンド間遷 移との混成の影響で低い周波数領域に見かけのプラズマ端がきます。これをパ インズはハイブリッドプラズモンと命名しています。(Pines:Elementary Excitation in Solids)
      貴金属の色は、このハイブリッドプラズモンが可視域 に来たことによります。PtMnSbの1.8eVにおけるカー回転のピークはプラズマ効 果であるとわかっています。詳しくは、丸善 実験物理学講座6「磁気測定I」 p.223(拙著部分)をお読み下さい。
    (Sun, 18 Feb 2001 00:26:21)

    Q2: お返事どうもありがとうございました. ぜひこれから勉強させて頂きたいと思います.
    佐藤先生のお返事はとてもわかりやすく大変参考になりました.
    しかし,僕の勉強不足で一つもう一度質問させて頂いてもよろしいでしょうか?
    -------------------
  • プラズマエンハンスメントのことなのですが,複素回転角の分母が小さくなるため カー回転角が大きくなりうるということはよくわかりました.
    絶縁体のカー回転を考えた時は,右回り円偏光と左回り円偏光に対する応答の違い を考えればカー効果の生じる理由が分かったのですが,プラズマエンハンスメントを 物理的に理解するにはどのように考えるとよろしいのでしょうか?
  • -----------------
    たびたび申し訳ありませんが,もしお知りであれば教えて頂けないでしょうか? どうぞよろしくお願いいたします.
    (Mon, 19 Feb 2001 10:19:09)
    =================================================================
    A2: M様、佐藤勝昭です。
    メールありがとうございます。
  • プラズマの状態では、誘電率が負になるのですが、この原因は別として、ここ では、現象論的に説明しておきます。
    見かけの誘電率がぴったり1(実数部のみ)だとする と、屈折率は1ですから、空気から入ったとき反射も屈折も起きません。従って誘電 率が1になる波長では、反射は全くありません。従って、この波長の光は物質 中に閉じこもってしまいます。何回も磁気光学効果を受け、無限大になりま す。このように、反射率を犠牲にすれば、いくらでも磁気光学効果をエンハン スできます。実際には誘電率は複素数なのでぴったり1になることはありませ んから、反射率は0ではなく有限の値になり、増強された磁気光学効果が観測 されます。
  • (Tue, 20 Feb 2001 00:45:00)
    -----------------------------------------------------------------
    QQ:東大工学部のMと申します.
    お返事どうもありがとうございました.
    とてもわかりやすく答えて頂いて,胸の中がちょっと晴れ晴れしたような気がします. またいつか疑問にぶつかる時が来ると思いますが,もしよろしければまた御質問させて いただきたいと思っております.
    この度は,本当にどうもありがとうございました.
    (Thu, 22 Feb 2001 05:56:49)
  • 32.

    ショアーの硬さについて


    Q: 初めまして私は愛知県豊田市の木型屋に勤める長江と申します。 ここ10数年はNCモデル加工機による製作が殆どで木型屋と言っても大半が 樹脂(合成木材)製の製品です。 NC加工の効率化を図るには加工速度や加工代を増やせば良いのですが 素材の硬さによって異なります。 そこでお聞きしたいのですが物性の硬さで「ショア‐D」と言う単位が有るのですが この単位の意味や測定方法等を教えて頂きたいのです。 初歩的な質問で申し訳無いのですが宜しくお願いします。
    (01年2月19日 15時36分)
    ------------------------------------------------------------------------------------
    A: ホームページの書き込みありがとうございました。
    私は、材料工学の専門ではないのですが、書物に基づいてお答えします。
    ショアー硬度(Shore hardness)というのは、先端にダイヤモンドを取り付けた小さなハンマーを 試料表面に落下させたときの跳ね上がりの高さから求めた硬さのことを言います。  ハンマーを落とすときの高さをh0、跳ね上がりの高さhとすると ショアー硬さHSは次式で定義されます。
    HS=(10000/65)×(h/h0)
    ダイヤルで直読できる構造のショアー硬度試験機をD型といいます。このほか、目測するタイプのもの にC型、SS型があります。
    (打越二弥著:機械材料(東京電機大学出版局1987)p.21による。)
    詳しくは、機械材料関係の書物、ハンドブックなどで調べて下さい。 (2001.2.22, 11:30)


  • 33.

    有機ELについて


    Q:佐藤勝昭教官 殿
    突然のメールで申し訳ございません。
    以前にご返答いただきました、T-KのM.T.です。この前は大変ご親切に私どもの質問にご返答頂きまして 本当にありがとうございました。大変勉強になりました。
    現在も液晶に続き、有機ELについて調べていまして、有機ELに対する疑問点があり、 いろいろなHPを探したのですがそれに関する資料がなくて、佐藤教官がもしご存知であれば、たびたびご無礼となっていることは承知ですが、 もしよろしかったらぜひ教えて頂きたいと思いましてメールさせて頂きました。
    ご返答頂ければ幸いです。

    疑問点

    1. 有機ELディスプレイは電圧をかければかけるほど明るく発光するのか?
    2. 有機ELのカラー表示方式にはRGBの蛍光材料を順に配置するのとカラー フィルタを利用している方法の2つを聞くが違いはなになのか

    お忙しい中申し訳ありませんが、もしよろしければご返答の方宜しくお願い致しま す。(Wed, 28 Feb 2001 11:07:22)
    ----------------------------------------------------------
    A: 有機ELは私の専門ではありませんので、その道の専門家に伺いました。
    1.  有機ELは無機ELと異なり電流動作です。電流とともに輝度が増大し、  ある臨界値を越えると切れてしまいます。
    2. 理想的にはRGBのEL材料を配置する方が明るいはずですが、有機ELのRの発光効率が低いの で、G、Bとのバランスが悪いようです。(出光ではBを励起光源に使って色素変換でRを出してい るとのことですが・・・)フイルタ方式では白色ELを用いているので、液晶と同様のカラー表 示になります。
    (Wed, 28 Feb 2001 12:47:17)
    追加情報です。
    1. 山形大学の城戸先生のホームページに有機ELの詳細が記載されているようで す。
    2. 参考書といたしましては  (株)サイエンスフォーラム から出ております  「有機EL素子開発戦略」が有ります。
    (情報をいただいたS様ありがとうございます。佐藤勝昭)(Wed, 28 Feb 2001 17:55:47)
    ----------------------------------------------------------------
    QQ:佐藤教官へ
    早速のお返事ありがとうございました。
    私のために有機ELの専門家の方にお聞きして頂くということまでしていただき、 たいへんお時間、お手数をとらせてしまい、申し訳ないです。
    佐藤教官のご厚意で大変助かり、勉強になりました。 ありがとうございました。
    Wed, 28 Feb 2001 14:11:16
  • 34.

    斜め入射の金属反射率について


    Q1:佐藤勝昭教官 殿
    はじめまして、A社のTと申します。
    全くの素人でご質問するのもお恥ずかしいのですが、何卒、ご教授ください。
    光の反射についてですが、媒質が空気・ガラス等については、下記理論式が成り立つと 把握しております。
  • RP=tan^2(φ1−φ2)/tan^2(φ1+φ2)
  • RS=sin^2(φ1−φ2)/sin^2(φ1+φ2)
  • TP=sin(2・φ1)・sin(2・φ2)/{sin^2(φ1+φ2)・cos^2・(φ1−φ2)}
  • TS=sin(2・φ1)・sin(2・φ2)/sin^2(φ1+φ2)
  • ※ RP:P偏光入射での反射率、RS:S偏光入射での反射率
    TP:P偏光入射での透過率、TS:S偏光入射での透過率
    φ1:入射角、φ2:屈折角
    媒質が金属においては、どのような理論に基づいているのでしょうか。
    その場合、上記のような偏光の違いを理論式で導けるのでしょうか。 本件について、学べる著書などがございましたら、ご紹介ください。
    以上、お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。(Thu, 1 Mar 2001 12:28:31)
    ---------------------------------------------------------------
    A1:T様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございます。Tさんが書かれた斜め入射の反射率の公式は 金属の場合にも適用できます。その際、φ1とφ2の関係として知られている スネルの法則sinφ1/sinφ2=n2/n1においてn1は空気なら1とおいて良いのですが、 n2の代わりに、複素屈折率N2=n2+iκを用いればよいのです。すると、φ2は 複素数になります。(複素数の角度って考えにくいですが、数学的にそうなると 理解下さい。)こうして求めたφ2をあなたの書かれた公式に代入し、2乗のところを 絶対値の2乗とすればよいのです。 なお、2乗しない式ではrp, rsともに複素数になります。エリプソメトリで測定されるのは、rp/rs の絶対値と位相です。
     理論式は、例えば、山田・佐藤他著「機能材料のための量子工学」(講談社 サイエンティフィク)p.151-154をお読み下さい。(Thu, 1 Mar 2001 18:40:56)
    ---------------------------------------------------
    Q2:A社のTです。 お忙しいところ、ご教示いただきまして、ありがとうございました。
    早速、計算を試みたところ、複素屈折率値次第で、大きく様子が異なりました。
    誤計算をしていることも考えられますが、正しい複素屈折率の物性値を代入したいと考えます。 複素屈折率を構成する屈折率実数部n2と屈折率虚数部κ(=α・λ/4π、α:吸収係数) の物性値を理科年表等で調べてみましたが、見つかりませんでした。
    単純金属(金、銅、アルミ等)の上記物性値は、存在するのでしょうか?
    何度も恐縮ですが、よろしくお願いいたします。 また、ご紹介いただいた本は、早速、後日、探してみたいと思っております。(Fri, 2 Mar 2001 16:07:53)
    --------------------------------------------------------------------
    A2:  単純金属の複素屈折率n,κについては、
    Palik:Handbook of Optical Constants of Solid I (Academic Press 1985)p799, Palik:Handbook of Optical Constants of Solid II (Academic Press 1991)詳細なデータがあります。
     また、Landolt-BoernsteinのNew Series III-15b(Springer)に金属の光学定 数があります。(Sat, 3 Mar 2001 15:41:11)
    -------------------------------------------------------------------
    QQ:愚問にお付き合いいただき、ご教示いただきまして、ありがとうございました。 早速、本を探してみたいと思っております。
    今後も、ホームページを拝見させていただきたいと思いますので よろしくお願いいたします。(Sat, 3 Mar 2001 15:55:33)

  • 35.

    液晶ディスプレイについて(2)


    Q:佐藤勝昭教官 殿
    何度も突然のメールで申し訳ございません。 T-K社のM.T.です。 この前はご返答と情報を誠にありがとうございました。 非常に助かりました。
    今回は液晶についての質問なのですが、 いろいろなHPを探していて、探せば探すほど頭が混乱してきます。
    左藤教官がもしご存知であれば、たびたびご無礼となっていることは承知ですが、 もしよろしかったらぜひ教えて頂きたいと思いましてメールさせて頂きました。
    ご返答頂ければ幸いです。
    疑問点は
    1. 液晶分子は電圧がかかると配向が変わりますよね。 であれば、右側の液晶分子が縦に並んでいるので電圧がかかっている 場合だと思うのですが、光遮断状態となっています。光遮断状態が人間の目には暗く なって見えない部分だと思っているのですが、ということは光らせたくないドットに電圧をかけるのですか? それとも、光遮断状態があかるくみえるところなのでしょうか?
    2. 図で偏光子、検光子とでてきていますがどんな役割をしているのですか? ガラス板となにがちがうのでしょうか?
    3. 液晶という物質にお目にかかったことがないのですが、実際見てみたらどんな物 質なのですか? 液体なのですか?
    (Mon, 5 Mar 2001 19:21:14)
    ==================================================
    A. ご質問にお答えします。
    1. 液晶にはポジ型とネガ型とがあるのはご存じですか。入射側と出射側の偏 光子を直交させた場合(ネガ)と平行の場合(ポジ)とがあります。あなたの 図はネガ型です。従って、電圧をかけたドットが暗くなります。白い画面に電 圧をかけたところのみ黒い字を出す場合に都合がよいですね。  逆に、偏光子を平行にしておけば、電圧をかけたところが明るくなります。
      ふしぎQ&Aの「液晶」の項目も参考にして下さい。 (Mon, 5 Mar 2001 22:01:18)
    2. 偏光子・検光子はどちらも特定の偏光状態のみを透過する素子で、自然光を直線偏光にするときに 偏光子といい、その光が何かの物質を通って偏光状態が変化した様子を検出するときに検光子といいます。 ガラス板に垂直入射で自然光を入れても偏光しません。(注意:斜め入射の場合、偏光します。)
    3. 液晶は、分子が配向しているだけで、本質的に液体です。瓶に入れて売っています。
    -------------------------------------------------------------

    偏光(polarized light)について

    光は、電磁波の一種で、電界と磁界が時間的空間的に振動して伝わります。
    式で書くと電界EはE=E0sin (ωt-kx) のように三角関数で表されます。
    (ここにE0は電界の振幅を表し、ωは角周波数、tは時間、kは波数(k=2π/λ、xは位置です) 電界も磁界も向きと長さをもつベクトルです。電界と磁界は直交しています。
    直線偏光とは、電界が(従って直交する磁界も)ある特定の向きを向いて振動しているような場合です。
    太陽の光や、白熱電球の光などは、電界ベクトルが様々な方向に振動しています。これを自然偏光 といいます。
    もう少し詳しく書いておきましょう
    光の進む方向と磁界Hを含む面を光の偏りの面あるいは偏光面(電波工学では偏波面)と呼びます。
    電界Eを含む面のことは振動面と呼んでいます。
    偏光面が一つの平面に限られたような偏光を直線偏光と呼びます。
    直線偏光を取り出すための素子を直線偏光子といいいます。直線偏光子には色々の種類があります。
    液晶ディスプレーに用いるのは、プラスチックの偏光子です。射出してシートを作るとき引っ張り応力をかけておくと 分子の向きがその方向にそろって、ある方向の直線偏光を吸収するようになります。これが偏光子の原理です。
    方解石のように、光の偏光の向きによって屈折率が違うような結晶をプリズム状に加工して、2個向かい合わせに 貼りあわせた偏光プリズムという偏光子もあります。偏光プリズムはMDやMOのドライブに用いられています。
    レーザ光は偏光子を用いなくてもそれ自身で直線偏光になっています。

  • 36.

    熱膨張係数について


    Q:佐藤勝昭教官 殿
    はじめまして.私はS社のSと言います.
    固体物性の知識に乏しく,インターネットで検索していたら,佐藤先生のHPに辿り着けました.
    私の固体(特にセラミック)の物性に関する疑問にお答えしていただければ幸いです.

    1. 固体の熱膨張特性は,何によって決定されるのでしょうか?
        ⇒私の認識では,以下のように理解してましたが正しいでしょうか?
         「各結晶の,格子振動に対する温度依存性により個々の物性が決定する.」
    2. 上記の認識が正しい場合,格子振動の温度依存性に何らかの傾向はありますか?
        ⇒例えば,酸化物の方が窒化物よりも格子振動の温度依存感度が高い とか...
    3. 格子振動の温度依存性に傾向が無い場合は,熱膨張特性の推定は困難で,測定してみなければ解らないのでしょうか?
        ⇒ここで言う推定とは,あるベースの材料(例えばアルミナ)の熱膨張率を下げたい場合, 「何を添加したら良いか?」等の狙いを絞ることは困難なのか? という意味です.
    お忙しいところ申し訳ありませんが,ご指導を宜しくお願いします.
    なお,メールでの問い合わせによる失礼を,深くお詫びします.
    (Date: Mon, 9 Apr 2001 15:14:21 +0900)
    ----------------------------------------------------------------
    A: S様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございました。私は熱膨張の専門家でないので 正しいお答えができるか心配ですが、固体物理の一般論で お答えします。
    (Q1)固体の熱膨張特性は,何によって決定されるのでしょうか?
    (A1)線熱膨張係数をαとすると、α=γCv/3Bと表されます。ここに γはグリュナイゼン定数(Grueneisen constant)、Cvは定積比熱、 Bは体積弾性率(bulk modulus)です。すなわち、熱膨張係数は、 系の振動モードについてグリュナイゼン定数の平均をとったもの です。γは、全エネルギーのボンドの長さに対する3階微分で、 調和振動子からのずれ(非調和)の項です。従って体積弾性率 から評価できます。一方、γは振動モードの周波数ωを系の 体積Ωで対数微分したものでも表され、
    γ=−∂ln(ω)/∂ln(Ω)
    で与えられます。従って、フォノンのスペクトルから決めることが出来ます。
    (Q2)格子振動の温度依存性に何らかの傾向はありますか?
      ⇒例えば,酸化物の方が窒化物よりも格子振動の温度依存感度が高い とか...
    (A2)一般にイオン結合と共有結合さらには金属結合を比較すると γがどうなるかは、簡単ではありません。物質のバンド構造と関係させて 論じたのは、フィリップスが最初ではないかと思います。
    J.C.PhillipsのBonds and Bands in Semiconductors(邦訳「半導体結合論」、 吉岡書店)の第4章p.114を読んで下さい。
    最近は、
    第1原理バンド計算が進んだので、γを理論的に評価できると 思います。共有結合のイオン化およびメタル化によりγがどう変わるかは  W. A. HarrisonのElementary Electronic Structure (World Scientific, 1999)を参照して下さい。
    HarrisonのTable 2-6(p.90)によりますと、TOフォノンの周波数の体積変化から 見積もったγはダイヤモンド1.19、シリコン0.98、ゲルマニウム1.12、 ガリウム砒素1.39、セレン化亜鉛1.45とイオン性が強くなるに従って 大きくなる傾向があります。理論的にもほぼこの傾向が示されています。
    (Q3)熱膨張特性の推定は困難で,測定してみなければ解らないのでしょうか?
    (A3)上の質問とも関連しますが、今後は理論によって予測することが 可能になるのではないかと期待しています。
    Date: Mon, 09 Apr 2001 18:09:34 +0900
    -----------------------------------------------------------------------
    QQ:S社のSです.早速の返信,ありがとうございました.
    大変参考になりました.佐藤先生より紹介していただいた文献を参考に, 更に知識を深めていきたいと思います.
    お忙しい中,時間を割いて頂きありがとうございました.
    Date: Mon, 09 Apr 2001 18:09:34 +0900
    -----------------------------------------------------
    第1原理バンド計算というのは,何らの経験的パラメータを用いずに エネルギーバンドを計算する方法で、通常局所密度汎関数法という 方法が使われます。シュレーディンガー方程式の代わりに電子密度 に関する微分方程式をとく問題になります。
    バンド計算を専門とする理論家に伺ったところ、熱膨張係数は 原理的には断熱ポテンシャルの非調和項を計算すればいいので バンド計算から求めることは可能であるが、物質を系統的に調べて その物理的起源を特定するような泥臭い仕事をするバンド計算屋は いまのところ見あたらないのではないかということでした。
    Tue, 10 Apr 2001 15:57:59 +0900 (JST)

  • 37.

    低周波における金属の誘電率について


    Q: はじめまして。Tと申します。 現在、FDTD法を用いた電磁波解析ソフトを使って近接場の計算を行ってます。 残念ながら、この計算ソフトには負の誘電率を入力することができないので具体 的な金属との相互作用を計算することができません。
    これに関するメーカ側の説明としては、「ミリ波以下の低周波の領域では比誘電 率は1に近似できるので金属を含めた計算は可能ですが、光の領域(周波数の高 い領域)では比誘電率が負になるのでそのような計算はできません」とのことで した。
    私は、金属の比誘電率はプラズモン共鳴の周波数以下では負になると考えていた ので、上記の説明が今一つ理解できません。ミリ波の領域において比誘電率が1 に近似できるということは、光の領域からミリ波の間のどこかにもうひとつ共鳴 周波数が存在するように思えるのですが、それを説明する資料が見当たらず困っ ています。
    どのように解釈すればよろしいのでしょうか?
    お忙しいところ申し訳ありませんがよろしくお願いします。
    Date: Fri, 20 Apr 2001 10:40:33
    ---------------------------------------------------------
    A:T様、佐藤勝昭@農工大です。
     メールありがとうございました。
    電磁界解析ソフトは、おそらく多くの仮定の下に問題を解いているので、 そのままの形で現実問題に適用するのは危険です。
    「ミリ波以下の低周波の領域では比誘電率は1に近似できる」というのは まったくのうそっぱちです。Drudeの式でわかるように、自由電子プラズマ による誘電率の実数部は、低エネルギー側で−無限大にむかって発散します。 光の領域からミリ波の間のどこかにもうひとつ共鳴周波数が存在するなんて ことはありません。
    Date: Fri, 20 Apr 2001 11:40:19
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    QQ:農工大 佐藤 様 さっそくのお返事ありがとうございました。大変参考になりました。
    メールの内容で一点確認しておきたいのですが、複素誘電率の実部が低エネルギー側 で発散するのは Drudeの式で電子の速度にかかる係数が無限小(緩和時間が無限大) のときと考えてよろしいでしょうか?
    それと、HPに記載されているAgの光学定数の出典(Landoolt Bornstein)について知 りたいので、お手数でなければ教えていただけないでしょうか。
    以上、よろしくお願い致します。
    Date: Mon, 23 Apr 2001 14:37:49 ------------------------------------------------------------------
    AA:T様、佐藤勝昭です。
     お尋ねの件、おっしゃるとおり、誘電率の実数部は
    ε'=1-ωp2/(ω2+1/τ2)
    ですので、τが有限ならばω→0のときε'=1-(ωpτ)2という一定値に近づきます。
    τが∞ならば、ε'は−∞になります。

    Agの光学定数の出典は、Springerから出ているLandolt-Boernsteinのハンドブック のシリーズがありますが、そのNew SeriesのIII-15bという巻のp210から、Optical properties of pure metals and binary alloysという節が始まっており、その中に Agも載っています。このシリーズは大抵の大学図書館にはあると思います。

    Date: Tue, 24 Apr 2001 18:34:16
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  • 38.

    ミリ波帯の誘電損失


    Q:マイクロ波帯域での誘電損失の機構について、先生の講義内容の中では 「マイクロ波帯ではイオン分極による損失が無視できない」、「赤外吸収の 少ない材料を使用する」旨記載されています。
    このときマイクロ波〜ミリ波帯におけるイオン分極の遅れによる損失量は、 材料の組成または結晶構造からある程度定量的な予測が可能でしょうか? 材料の固有振動数、赤外吸収端等から見積もることができるのでしょう か?それともその他に適切な手法がございますでしょうか。
    質問者は非公開にするようにとの要請ですが、 授業内容にかかわることなので、一般性があり、公開すべきと考えました。 Date: Thu, 19 Apr 2001 20:42:00
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    A:結晶構造から理論的に予測できるのは、どのような波長に吸収帯が生じるか ということと、その吸収帯が赤外活性かラマン活性かというようなことで、 実際の材料における損失の強さや、吸収帯幅の広さは、結晶の品質にかかわる 量なので予想はむずかしいと思います。FTIRなどを用いて、実際に測定するのが 一番ではないでしょうか。
    PalikのHandbook of Optical Constants of Solids I, II(Academic Press) にいろんな物質の光学定数n+iκが採録されています。例えば、
     
  • TiO2(rutile):I-p795 0.103μm−36.4μm  
  • NaCl(rocksalt):I-p775 0.04-30590μm  
  • BaTiO3(barium titanate):II-p789 0.03-100μm
  • お望みの波長範囲のデータがないときは、ローレンツモデルで外挿するとよいでしょう。
    Date: Fri, 20 Apr 2001 11:17:43
    ---------------------------------------------------------------------------
    QQ:ご紹介いただいた書籍のデータをもとにローレンツモデルでの外挿を進めることができました。 大変ありがとうございました。
    Date: Mon, 23 Apr 2001 21:41:21

  • 39.

    朝日と夕日の色


    Q:なんで朝日と夕日の色は違って見えるのですか?
    Date: Sun, 29 Apr 2001 19:12:52
    -------------------------------------------
    A:質問するときは、ご自分の所属などを明らかにしてください。 また、ホームページを見ての質問の場合は、その旨書いてください。
    朝日も夕日も空気中を長い距離進んでくるため、波長の短い光の成分が散乱さ れて赤色に見えるのは同じです。朝は、人類の活動の少ない時間ですから、ち りや煙、排気ガスなどが少ないので散乱が少なく、夕方は人間の1日の活動の 結果としてちりやほこり、煤煙、排気ガスなどが空気中に多く散乱が多くなっ ています。それで、夕日の方が朝日より赤いのです。
    Date: Wed, 2 May 2001 00:32:18

  • 40.

    反強磁性体の磁気光学効果


    Q: 佐藤先生の「光と磁気」を読んで、磁気光学効果の 勉強をしている学生です。佐藤先生のHPでQ&Aの コーナーがありましたので、質問させていただきます。(東大K)
    1. 反強磁性体では、磁気光学効果は現われるのでしょうか。
      反強磁性体でも外部磁場をかければ、磁化が生じるので 磁気光学効果が現われるような気がするのですが。 反強磁性体の磁気光学効果の報告例はあるのでしょうか。
    2. また、反強磁性体の磁気光学効果はどのような取り扱いをされているのでしょうか。
      巨大な磁場をかけると、反平行スピンを平行になると思うので、 フェロ磁性体と同様に取り扱うことができるのでしょうか。
    よろしくお願い致します。 Date: Wed, 16 May 2001 14:58:31
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    A: K様、佐藤勝昭@台北旅行中です。
     メール多謝。光と磁気をお読みいただきありがとうございます。
    1. ご質問の件、反強磁性において、ゼロ磁界では磁気光学効果 はありませんが、有限温度で磁界をかけた場合、磁化率相当分の磁気光学効果 が見られます。例えば,電総研(現、産総研)の安藤さんはMnTe(ZB)のMCDを 測定して、それより、反強磁性ネール温度を決める仕事をしておられます。 ando-koji@aist.go.jpにお尋ねください。
    2. また、超強磁場で反強磁性体にスピンフリップを起こして磁気光学効果を測定す ることもできます。たしか、ウラニウムの化合物でSchoenesがやっていたと思いま す。旅先なので、手元に資料がありません。お許しください。
    3. 非線形磁気光学効果を使うと、多くの情報が得られますが,これは、Fiebigらの 論文を参照してください。非線形磁気光学効果については、菅野、対馬、佐藤、 小島編「新しい磁気と光の科学」(講談社2001.5)をご参照ください。
    Date: Wed, 16 May 2001 19:21:15
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  • 41.

    PEMによる磁気光学効果測定のフィードバック回路


    Q: K大のSです。
    以前よりPEMを用いた磁気光学測定装置を用いた測定を行って参りました.現在 の装置では受光部にフォトマルを用いておりますが,測定精度を上げるためにPM からの直流成分を一定に保つようにフォトマルの感度を変化させるためのフィードバ ックをかける必要が生じております.このフィードバック回路について,もしご利用 の装置の回路図または参考になる文献等が御座いましたらばご紹介頂ければ幸いで す.尚,浜松フォトニクスなどの企業に尋ねましても,社外秘と言うことで教えて貰 うことができません.誠に勝手なお願いですが宜しくお願い致します.
    Date: Tue, 15 May 2001 19:33
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    A: S先生,佐藤勝昭@台湾です。  メールありがとうございました。旅先ゆえ手元に資料がありませんので、定性的 にお答えします。電源は1200Vの高圧電源モジュールで、外から電圧を印加すること によって、電圧を変化できます。ロックインの出力のオペアンプのボルテージフォ ロアを介し、反転増幅器に入力し、先の電源の制御電圧にフィードバックしていま す。設定電圧は、反転増幅器の非反転入力側に加えています。
    詳細は帰国後連絡します。
    Date: Wed, 16 May 2001 01:09:44

  • 42.

    光子と電波のちがい


    Mと申します。
    先生のHPは,よく拝見させていただいております。
    私は一応理学系の学部を卒業したのですが,大学の時不勉強だったため 物理の基本的なことがよく分かっていません。
    物性なんでもQ&Aのコーナーを見て,日頃気に掛かっている事を 質問させていただきます。(物性なんでもQ&Aの趣旨に合っているか分かりませんが) 御時間が許す範囲で回答またはヒントなどを頂ければ幸いです。
    質問は,量子力学または物理一般の基本に関することです。
    1. ディラックの量子力学の冒頭あたりに,光子は,自分自身としか干渉しないとあります。
      もし,そうでなかったらエネルギー保存則が成り立たない。しかし電磁気では, 重ね合わせの原理が成り立つはずで,空間内のある位置の電場も磁場もあらゆる 電場,磁場の寄与の和になるはずです。光の場合は,コヒーレントの問題がある ので何となく納得してしまいそうですが,電波の場合は,全然別の発信器からの 電波であっても位相を合わすことができると思うので干渉させることが出きると 思うのですが。こう考えるのは,何か思い違いや基本的な知識の欠落が有るため でしょうか?
    2. 基本的に光子に関してマクスウェルの方程式で記述される場と量子力学の波動関数の関係がよく理解できません。
      マクスウェルを元に,有る程度近似を加えた波動光学とその波長を小さいと近似 した幾何光学の関係は,理解しているつもりですが,これと同じように波動光学 と量子光学の関係を説明するとどのようになるでしょうか?
    3. 偏光に関しての質問です。偏光は,演算子であり,その固有関数が直交する直線偏光であったり, 左右の円偏光であると理解しているのですが,これは正しいでしょうか?
    4. そう考えれば直線偏光をある時は,そのまま直線偏光として扱い, ある時は左右の円偏光の重ね合わせと考える方法も有る程度納得できる気がして います。
      ただ,そうだとしてもその時々で考え方をかえるのは,トリッキーな気がしてしまいます。例えば直線偏光を左右の円偏光の重ね合わせと考えると都合がいい場合でも,直 線偏光をそのまま直線偏光と考えて同じ現象を(手間は掛かるとしても)説明出 きる物なのでしょうか?
    Date: Fri, 11 May 2001 13:56:36
    -----------------------------------------
    M様、佐藤勝昭です。
     ご質問について、私にもよくわからない点がありましたので、農工大物理システム の助教授で量子光学の専門家である三沢和彦先生(kmisawa@cc.tuat.ac.jp)にM様の 質問をぶつけたところ、次のような回答を得ました。
    1. 2本の光ビームを干渉させるとき、1個の光子がどちらかのビームに沿って飛んでいると考えると、すべてを誤解してしまいます。光も電磁波なので、重ね合わせの原理が成り立つのは変わらない。ただし、光が電磁波として波の性質を顕著に表すには、多数個の光子を集めてこなければならず、1個の光子の干渉とは状況が違うことになります。
      光子の干渉は光子の存在確率の重ね合わせであり、これは電磁波の重ね合わせとは直接対応がつきません。
    2. 量子力学には、2段階あります。
      第1量子化は、質量を持っている物質に波動の性質を取り入れて、波動方程式としてのシュレディンガー方程式を解く問題。第2量子化は、質量のあるなしに関わらず、波動場を粒子の集合として記述する問題。単純に波動関数といっているのは、第1量子化の範囲だと思われますが、光子に関する電磁場と量子光学の関係は第2量子化の範疇です。そこで、問題を区別しなければなりません。
      波動光学は、単純に波動方程式に沿って波の伝搬を議論します。量子光学は、波動方程式に現れる単振動の部分を調和振動子と扱って、調和振動子のエネルギーを生成消滅演算子で書き換え、形式的に独立した光量子の集まりとして考えます。この場合、光子が飛んでいく様子を直接波が伝播していく様子と対応させることはできません。対応させるには、「波束」という概念が必要です。
    3. 直線偏光二つと円偏光二つを使い分けるのは、2次元平面を直交座標で考えるか極座標で考えるかの違いと同じで、座標(基底)の取り方の問題です。場合によって都合のよい方で考えればよいと思います。
    なお、第2量子化については、たとえば、Kittel: Quantum Theory of Solids などをご参照下さい。
    Date: Mon, 21 May 2001 20:12:23
    ------------------------------------------------------------
    QQ: “光も電磁波なので、重ね合わせの原理が成り立つのは変わらない。 ただし、光が電磁波として波の性質を顕著に表すには、 多数個の光子を集めてこなければならず、1個の光子の干渉とは状況が違うこ とになります。光子の干渉は光子の存在確率の重ね合わせであり 、これは電磁波の重ね合わせとは直接対応がつきません。” という説明で何となく納得できる気がしてきました。
     言葉しか知らなかった“第2量子化,生成消滅演算子”が理解の鍵にな るのだということも分かりました。キッテルの本は,手元に無かったので, 取りあえず手元にあったディラック量子力学の“ボゾンの集まり”や第2量子化 が出てくる部分を斜め読みしてみました。
    “ボゾンのとる独立な状態のそれぞれに伴って一つずつの振動子が存在している。 これが光の粒子論と波動論との統一をなしとげることができるのである。” という記述も見つけました。とにかくこの辺の勉強をしてみるつもりです。
    (といってもディラックは,ちょっと取っつきにくいので,ご紹介いただいた キッテルのQuantum Theory of Solidsなどを当たってみたいと思います。)

  • 43.

    光電変換材料


    Q: 前略
    突然のメールにて、恐縮ではありますが、初めてご連絡させていただきます。 小生 大阪大学のNと申します。実は、紫外域での適当な(比較的 扱いが容易 で、高感度、できれば自前で真空蒸着等にて製作可能)ものを探しております。
    透過型の光電変換面として、ストリークカメラやゲートカメラの光電面材料に採 用したいと思っておりますが、なかなか適切な情報を入手する事がで来ません。 一般的には所謂 マルチアルカリ、バイアルカリと呼ばれているものが良いよう ですが、自分の研究室で扱うには不向きなように聞きます。
    いづれにせよ、どのような材料が、何故良いのかというような基本的な指導原理 がわかりません。もちろん、「仕事関数が対象となるphoton energyより低くな ければならない」くらいのことはわかるのですが、その仕事関数がどう計算され るのか、1あるいは2次電子の放出確率あるいは捕獲率がどう計算できるのか等  不勉強にて手が着きません。 試しに、WWWで「光電変換 可視光」と検索を してみたところ、先生の試験問題がヒットしました。
    光物性の講義をもたれている先生なら、適当なテキストなり参考文献をご教授い ただけるのではないかと、失礼を顧みずメールさせていただきました。 是非とも、アドバイスいただけますようお願い申し上げます。
    草々
    Date: Wed, 23 May 2001 16:34:26
    ---------------------------------------------------
    A: N様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございました。
    光電面をお探しとのことですが、光電子放出材料は、(古い本ですが)、 光物性ハンドブック(塩谷他編。朝倉書店、1984)p.573に載っています。 紫外域ではあまりデータが載っていません。
     私は、授業では一通りの説明をしますが、光電子の専門家ではありません。  阪大には、基礎工に菅滋正教授という光電子放出の専門家(特に放射光) がおられますので、彼にお尋ね下さい。親切に教えて下さるるはずです。 Date: Wed, 23 May 2001 21:51:15
    -----------------------------------------------------
    QQ: 佐藤先生
    突然のメールに早速のご回答恐縮致しております。
    先ずは、お教えいただいたハンドブックに目を通し、 菅先生に連絡を取ってみようと思います。
    有り難う御座います。
    草々
    Date: Thu, 24 May 2001 11:03:57

  • 44.

    材料の硬さと延性について


    はじめまして、B大学のT.Hです。先生のHPで金属の不思議というところを読ませていただきメールしました。私は、衝撃圧力のもとでの材料の特性について勉強しております。現在の興味は、衝撃圧力のもとで金属の硬さや衝撃圧力のもとで金属の延性というように区別して考えると関係があるように思うのですが、硬さと延性というのは何か関係がありますか。教えてください。お願いします。
       T.H
    Wed, 13 Jun 2001 20:58:48
    -----------------------------------------------
    A::
    TH様、佐藤勝昭です。 多忙のため、お返事が遅くなりました。
    私は、機械工学の専門家でなく、物性の専門家ですので、あなたの期待するお 答えになるかどうかわかりませんが、ダイヤモンドは硬いですが、衝撃を加え ると簡単に劈開して破壊されます。一方、金に衝撃を加えて降伏点を超えても 破壊されず、非可逆的に変形します。これが延性です。このような性質の違い は、ダイヤモンドと金属の化学結合の違いにあります。前者は共有結合で結合 の方向性がはっきりしているのに対して、後者は金属結合なので等方性です
    。 金属結合では自由電子の海に原子核が浮かんでいるというイメージですが、共 有結合では原子と原子の間にある電子が結合を作っています。これが金属では 延性が強く、共有性のダイヤモンドが硬い原因だと思います。
    Saturday, June 16, 2001 1:35 AM
    -----------------------------------------------
    QQ:佐藤先生、ご多忙中にもかかわらず、非常に丁寧にお答え頂き有難 うございました。先生のご意見を元に、自分の研究に役立てていきたいと思います。
    Sat, 16 Jun 2001 04:55:10

  • 45.

    オシロスコープと磁界


    Q:始めまして、私は文系の学生で、最近物理について勉強し出したのですが、磁石に ついて質問があります。オシロスコープの水平掃引の輝線に磁石を近づけたとき、N が左のときは、下にへこみ逆の時は上に盛り上がるのは何故ですか?宜しくお願いし ます。
    Thu, 21 Jun 2001 00:27:42
    -----------------------------------------------
    A:T様、佐藤勝昭です。  オシロスコープのCRT(ブラウン管)は電子銃から放出された電子が加速され偏向されて表示面の蛍光体を励起して輝点が生じます。TVのブラウン管では電子ビームの偏向に磁界を用いていますが、オシロでは電界を用いています。つまり、電子ビームは電界及び磁界で曲げられます。磁界で電子ビームが曲げられる現象はローレンツ力によって説明されています。高校の物理の教科書にも出ています。ローレンツ力は =-e(v×)で表されます。ここにeは電子の電荷、b>vは電子の速度ベクトル、は磁束密度のベクトル、×はベクトル積を表しています。ベクトル積なので力は電子ビームの方向にもBにも垂直の方向に働きます。従ってブラウン管の表面の上または下方向に曲げられるのです。N→SというようにBの符号が代われば、曲げられる方向が上下にスイッチされます。
     文系の方ということですが、高校の物理の範囲ですので、上の説明が納得いかないときは、高校時代の教科書をもう一度見直して下さい。
    Thu, 21 Jun 2001 10:14:17
    ----------------------------------------------
  • 46.

    金属の誘電率


    はじめまして。名古屋にある豊田工業大学の学部1年の、松浦祐介と いいます。
    僕たちは今、工学セミナーというグループ研究で、電磁波の吸収と遮 蔽について調べているのですが、いろいろ文献を調べていくうちにマク スウェル方程式などに行き当たりました。そこで、電波の吸収と遮蔽に は誘電率と透磁率が関係してるらしいことがわかりました。そして、今 回シールドに使用している鉄・銅・アルミの誘電率を調べてみたのです が、物理定数の本にも、理科年表にも、その他の本にも載っていません でした。酸化された金属の誘電率しか載っていないのです。色々考え て、あまりに小さすぎて測れないのだろうかとか、誘電率を測るときに 光を通して測るというようなことも聞いたので、光が通らない金属は測 れないのだろうかなどという考えも意見として出たのですが、分かるな ら手元に数値がほしいのです。値がわかるなら、ぜひ値がほしいです が、できたら、載ってる本など、調べ方を教えてもらえないでしょうか (まだまだ調べなくてはいけないことが山積みなので)。
    お願いいたします。
    Tue, 26 Jun 2001 14:29:02
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    松浦君、佐藤勝昭です。
     金属の誘電率ですが、どのあたりの周波数の数値が必要かで 話が違ってきます。
    Landolt-Boernsteinという何10巻もあるハンドブック のなかのIII-15bにOptical constants of metalsというのがあります。 これをみれば、誘電率の実数部と虚数部のデータが、光子エネルギーhν に対して示されています。多くの金属では赤外線より低い周波数の電磁波 に対する誘電関数はDrudeの法則によって記述されます。先に紹介した 本には、Drudeの式とそのパラメータの各金属についての値も出ています から、そこに必要な周波数をいれれば、誘電率の虚数部と実数部のおよそ の値は得られるでしょう。
    なお、Drudeの式については、山田・佐藤他著「機能 材料のための量子工学」(講談社)の第4章に記載してありますから、 参考にして下さい。
    Tue, 26 Jun 2001 15:39:36
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  • 47.

    光学定数の抽出法


    Q1:前略 益々清栄のこととお慶び申し上げます。はじめまして、私はM.Tと申しま す。突然のメールでお許し下さい。
    先生の研究室のホームページを非常に興味深く拝見させていただきました。その中で 物性なんでもQ&Aのコーナーを発見し、現在私が取り組んでいる問題に対して、先生 に質問させて頂きたいことがありましたのでメールを送らせていただきました。
    私はこれまで、誘電体薄膜の光学定数(n,k)を抽出するために、膜厚の異なる透過率波長分散測定データを用いて、ある展開式にフィッティングさせることにより、各波長におけるn,k値を算出してきました。しかし、この度、ポリイミドの光学定数抽出も同様の手段によって行おうと試みたところ、どうも上手くいきませんでした。

    そこで先生にご質問なのですが、
    (1)使った展開式というのは誘電体薄膜のみならず、ポリイミドのような有機物、プ ラスチックに対しても成立する式なのでしょうか?
    (2)また、そもそも誘電体薄膜においても、屈折率nと同様に、消衰係数kもその式によってフィッティングできる物性値なのでしょうか?

    以上の質問に対して御教授頂ければ幸いかと存じ上げます。
    Thu, 5 Jul 2001 17:36:21
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    A1: MT様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございます。ホームページをご訪問いただき感謝します。
    ご質問の件ですが、私は、不勉強のため、その展開式がどんなものか全く存じ上げ ません。
     一般論としていえば、透過率のスペクトルだけから、n、kを正確に決めるのは、 不可能とまではいわないまでも、難しいものです。おそらく、いろんな条件の 制限のもとに行われているのではないでしょうか?LCDは複屈折がありますから もっと複雑です。基本に立ち返って、透過率、反射率のスペクトル、分光エリプソ などを総合して、検討する必要があるのではないでしょうか?

    Thu, 5 Jul 2001 19:16:10
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    Q2: 佐藤勝昭殿
    非常に迅速な御回答、誠に有難うございます。
    用いた展開式は、「光工学入門」小川力、若木守明、実教出版株式会社に載っている式です。
    私の推測では、誘電率の波長分散と密接な関係があると思うのですが、式そのものを 導出しているような文献は私も見たことは無く、ただ天下り的にぽんと式がそのまま 乗っていることが多いです。単なる経験式なのでしょうか?
    ご指摘のように分光エリプソで光学定数を測定する方法も以前試みたことがありますが、分光エリプソで測定したデータ、特にk(消衰係数)は、測定手段に依存しない物質固有の普遍的なデータなのなどうかいつも疑問に思います。
     kについては、丁寧に解説している書籍が少ないこともあって、その物理的な意味についての理解がいまいち不足しています。
    物質の中で生じる光の吸収の物理的メカニズムは、SiO2のような無機化合物の場合と、配向膜、フォトレジストのような有機物の場合とでは、同一なのでしょうか?
    なお、先生にお尋ねした内容とその御回答が研究室のホームページに掲載されるとの旨が記載されておりましたが、誠に勝手ながら、n,k抽出の具体的手順について書いてある部分は、内容がよく判らないように若干ぼやかして頂くようお願い申し上げます。
    Fri, 6 Jul 2001 09:37:30
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    A2:NT様、佐藤勝昭です。  多忙のため、お返事が遅くなりました。図書館で光工学入門を探したのですが、貸し出し中で参照できませんでした。しかし、おたずねの式(希望により具体的な式はHPには書きませんが・・)は、誘電率の分散という観点からは何の根拠もない式です。
     消光係数kについてkについて、「丁寧に解説している書籍が少ないこともあって、その物理的な意味についての理解がいまいち不足しています。」ということですが、kと吸収係数αとの間には、α=4πk/λ=2ωk/cという関係が成立します。(たとえば、山田・佐藤ほか著「機能材料のための量子工学」第4章p148参照)ここにωは光の角振動数、cは光速です。一般に透明な誘電体のkはほとんどゼロです。

    「物質の中で生じる光の吸収の物理的メカニズムは、無機化合物の場合と有機物の場合とでは、同一なのでしょうか?」との質問ですが、
     無機物質の光吸収は、基本的にはバンド間の電子遷移(価電子帯→伝導帯の光による電気双極子遷移)によって決まります。これに対して有機物では、分子におけるHOMO(highest occupied molecular orbital: 電子に占有された最も高い分子軌道)→LUMO(lowest unoccupied molecular orbital:電子に占有されない最低の分子軌道)の遷移です。両者は基本的には同じようなものですが、後者では局所的に光学遷移がおきるという特徴があります。
    無機物のバンド間遷移の場合は物質全体に広がった電子状態が関与するので周期性からの乱れや、ドナー、アクセプタなどの不純物準位による遷移が吸収を作ります。(SiO2はアモルファスなので周期性がないので吸収端はシャープではなく広がったスペクトルとなります。)液晶の配向膜には複屈折がありますので、分子の方向と偏光の向きとの関係で見かけの屈折率は、大きく変わります。これは、電気双極子の形成のされ方に異方性があるからです。一般に異方性のある場合には、通常のエリプソメトリは無力です。従って、何らかのモデルをたてて、光学的シミュレーションによって膜の光学定数を推定するしか方法がないと思います。ただ、世界にはいろんな研究者がいますので、配向膜やレジストの光学定数を測っているかもしれません。
    Mon, 9 Jul 2001 21:36:17
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    Q3: 佐藤勝昭 教授殿
    懇切丁寧なご解説、誠に有難うございます。非常に参考になりました。

    申し訳ありませんが、あともう数点の質問について御教授お願い申し上げます。
    物理的根拠が特に無い経験式であるならば、nのみならずkの波長分散も同じ式でフィッティング可能と考えてもよろしいのでしょうか?
    無機物と有機物では、事情が異なるかもしれませんが・・・・・。

    ところで、αとkとの間に成り立つ関係式は、何らかの物理的な関係(電子遷移等)から導出されたものでしょうか?それとも、これは定義なのでしょうか?
    先生が執筆された著書で解説されているのなら、是非参照させていただきますが・・・。

    有機物の場合には、「局所的に光学遷移がおきる」ということは、可視光領域(380〜780nm)の範囲内で、且つシャープな吸収スペクトルが観測される場合があるということでしょうか?有機物の光学的性質について解説がされている教科書等をご存知であれば、ご推薦ください。
    Wed, 11 Jul 2001 09:08:43 +0900
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    A3: MT様、佐藤勝昭です。
    >nのみならずkの波長分散も同じ式でフィッティング可能と考えてもよろしいのでしょうか?
     光学的に透明な配向膜にkの波長分散があるとは考えにくいのですが、k(λ)は吸収スペクトルに対応しますが、もし何か不純物や欠陥による吸収があるとすれば、ローレンツ型またはガウス型の曲線になるし、吸収端の裾であればアーバック則に従うでしょうから、展開式にフィットすることは無理があると思います。もう少し、具体的な事例について図をお送りいただくとかがないと、これ以上議論しても無駄ではないかと存じます。

    > 無機物と有機物では、事情が異なるかもしれませんが・・・・・。
    無機物でも有機物でも基本的には同じことです。

    > ところで、αとkとの間に成り立つ関係式は、何らかの物理的な関係(電子遷移等)から導出されたものでしょうか? それとも、これは定義なのでしょうか? 先生が執筆された著書で解説されているのなら、是非参照させていただきますが・・・。
    そもそも吸収係数は光強度が距離とともに指数関数的に減衰するときの減衰の様子を表すパラメータで、x=0での強度をI(0)、距離xにおける光強度をI(x)としますと、
     I(x)=I(0)exp(-αx) (1)
    と表されます。
    一方、複素屈折率N=n+ikを使って、物質中の光(電磁波)の伝搬を考えますと、位置xにおける電界E(x)は
     E(x)=E(0)exp(iωNx/c)=E(0)exp{iω(n+ik)x/c}=E(0)exp(-ωkx/c)exp(iωnx/c) (2)
    と書けます。exp(-ωkx/c)は距離xとともに電界が減少していく様を表し、exp(iωnx/c)は距離とともに振動していく様を表します。
     ところで光強度I(x)は電界E(x)の絶対値の二乗に比例しますから
     I(x)=E*(x)・E(x)=|E(0)|^2・exp(-2ωkx/c)=I(0)exp(-2ωkx/c) (3)
    となります。(1)と(3)を等しいとすると
     α=2ωk/c=4πk/λ  (4)
    が導かれます。山田・佐藤ほか著「機能材料のための量子工学」(講談社)第4章p147-148、式(4.1)-(4.5)を参照してください。同じことを書いてあります。

    > 有機物の場合には、「局所的に光学遷移がおきる」ということは、可視光領域(380〜780nm)の範囲内で、且つシャープな吸収スペクトルが観測される場合があるということでしょうか?
     実際、たとえば、CD-Rに使われている有機色素は、半導体レーザの780nm付近にピークを持つようなものが使われています。DVD-R用の色素は650nmにあわせてあります。(たとえば、浜田恵美子:CD-Rの発展とDVD-Rへの展開;日本応用磁気学会第98回研究会資料H9.1.30-31, p37)
     また、J-会合体などを使ってPHB(photochemical hole burning)の研究が行われていますが、非常に鋭い吸収なので、波長多重して高密度記録できるとして盛んに研究されています。

    > 有機物の光学的性質について解説がされている教科書等をご存知であれば、ご推薦ください。
     日本語で書かれたよい教科書は知りません。

    小生は、ボランティアでQ&Aをやっていますので、一般論でしかお答えできません。お仕事関係の個々の問題への質問であれば、しかるべきルートで、できればきちんとした形で対応したいと存じます。ホームページやメールは便利ですが、一般論では、間違った対応をする可能性があります。老婆心ながらご注意申しあげます。
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  • 48.

    炭素の性質


    Q1:Y社のNです。
    炭素の性質を教えて下さい。
    ブタンガスを燃焼させて発生する炭素(すす)の性質と特性は?
    Date: Thu, 9 Aug 2001 20:06:26 +0900
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    A1:中島様、佐藤勝昭です。
     炭素の性質と言っても、ダイヤモンド、グラファイト、フラーレン、カーボ ンナノチューブ、カーボンナノコイルなどいろんな形態をとりますし、それぞ れで物性が異なりますので、メールでお答えできる内容ではありません。
     炭素の何を知りたいのかをお伝え下さい。
    なお、ブタンガスやメタンガスの燃焼によるすすについては、大部分がグラ ファイトの微粒子と存じますが、中にはわずかでしょうが、C60(フラーレン) やカーボンナノチューブも含まれているのではないかと存じます。 Date: Sat, 11 Aug 2001 20:57:42
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    Q2:お忙しいところ、ご回答頂きありがとうございました。
    ブタンガスの燃焼した時炭素はグラァイト、フラーレン、カーボンナノチューブと教 えていただいてとても参考になりました。
    この3つのカーボンの性質を教えて欲しいと思います。
    例えば、グラファイト系であれば潤滑性をもつとかです。
    金属の表面にこれらが付着した時に摩擦抵抗がどの位変化が起きるか教えて下さい。
    Date: Mon, 20 Aug 2001 11:43:47 +0900
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    A2: N様、佐藤勝昭です。
     グラファイトの結晶構造は、炭素でできた六角形の蜂の巣が何枚も重なった 層状構造をしています。各層の中の炭素は共有結合によって結びついているの で結合が強いのですが、層と層の間はファンデアワールス力という分子間力に よって弱く結びついているので、簡単にはがれる(劈開といいます)性質を持ち ます。(雲母も層状構造をしているので簡単にはがれますね。あれと同じで す。)鉛筆の芯はグラファイトでできていますから、紙に押しつけて動かすと はがれ落ちて、紙に字が書けるのです。電気的には半金属だといわれていま す。一般に層状物質は、よく潤滑剤に使われます。例えばモリブデンの2硫化 物MoS2は袋ナット(コンプレッションシール)のねじがかみ合って動かなくなる のを防ぐために使われます。グラファイト系ではただのグラファイト粒子より も耐熱性のあるフッ化グラファイトが減摩剤として使われるようです。炭化水 素を熱分解して作製したピロリティックグラファイトは平滑性が高く耐薬品性 が高いのでるつぼなどに用いられます。
     フラーレンは炭素60原子でできたサッカーボール型のかご状の粒子で、ヘ リウム雰囲気中で炭素電極間でアーク放電させたときにできるススの中に含ま れます。おそらく、炭化水素を熱分解しても、ホンのわずかでしょうがフラー レンができていると思われます。カリウムと結合してフラーレン結晶を作りま す。これは超伝導を示すので注目されます。この粒子が潤滑剤になるかどうか はわかりません。
     カーボンナノチューブも炭素でできた細長い籠で、非常に強度が強いので建 材に用いることができるとされています。また、この物質は針状で電界を印加 すると電界放出が起きるので、点状の電子源として用いることができます。  針状なので潤滑にはおよそ向いていないと存じます。
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     なお、お答えに当たって、物性について岩波「理化学辞典」を参照しました。
    Date: Tue, 21 Aug 2001 01:19:27 +0900
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    Q3:ご丁寧な回答をして頂き誠にありがとうございました。
    先生もお忙しい中私のような物にいろいろ教えてくださいまして、ほんとうにうれし く思います。
    ある品種の電線を製造するときの条件として導体に絶縁被覆(ポリエチレン)をする 直前にブタンガスを銅線に当てて押出ししています。
    導体引抜荷重といって絶縁体から銅が抜ける荷重を調査をしてきましたが、荷重が安 定している場合の銅線の表面を成分分析をかけたところ、炭素(C)の含有量に差が出 たのでいろいろな質問を今までお問い合わせした次第です。
    導体にブタンガスを当てた場合炭素がポリエチレンとの親和性を高める効果はあるの でしょうか?
    Date: Wed, 22 Aug 2001 11:55:17 +0900
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    A3:N様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございます。製造現場では、いろいろなノウハウがあるのですね。 表面分析で炭素が検出されたということは、ブタンガスが熱分解して炭素が表面に 付着したものと思いますが、そもそもブタンガスを吹き付けるやり方というのは、 貴社だけのノウハウなのですか?それともギョーカイの常識なのでしょうか。
     「炭素がポリエチレンとの親和性を高める効果」については、よくわかりませんが そもそもポリエチレンは(-CH2-CH2-)nという構造でCでできた骨格に水素が付いている のです。ブタンもC4H10ですから、おそらく、ブタンの分解物(カーボンとは限らない。 未飽和炭化水素の可能性あり)とポリエチレンの付着性はよいと思います。
    問題は、銅との付着性です。銅はポリオレフィンとは親和性があるが、エチレンや ブタンのような飽和炭化水素とは悪いとされています。(本学化学系の平野助教授に 伺いました。)従って、ブタンを吹き付けた際に不飽和の炭化水素ができて、それが、 親和性を高めている可能性があります。あるいはもっと単純に炭素の微粒子が銅の 結晶粒界に入り込んで、付着性を高めているのかもしれません。
     あまりよいお答えになっていないと存じますが、これ以上のことになると、企業へ のコンサルタントという色合いをもち、ボランティアワークとしてのなんでもQ&Aの 範囲を超えますので、ご勘弁ください。
    Date: Wed, 22 Aug 2001 14:26:38 +0900
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    A3':本学の平野先生から次のようなコメントがありました。
    先ほどの御照会の件ですがその後少し考えてみましたが、おそらく銅よりもポリエチ レン(電線には現在でも絶縁性の高さと柔軟性から塩化ビニールを使うのが主流です が)にブタンが作用していると考える方がよいのではないかと思いました。
    ブタンは炭化水素ですのでポリエチレンや塩化ビニールは溶解しませんが膨潤すると 思います。これによりポリマーの柔軟性が高まり銅と密着するようになるのではない かと思います。
     一般に炭化水素は炭素鎖が長くなるにつれて有機物の溶解性が増加する傾向にあり ます。ブタン(C4H10)は室温で気体ですが炭素鎖の1つ伸びたペンタン(C5H12)は液体 ですのでブタンは室温において溶解性の最も高い炭化水素の気体であるといえます。 また膨潤してもブタンは絶縁性があり、密着した後には気体になって拡散してしまう ので溶媒が残留したりする恐れがないのもメリットかと思います。
    正確なところはわかりませんが、あとから思い付きましたので取急ぎご連絡いたしま した。
    Date: Wed, 22 Aug 2001 15:17:56 +0900
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    QQ:度々の質問にお答え頂きありがとうございました。メンバー一同先生に感謝しており ます。又よろしくお願いします。
    Date: Wed, 22 Aug 2001 19:36:09 +0900
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  • 49.

    誘電率の周波数分散


    Q1:佐藤先生
    私、D社のMと申します。いきなりのメールで失礼致します。
    私、紫外可視領域の光を照射した時の物質の誘電率の変化に興味を持っております。 先生の研究室のホームページ(特に学生さん?とのQ&Aのページ)を拝見し、御教授 いただこうと思いました。
    ホームページに周波数と誘電率の変化のグラフが掲げられてありますが、これについ ての詳しい説明は先生の御著書の「応用物性(オーム社)」に記載されてますでしょうか? 特に、誘電率が一度上昇して急に下降し、再度上昇に転じ安定する部分が、実測デー タとして存在するのかが気になっております。
    この点についての記載が「応用物性」あれば、この本で勉強したいと考えております。 記載の有無(購入の為)、実測データの有無について教えていただければ幸いです。
    不躾な質問で申し訳ございませんが、御教授お願い申し上げます。
    貴重なお時間を頂くことに恐縮いたします。
    よろしくお願い申し上げます
    Date: Fri, 07 Sep 2001 14:32:32 +0900
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    A1: M様、佐藤勝昭です。  メールありがとうございます。光照射による誘電率変化は難しい問題ですね。 構造的な変化とか、トラップされた電子状態の変化を伴いますので、単純な話 ではすまないようです。
     さて、おたずねの件ですが、誘電率の周波数分散のグラフは、拙編「応用物性」 にもあるのですが、バラバラになっているので見にくいので、むしろ佐藤勝昭・ 越田信義著「応用電子物性工学」(コロナ社、1989年初版)の第2章2.7節の 方がお勧めです。
     また、佐々木昭夫著「現代電子物性論」(オーム社1981)の4.1.5節には、 式を使った詳細な記述があります。誘電率の分散曲線のうち、配向分極が消滅し イオン分極に移る部分はデバイ型の分散で、イオン分極が消滅し電子分極のみに なる部分はローレンツ型の分散になります。電磁波の電界によるイオンの振動が 付いていけなくなる周波数で、後者の分散がおきます。光学フォノンとフォトン との共鳴状態がおき、ポラリトンと呼ばれます。 実測データは古くから多くのデータの集積があります。たとえば、Palikの Handbook of Optical Constant of Solids I,II(Academic Press, 1985, 1991) やLandolt-Boernsteinのシリーズに載っています。 (もちろんすべての物質というわけではありませんが・・)
    NaClについてはPalikのI巻のp775にあります。お役に立てれば幸いです。
    Date: Fri, 07 Sep 2001 15:25:16 +0900
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    QQ: M@D社です。
    お世話になります。早速、ご丁寧な解説をありがとうございました。 ご紹介頂いた本を入手して、勉強してみます。
    それで理解できないようでしたら、またお手数を掛けるかもしれません。
    どうもありがとうございました。
    Date: Fri, 07 Sep 2001 16:53:34 +0900 -----------------------------------------------------------
  • 50.

    CDの虹色


    すいませんが質問させていただきます。
    CDが虹色に見える理由を考えているのですがどうしてもわかりません。
    虹色に見える理由は穴のないところで反射した光と穴に入って反射した光が干渉して 虹色に見えるということまでは分かるのですが、色の波長とCDの溝の波長と色が強 め合う角度を入れて説明することができません。もしよかったら教えて頂けないで しょうか?
    よろしくお願いします。
    Date: Tue, 28 Aug 2001 16:46:11 +0900
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    Nonoguchi様、佐藤勝昭です。
     CDが虹色に見えるのは、約100nmの穴(ピット)において干渉で光が戻ってこないように設計されている ので、トラックに沿って反射率が低く、そのトラックが1.6μmごとに配列しているの で、回折格子として働いています。ブラッグの回折条件2dsinθ=nλによって 入射角θの違いによって回折される波長λが異なるため虹色に見えるのです。
    (この部分は、当初案内溝によるとの説明をしましたが、CDには案内溝がないというご指摘を 読者からいただきましたので、訂正しました。(2003.9.26) Date: Tue, 28 Aug 2001 16:53:15 +0900
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     たまたまみていて、CDの虹色の説明が目にとまりました。 以前、MOの開発に携わっていましたので、CDについても多少の知識 があるつもりです。CDの虹色は深さ70nmの穴と表面との光路差による 干渉色だと思います。CDは、もともと穴がありますので、それを頼りに トラッキングできるようです。CDには案内溝はないはずです。  ところが、MOは光磁気記録で、記録しても穴があくわけではありま せんので、案内溝付きの基板が必要になるわけです。  すでにどなたか指摘されたかも知れませんが、念のため。

  • 51.

    磁性半導体について


    佐藤勝昭先生

    私は大阪大学理学部のM2の金村雅仁というものです。突然のメール でお許し下さい。佐藤研究室のHPを楽しく拝見させていただいています。 さっそくですが磁性半導体について質問してもよろしいでしょうか?
    よく論文などで磁性半導体のM−H曲線の図が載っていますがその際に 強磁性を示しているのか超常磁性を示しているのか区別の仕方を教えていただきたい です。超常磁性では保持力や残留磁化が小さく、強磁性では明確なヒステリシス が現われると私は解釈しておりますがヒステリシスが小さくなまっているような場合 はどのように判断すればよいのでしょうか?また超常磁性は強磁性微粒子において よく観測されますが、もし磁性半導体を作ろうとした結果、超常磁性を示したならば それは磁性半導体ではなく、半導体に強磁性微粒子が混ざったものということになるので しょうか。
    あとこの間の応物(愛工大)で室温強磁性半導体GaMnNの作製に成功したという 発表がありましたがこの件に関して佐藤先生はどのように考えておられますか? (私は初日には大阪にいたので聞き逃してしまいました。)
    お暇なときで結構ですのでお答え頂けたたらうれしいです。
    Date: Thu, 27 Sep 2001 16:44:40
    ---------------------------------------------------
    金村様、佐藤です。
     メールありがとうございました。
    今、仙台にきており、宿からメールしています。 資料がないので、十分なお答えができません。
    ご質問のことですが、マイナーなヒステリシスが見られながら、MHに明確な飽 和が見られない場合超常磁性と強磁性とが重畳していると解釈されます。
    一方、異方性の変化に基づいてヒステリシスは小さくて、さらにMがHとともに 増えているケースもあります。このあたりは、慶應義塾大学の宮島先生にお尋 ねになると、よくわかるように教えていただけると存じます。
    ULVACの方のGaN:Mnが940KのTcを持つ件は私も注目しています。ただ、低温で 急にMSが減少することが見られているので、単相ではないと思っています。 たぶん明日からの仙台のミーティングでも話題になると存じます。 また、連絡します。
    Date: Thu, 27 Sep 2001 21:22:12
    --------------------------------------------------
    金村様、佐藤勝昭@仙台です。
    今日の半導体スピントロニクスシンポジウムでGaN:Mnについての報告がULVAC の園田さんからあり、多くの質問がありました。結晶性・異相などについての 検討はしっかりしていて、信頼できると思いましたが、磁性のデータについて は、訳のわからないところがあり、東北大の宮崎先生から厳しい指摘がありま した。また、Mn濃度が約3-4%で、しかもホール密度が10^19cm^-3程度で940Kに およぶTcが生じていいのだろうかという議論もありました。
     もう少し、詰める必要があると感じました。
    Date: Fri, 28 Sep 2001 23:06:39
    -------------------------------------------------- 追伸
     低温での磁化の増大、MH曲線の形状などから見て、単一相とは思えないと いうことです。だから、GaN:Mnは変だというのではなく、高いTcをもたらし ているものが何かということを明らかにする必要があると思います。
     なお、電気伝導について、n型をp型と修正したのは、元の測定が、下地層 やキャップ層の特性が分離できていなかたっためと説明していました。
    Date: Sat, 29 Sep 2001 06:50:57
    -------------------------------------------------
  • 52.

    暗所での色彩の見え方


    Q: はじめてメールさせていただきます。
    わからない事がありネットで調べ物をしておりましたら、佐藤先生のHPに行き着き ました。
    メールでの質問をさせていただけますでしょうか? 勝手を言って申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
    色彩について調べています。 資料や先生のHPなどでだいぶ理解をしたのですが、まだ解からない事があります。
    光量が少ない時(暗い所)に、白や黄色は良く見える色です。 このことは反射率が関係しているのでしょうか? また、波長との関係はあるのでしょうか? 私は波長が長いものが光量が少ない所でよく見える色だと思っていたのですが、一番 波長の長い赤は暗いところでは良く見えません。
    光量の少ないところでは、どのような順番で色は良く見えるのでしょう? そしてその理論はどのようなものなのでしょう?
    お忙しいところ申し訳ありませんが、質問にお答いただけますでしょうか。 よろしくお願いいたします。(AT)
    Date: Wed, 10 Oct 2001 04:38:36
    ------------------------------------------------
    A: AT様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございました。
    色彩については、それほど専門ではありませんので、私の知識の範囲でお答えします。
    白というのは、「色」ではありません。白く見えるものは、あらゆる波長の光をほぼ 同程度に反射(または散乱)しているのです。人間の目は赤と緑と青に感じる視細胞 しかないので、この3つの色を適当に混ぜ合わせるとあらゆる色が表現できるのです が、3色全部あわせたものが白です。従って、白の物体は赤の波長も緑の波長も青の 波長も反射(または散乱)するので、合計したエネルギー密度が高くよく見えるわけ です。一方、黄色ですが、これは赤の波長成分と緑の波長成分があるので、白ほどで はありませんが、単色に比べればエネルギー密度が高いのです。さらに、暗い場合は 色を感じる3つの視細胞より光強度を感じる視細胞がよく働くのですが、その細胞の 視感度のピークは緑の波長付近にあります。それで、赤と緑の波長成分をもつ黄色は 目立つのではないでしょうか。このほか動物が本能として黄色のものに警戒心をもつ という先祖代々長年の経験によって蓄積された情報処理機構が、黄色を強く感じさせ る原因としてあげられるでしょう。このように、色彩感覚というのは、「物理」だけ では理解できない「心理」的な要素を含んでいるのです。この点が「測色学」と「分 光学」との違いではないかと思います。
     ご理解いただけたでしょうか。
    Wed, 10 Oct 2001 09:24:27
    ---------------------------------------------------------
    QQ:昨日、質問の回答をいただいたATです。
    不躾なお願いにもかかわらずお答えいただき、大変ありがとうございました。 お答えいただいたものは、大変参考になりました。
    また解からない事があった時、お聞きしてよろしいでしょうか?
    なにぶん不勉強なもので、頼りにさせていただければと思います。
    先生のHPは大変面白く、これからも拝見させていただきます。 今回は本当にありがとうございました。
    Date: Thu, 11 Oct 2001 01:42:34
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  • 53.

    岩石と木材


    Q: はじめまして。
    物質について調べている際に、 こちらのHPを拝見して、メールさせて頂きました。
    岩石などの鉱物と木片を判別する良い方法があれば教えていただけないでしょうか。 実は仕事の関係で、ベルトコンベアーで流れてくる岩石群の中から、木の根っこなど を見つける。 ということをしたいと思っています。
    石と木片では、無機物と有機物になると思うので、それを判定できれば。。と思って いるのですが、 上記の用途では、非破壊でかつ短時間に判断しなければならないので、なかなか良い 方法が見つからず困っています。
    石と木片の違いについて、またそれを判断する方法についてご存じでしたら教えてく ださい。
    現在は両者の熱伝導に違いがあることから、適度に加熱して、その熱伝導の違いで判 断しようと考えています。
    これについても、良い悪いなどのアドバイスがあればお願いいたします。
    お忙しいところ申し訳ありませんが、どんな些細なことでもかまいませんので 教えていただけますようお願いいたします。
    KS
    Date: Wed, 10 Oct 2001 14:06:17
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    A: KS様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございました。
     一般には、材質で判断するのでなく比重で判断する場合が多いようです。 実際、家電のリサイクルにおいては、すべてを粉砕して、巨大な扇風機 で吹き飛ばして、重さによる分別をおこなっているようです。水に浮かべて、 比重の違いで分別する方法があるようです。
     おたずねのようにベルトコンベア上の岩石と木片の場合にどうするかは 簡単ではありません。赤外線検出器で長波長の放射を見れば違いが見える と思います。赤外線カメラで観察してみてはいかがでしょうか。もし、 加熱したり冷却したりしたあと赤外線カメラで見れば,比熱の違いにより 色が違って見えるはずです。
     超音波を使う方法もあると思いますが、石と木とでどれほど反射が違うかは やってみないと定かではありません。
     X線を使えば木はC,H,Nなど軽い元素からできているのに対して、石は重い元素が 含まれるので、異なった吸収を示すはずです。
     そのほかのやり方としては、普通のTVカメラで撮影した画像を、画像処理の ソフトで区別するやり方があります。たとえば、高速道路の車を撮した画像から 車種を読みとるようなことまで行われています。
     あまりよい回答になっていませんが、専門家ではありませんのでご容赦ください。
    Wed, 10 Oct 2001 18:42:56
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  • 54.

    硬さと表面張力


    Q:T社のIJです。お世話になります。
    「硬さ」についてネットで調べていましたところ、本HPを見つけました。 参考にあることがいろいろあり興味深く見させていただきました。

    はんだ濡れ性についていろいろ調査しているのですが、濡れ性は金属の表面エネルギー が関与していることは文献等で知っています。いろいろと調査しておりますと、金属や 表面処理の表面の硬さが、はんだ濡れ性に影響しているようなのです。
    そこで、表面の「硬さ」と「表面エネルギー(表面張力)」の関係があるかどうか知りたい のですが、相関はあるのでしょうか。ご存知でしたら教えてください。

    以上、よろしくお願いいたします。
    Date: Wed, 10 Oct 2001 16:40:25
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    A1: IJ様、佐藤勝昭です。
     私の手に負えない問題です。本学(農工大)の機械システム工学の山本先生が、 専門家をご存じということなので、メールを転送してそちらから答えていただきます。 あしからず。
    Date: Wed, 10 Oct 2001 19:24:01
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    A2: IJ様、農工大・山本隆司です。  本学、佐藤勝昭教授からIJ様のメイルを転送していただきました。 私はトライボロジーを専門にしている関係から、お問い合わせの内容 に興味があり、とりあえず私の見解をお伝え致します。濡れ性の専門家 が別にいますので、後日、適当な研究者をご紹介することも検討致しま す。

    1. 硬さについて

       まずはじめに議論を円滑に進める意味で「硬さ」について、私の見解を 記述しておきます。「硬さ」は、質量、温度、密度などの物理量と異なっ て、測定対象の種類や定量化にあたっての測定法の種類によって測定値が 大きく影響を受けるという点をまず指摘しておきたいと思います。他にも、 引っ張り強さ、疲労強度などを例示すればお分かりいただけると思います が、機械工学に関連する諸量にはこの類の「物理量」が多く存在します。
       確かに「硬さ」は材料の一つの固有の性質を表してはいますが、それを 実際に定量化するには、現状では、何らかの方法で対象である材料の変形 を試みて、その過程の経時変化を調べるか、最終的に変形過程が終了して 残留した形状変化によって、「硬さ」を量的に表示する以外にはないので す。恐らく、超音波を当てるなどしてその反射状況を調べて非破壊(非変 形)による「硬さ」測定も将来開発される可能性もありますが、現状では、 材料を塑性変形させて、その結果残留する形状変化と負荷荷重との関係か ら「硬さ」が量的に表示されているのです。
       IJ様は材料の専門家とお見受けしましたので、すでに硬さの測定法は ご存じと思いますので、詳細は省きますが、ダイヤモンドや硬質金属製の ピラミッド型の角錐や球を材料に押しつけることによって生じる圧痕の面 積と負荷荷重の関係(負荷荷重/圧痕の面積)で硬さを表示する方法が一 般的です。HV、HB、HRc、などの「単位」は塑性変形現象を利用した硬さ 測定法によるもので、また、材料の弾性的な反発の程度によって硬さを量 的表示するHSもあります。
       これは、たとえの話しですから、適当に聞いていていただいて結構です が、蒲鉾の硬さ測定法というのもあるのです。蒲鉾はご承知の通り、歯ご たえが問題になりますが、いわゆる弾性に富んでいるため、金属材料のよ うに塑性的な変形はしませんので、反発の程度によって量的に表示するよ うです。
       さらに、モースの硬さ試験のように標準試料をあらかじめ準備しており、 測定対象に試料をこすってどちらに傷がつくかどうかということで相対比 較によって、硬さを表示する方法もあります。

       要するに「硬さ」は材料の固有の物性値として扱え ない、一義的に決定できない性質をもっており、対象と測定方法によって 表示が異なってしまうという点に留意する必要があります。 従って材料に本来備わっている物性値とは異なる特性をもっている点にも 留意していただきたいと思います。
      誤解を恐れずに言えば、「硬さ」の物理的な意味は不明といってよいので はないでしょうか。

    2. 濡れ性との関係について

       上の記述でおおよそご理解いただけたのではないかと思いますが、私の 見解では材料の「濡れ性」は、測定法、特に圧子との接触状態に影響を与 えという観点から「硬さ」の表示値に影響が表れるということは理解できます。表面エネルギーのしかりです。しかし、「濡れ性」が塑性変形に影 響を与えるかどうかは、「濡れ性」が直接影響を与えるのではなく、硬さ に影響を与える他の物性の指標として(濡れ性は表面物性の中でも測定が 比較的容易です)取り上げられているではないかと推定しています。つま り変形過程での回復現象(材料によって、除荷過程で変形が戻ることは十 分にあり得ます。また、ソ連の研究成果(真偽のほどが現在も議論されて います)に、レビンダー効果というのがあります。単結晶を引っ張った時 に、表面活性の程度によって、塑性変形が変化を受けるという指摘です。 これについては、最近ではあまり触れる研究者はいなくなりました。

    佐藤教授が極めて時宜にかなった学外者への学術活動に関する啓蒙活動を 行っている点に敬意を表して、IJ様の質問に若干のコメントを加えさせ ていただきました。IJ様のご質問もなかなか本質をついたおもしろい内 容として読ませていただきました。
    今後とも、東京農工大学をお引き立て下されば幸いです。
    Date: Wed, 10 Oct 2001 21:27:54
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    QQ:T社IJです。お世話になります。
    佐藤様、お忙しい中ご対応ありがとうございます。
    ご紹介いただきました山本先生からも、早速、大変に丁寧なメールをいただきまして 大変感謝しております。我々設計者としては、各分野においてはどれも素人なので、 普段から勉強しながら製品開発をしております。何か問題に当たった際には調べごと をするのですが、なかなか適切な文献や情報に出会うことができずいつも苦労してい ます。今後においてもお知恵を拝借いただくことがあるかもしれませんが、どうぞ よろしくお願い致します。ありがとうございました。
    Date: Thu, 11 Oct 2001 09:47:12
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  • 55.

    ポリマーの色と電気伝導


    佐藤先生
    拝啓 晩秋の候 貴職益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
    メールを初めて差し上げます、バンドー化学株式会社中央研究所の 武居正史(たけすえまさふみ)と申します。
    現在、私はポリマー加工メーカーにおいて、光・電気機能性ポリマー材料の研究を 行っており、色々検索していたところ、先生のHPのQ&Aコーナーに たどり着きました。
    まだ、HP全部を見ておりませんのに失礼ですが、質問させて下さい。 なお、内容は公開していただいて全く差し支えございません。
    @GaPの色をバンドギャップから求めているQAを見ましたが、 そのやり方はポリマーにも適用できるのでしょうか?。
    AITOやZnO2は透明なのに、なぜ電気を良く通すのでしょうか?。 バンドギャップと導電性の関係はどのように考えればよろしいのでしょうか。 ポリアセチレンは金属光沢を持っているようですが、これを透明にすることは 理論上可能なのでしょうか?。
    以上、先生のご専門をわきまえない質問になっている可能性もありますが、 何らかの道しるべをいただければ幸いです。
    末筆ながら貴職のご繁栄をお祈り申し上げます。
    恐縮ながらご回答をお待ち申し上げます。
                                       敬具
    Date: Tue, 30 Oct 2001 13:45:17
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    武居正史様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございました。
    @GaPの色をバンドギャップから求めているQAを見ましたが、
    > そのやり方はポリマーにも適用できるのでしょうか?。
    無機の半導体の場合は、電子のエネルギーがバンド構造になっているので、 その透過光はバンドギャップに相当する波長(λ=hc/Eg)より長い波長の光 がすべて含まれています。従って、ZnSならば、Eg=3.6eV(λ=344nm紫外線) なのでこれより長いすべての波長を通しますから無色透明に見えるし、 CdS(Eg=2.4eV;λ=516nm青緑)であれば、緑から赤にかけてのすべての波長の 色が目で合成されて黄色く見えます。
     CHからなるポリマーの場合、HOMOとLUMOの間のエネルギーギャップは一般 には高いエネルギーをもち、紫外線領域にありますから、ほとんどのものが 無色透明です。もちろんこのギャップが可視光領域に来れば、着色します。
     しかし、もし、色素が含まれていると、特定の波長に吸収帯を生じるので、 その補色が透過して色が着きます。カラーフィルターみたいな働きをしてい るのです。たとえば、緑の波長を強く吸収する色素を含むと、赤と青が透過 して紫色に見えます。

    > AITOやZnO2は透明なのに、なぜ電気を良く通すのでしょうか?。
    > バンドギャップと導電性の関係はどのように考えればよろしいのでしょうか。
    > ポリアセチレンは金属光沢を持っているようですがこれを透明にすることは
    > 理論上可能なのでしょうか?。
     電気を通すということと透明ということは必ずしも矛盾しません。キャリア (電気の運び手)の数が十分多く、かつ、キャリアの移動度が大きければ、 バンドギャップの如何に関わらず良好な電気伝導性を示します。ReO3は緑色 透明ですが、銅よりも高い導電率を示すことで有名です。GaNも透明ですが、 半導体レーザとして使えているのですからかなり電流を流せます。ダイヤモ ンドもドーピング次第ではp形にもn形にもなり、良導体になります。
     金属光沢をしている原因が、自由キャリアのプラズマ振動によるとすれば、 キャリアが少なくならないかぎり透明にはなりません。(ITOもZnOもキャリア 密度が増えると、赤外領域に自由キャリア吸収が増え、光の透過性が悪くなる ことが知られています。)もし、金属光沢の原因が屈折率が高いことによるなら これはキャリア密度と無関係です。シリコンも金属光沢していますが、無添加 のシリコンは絶縁物です。高い屈折率の原因は、強いバンド間遷移によって います。シリコンのギャップは赤外にあることも原因して、決して透明には できませんよね。ポリアセチレンの場合にどちらなのか、私は有機物の専門家では ないのでわかりません。
    Date: Tue, 30 Oct 2001 18:04:24
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  • 56.

    整流作用の実用例


    Q: 整流作用の実用例はどのようなものがあるのですか?もしよければ教えてください。 お願いします。
    Date: Sat, 24 Nov 2001 12:16:09 +0900
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    A:Taka様、佐藤勝昭です。
     ダイオードの整流作用のことをお尋ねでしょうか?
     実用例として最もポピュラーなのは、交流を直流にすることです。
    ご存じのように、電灯線から家庭に来ている電気は交流100Vです。一方、電気 カミソリ、トランジスタラジオ、ノートパソコン、ディジタルカメラなどは直 流電源で動作します。従って、交流から直流に変換する必要があります。この とき、ダイオードの整流作用を使います。
     このほかラジオなどでは高周波の信号をダイオードの整流作用を使って直流 にします。この直流には音声や音楽の低周波信号が重畳しています。この低周 波の交流成分をとりだして音声信号としてスピーカやイヤホーンを鳴らします。
    Date: Sat, 24 Nov 2001 19:51:26 +0900
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  • 57.

    宝石について


    Q:はじめまして。N.Okamuraです。ホームページをみて勇気をもって質問させていただきます。 7歳になる息子が最近宝石に興味をもっていて、先日も「宝石の中身は何?何でできているの ?」と聞くのです。本人はいたってまじめで何日も考えているようです。子供にもわ かりやすく物質の構造を説明するのはどうしたらよいでしょうか?また わかりやす い本があれば教えていただけませんか?専門の方が多い中 場違いは承知しておりま すが、どうぞよろしくおねがいします。

    Mon, 10 Dec 2001 00:07:01
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    A: N.Okamura様、佐藤勝昭です。  メール有り難うございました。 お子さまが宝石にご興味をお持ちということで、大変結構なことだと思いま す。好奇心が科学を産み、科学を育てるからです。
     さて、一口に宝石といっても、いろんなものがあります。
    ●ダイヤモンド、ジルコニアなど無色透明でキラキラ輝く石の場合、輝く原因 はカットの仕方にあります。ブリリアントカットとかファセットカットといっ て、全反射によってキラキラ光ります。ダイヤモンドは、炭素(あの真っ黒な 炭の元になる元素です!)が地中の恒温高圧下で、ダイヤモンド構造という結 晶構造になったもので、世の中で最も硬く、モース高度の基準になっていま す。
    ●コランダム(鋼玉)という鉱物があります。これも硬い石で、無色透明で す。宝石になるとサファイヤといいます。これは酸化アルミニウムの結晶体で す。コランダムが微量(数ppm)のクロムを不純物として含むと黄色から緑色を 吸収しその補色の赤紫に着色します。微量の鉄を含むとグリーンサファイヤ、 チタンを含むとブルーサファイヤになります。
    ●エメラルドやアクアマリンはベリルBe3Al2Si6O18という鉱物に微量のクロム やコバルトが入って着色したものです。スピネルMgAl2O4にコバルトが固溶した ものもアクアマリンといっています。
    ●水晶は酸化珪素SiO2の結晶体です。透明で、方向によって屈折率が異なり、 複雑な見え方をします。水晶より硬いものを宝石といっています。
    ●オパールは結晶体ではなく、非晶質(アモルファス)の中に微粒子が周期的 に並んでいるため、回折現象が起きて虹のような彩光を示します。
    ●猫目石キャッツアイはネコの目のような1条のすじが特徴です。これは、石  ができるときに、中に含まれた内包物が析出し同じ方向に伸びているために回 折がおきるのです。
    ●真珠は、貝の中に入れた異物の回りを何層にも膜が取り巻いてできたもの で、膜が薄いため光の干渉が起きて美しい色が付きます。
    くわしくは、下記のサイトも参考にしてください。
    美奈子の部屋
    「宝石の話」 というホームページには、1.ダイヤモンド、 2.コランダム 3.エメラルド 4.オパ-ル 5.クリソベリルのことが 比較的詳しく説明されています。

    本ですが、「たのしい鉱物と宝石の博学事典」 著者 堀秀道編著 出版社 日本 実業出版社(1999-5-20)定価 本体1600円(税別) サイズ B6 ISBN -534-02930-6 がお勧めです。本の紹介については、The Stone Lifeというホームページのな かに「石の本」 というページがあります。ここにいろいろ載っていますので、 参考にしてください。

    カットの種類については、 Happy Liricというサイトの宝石の話というページも参考にしてください。

    化学としてダイヤモンドの結合を知りたいなら、 「有機化学の散歩道」 が参考になります。(ちょっとむずかしいかな)
    Date: Mon, 10 Dec 2001 02:11:19 +0900
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    AA:お忙しい中、ほんとうにありがとうございました。
    日曜日に子供と書店にいってみます。(こどもの目線で、違う角度からものを考える のは楽しいものですね。)
     ていねいに教えてくださり、ほんとうにありがとうございました。
    Date: Tue, 11 Dec 2001 01:25:18 +0900
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  • 58.

    フェルミディラック分布


    Q:Aoki Kojiです。フェルミ・ディラック分布とは何か?ボルツマン分布との違いは?
    Date: Sun, 9 Dec 2001 19:01:36 +0900
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    A: Aoki Koji様、佐藤勝昭です。  ご質問ですが、 フェルミ・ディラック分布というのは、電子のようにスピンをもち、パウリの排他律が働くような粒子(フェル ミ粒子)に適用できる量子統計です。絶対零度においては、フェルミ・エネルギーと呼ばれるエネルギーよりも 低いエネルギーの状態における占有確率は1,フェルミエネルギーより高いエネルギーの状態の占有確率がゼロ となります。フェルミエネルギー丁度のエネルギーでは占有確率は1/2になります。
    ゼロでない有限の絶対温度Tにおいてフェルミ粒子がエネルギーEの状態を占める確率をフェルミ分布関数または フェルミ・ディラックの分布関数といいます。f(E)=1/{1+exp(-(E-Ef)/kT)}で表されます。詳しくは、量子統計 の本を読んでください。ボルツマン分布は、量子力学的制約のない古典的粒子の分布関数で、f(E)=exp{-E/kT}と かけます。
    フェルミ分布については、
    量子物性工学2001.5.25の授業のプリント(pdf file)のp5の式(3.17)を参照してください。
    Date: Mon, 10 Dec 2001 10:15:10 +0900
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  • 59.

    比誘電率が大きいとは?


    Q:はじめまして。私は池田和繁といいます。福岡県に住んでいる19歳の大学生(工学部 ・機能材料工学科)です。二つ質問があるのですが、まず、比誘電率が大きいという ことはどういうことなんですか?あと、比誘電率の性質を教えて下さい。よろしくお 願いします。
    Date: Tue, 18 Dec 2001 18:48:29 +0900
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    A:池田様、佐藤勝昭です。 ご質問に簡単にお答えします。 比誘電率は、電界が加わったときの電気分極のできやすさを表す目安です。 電気分極には、界面分極、配向分極、イオン分極、電子分極の寄与が足し合わ されたものです。界面分極はセラミクスなど多結晶体で見られる現象です。配 向分極は液晶分子のように永久双極子を持つ系で見られます。イオン結晶では イオン分極のしやすいものが誘電率が大きいです。一方、シリコンなどではイ オン性がないので、ほとんどは電子分極によるものです。電子分極は、バンド ギャップの小さなものほど大きくなる傾向があります。詳細は、たとえば、佐 藤・越田共著「応用電子物性工学」コロナ社)p.70-75をお読み下さい。 比誘電率の性質も上に述べた分極の原因と関係します。 直流から低周波では、すべての分極の寄与が加わっていますが、周波数を高く すると、まず、界面分極が0となり、さらに周波数を上げると配向分極が周波 数についていけなくなり0になります。さらに周波数を上げ、赤外になるとイ オン分極がついていけなくなって0となり、可視光領域では電子分極のみが寄 与します。また一般に比誘電率は複素数です。誘電率の実数部は分極のできや すさに関係しますが、虚数部は損失を表します。電子レンジで食品が暖まるの は虚数部のためです。 誘電率は一般にはテンソルで表されます。対角成分が通常の誘電現象に関係し ます。非対角成分は、磁気光学効果など偏光の回転に寄与します。誘電率の光 学的寄与については、拙著「光と磁気」をご参照下さい。
    Date: Wed, 19 Dec 2001 00:13:32 +0900
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  • 60.

    磁性薄膜の光学測定


    はじめてメールを差し上げます。K大学大学院M1のNと申します。
    いつもわかりやすい当HPに感謝しています。
    物性およびレーザ光学に興味を持っているので、現在、佐藤 先生の御著書および紹介されている論文をたよりに勉強を 進めておりますが、疑問点があり、メールさせていただきました。
    私どもの研究室では、磁性薄膜の研究をしており、エリプソに よる光学特性の測定等による形状異方性の研究を行っております。 それらに加えて、(線形、非線形)磁気光学効果を利用した 薄膜評価により、更なる知見が得られないものかと思いまして お尋ねいたします。
    1. 試料(スパッタ作製)の薄膜表面は、レーザ波長オーダの粒の   集まりであるため、一様ではありません。影響がありますでしょうか?
    2. 現在、実験系はエリプソ用の光学系ですが、磁気光学効果を   測定できる系にシステムアップするのは、難しいことでしょうか?
    師走のため何かとお忙しいとは思いますが、ご回答の程、よろしく お願いいたします。
    Thu, 20 Dec 2001 13:45:27 +0900
    --------------------------------------------------
    Q:K大学大学院N様、佐藤勝昭です。メール有り難うございました。
    ご質問の件ですが、
    1. .試料(スパッタ作製)の薄膜表面は、レーザ波長オーダの粒の
        集まりであるため、一様ではありません。影響がありますでしょうか?
      通常の測定ではレーザビームの広がりはレンズを使っても50μm程度でしょう。 従って、0.5μm程度の粒径の薄膜の場合、ビームスポットの中に10000個もの 結晶粒が入りますから、その平均値を見ることになります。従って、roughな 表面であれば、散乱が増えるので、見かけのκ(消光係数)が増加しますが、 媒体が等方性で、かつ粒界に隙間がなければ、屈折率の測定には影響がないと 思います。農工大で分光エリプソを用いて太陽電池薄膜の評価をしておられる 齊籐先生に伺いましたが、ぎっしり隙間なく結晶粒が詰まっておれば関係ない とのことです。しかし、隙間が空いていると空気の屈折率との平均を見ること になると言っておられました。
    2. .現在、実験系はエリプソ用の光学系ですが、磁気光学効果を
        測定できる系にシステムアップするのは、難しいことでしょうか?
      分光エリプソの光学系と磁気光学の光学系を共通にした装置もトヨタの関連会社 から市販されています。磁気光学効果の測定装置も基本的には、エリプソメータ であって、左右円偏光に対する屈折率の差を求めれば回転角が、左右円偏光に対 する消光係数の差を求めれば、楕円率がわかります。従って、難しいことでは ないと思います。上記装置は豊田工業大学の鈴木孝雄先生が指導されて開発され たので、鈴木先生にお尋ねになれば、教えていただけると思います。
    Date: Thu, 20 Dec 2001 15:46:09 +0900
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    QQ: 佐藤先生
    お返事ありがとうございました。
    実際の実験上での留意点は、なかなか教科書には 載っていないものなので、非常に参考になります。 磁気光学効果について知識を深めてゆきたいので、 今後ともいろいろご指導の程、よろしくお願いいたします。
    では、失礼いたします。
    Date: Wed, 26 Dec 2001 11:38:10 +0900
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  • 61.

    CVDと真空


    Q: 突然のメールで申し訳ありません。
    私はK大学材料工学コース3回生のTと申します。
    先日、レポートが出てインターネットで調べていてこのページにたどり着きました。 お忙しいとは思いますが、質問に答えていただければ幸いです。

    質問なのですが、Si薄膜を堆積させるのに用いられるCVDについてなのですが、試料 を真空中で加熱しガスを噴きつけSiを堆積させるそうですが、この真空中で行うこと の理由が知りたいのです。
    他の物質があるとSiだけでなくその物質まで堆積してしまうということは分かるので すが、その他に理由はあるのでしょうか?

    また、堆積させた膜の観察にSEM、TEM等を使いますが、このSEM、TEMにおいても真空 中で行うそうですが、この場合の真空である理由を教えてください。

    私が勉強不足であるために、先生にお時間をとっていただくのは本当に申し訳ありま せんが、よろしくお願いいたします。
    それでは失礼致します。
    Date: Fri, 21 Dec 2001 03:31:45 +0900
    -----------------------------------------------------------
    A: T君、佐藤勝昭です。
     レポートの課題を安易にインターネットで聞こうというのは 安直にすぎます。私の学生がそのような形でレポートを書いたとしたら 点を上げません。一種のカンニングですから。
     ここでは、ヒントだけあげますので、自分で考えてください。
    1. CVDには常圧CVDと減圧CVDがあります。真空とは限りません。
    2. Siのplasma CVDの原料にはSiH4が使われますが、  この原料の危険性を「化学便覧」で調べてみなさい。  1気圧で使うのと低い圧で使うのとどちらが安全ですか。
    3. SEMやTEMには電子ビームを使います。電子ビームは  空気中でどうなるか考えてみましょう。
    4. レポートには、必ず、農工大の佐藤先生にヒントを  もらったと正直に書きなさい。
    Date: Fri, 21 Dec 2001 11:59:20 +0900
    ---------------------------------------------------
    QQ:すいませんでした。Tです。
    深夜に自宅のインターネットで調べようと思い、 検索をしていて先生のホームページに行き着き、質問をしてしまいました。
    深夜だったため調べる手段がなかったもので。
    今日、朝一で図書館に行き調べわからないところを教授に質問したため 先生からのこのメールを読む前にレポートが完成しました。
    まだ分からないところもありそのことを教授に伝えたら次回の授業で説明してもらえ ることになりました。
    本当にすいませんでした。
    Date: Fri, 21 Dec 2001 13:33:33 +0900
    -----------------------------------------------------
  • 62.

    吸収端の裾


    Q:佐藤勝昭教授殿
    以前もメールで質問させて頂いたT社のYと申します。
    佐藤先生共著の「機能材料のための量子光学」の光吸収のところ で、半導体の吸収端の低エネルギー側にすそを引いている場合の記述がありますが、 これがもし酸化物(多電子系)の場合だと、低エネルギー側のすその原因として、 一般的にどのようなことが考えられますか?
    Date: Thu, 20 Dec 2001 17:49:26 +0900
    --------------------------------------------------
    A:Y様、佐藤勝昭です。
     メール有り難うございます。
    酸化物(多電子系)の配位子場遷移のline shapeは、バンド構造の場合と異なり 周期性の乱れから出るのではなく、ほとんどの場合はフォノンサイドバンドと 呼ばれる機構からでています。もちろん、結晶場の乱れによるinhomogeneous broadeningが起きる可能性があります。これは、いわゆるPHB(photochemical hole burning)に利用されていることはご存じのとおりです。
    酸化物の局在系の遷移には、このほか、電荷移動遷移という遷移があります。 この遷移は、酸素イオンのp軌道から遷移金属のd電子系への遷移です。この 場合は一種のバンド間遷移です。従って周期性の乱れも遷移のlineshapeに影響 します。
    一般論でお応えしましたが、もう少し具体的な話であれば、HPの質問ではなく 正式のルートできちんとアクセスしてください。
    Date: Thu, 20 Dec 2001 20:44:11 +0900
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  • 63.

    励起子発光について


    Q:はじめまして、N大学のKと申します。
    質問なんですが、励起子発光とはどのようにして起こる発光なのでしょうか?図書館 に行っても、これに関して載っている本が見つけられなかったので困っています。
    どうか、ご教授お願いします。
    Date: Thu, 10 Jan 2002 19:15:27
    -----------------------------------------------
    A: K様、佐藤勝昭です。
     説明に当たって、貴方のバックグランドがわからないので、仮に電気電子系の大学院修士課程学生だとしてお 答えします。
     半導体のバンドギャップEgより大きな光子エネルギーを持った光を入射すると光は吸収されますが、そのと き、伝導帯には電子が励起され、価電子帯にはホールが残されます。この電子・ホールがクーロン力によって結 びつくと、その束縛エネルギーExだけ低いエネルギーEg-Exをもった状態が現れます。これを自由励起子といいま す。この状態は、電気的に中性ですから電気を運ぶことはありません。電子とホールは互いの周りを周回してお り、その固有状態はあたかも水素原子の固有状態のような離散的なエネルギー準位となります。水素の電子のイ オン化エネルギーは13.6eVですが、励起子の束縛エネルギーは13.6×(μ*/mo)/(εr)^2で表されます。(ここに μ*は電子とホールの換算質量です。μ*=1/(1/me+1/mh))
    自由励起子状態にある電子とホールが再結合するとそのエネルギーを光として放出します。これが自由励起子発光です。  励起子を構成する電子またはホールがそれぞれアクセプタやドナーに捕捉されると、束縛励起子となります。 一般の半導体で、吸収端付近に最もよく見られるスペクトル幅の狭い発光線は束縛励起子発光です。
     励起子については、キッテル固体物理学第7版(丸善)の11章に詳しく載っています。また、佐藤勝昭編著 「応用物性」(オーム社)114頁には励起子吸収が、126頁には励起子発光が載っています。山田・佐藤他著「機 能材料のための量子工学」(講談社)172頁に励起子吸収、184頁に励起子発光が載っています。
       なお、N大学には、電気系に小林敏志先生という半導体や発光の専門家がおられますので、もっと詳しくは、そちら に教えてもらってください。
    Date: Thu, 10 Jan 2002 20:01:22 +0900
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  • 64.

    有効質量


    Q:D大学のIkedaです。
    「バンド構造と有効質量の関係について」および「バンド構造によりキャリアーが電子またはホールになるわけ」 をおしえていただきたいのですが。
    Date: Wed, 16 Jan 2002 13:19:04
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    A: D大学Ikeda様、東京農工大学佐藤勝昭です。
    メール有り難うございました。
    あなたがどのような学習歴をお持ちであるかわからないので、電気電子系の3年生 であると仮定してお答えします。
    自由電子の場合には、電子の運動エネルギーEは、運動量をpとすると、 E=(1/2)mv2=p2/2mと書けますが、運動量pは電子の波数kを使ってp=h'kと表せる ので(h'=h/2π)、E=(h'k)2/2mと表すことができます。つまり、kの2乗に比例し、 その係数は質量mに反比例します。
    固体中の電子については、エネルギーは自由電子のように単純ではなく、バンド 構造で表されるので、kの複雑な関数ですが、伝導帯の底(エネルギーが一番低い ところ)では、近似的にエネルギーはkの2乗に比例すると見ることができます。 しかし、そのときの係数は、自由電子の場合のE=(h')2/2mからはずれています。 ここで、有効質量m*を導入すると、固体中の電子のエネルギーEはkの関数として E=(h'k)2/2m*と表すことができます。もちろん、有効質量m*は自由電子の質量とは違い もっと小さな値になっています。
    一般的には、有効質量m*はk-空間における電子のエネルギー分散曲線E(k)をkで 2回微分したd2E(k)/dk2(曲率)に反比例し、係数はh'2です。
    詳しくは、佐藤・越田著「応用電子物性工学」(コロナ社)p.44第2章の式(2.38) を参照してください。
    Date: Wed, 16 Jan 2002 17:25:07 +0900
    キャリアが電子またはホールになることについてですが、
    半導体ではバンドギャップを隔てて、伝導帯と価電子帯がありますが、 絶対零度では、価電子帯は電子で満ちていますから、空きがないので電気伝導に 寄与しません。一方、伝導帯には電子がないので伝導に寄与しません。従って 半導体は、絶対零度では絶縁体です。
    もし、何らかの方法で、伝導帯に電子が存在する状態を作れば、その電子が伝導に寄与し、 n型の半導体になります。一方、何らかの方法で、価電子帯に電子の欠損(ホール)を 作ることができれば、p形の半導体になります。電子の欠損は、あたかも、正の電荷を もつキャリアとして振る舞うからです。
    Date: Wed, 16 Jan 2002 20:34:16 +0900
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  • 65.

    酸化チタン(Ti2O3)の物性値


    Q: DS大学岡本です。
    ホームページを見ました。
    酸化チタン(Ti2O3)のいろいろな物性値が知りたいのですが教えてもらえます か?密度、エンタルピー、エネルギー等わかることがあればなんでも教えて下さ い。お願いします。
    Date: Thu, 17 Jan 2002 17:05:20 +0900
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    A:岡本様、佐藤勝昭です。
     メール有り難うございます。
     酸化チタンにはTiO[酸化チタン(II)]、Ti2O3[酸化チタン(III)]、TiO2[酸化チタン(IV)] があります。お尋ねのTi2O3[酸化チタン(III)]ですが、式量は143.8, 紫黒、三方晶(a=5.431Å,α=56゜36')、 比重4.6、分解温度2130℃、線膨張係数9.0×10-9 (@150℃)、水、酸に不溶、濃硫酸に可溶とあります。
    生成のエンタルピーなどは、記載ありません。
     私は酸化チタンについては実際に研究していないので、手元にこれ以上のデータが ありません。ご自分で図書館に行って調べてください。
    (化学便覧I-194頁、理化学辞典、Wycoff「Crystal Structure」、新版「物性定数表」(1978,朝倉書店)による.)
    DS大学なら、電気電子の大鉢教授 (tohachi@eml.doshisha.ac.jp)が結晶にお詳しいので結晶成長などについては、教えて いただけるのではないかと存じます。
    Date: Thu, 17 Jan 2002 18:05:48 +0900
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  • 66.

    光ファイバのレイリー散乱について


    Q: Tです。
    偶然HPで見つけたのでメールしました。
    光ファイバーのレイリー散乱の損失曲線を出したくて、文献などを見て 探しているのですが、どうしてもわかりません。
    求め方などわかりますか?
    (eを底とする)単一成分ガラスの散乱損失です。
    どういうところから、等温圧縮度や想定温度、固化温度が出てきたのかが わかりません。
    もしよろしければ教えてください。
    Date: Fri, 18 Jan 2002 14:35:31 +0900
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    A1: T様、佐藤勝昭です。  メール有り難うございます。出かけていてメールを見るのが遅くなりました。 さて、光ファイバのレイリー散乱の式ですが、電子通信学会編、岩崎裕監修 「オプトエレクトロニクス材料」(1986,コロナ社)の
    p.39,p.40に載っていますが、要するに 散乱強度は波長λの4乗に逆比例します。比例係数には、屈折率の2乗平均値 <δn2>2がかかっています。
    屈折率の揺らぎには、密度の揺らぎと、組成の揺らぎの両方が寄与します。
    前者は、(dn2/dρ)2・<δρ>2 と書けます(3.3式に誤植有り注意)が、密度揺 らぎは<δρ>2=(ρ2)βkTf/δVと表されます。ここでβは等温圧縮率、Tfは 仮想温度(想定温度)です。Tfは石英ファイバーのガラス状態を表すパラメータで、 液体状態の凍結を温度で表したものです。一方、(dn2/dρ)=(n4)Pとあらわされ ますが、Pは光弾性定数です。
    なお、R.D.Mauer: Glass fibers for optical communication", Proc. IEEE 61 [4] pp.452-462 (1973)が引用されています。 詳しくは、それをお調べ下さい。
    Date: Sat, 19 Jan 2002 14:16:23 +0900
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    AA1:お返事ありがとうございました。
    まさかこんなにはやくメールいただけるとは思いませんでした。
    本当にありがとうございます。
    助かりました。頑張ってみます。

    T
    Date: Sun, 20 Jan 2002 02:34:47 +0900
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    Q2:佐藤先生へ。
    たびたびすいません。 レイリー散乱の光強度の式がわかりません。
    波長の4乗に反比例することと、8/3Pi^3というのはどこから出てきたのですか? 散乱断面積と関係あるのですか?
    Date: Wed, 23 Jan 2002 05:43:24 +0900
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    A2: T様、佐藤勝昭です。
     レイリー散乱の散乱確率の導出については、 小林浩一:「光物性工学」(裳華房1997)p.166-170に詳しく載ってい ます。txt形式で式の誘導を再録するのは面倒ですから、図書館に行っ て、この本を探してください。3200円ですから、買っておかれてもよい のではないでしょうか。この本はSI系で書かれています。前に紹介した のはcgsなので8/3Pi^3がついています。
    Date: Wed, 23 Jan 2002 11:32:22 +0900
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  • 67.

    半導体の誘電率(温度依存性他)


    Q: 佐藤勝昭 先生:
    こんにちは。筑波大学の小山と申します。
    突然のメールで失礼します。

    現在、半導体(GaAs)を用いたデバイスに関する研究をしております。研究結果の 解析をするにあたり、GaAsの屈折率(誘電率)の温度依存性、自由キャリア依存性 について勉強しております。WWWでキーワード検索をしたところ、佐藤勝昭研究 室のホームページを見つけ、教えて頂きたいことがあり、メールを書かせて頂い ております。よろしくお願い致します。

    「1997年度前期「光物性工学」での質問ペーパへの回答です。」のページの「5 月27日配布:5月20日の質問回答」に誘電率の温度依存性についての質問があり ました。これに関連することで、波長940 nmに対するAlGaAsの誘電率の温度依存 性を調べております。先生が講義でお使いになられているテキストは、この件に ついて参考になりますでしょうか?もし、よろしければテキストを教えて下さ い。

    次に誘電率のキャリア濃度依存性についてですが、一般的に屈折率変化冢はキ ャリア密度変化儂に対して、冢=-a*儂なる関係をもっていますが、ある論文 (J.Appl.Phys. 51(8), 4365 (1980))でキャリア濃度が小さい時(*1017程度)の 時には冢が正になることが報告されています。このようなことは考えられるの でしょうか?
    Date: Mon, 21 Jan 2002 17:19:27 +0900
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    A:筑波大学、小山様、佐藤勝昭です。
     メール有り難うございます。
     GaAsの940nmにおける誘電率の温度依存性についてのご質問ですが、私の教科書 に温度変化までは書いてありません。そもそも、半導体の誘電率の温度変化は、 ほとんど研究はされていないと思います。従って、基本に立ち返って考える必要 があります。
     比誘電率はεrr'+iεr"と書けますが、イオン分極による誘電率を無視すれば、 εr'、εr"と光学定数(屈折率n、消光係数k)の間には、εr'=n22, εr"=2nκと いう関係が成り立ちますが、一方、消光係数kと吸収係数αの間には、α=2ωκ/c =4πκ/λの関係が成り立ちます。(このあたりは、「機能材料のための量子工学」 (講談社1995)の拙著部分第4章p.148をご参照下さい。)
     GaAsのような直接遷移型半導体では、α=B{(hν-Eg)(1/2)}/hνという関係が 成り立ち、バンドギャップEgはEg=Eg0-AT2/(T+β)のように温度に依存します( J.Pankove:"Optical Processes in Semiconductors", Dover, N.Y. 1971, p.27) から、これにより、一定の波長(あるいは光子エネルギーhν)におけるα、従って κは温度依存性を示すことになります。屈折率と消光係数はクラマースクローニヒの 関係で結びついており、吸収端付近でkが立ち上がるとき、nのスペクトルはkの 微分形のような変化をしますから吸収端付近にピークができます。温度変化でkの 立ち上がりのエネルギーが変化すると、nのスペクトルのピーク位置が多少変化し ます。しかし、近似的には屈折率nはあまり大きく温度変化しないので、εrの実数 部、虚数部の温度変化はκの温度変化で決まると思います。このほか、εrには、 上で無視したイオン分極の寄与が多少あり、これも温度変化に寄与します。
      次に誘電率のキャリア濃度依存性についてですが、これも原理に立ち返って 考えるべきと存じます。自由キャリアは、Drudeの式に従って、誘電率に影響 を及ぼします。高濃度ドープの場合にGaAsの反射スペクトルがどのように変化 するかは、Pankovの前掲書p.92に出ています。なお、自由電子のプラズマ振動 によるDrudeの式については前掲の拙著のp.158-160をご覧下さい。
     あまり現象論の式や経験則の式にとらわれず、自分で原理に従って考えて見ら れることをお勧めします。
    Date: Mon, 21 Jan 2002 18:39:19 +0900
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    QQ:佐藤勝昭 先生:

    筑波大学、小山です。ご回答ありがとうございます。 先生から頂いた回答を参考に、検討してみます。 今回はありがとうございました。
    また、何かありましたら、宜しくお願い致します。 失礼します。
    Date: Mon, 21 Jan 2002 19:07:55 +0900 (JST)
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  • 68.

    非線形磁気光学効果


    Q: 佐藤先生

    昨年末、当HPにて磁性薄膜の光学測定について、ご指導いただいた K大学のNです。その折は、ありがとうございました。
    以降、先生の御著書および解説文にて、勉強を続けております。 そこで、再度、質問をさせていただきたくメールいたしました。

    1.巨大非線形カー効果に関するRasingらの論文で、非線形複素  カー回転角が±90度に近づくという点について、少し詳しく教えて  下さい。垂直入射の場合、Z成分がなくなりEp=0となるのは理解でき  るのですが、R=0となることがわかりませんでした。

    2.非線形磁気光学効果の実験には、現在、Tiサファイアレーザが  使われているようですが、それは、どんな理由からなのでしょうか。  ひとつは、波長レンジが広いことが考えられますが、他には、何で  しょうか?(例えば、反応が極短時間であるとか)
     その点を詳説または考察している論文および書籍等ありましたら  ご紹介いただけませんでしょうか?

    3.2.に関連するのですが、実験したい試料に対して、どのような  光源(波長やパルス幅等)が適するのかは、どのような考察の  元に決めるのでしょうか。
    実際に、システムを組み上げてみたいのでご指導をお願いいたします。
    Date: Wed, 23 Jan 2002 12:37:54 +0900
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    A:K大学N様、佐藤勝昭です。 1.どの論文のことを指しておられるかよくわかりません。少なくとも、 私の解説で、R→0と書いた覚えはありません。いずれにせよ、SHG応答 は線形の光学現象とは異なるので、単純には理解できないかもしれませ ん。

    2.以前はYAGレーザが使われていました。いずれにせよ、SHGがおきるに は大きな電界が必要です。しかし、平均エネルギーが大きいと試料が損 傷を受けますので、パルスレーザを用いるのです。チタンサファイアレ ーザは100fsの程度の短い時間なのでピークの電界を高くとれますが、 パルス間隔が長い(といっても繰り返し80MHzもあります)ので平均電力 は数百mWに抑えることができるのです。

    3.吸収の強い波長帯を使うかどうかで状況が違ってきます。現象も違っ てきます。たとえば、透明な酸化物や半導体で、バンドギャップより高 エネルギーの光を当てると、実際に吸収が起きますから、共鳴形となり ます。あるいは2光子過程でバンド間遷移が起きる場合にも、1光子ず つでは非共鳴ですが、2光子として共鳴過程が起きます。
    2光子足しても吸収が起きないがSHGがでるような完全に非共鳴のプロ セスもあります。共鳴過程が入っている方が、SHGの断面積は大きいで すが、吸収があるので、表面しか見られません。
    パルス幅ですが、何を測るかでかわってきます。吸収が強い場合なるべ く狭いパルスを用いないと熱的な損傷が大きくなります。しかし、時間 が短いと不確定性原理のためにスペクトル幅が広がるので、精密な分光 測定をするのには適していません。
    このようなことを総合してレーザを選ぶべきでしょう。

    ●E-mailの知識だけでやるのは、難しいかもしれません。一度、見学に お越し下さい。
    Date: Wed, 23 Jan 2002 16:00:56 +0900
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    AA:佐藤先生
    K大学Nです。
    お返事ありがとうございました。

    是非、お邪魔させていただきたいと思っております。
    もう少し、下勉強をして問題点等を明らかにした上で、再度、連絡させていただき ます。その際には、よろしくお願いいたします。
    Date: Tue, 29 Jan 2002 10:17:55 +0900
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  • 69.

    スピネル構造の密度、硬度


    Q1: はじめまして。スピネル構造MgAl2O4とZnAl2O4とMnAl2O4とFeAl2O4の密度につて 教えてください。できれば、下4桁までおねがいしていいですか?匿名希望
    Date: Thu, 24 Jan 2002 18:24:14 +0900
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    Q2: スピネル構造の硬度・耐久決定の基準ってなんですか?何か特別な式とかあれば 教えてください。
    Date: Thu, 24 Jan 2002 18:13:12 +0900
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    A: 同志社大学の学生諸君、農工大佐藤勝昭です。
     メール有り難う。同志社大学でスピネル構造について宿題が出たので すか?学科は何で、授業科目は何ですか?宿題の解答を直接インターネ ットで教えてもらうのはカンニングと同じです。私のWeb siteは百科事 典ではありません。私も図書館に行かないと、データがありません。調 べる方法だけをお教えします。それでもわからなければ、もう一度質問 してください。

     無機物の密度は「化学便覧I.基礎編」に載っています。しかし、有効数字は4 桁もないと思います。
     原理から出す方法を教えます。まず、AB2C4正スピネル構造では立方 晶単位格子にA、B、Cが何個入っているかを調べましょう。(ヒント: AB2C4が8分子入っています。)次に、理科年表で各元素の原子量を調 べましょう。原子量はモルあたりで出ていますから、アボガドロ数で割 った値が、各元素の重さです。すると、単位格子の重さMがわかるでし ょう。次に、WyckoffのCrystal StructureのVol.3にいろいろなスピネ ルの格子定数aが載っています。これは4桁程度知られていると思いま す。立方晶ですから、単位格子の体積Vはa3です。M/Vが密度です。計 算の際SI系とcgs系をごっちゃにしないよう気をつけよう。

     硬度といってもいろいろあります。しかし、
    硬さと濡れ性の項にあります ように、硬度というのは「物理量」ではなく、変形させてその程度から 判定しているのです。鉱物の硬さを表すには、モース硬度が使われます。 モース硬度の基準については、理科年表の地学の「主な鉱物」の項目に 載っています。様々な硬度については私の材料物性工学の講義録を参照してください。なお、「耐久」などというのは、物理量として決定でき るものではありません。
    Date: Thu, 24 Jan 2002 19:49:07 +0900
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  • 70.

    In2S3の結晶構造について


    Q: はじめまして 都城高専のHと申します。
     突然で大変申し訳ありませんが質問させていただきたいとおもいます。
     今、私達は卒業研究で3元系太陽電池を作るための第一段階として、 まず2元系のIn2S3を使って、真空蒸着法を用い、 純度のよい薄膜の作成を目的として研究してしております。
     そこでIn2S3の構造など詳しい情報が欲しいのですが、 いろんな文献を探してもそれらしいものが見つからなくて困っています。
    なにかいい文献、情報等ありましたら教えていただきたいと思います。
    Date: 27 Jan 2002 13:35:44 +0900
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    A: 都城高専H様、佐藤勝昭です。
     メール有り難うございます。お尋ねのIn2S3ですが、Landolt Boernstein New Series III Vol.17h, p12-13のTable によりますと、 In2S3には、α、β、γの3つの相が存在します。
    α相の結晶構造は、立方晶のdisordered defect spinel type で空間群 は、Oh7-Fd3mで、格子定数はa=5.36Åです。この相は693-1023Kで安定 な高温相ですが、Inが過剰の場合、T=300Kでβ相が安定化します。
     H.Hahn, W.Kiinger: Z.Anorg.Chem.260(1949)97.(ドイツ語)
    β相の結晶構造は、正方晶のordered defect spinel typeで、空間群は D4h19-I41で、格子定数はa=7.618Å、c=32.33Åです。この相は、T= 693K以下で安定であると記されています。
     H.D.Lutz, H.Hauseler: Z.Naturforsch. 26a (1970) 323.
     K.D.Kundra, S.Z.Ali: Phys. Stat. Sol. (a) 36 (1976) 517.
    γ相の結晶構造は、層状構造で、空間群は菱面体構造D3d3-P-3ml、格子 定数はa=3.8Å、c=9.04Å、T=1023K以上で安定であるが、As、Sbなどの 不純物があるとT=300Kであるということです。
     R.Diehl, R.Nitsche, J.Ottermann: Z. Naturwis. 51 (1970) 670.
     R.Diehl, C-D.Carpentier, R.Nitsche: Acta Crystallogr. B32 (1976) 1257.
    従って、通常にInとSを化学量論組成比で秤量して、真空封入し、700℃ くらいで焼成し、急冷すれば、α相ができると思われますが、In過剰組 成から出発すると、β相ができるようです。700℃で焼成し、徐冷する とβ相になります。
     たぶん、X線回折パターンはJCPDSファイルにあるはずです。
    Date: Mon, 28 Jan 2002 19:16:45 +0900
    ----------------------------------------------------------------
    AA:お返事のメール有り難うございました。大変ためになる解答でした。書いてあった文献などを探し、さらに調べてみることとします。ありがとうございました。
    Date: 29 Jan 2002 09:29:52 +0900
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  • 71.

    アモルファス磁性体について

    Q: こんにちわ。
    突然のメール、誠に申し訳ございません。
    私は、電気工学を専攻している学生です。
    材料の分野で、質問があるのですが、よろしいでしょうか?
    アモルファス磁性体とはどういったものなのでしょうか?
    よろしくお願い致します。
    Date: Mon, 28 Jan 2002 03:33:18 +0900
    ----------------------------------------------------------------
    A: クマモト・ミキオ様、佐藤勝昭です。  メールありがとう。
     お尋ねの「アモルファス磁性体」ですが、貴方が使っているMDやMOの 媒体として使われているTbFeCoという合金薄膜は、アモルファス磁性体 の代表選手です。
     アモルファスamorphous(非晶質)というのは、morph (形)がない(a-は否定の接頭辞)ということで、原子配列が結晶のよ うな
    長距離秩序を持たない固体のことを言います。液体では原 子は不規則でランダムに並んでいますよね。この状態を凍結したのがア モルファスなのです。たとえば、Fe, Si, Bなどを混ぜてるつぼで高温 に熱して融解しておき、高圧ガスの力でノズルから、高速回転する金属 ドラムに向けて噴射すると、液体が急冷されてアモルファスになります。 このような材料は、急冷アモルファス合金とよばれます。一方、MDの TbFeCoは冷却した基板にスパッタ法で成膜することでアモルファスにな ります。
     アモルファス磁性体の特徴は、原子配列には長距離秩序がないのに、 磁気的には長距離秩序をもち、強磁性やフェリ磁性になることです。こ れは、金属強磁性の起源とも関係していますが、伝導帯の3d電子間の交 換相互作用によって磁性が生じているからです。
     なぜアモルファス磁性体がMDに実用されるかというと、
    (1)アモルファスTbFeCoは垂直磁気異方性をもち、かつ、磁気光学効果 が大きい。
    (2)光磁気記録ではレーザ光を1μm以下に絞って使うが、多結晶媒体だ と粒界による光散乱のためノイズが大きいのに対し、アモルファスだと 粒界がないので、低雑音である。
    (3)低温成膜なので、ポリカーボネートなどの安価なプラスチック基板 に成膜することができる。
    (4)金属間化合物ならば組成比が1:2とか1:3とか定比でないと形成され ないが、アモルファスだと任意の組成比がとれるので、特性を調整しや すい。
    などの特徴があるからです。
     急冷非晶質合金薄帯は、磁気的に非常にソフトであるという性質をも ち、トランスの磁心としてヒステリシス損が少ないという優れた特性を 示します。もし、日本で、柱上トランスや変電所のトランスの磁心をす べてアモルファス合金にすれば四国4県の電力消費量くらいを節約でき るという話を20年くらい前に聞いたことがありますが、特許の関係で 普及しないと言うことです。
    (磁性体でなければアモルファスの状態はいっぱいあります。たとえば、 電卓についている太陽電池セルはアモルファスシリコンですし、CD-RW やDVD-RWに使われている相変化記録媒体はInSbTeなどのアモルファス合 金薄膜ですし、ワイングラスや窓のガラスはアモルファスです。)
     詳しくは、専門書を読んでください。堂山・山本編「アモルファス材 料」(東京大学出版会、1985)などが読みやすいと存じます。
    Date: Thu, 31 Jan 2002 11:06:56 +0900
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    AA:私のような見ず知らずの者に、あのように詳しく説明してくださって、 とても嬉しかったです。
    アモルファスに対しての理解が深まったと同時に興味もさらにわきました。 ほんとうにありがとうございました。
    熊本 幹雄。
    Date: Mon, 4 Feb 2002 01:36:06 +0900
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    [注]長距離秩序long range orderとは、いくつもの原子にもわたって全体として 規則をもっている状態のことです。

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  • 72.

    MOディスクの動作原理


    Q: t.k.です。MOの動作原理を教えてください
    Date: Tue, 5 Feb 2002 14:37:40 +0900
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    A: tk様、佐藤勝昭です。

    (ご質問のあるときは、所属・名前を明確にしてください。Web上で匿 名にしたい時はその旨書いてあれば、対処します。会社の方か、学生さ んか、大学の研究者かでお答えの仕方が異なります。)

    MO(光磁気)ディスクの動作原理についてお答えします。(貴方が理科 系の学生さんで、磁性体について一応の基礎知識があるものとしてお答 えします。)
    光磁気記録は、レーザ光を光磁気記録媒体膜の部分に1ミクロン以下の スポットに集光して、光磁気記録媒体として用いられている磁性体のTc (キュリー温度)以上に加熱して磁化をいったん消し他後、冷却過程で外 部磁界の方向に磁化して記録します。記録された状態では、垂直磁気記 録(ディスク面に垂直に上向きまたは下向きに磁化が向いている状態)と なっています。
    磁気記録された状態を読み出すのに、ハードディスクでは磁気ヘッドを 使うのですが、MOディスクでは、磁気光学効果を用いています。磁気 光学効果とは、磁化の大きさ及び向きに応じて、入射した偏光の方向が 回転する効果です。透過の磁気光学効果をファラデー効果、反射の磁気 光学効果を磁気カー効果といいます。光磁気記録用の磁性体薄膜は薄い ので、透過して裏にある金属膜で反射した光と、膜面で反射した光が干 渉しあうので、ファラデー効果、カー効果の両方が効いています。 この効果のために、記録されたビットに偏光を当てると、磁気がディス ク面に対して上向きか下向きかで、反射して来た光の偏光の向きが異な ります。そこで、適当な角度を向いた偏光子を通してやれば、光強度の 強弱に変わるので、光センサを使えば、電気信号の強弱として読み出せ ます。
    関連リンク:講演OHP(power point):Internet Explorerで閲覧下さい。
  • 高密度光記録をめざして
  • 磁気光学の応用 
  • 詳しくは、私の書いた本「光と磁気(改訂版)」(2001.11)の第7章を 参考にしてください。
    Date: Wed, 6 Feb 2002 15:51:39 +0900


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  • 73.

    XRDの配向性


    Q:Daisuke Yoshidaです。
    XRDの配向性とは何ですか?

    TiN[200] TiN[220] などの意味がわかりません。
    TiN[200]はTiN[100] ではないのですか?
    Date: Sun, 17 Feb 2002 17:06:22 +0900

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    A:Daisuke Yoshida様、佐藤勝昭です。
    th1156@mail4.ac.jpに返信しましたが、メールが帰ってきてしまいました。
     メールありがとうございます。おたずねの件ですが、「XRDの配向性」 という言葉は正確ではありません。「XRDで観測した多結晶薄膜の配向 性」という意味ではないでしょうか。
    TiN[200]はおそらくTiN薄膜をX線回折(XRD)で観測したときの200回折線 が見られたということをそのように表現したのではないでしょうか? 200回折線は結晶の100面からの2次の回折線を見ている場合と、本当に 200面からの1次の回折を見ている場合が混じって出ています。それで は、100回折線は出ないのでしょうか。それは、X線回折の消滅則により ます。詳しくはキッテルの固体物理学入門第7版の第2章「逆格子」の 図17などを参考にしてください。
    多結晶試料での各回折線の強度は、結晶構造、原子散乱因子などから計 算ができます。ランダムに結晶方位が向いていても、200回折線が220回 折線と同じ強度とは限りません。しかし、200回折線が、計算される多 結晶の220回折線より遙かに強い場合には、その薄膜は(100)配向してい ると考えてよいでしょう。
    なお、結晶学において、[hkl]は方位を表す指数、(hkl)は面を表す指数 です。従ってTiN[200]という書き方は間違いです。材料関係のお仕事を されるならば、最低限そのあたりのところは勉強しておいてください。
    Date: Mon, 18 Feb 2002 10:22:46 +0900
    -----------------------------------------------------------
  • 74.

    シリコンの硬さ


    Q: 突然のメールで失礼します。私、K大学の修士1年のUJと申します。
    物性値を調べていたら、このページにたどり着き、質問させていただこうと思いました。

    薄膜を作製する際に、シリコン基板を用いることがありますが、その硬さはどの程度でしょうか?(漠然としていて 申し訳ありません)できればロックウェル硬さやブリネル硬さで教えていただければと思います。
    お手数だとは思いますが、よろしくお願いします。

    Date: Mon, 18 Feb 2002 19:17:16 +0900
    --------------------------------------------------------
    A1: UJ様、佐藤勝昭です。
     半導体は機能材料として調べられているので、構造材料的な評価があ まりされているとは思えません。シリコンウェハーに剛球を押しつけて 硬さを測ると劈開してしまうので、バルクでないと測れないと思います。 ただ、最近はマイクロマシンなど、シリコンを加工して機械材料として 使うので、その関係の方ならデータをお持ちかと思います。それで、東 北大学でマイクロマシンをやっておられる羽根先生にメールを出してお きましたので、お返事をいただけたら転送します。
     お役に立てずごめんなさい。
    Date: Mon, 18 Feb 2002 20:59:11 +0900
    --------------------------------------------------------
    A2: K大学大学院 UJ様、農工大 佐藤勝昭です。
     マイクロマシンで有名な羽根先生から次のようなメールを頂きました。 ご参考にしてください。
    ---------------------------------------------
    シリコンの単結晶の材料特性として,幾分ばらつきもあるようですが, 教科書的な値としては下記のようになっています。ロックウェル硬さや ブリネル硬さの測定では,大きな圧子を用いるので,試料が壊れるなど 問題があり,測定値はあまり見当たらないようです。結晶なので,金属 のような塑性変形が生じにくいので,あまり測定されていない,あるい は測定してもあまり信頼できる値にならないのではないかと思います。 もっと微小領域で測定できるナノインデンターのような測定器を用いれ ば,測定できるのではないかとのことです。
    1. 降伏強度:7.0x1010dyne/cm2
    2. ヌープ硬さ:850kg/mm2
    3. ヤング率:1.9x1012dyne/cm2
    シリコンの機械強度についての研究をされている先生は名古屋大学の佐 藤一雄教授sato@kaz.mech.nagoya-u.ac.jpです。マイクロの引っ張り試 験を行ってみえます。お尋ねいただければ,もう少し詳しく説明いただ けます。
    Date: Wed, 20 Feb 2002 13:24:54 +0900
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  • 75.

    「新しい磁気と光の科学」についての質問


    Q: 佐藤勝昭先生
     はじめまして。突然メールを差し上げまして,大変申し訳ございません。
    私は,東京大学先端研橋本研究室でD1の志村重輔と申します。
    先生の著作である「新しい磁気と光の科学」の第6章を読んでおりまして, いくつか疑問に思った個所があります。
    佐藤先生のHPを拝見させていただき,質問させていただいた次第です。 ご回答頂けましたら幸いです。

    (1)
    まず,145ページの式(6.9)中におけるテンソル成分につきまして, 1行5列目の要素と1行6列目の要素とは入れ違い, つまり誤植ということで宜しいでしょうか?
    (2)
    次にこのテンソルそのものにつきまして,
    χxxz = χxzx = χyyz = χyzy, χzxx = χzyy, χzzz
    という関係式を用いてノンゼロの要素を決めておられますが, 等方性・非磁性表面でこの関係式が成り立つ理由がわかりません。 例えば等方的でなく,特定の点群の特定の面の場合はどう考えれば 宜しいのでしょうか。

    (3)
    上記(2)の質問に関しまして,Rasing らによる 「Nonlinear Magneto-optics for Magnetic Thin Films」には 答えがありそうですが,unpublished の資料であるため入手できません。 不躾なお願いで大変恐縮ですが,先生にお時間があるとき, 実際に私が先生の研究室に出向きまして, 拝見させていただくことは可能でしょうか?

    (4)
    入射光の偏光面の制御に用いられているベレック補償子というのは, バビネ補償子と同じ,すなわち呼称の違いだけでしょうか?

    以上,どうかよろしくお願いいたします。
    Date: Tue, 19 Feb 2002 10:59:27 +0900
    -------------------------------------------------------
    A: 志村様、佐藤勝昭です。
     拙著を丁寧に読んで頂き有り難うございます。何しろ、あの本の執筆 当時、「光と磁気改訂版」、「応用物理ハンドブック」、実験物理学講 座4「試料作製技術」、実験物理学講座6「磁気測定I 」、物理学辞典  「カルコパイライト」の項目、などが同時進行していまして、注意力散 漫になっていたので間違いも多いかと存じます。Criticalに読んでいた だければ幸いに存じます。
     さて、
    (1)ですが、 ご指摘の通り誤植です。よくチェックしていませんでした。

    (2)については、結晶の対称性と非線形感受率テンソル要素のノンゼロ成分との関係は、 Y.R.Shen"The Principles of Nonlinear Optics"のTable 2.1にまとめ られています。たとえば、hexagonal 6mmならば、生き残る成分は、xzx =yzy, xxz=yyz, zxx=zyy, zzzが消えない要素です。

    (3)Rasingさんから頂いた原稿のコピーがありますので、郵送します。コピ ーをとったらご返却下さい。

    (4)ベレック補償子は、バビネ板と違って、波長に応じて調整する必要があ りません。詳細は、
    New Focus社のWeb site をご参照下さい。 日本ではIndeco社が扱っています。
    Date: Tue, 19 Feb 2002 14:58:09 +0900
    ----------------------------------------------------
    AA: お忙しい中,早速のご回答を大変ありがとうございます。
    (2)ありがとうございます。早速 Shen の論文を入手し,勉強したいと思います。
    (3)非常に嬉しいです。佐藤先生のご好意に,感謝いたします。
    (4)ベレック補償子という名前は,先生の本で始めて知りました。 色々と教えていただき,この度は大変ありがとうございました。
    > (佐藤ギャラリーお薦めです!)
    拝見させていただきました。。。こんなすごい絵を描かれる先生とは存じませんでした。 昔学会で行ったエジンバラの絵は,懐かしみながら拝見させていただきました。

    これからも,よろしくお願いいたします。
    Date: Tue, 19 Feb 2002 16:48:46 +0900
    -----------------------------------------------------
    Q2:佐藤勝昭先生
    「新しい磁気と光の科学」の内容につきまして, 重箱の隅をつつくようで大変恐縮なのですが,
    151ページ表6.3のキャプションの最後にある参照文献番号 8) は, これは表6.2のキャプションの最後につくべきではないでしょうか? また,174ページの 8) の最後にある文章「表6.3はこの文献に従う.」 は「表6.2はこの文献に従う.」となるべきでよろしいでしょうか?
    この一連の部分で私は混乱してしまい,先日の私の質問(2)に至りました。 先生からメールでご回答を頂き,また Rasing 先生の原稿を斜め読みし, この部分で自分が誤解していたことに気づきました。
    このたびは,大変お騒がせ致しました。

     これからも,よろしくお願いいたします。
    Date: Thu, 21 Feb 2002 18:12:11 +0900
    --------------------------------------------------------
    A2: 志村様、佐藤勝昭です。
     メール有り難うございます。ご指摘有り難うございました。
    いろいろ出てきますね。参照文献番号は表6.4につけるべきでした。
    本文のp151下から2行目に8)を引用してあります。なお、p174については 「表6.4はこの文献に従う」とすべきでした。お詫びして訂正します。
    Date: Thu, 21 Feb 2002 19:38:26 +0900
    --------------------------------------------------------
  • 76.

    1次元格子のデバイ温度


    Q1:佐藤勝昭先生
    はじまして,私はK大学の学生です.授業で習ったデバイ温度についてご質問があり ます.全長LのN個からなる1次元格子について,(1次元)デバイ温度Θ1を求めたと ころ次式となりました.
    Θ1=(h/k)・3(N/L)・V
    ここで,hはプランク定数,kはボルツマン定数,Vは音速です.

    まず,上式で正しいのでしょうか?

    次に,この式中の音速Vは縦波音速Vlと横波音速Vtから次式で求まる平均音速を意味 しているのでしょうか?
    3/V=1/Vl+2/Vt
    それとも,(3次元)デバイ温度の導出方法との比較から類推される次式の音速を意 味しているのでしょうか?
    1/V=1/Vl+2/Vt それとも,また別の速度を意味しているのでしょうか?

    よくわかりません.お手数でなければ,教えていただけないでしょうか?よろしくお 願い致します.
    Date: Fri, 01 Mar 2002 12:45:00 +0000
    -------------------------------------------------------------
    A1:稲葉様、佐藤勝昭です。
     メール有り難うございました。
    おたずねの件ですが、原理に基づいて計算すればよいのです。
     1次元の格子振動の状態密度は、1つのモードについて
     D(ω)dω=(L/π)(dk/dω)dω=(L/π)(1/v)dω
    となります。
     LAモードの音速vL、TAモードの音速vTとします。
    いま、LAモードの状態密度をDL、TAモードの状態密度をDTとすると、
     ωD
    ∫ {DL(ω)+2DT(ω)}dω=3N
     0
    となりますから、
    (L/π){(1/vL)+(2/vT)}ωD=3N
    ここで平均の音速vを
     (1/v)=(1/vL)+(2/vT)
    と定義すると、
    ωD(L/πv)=3N
    従って、ωD=3πNv/L
    Debye温度ΘDは、h'=h/2π、ボルツマン定数kBとすると
    ΘD=(h'/kB)ωD=(h'/kB)(3πNv/L)=(3/2)(h/kB)(N/L)v
    となり、あなたの導かれたものはfactorが2だけ違っています。
     ご自分でもう一度確かめてください。
    Date: Sat, 2 Mar 2002 11:46:39 +0900
    --------------------------------------------------------
    Q2: 佐藤勝昭先生

    早速のご回答誠に有難うございました.大変参考になりました.

    あと,進行波で考えた場合と定常波で考えた場合で求まるデバイ温度は異なってくる のでしょうか?つまり,λを波長とした場合,進行波ではnλ=2L (n=0,1,2,3,..N),定常波ではnλ=L(n=0,±1,±2,±3,..±N/2)となると思いま す.これに基づき1次元の格子振動の状態密度を考えた場合,1つのモードについて 前者は,先生がおっしゃっていた
    D(ω)dω=(L/π)(dk/dω)dω=(L/π)(1/v)dω
    となり,後者は
    D(ω)dω=(L/2π)(dk/dω)dω=(L/2π)(1/v)dω
    となると思います.そのため,最終的に求まるデバイ温度も両者で異なってくる気が するのですが...僕自身何か大きな勘違いをしている気がします.宜しければご教 授下さい.
    Date: Sat, 02 Mar 2002 04:08:14 +0000
    -------------------------------------------------------
    A2: 稲葉様、佐藤勝昭です。
    進行波で考えた場合、kには正負の値があるので、
    D(ω)dω=2×(L/2π)(dk/dω)dω=(L/π)(1/v)dω
    結局1次元鎖で考えたのと同じ状態密度数を与えます。
    Date: Sat, 2 Mar 2002 14:42:03 +0900
    ------------------------------------------------------------
    AA: 佐藤勝昭先生
    有難うございました.周りに相談できる人が居ないため,本当に助かりました.
    Date: Sat, 02 Mar 2002 05:49:59 +0000
    ------------------------------------------------------------
  • 77.

    Ta2O5薄膜の組成について


    Q: 佐藤先生へ
     こんにちは、真空蒸着のビギナーのHです。(社名・名前を匿名でお願いします。)
    現在、蒸着した膜質を調査中です。その中で、Ta2O5の膜の元素構成比について お伺いします。XPSで元素を測定してますが、Ta2O5実膜の最適元素構成比が分かった ら教えてください。
    また、実膜の元素にどうしてもCが混入してしまうのですが、Cの影響はあるのでしょう か?更に、Cの含有率の範囲(○○%以下が好ましい等)がありましたら教えてください。
    Date: Thu, 07 Mar 2002 10:24:48 +0900
    -----------------------------------------------------------
    A: H様、佐藤勝昭(旅先:京都)です。
     質問の意味がわかりません。
    Ta2O5がきちんと化学量論比でできていたら、 Ta:O=2:5となっているはずですが、実際に薄膜を作るとずれていることがよく起きていると聞いています。こ の元素比がどこまでずれてもよいかは、私はTa2O5の経験がないので、しかる べき方にお聞きください。
    Cが含まれているときの影響についての質問ですが、どのような性質を問題に するかによると思います。単に高い誘電率が欲しいということか、リーク電流 を減らすことが問題なのか、薄くしたときの耐電圧がどうかなど、いろいろの 側面があると存じます。何に使おうとしているかによると思います。
     応用物理学会の講演会のプログラムなどで、関係している専門家を捜してお たずねください。Ta2O5ではないが、PZTなど高誘電率酸化物の薄膜成長をやっ ている農工大の上野先生がご存じかもしれませんので、お尋ねになってくださ い。(E-mail=tomoueno@cc.tuat.ac.jp)
    Date: Fri, 8 Mar 2002 07:11:36 +0900
    -------------------------------------------------------------
    AA:佐藤先生へ

     旅先からの回答有難うございます。
    色々な蒸着条件での膜質を調査しているのですが、理論値通りにならずもしかしたら 考え方が間違っているのかもしれないと思っていたところにこのページを見つけたので お聞きしました。
     農工大の上野先生にも相談してみようと思います。
    Date: Fri, 08 Mar 2002 16:21:06 +090
    ---------------------------------------------------------------
  • 78.

    半田メッキ上の半田くずの検出法


    Q: 匿名でお願いします。私は半導体メーカに勤める34歳男性TYです。

    ICの外部リードは、実装のために半田めっき(すず90%、鉛10%)が なされているのですが、その半田めっきが削れて半田屑(鉛90%、すず 10%)がリード上に付着する場合があります。これは製造工程中では不良 と判定すべきものですが、半田めっきが銀色に対して、半田屑も銀色をして いるため、画像処理で検査しようとしても、区別がつかず検出が難しい状況 にあります。
    そこで相談ですが、何か照明を工夫することによって、半田めっきと半田屑 を明確に区別できるような方法はないでしょうか?

    よろしくお願いします。
    Date: Sat, 9 Mar 2002 01:47:41 +0900
    ----------------------------------------------------------------
    A: TY様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございました。旅先でデータが手元になく、確定的なこと はいえないのですが、半田は鉛に比べ電気伝導率が高いので、反射率も高く、 おそらくプラズマ周波数も高いのではないかと、推察します。従って、同じ銀 色でも波長依存性が異なるはずです。一度、分光光度計を用いて2つの金属の 反射スペクトルの違いを測定されてはいかがでしょうか。たとえば、赤外の1 μmと可視で緑の500nmの波長の反射率の比率を比較すれば、違いがわかるか と存じます。
    なんでもQ&Aは、あくまで「物性」についてのQ&Aですので、一般論でお答えし ました。これ以上具体的な問題解決については、佐藤に直接ご面会して頂く か、農工大TLOを通してご相談ください。時間が許す限りいつでもご相談に応 じます。
    Date: Sat, 9 Mar 2002 20:10:21 +0900
    ----------------------------------------------------------------
    AA:早速丁寧な回答いただきありがとうございました。ご助言の通り、分光光度計を用い た測定をやってみたいと思います。また何かあったらよろしくお願いします。
    Date: Wed, 13 Mar 2002 23:27:54 +0900
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  • 79.

    表面粗さと反射率


    Q: こんばんわ、半導体メーカ勤務T.Yです。また疑問点について教えて下さい。  Q1.金属面での光の反射において、光の波長と金属表面の表面粗さの間にはど ういう関係があるのでしょうか?
     例えば、波長より表面粗さが小さいとどうなって、逆に表面粗さが大きい とどうなります?また、表面粗さと反射率はどういう関係にあります?

     Q2.「入射角=反射角」は、表面が多少凸凹であっても、成り立つものでしょ うか?(凸凹での乱反射によって、反射率の減少が多少見られると思いますが、 −入射角度方向に一番反射するのでしょうか?)

     Q3.金属の光沢は、電気伝導率に比例すると考えてよいのでしょうか?
    カーボンは金属では無いですが、導電性です。カーボンも光による振動電 界によって光沢があるのでしょうか?また、金属以外の物質の光沢は、 表面粗さのみによるものでしょうか?
    Date: Thu, 21 Mar 2002 00:26:10 +0900
    ---------------------------------------------------------------
    A: TYさん、佐藤勝昭です。
     ご質問の件ですが、わかる範囲でお答えします。
    Q1.金属面での光の反射において、光の波長と金属表面の表面粗さの間には どういう関係があるのでしょうか?例えば、波長より表面粗さが小さいとどう なって、逆に表面粗さが大きいとどうなります?また、表面粗さと反射率はど ういう関係にあります?
    >
    A1:表面の粗さによる反射率の低下は、光の散乱によると考えればよいので す。波長より1桁以上小さい周期と振幅の凹凸であればほとんど反射率は低下 しないのですが、波長が短くなるとともに散乱が増加していきます。レーリー 散乱のメカニズムが働いていると考えられます。
    波長と同程度の表面荒さならば、もし周期的なら回折現象が起き特定の角度に 強く反射します。もし完全にランダムなら全方向に一様に散乱されます。 表面荒さと反射率の関係は私は存じません。おそらく、経験則しかないと思い ます。ミラーを作っている会社ならば、データをもっているかも知れません ね。
    >
    Q2.「入射角=反射角」は、表面が多少凸凹であっても、成り立つもので しょうか?(凸凹での乱反射によって、反射率の減少が多少見られると思いま すが、−入射角度方向に一番反射するのでしょうか?)
    >
    A2:反射面が平面と見なせるならば「入射角=反射角」が成立するはずです。 しかし、たとえば斜め蒸着した金属では、表面のモルフォロジーがのこぎりの 刃状になって、反射の強くなる方向が入射角=反射角の関係からずれる可能性 があります。たしか、斜め蒸着された金属の屈折率および消光係数の方位依存 性の論文を見た記憶があります。
    >
    Q3.金属の光沢は、電気伝導率に比例すると考えてよいのでしょうか?カー ボンは金属では無いですが、導電性です。カーボンも光による振動電界によっ て光沢があるのでしょうか?また、金属以外の物質の光沢は、表面粗さのみに よるものでしょうか?
    >
    A3:反射の現象は、空気と物質の間に屈折率や消光係数のちがいがあれば生じ ます。電気回路において、電源と負荷の間にインピーダンス・マッチングがと れていないと、反射が起きて、電力を負荷に供給できないことは、ご存じで しょう。光もこれと同じなのです。光の振動数の電界に対して、空気と物質の インピーダンスの違いがあると、反射が起きるのです。したがって、金属でも 半導体でも、絶縁物でも、屈折率や消光係数のちがいがあれば反射が起きるの です。
     ミクロに見ると金属の反射率は、自由電子のプラズマ振動にもとづくドルー デの法則に従います。プラズマ振動数の二乗は電気伝導率に比例しますが、反 射率と伝導率の間に単純な関係は成立しません。詳細は、たとえば、山田・佐 藤他著「機能材料のための量子工学」(講談社1995)の第4章p.159をお読み下さ い。カーボンやシリコンなどの反射は、ミクロにはバンド間遷移による強い吸 収の存在によって生じた屈折率と消光係数に基づいています。前掲書のp.167を ご参照下さい。
     表面荒さの効果は、金属・非金属にかかわらず起きています。
    Date: Thu, 21 Mar 2002 23:41:14 +0900
    ------------------------------------------------------
    AA:早速丁寧な回答をいただき、ありがとうございました。 非常に勉強になりました。
    また疑問があったときはよろしくお願いします。 ありがとうございました。
    Date: Sat, 23 Mar 2002 01:15:42 +0900
    -----------------------------------------------------------------
  • 80.

    「光と磁気」への質問5:(誤植の指摘)


    Q: はじめまして。
    大阪大学大学院の学生で諏訪と申します。 当方、分析化学の研究室に所属しており、 磁場を用いた新しい分析手法を研究、開発したいと考えております。
    そこで、先生の「光と磁気(改訂版)」を勉強中なのですが、 少し行き詰まっており、失礼ながらメールで質問させていただきます。

    まず、問題3.7のヒントで、
    電磁波
    E = E0exp(-iωt+iKr)、H = H0exp(-iωt+iKr)
    をマックスウェル方程式に代入して得られる、
    ωμ0H = K×E、ωεε0E = -K×H
    という式で反射光だけ符号が変わるのはなぜですか?
    波数ベクトルKに符号の違いは入りそうな気がするのですが...

    また問題3.7のヒント中について
    境界面内で、全ての場は同一でなくてはならない、即ち、
    E0x = E1x = E2x
    E0y = E1y = E2y
    とあるのですが、43項の(3.64)式には、s偏光について
    E0s + E1s = E2s
    とあります。このあたりのつながりが良く分かりません。

    あと、至る所で固有方程式という言葉が出てくるのですが
    これは、線形代数学で言う固有方程式ではなく、
    例えば、Ax = 0(Aは正方行列)という連立方程式で ベクトルxが非自明解を持つ為の条件が
    datA = 0という事と理解してよろしいでしょうか?

    物理学科の基礎的な光学や物理数学を講義なさっている先生に聞けば、 良いのかも知れませんが、ご執筆された先生に質問すれば 最も良い答えを頂けるのではと思い、メールを出した所存です。
    お忙しいようでしたら、参考になる文献、教科書の名前だけでも結構です。 よろしくお願いします。
    Date: Thu, 28 Mar 2002 23:25:44 +0900
    ------------------------------------------------------------
    A: 諏訪様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございました。各質問にお答えします。

    回答1:
    p56の1行目の式において、誤植をみおとしていました。
    反射のKは、入射光と同じ座標系で書くと、−Kとしなければなりませ ん。従って第1行目の式は
    反射は E1exp(-iωt−iK1・r), H1exp(-iωt−iK1・r)
    と修正してください。
    ご指摘有り難うございました。

    回答2:
    ご指摘有り難うございました。
    これも、誤植です。媒質1のx(y)成分と媒質2のx(y)成分の連続性なので
    E0x + E1x = E2x
    E0y + E1y = E2y
    としなければならないと存じます。確かめてみてください。
    この点は、初版でもミスになっていて気がついていませんでした。

    回答3:
    数学の定義と違うかもしれませんが、理化学辞典によれば、
    n次の正方行列Aが与えられたとき、文字xと単位行列ちからできたxE-A の行列の行列式を0とおいた、xについての方程式det(xE-A)=0を固有方 程式というとあります。たとえば、p.55の7行目の式はまさにこの形を しています。固有方程式という言葉はこの意味で使っています。

    回答4:
    自分で式を導いているので、間違いがあるかもしれません。
    参考書としては、p.221に掲げたLandau-Lifshitsが下敷きになっていま す。
    今後ともよろしくお願いします。
    Date: Fri, 29 Mar 2002 18:10:10 +0900
    --------------------------------------------------------------
  • 81.

    カー楕円率によるヒステリシス


    Q: 佐藤 先生
    日立中央研究所の松山と申します.先生のHPを見てメール しました.
    先生の「光と磁気」でKerr効果を勉強しているのですが, 以下の疑問点について教えてください.

    1.現在Kerr効果を利用して磁性試料のヒステリシスループ (MHループ)測定がよく行われていますが,この場合測定する ものはKerr回転角です.Kerr楕円率を測定することで,同様 にヒステリシスループを得ることができるのでしょうか?また, ヒステリシスループの形状はKerr回転角と楕円率で同じ形状 になるのでしょうか?

    2.Kerr楕円率は試料の磁化と入射光線(波長一定)の波数 ベクトルの積に比例するのでしょうか?

    3.Kerr楕円率がヒステリシスループ測定に利用されない理由 は何かありますか?

    以上,よろしくお願いします.
    Date: Fri, 29 Mar 2002 10:48:42 +0900
    ---------------------------------------------------
    A: 松山様、佐藤勝昭です。
     光と磁気をお読み頂き有り難うございます。
    ご質問に簡単にお応えします。
    1.カー楕円率でヒステリシスループをとってもいっこうに構いません。 「光と磁気」(旧版、改訂版ともp.17)の図2.11(旧版では図2.13)にア モルファスGdCo薄膜のガラス基板側から測定したヒステリシスが掲載さ れています。どちらでも測定できることがわかるはずです。
    ヒステリシスは、磁性を反映しているので、回転角でも楕円率で同じで すが、符号や大きさは、どの波長で測るかによって異なります。
     また、先の図2.11にありますように、カー回転の最大波長(800nm) ではカー楕円率は急激に減少してゼロを横切るので(これはクラマース クローニヒの関係によります)回転角ではヒステリシスがほとんどでな いということもおきます。
     図では、カー回転のヒステリシスの方が短波長では斜めになっていま すが、これは、基板側から測定したために、ガラス基板のファラデー回 転が重畳しており、この効果が短波長ほど大きくなるためです。一方、 ガラスのファラデー楕円率は透過域ではほとんど無視できるので、楕円 率ではきれいなヒステリシスが測定できます。

      2.極カー効果においては、カー回転角もカー楕円率も磁化に対して同 じ振る舞いをします。光の入射角が小さい(垂直入射に近い)ときはθK もηKもk・Mに比例すると考えてよいと思います。しかし、角度が大き いと、斜め入射のカー回転の式(改訂版p50 式(3.89)によりますので、 やや複雑になります。

    3.カー楕円率が利用されないのは、普通のクロスニコル法では、楕円 率を測定するために4分の1波長板を挿入しなければなりませんから、 簡単な回転角の方を使っているのです。PEMを使った円偏光変調法なら 楕円率を測定する方がアナライザなくてもよいので簡単です。また、ガ ラス基板のファラデー回転の影響を受けにくいことも楕円率の利点です。 ただ、先の例でもわかるように、波長によっては、楕円率が著しく小さ くなる場合があります。逆に、カー回転が小さいがカー楕円率は大きい という場合もあります。スペクトルを調べて、よい波長を選ぶことが大 切です。
    Date: Fri, 29 Mar 2002 17:34:24 +0900
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  • 82.

    光吸収係数について


    Q: はじめまして市嶋と申します。

    Q: はじめまして市嶋と申します。
    佐藤先生のHPを拝見してメール差し上げましたが,光の吸収係数について教えていただくことはできませんでしょうか。
    シリコンの吸収係数を応用した米FoveonのCMOSについて調べています。表面から,青,緑,赤の波長をシリコンで吸収して電子を取り出すというものです。

    質問1:
    これは物質の吸収係数によるもので,波長の短いものほど吸収されてしまうという点までは透過光強度の式として理解できました。ただ,そこで疑問が生じます。波長の短いものほどエネルギーが大きいのでは。←屈折率が関係してくるのでしょうか。
    また,水の場合は波長の長い赤い色が海面近くで先に吸収されてしまいます。
    これらは,反射光と透過光,吸収光の関係で説明がつくのでしょうか

    質問2:
    また,光学定数というのは物質によって大きく変わるものなのでしょうか。また,吸収係数がマイナスの値を持つようなことはあるのでしょうか。

    突然の質問で申し訳ありません。お答えいただければ幸いでございます。

    Date: Tue, 2 Apr 2002 02:10:11 +0900
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    A: 市嶋様、佐藤勝昭です。
     メール有り難うございました。ご質問にお応えします。

    回答1:
     シリコンの光学吸収端は、シリコンのハンドギャップ(1.1eV)に相当 する光の波長1100nm付近にあり、バルクのシリコンでは、これより短い 波長の光は吸収されてしまいます。従って、赤・緑・青・紫という可視 光線(ご指摘の通り、波長が短いのでバンドギャップよりエネルギーの 高い光子です)はすべて吸収されます。吸収の程度は、光学遷移(注: 物質が光を吸収して、低い電子状態から高い電子状態に、変化すること を光学遷移といいます)の確率および光のエネルギーに比例します。シ リコンは、吸収端付近の波長では間接遷移ですが、可視光付近では、直 接遷移になっています。k(=電子の波数)空間でエネルギーバンドを表 した場合、価電子帯と伝導帯のk依存性が平行になっているような部分 があって、これが、シリコンの吸収のピークを作っています。このエネ ルギーは3.3eVですから、波長にすると376nmの紫外線です。従って、吸 収係数(単位長さあたりの光の吸収率)は、吸収端からこのピークに向か って単調に増加する傾向があります。すなわち、短波長ほど吸収が強く なるのです。
     このように、シリコンなど固体の光吸収をきちんと理解するには、バ ンド構造や光学遷移の物理学的基礎が必要です。たとえば、山田・佐藤 他著「機能材料のための量子工学」第4章p166以降をお読み下さい。

    回答2:
    水の赤外吸収は、光学遷移によるものではなく、水の分子振動の固有周 波数が赤外域にあって、赤外光が水の分子振動を引き起こし、その際に ダンピング項による損失を受けてエネルギーが失われる現象です。シリ コンの場合は、電子の関係する量子現象であったのですが、水の場合は、 分子やイオンが関係するような巨視的な現象です。

    回答3:
    光学定数n、kは、物質固有の電子構造や分子構造を反映したものなの で、物質毎に異なります。従って、吸収スペクトルを丁寧に測定すれば 物質の同定ができるのです。
    吸収係数は負になることはありませんが、誘導放出が起きる場合は、 負の吸収係数の状態であるといってもよいと思います。

    お役に立てば、幸いです。
    Date: Tue, 2 Apr 2002 10:38:17 +0900
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  • 83.

    はんだのぬれ上がり


    Q: 先生 、こんにちは。ロンと申します。技術の仕事を20年位してます。
    こちらのホームページは、大変勉強になると感心しながら拝見しております。

     はんだのぬれ上がり(高さ)で、質問がありあます。
    メニスコグラフでは、はんだのぬれ性試験(いかにスピーディにぬれるか?) が測定出来ますが、私が知りたい事は、垂直にぬれ上がるはんだは、いくらの 高さ迄ぬれ上がるか?という事です。毛管現象に於けるそれの高さの、文献等 はあるのですが、(例えばSMD部品のコンデンサのような、端子が壁の如く垂 直に立った壁面をはんだがいくらの高さ迄ぬれ上がるのか?)
    というような事を数式で説明したいのですが、(式の意味からして、はんだが 部品の壁面をぬれ上がって来てもせいぜい何mm程度迄ですよ。という理論。) いかがなものでしょうか?

           ■□□ はんだはPCB上に充分あるものとします。
          ■□□ ←SMD(左半分図)
    ↑    /■□□ //// … はんだフィレット
    H   //■□□ H … はんだのぬれ上がり。(高さ)
    ↓  ///■□□ ■…SMD部品端子。
    ---------------- ←PCB
    ----------------

    Date: Tue, 02 Apr 2002 10:35:26 +0900
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    A: ロン様、佐藤勝昭です。
    メール有り難うございました。ホームページをご覧いただき有り難う ございます。大変申し訳ないのですが、私は、ハンダのぬれについての 知識はほとんどございません。私には、田中和吉著「はんだ付け技術」 (工学図書、昭和49年)くらいの知識しかなく、表面張力、毛管現象が 関与しているということくらいしかわかりません。そもそも液体金属の ぬれ現象を物理学的に理解するには、相手の金属の種類や表面状態(平 坦性、清浄度)など多くのパラメータが知られていなくてはならないと 思います。従って、おっしゃるような数式がもし得られたとしても、特 定のケースの狭い範囲でしか成立しないもので、一般化できないのでは ないでしょうか。
     専門外なので、この程度しかお応えできなくてすみません。
    Date: Tue, 2 Apr 2002 11:21:36 +0900
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  • 84.

    斜め入射の反射における複素数の屈折角


    Q: 初めまして。O株式会社のOと申します。
    先生のHPを見まして、感心するとともに、こういうHPこそ必要であると痛感する次 第です。HPを読んでいるうちに、長年疑問に感じていた事を質問したくなり、メール を差し上げる次第です。
    現在私は、反射分光や分光エリプソを使って光学定数や膜厚 を解析することをやっており、解析プログラムなど自作したりしていますが、
    「複素屈折率における複素数の角度の解釈」をとりあえず棚上げして現在に至っており、 是非この機会に先生の解釈を伺いたく存じ上げます。以前に物性なんでもQ&Aの
    斜め入射の金属の反射率でも軽くふれられていますが、 複素屈折率でスネルの法則をはめると、複素数の角度になりますが、これは 一体どういう具合に解釈すれば、また、どういう物理的像を想像すればよいのでしょうか?
    お考えをお聞かせいただければ、幸いです。
    Date: Wed, 03 Apr 2002 19:18:41 +0900
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    A: O様、佐藤勝昭です。
     メール有り難うございました。電磁気学において電界や磁界は(量子 力学の波動関数とは違って)あくまで実数の現象ですが、複素数を用い るのは、数式上で扱いやすく、形式的にシンプルに表現するためにすぎ ません。それでは、純実数の電界が入って、実数の電気分極と純虚数の 電気分極が生じたとしましょう。虚数の電気分極は、実数の電界から時 間的に90°位相がずれた分極が生じていることを表しています。同様 に、複素数の屈折率というのは、実数の電界に対しては実数の屈折率 (普通の意味での屈折率n)が適用され、速度が1/nになりますが、9 0°だけ位相ずれのある分極が起きると、エネルギーの散逸が生じ、虚 数の屈折率(消光係数κ)をもって振幅が減衰していくことを表してい ます。
     このことから考えると、実数の電界が角度θoで入射して、実数の分 極は屈折角θ2の実数部の方向に進んでいきますが、90°位相がずれ た分極は、屈折角θ2の虚数部の方向に減衰していくと解釈できると思 います。これが、私なりの解釈です。いかがでしょうか。
    Date: Wed, 3 Apr 2002 19:51:24 +0900
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    Q2: ご丁寧に、こんなに早くご回答頂きまして、誠にありがとうございます。 また、この問題に関しまして、これほど明快にお答えを頂いたのも初めて、感謝いた しております。
    厚かましいとは存じ上げますが、少し疑問がございますので、お考えをお聞かせいた だければ幸いです。
    ガラスにアルミニュウム薄膜を蒸着してハーフミラーとしてよく使いますのでので、 45度傾けたアルミニュウムに可視光を入射するということは現実に良く行っている ことで、これといって特異な現象もなく、何ら不思議なことはありません。ところが、 HOC(Handbook of Optical Constants of Solid )によれば、Al(アルミニュウム)の波 長500nmにおける屈折率nと消衰係数kは、 n=0.769、k=6.08です。そこで第一の疑問といたしまして、

    >同様に、複素数の屈折率というのは、実数の電界に対しては実数の屈折率
    >(普通の意味での屈折率n)が適用され、速度が1/nになりますが、9
    >0°だけ位相ずれのある分極が起きると、エネルギーの散逸が生じ、虚
    >数の屈折率(消光係数κ)をもって振幅が減衰していくことを表してい
    >ます。

    Alの複素屈折率の実数部分は1より小さく、とすると、「速度が1/nになる」というこ とは、どう考えればよろしいのでしょうか?

    HOCのnkを使って、空気からAlに入射角45度で波長500nmの光を入射したときのAl内 の屈折角を実際に計算してみました。Alの複素屈折率NをN=0.769+i6.08とし、空気の Nを1として計算すると、45度で500nmの光を入射したときのAl内の角度は、 0.823-i6.545(degree)となりました。屈折角の虚数部が負の値になります。そこで第 2の疑問です。

    > このことから考えると、実数の電界が角度θoで入射して、実数の分
    >極は屈折角θ2の実数部の方向に進んでいきますが、90°位相がずれ
    >た分極は、屈折角θ2の虚数部の方向に減衰していくと解釈できると思
    >います。

    屈折角の方向が負の値というのは、どのように考えればよろしいのでしょうか?もし かしたら計算間違いかもしれませんが、何とぞよろしく御願い申し上げます。
    Date: Thu, 04 Apr 2002 00:40:48 +0900
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    A2: O様、佐藤勝昭です  金属の屈折角について詳細な解析に基づくご指摘を頂き有り難うございまし た。たしかに光の速度がc/nとすると、n<1のとき光速よりも速くなってしまい ます。こんなことは、物理的におかしいですね。
    c/nについては、もう一度元に帰って見ましょう。複素屈折率をN=n+ik (波をexp(-iωt)で考えています)と仮定するとc'=c/N=c/(n+ik)={c/(n2+k2)}*(n-ik) となるので、正確にはc'の実数部Re(c')=nc/(n2+k2)であって、 光速を超えることはありません。
    (後でつけた注:これは、n<1, k〜0 では成立しません。この議論は、誤りで、後述のように位相速度については、 光速より速くてよいと書くべきでした。)

     このように金属で屈折率nが小さな値をとるのは何故でしょうか。このために は誘電率の実数部を考える必要があるのです。Al(アルミニュウム)の波長 500nmにおけるn=0.769、k=6.08を用いると、ε1=n2-k2=-36.37と、大きな負 の値をとります。これは、金属の伝導電子による電界の遮蔽が起きて、中に入 り込めないことを示しています。たとえ入ったとしても入った光の大部分は吸 収されます。従って、金属の中のnの意味は、透明な誘電体のnのような意味を 失っている見かけのものだと言えましょう。
     屈折角の虚数部が負ということですが、これは、位相が90°遅れているか 進んでいるかの違いなのです。i=exp(iπ/2), -i=exp(-iπ/2)と考えればよい と思います。

    Date: Thu, 4 Apr 2002 02:04:29 +0900
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    Q3:佐藤勝昭先生、ご回答頂きまして、ありがとうございました。
    早々にお答えくださったにも関わらず、お礼が遅くなりまして、申し訳ございません でした。
    屈折率の問題は、簡単なようで、奥の深いものを感じます。この問題に関して疑問が 鬱積していましたので、しつこいようですが、もう少しお教えいただければ幸いです。

    > たしかに光の速度がc/nとすると、n<1のとき光速よりも速くなってしまい
    >ます。こんなことは、物理的におかしいですね。これについては、もう一度元
    >に帰って見ましょう。複素屈折率をN=n+ik(波をexp(-iωt)で考えています)と
    >するとc'=c/N=c/(n+ik)={c/(n2+k2)}*(n-ik)となるので、正確にはc'の実数
    >部Re(c')=nc/(n2+k2)であって、光速を超えることはありません。

     つまり、n/(n2+k2)は1より大きくなることはない、ということだと思うのです が、数学的には、nkの値が物理的に意味のある値の範囲で、n/(n2+k2)は1より大き く成り得ますし、また、実際にHOCによれば、Alの遠紫外域のnkの値ではn/(n2+k2) は1より大きくなります。例えば、72.93nmにおけるnkは、n=0.474、k=0.0423ですの で、n/(n2+k2)=2.09304になり、c'はcの約2倍にもなってしまいます。これはどの 様に解釈すればよろしいでしょうか?

    > 屈折角の虚数部が負ということですが、これは、位相が90°遅れているか
    >進んでいるかの違いなのです。i=exp(iπ/2), -i=exp(-iπ/2)と考えればよい
    >と思います。

    虚数部が負ということは実数部に対して90度位相が遅れた成分の角度と考えればよ ろしいのでしょうか?
    Alの波長82.66nmにおけるn=0.125、k=0.153という値で角度を計算すると、45度入射に 対して虚数部の角度が-113.024度になったのですが、これは、位相の90度ずれた成 分は反射されていると考えるべきなのでしょうか?
    しつこいようで申し訳ございませんが、何とぞよろしく御願い申し上げます。
    Date: Sat, 06 Apr 2002 01:44:37 +0900
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    A3:O様、佐藤勝昭です。
     確かに、ご指摘のケースではc'=c/N=c/(n+ik)で考えてもc'>cになりますね。c/Nは 単色平面波についての位相速度を与えています。従って、位相速度はcを超えているの でしょう。位相速度は光速を超えてもいいようです。昔(40年も前のことですが)、京 大の学生時代に湯川秀樹先生の「物理学通論」という講義を受けたことがあります が、先生は、「たくさんの人が旗をもって一列に並んでいて、予め打ち合わせておい て旗を上げれば、旗の上がる様子は光の速度より速く伝わっているように見えるよう にすることもできる。これが位相速度だ。」と説明しておられたのを記憶していま す。
     物質中を伝搬する光は、光と分極波の混成した状態となっていて、光の場と電気分 極の波との間でエネルギーのやりとりをしながら伝わります。そのため、通常の場合 (n>1の場合)は光は物質中を電気分極を引きずりながら伝搬します。それで、伝搬速度 は光速より遅くなるのです。逆にn<1のとき、光は電気分極との相互作用で、見かけ上 位相が進んだように見えるのでは無いでしょうか。これは、あくまで私の考えですか ら正しいかどうかわかりません。光学の専門家に尋ねておきます。

    Date: Sat, 6 Apr 2002 22:21:19 +0900
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    QQ: 佐藤勝昭先生、ご丁寧にご回答頂きましてありがとうございました。

    > 確かに、ご指摘のケースではc'=c/N=c/(n+ik)で考えてもc'>cになりますね。c/Nは >単色平面波についての位相速度を与えています。従って、位相速度はcを超えているの >でしょう。位相速度は光速を超えてもいいようです。

    X線が金属を通過する時に屈折率が1より小さくて、光速が見かけ上大きくなるのを説 明するために、よく位相速度と群速度の違いにおいて、位相速度は光速を超えてもよ いからという説明を見かけます。もう一つ、昔読んだ本の中で(本の題名著者失 念)、本来スネルの法則は、各空間における運動量の比が角度の正弦の比に等しいと すべきで、屈折率とは、あくまで運動量の比、あるいは波数の比とすべきで、運動量 の表現が媒質と媒質に入った電磁波、電子波などの相互作用によって異なるので、光 速を越えることはない、というものでした。例えば、光の運動量はp=hν/vですが、電 子波ではp=mvであると言う具合で、vのpに対する依存性が逆になっているので、ドブ ロイ波のような電子波で屈折率が1より小さくても光速を越えることはない云々とい う説明だったと思います。私には今一つ理解出来なかったので、もしかしたら位相速 度が光速を越えるということと、このことは同義かもしれませんが。X線の場合、金 属中においては、kはほとんど0でnが1より小さいという状況で、少し議論は単純か もしれませんが、遠紫外などにおいて、kが無視出来ない状況において、この運動量に よる解釈や位相速度による解釈とその結果必然的に出てくる複素数による屈折角の表 現など、統一して、何とか誰にでも説明出来るように、できれば物理的イメージを簡 単に描ける様に、理解できればと思っている次第です。一見簡単に見えるスネルの法 則ですが、ごく身近にある金属に対して適応するだけで、かなり難しいものになって しまうのが、不思議な気がします。結局私も含めて多くの一般の人が光が粒子性と波 動性の2面性をなかなかイメージ出来ないのと同様に、この問題も簡単にはイメージ できないかもしれませんし、もしかしたら、我々が受けてきた教育や世に出ている本 の中には、実はかなり省略された簡単なケースだけを説明してきて、本質を説明して こなかったために、ちょっとした応用において、すぐに破綻をきたしているのかもし れません。だとしたら、くやしいと思いますし、その為にも先生が主宰なさっている このHPは意義深いものがあると思いますので、今後のご活躍をお祈り申し上げます。 また、この件に関しまして何か解りましたら、何とぞご教授のほど、よろしく御願い 申し上げます。

    Date: Sun, 07 Apr 2002 16:18:18 +0900
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    AA: O様、佐藤勝昭です。
     本学物理システム工学科の光エレクトロニクス分野の三沢助教授にO様のメー ルを転送して、検討して頂きました。
     「複素屈折率でスネルの法則を適用したときの複素屈折角の物理的意味」 についての回答です。

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    複素屈折率の問題について、回答がまとまりましたので、お送りします。
    -------- ご質問のポイントを、
    1)複素屈折率でスネルの法則を適用したときの複素屈折角の物理的意味
    2)複素屈折率の実部がn<1となるときの位相速度の物理的意味
    3)例題として、空気からAlに入射角45度で波長500nmの光を入射した時の屈折角
    の3点に集約してみたいと思います。

    1)の回答だけでもかなり長くなりますので、まず1)についてのみお答えします。

    物理で扱う複素量は形式的なものであり、実際の物理量は実数量であるということは、 よく耳にすることと思います。波動の問題では、
    ψ(x,t)=Acos(kx-ωt)
    という波の式を
    ψ(x,t)=Aexp[i(kx-ωt)]
    と書き表しますが、これは「計算が終了した時点で実部をとる」という暗黙の了解に 基づいています。つまり、本当のところは
    ψ(x,t)=Re{Aexp[i(kx-ωt)]}
    と書くべきところをRe{}の部分だけ省略していると考えるべきです。
    では、この波の式はどこからでてくるのかというと、これはマクスウェル方程式から 導出される波動方程式
    ∂2ψ(x,t)/∂x2+k2ψ(x,t)=0
    という波動方程式の解となっています。

    一方、金属中を伝搬する電磁波の場合にマクスウェル方程式を変形していくと、波の 式を複素表示したときには、波数kの部分が複素数を許すとすれば、上の波動方程式 と同じ式の形になります。そこで、形式的な複素屈折率n=n+iκを定義することにな ります。

    ここで重要なのは、計算が終了した時点で実部をとる、という約束を忘れてはいけな いことです。
    波の式
    ψ(x,t)=Aexp[i(kx-ωt)]
    のkをk=nω/cと書き換えて代入すれば、
    ψ(x,t)=Aexp[i(nωx/c-ωt)]
    ここで複素屈折率に置き換えて
    ψ(x,t)=Aexp[i((n+iκ)ωx/c-ωt)]
    さらに変形すると、
    ψ(x,t)=Aexp[-κωx/c+i(nωx/c-ωt)]
    =Aexp[-κωx/c]exp[i(nωx/c-ωt)]
    となりますが、実部をとれば、
    ψ(x,t)=Aexp[-κωx/c]cos[ω(nx/c-t)]
    となります。
    この最後の実部のみが物理的意味があるものであり、その途中で実部と虚部をそれぞ れ議論することは、思わぬ誤解を招くことになります。この点がスネルの法則で複素 屈折角を表面的に捉えてしまう原因となっています。

    最後の式をみると、cos[ω(nx/c-t)]は通常の正弦波ですが、exp[-κωx/c]はxとと もに減衰する関数で、この部分が金属中に電磁波が進入するとともに消失していくこ とを物理的に表しています。

    さて、前置きが長くなりましたが、複素表示のスネルの法則は
    sinθt=(sinθi)/n
    となり、形式的にはn=n+iκと複素数になります。しかし、複素表示はあくまでも波 の式の中で使い、最終的に実部をとらなければなりません。
    そこで、金属中での波の式
    ψ(x,t)=Aexp[i(k・r-ωt)]
    を2次元的に考えましょう。ここで、k,rはベクトルとなります。光がxy平面内で金 属に入射したとし、界面方向をx軸、界面に垂直な方向をy軸ととると、この波の式は ψ(x,t)=Aexp[i(kx・x+ky・y-ωt)]
    と内積の形で書かねばならず、屈折角θtに対して、
    kx=nω/c sinθt, ky=nω/c cosθt
    と成分表示します。この時の金属内での屈折角θtがスネルの法則に従い、形式的に 複素数だとします。

    しかし、重要なのは、「この時点で屈折角の実部と虚部の物理的意味を議論してはい けない」、ということです。

    ここで、スネルの法則から
    kx=(n+iκ)ω/c sinθt=(n+iκ)ω/c (sinθi)/(n+iκ)=ω/c (sinθi)
    ky=(n+iκ)ω/c cosθt=(n+iκ)ω/c √1-sin2θt
    =(n+iκ)ω/c √1-(sinθi)2(n-iκ)2/(n2+κ2)2
    とkxは実数で、kyは複素数になります。
    計算の簡略化のために
    kx=kxr
    ky=kyr+ikyi
    とそれぞれの実部と虚部kxr,(kxi=0),kyr,kyiを使って表してみます。すると、
    波の式は
    ψ(x,t)=Aexp[i(kxr・x+(kyr+ikyi)・y-ωt)]
    =Aexp[i(kxr・x+(kyr+ikyi)・y-ωt)]
    =Aexp[-kyi・y]exp[i(kxr・x+kyr・y-ωt)]
    となり、最終的に実部をとって、
    ψ(x,t)=Aexp[-kyi・y]cos[i(kxr・x+kyr・y-ωt)]
    この最終的に実数となった式で初めて物理的意味を議論することになります。

    ψ(x,t)=Aexp[-kyi・y]cos[i(kxr・x+kyr・y-ωt)]
    この式より、波は金属中をベクトル(kxr,kyr)の方向に進み、振幅は界面に垂直なy方 向に進むにつれ、減衰する、という解釈となります。金属中の電磁波でおもしろいの は、
    「波が界面に斜めに進んでいるとしても、振幅は界面からの深さだけの関数として減 衰する」
    という点です。

    ご質問の答えとしては、屈折角は
    tanθ=kxr/kyr
    から計算すべきで、スネルの法則を単純に適用した複素屈折角から議論してはいけな い、というのが結論となります。

    Date: Wed, 10 Apr 2002 21:03:05 +0900
    ---------------------------------------------------------
    QQ:この度は、私の興味本位の質問に対してご丁寧にフォローいただき、誠にありがとう ございました。
    また、三沢和彦先生におかれましたは、実にご丁寧にご解説いただき、感激いたしま した。
    内容をじっくり読ませていただき、よく理解できました。
    今後はさらにこれをもとに自分なりに式などをフォローして、他の人にもわかりやす く説明できるようにしたいと思います。
    三沢和彦先生にccまたはお礼のメールを差し上げることも考えましたが、直接ではあ りませんでしたので、突然で失礼に当たるかと思い、誠にお手数をおかけして申し訳 ないとは存じ上げますが、何卒よろしくお伝え下さいますよう、お願い申し上げます。 今後ともよろしくお願い申し上げます。

    取り急ぎお礼まで。
    Date: Thu, 11 Apr 2002 11:39:13 +0900
    ---------------------------------------------------------------
  • 85.

    リンゴはなぜ赤い


    Q: 初めまして、入社して3日目の私なんですが、印刷業界に入社したのですが、こんな 質問をされて、困っています。なぜ、林檎は赤く見えるのでしょうか?佐藤先生教え て頂けないでしょうか?
    突然このようなメールを送って申し訳ありません
    Date: Thu, 4 Apr 2002 22:34:55 +0900
    -------------------------------------------------------------------
    A: kenji様、佐藤勝昭です。
    「なぜ、林檎は赤く見えるのでしょうか」という質問には、2つの意味が含ま れています。
    1つは、化学的な原因をたずねる質問です。
    リンゴの皮には、アントシアン系の色素が含まれています。これは、美しい花 の花びらや紅葉する葉に含まれている色素です。酸と結合すると赤く発色しま す。この色素を透過し、散乱されて出てきた光は、波長600nm-700nmの波長の光 が多く含まれています。 もう1つは、この波長帯の光が「赤く見える」ということは、どういうことかとい う質問です。これは、測色学の分野であって、人間の目の仕組みと結びついて います。人間の視細胞には、赤、緑、青の波長帯に感じる3種類の視細胞しか ありません。この3種類の細胞の刺激の度合いによって色が区別されていま す。リンゴでは赤(610nm-780nm)を感じる細胞のみが刺激されるので赤く見えま す。ミカンから反射・散乱されてくる光は、550-700nmの波長帯の光が多く含ま れています。すると赤に感じる細胞と緑に感じる細胞とが刺激されて、黄色に 感じます。
    印刷の会社では、光のp3原色(赤、緑、青)の代わりに、その補色である色 の3原色(シアン、マゼンタ、黄色)を使います。前者は加色混合で、後者は 減色混合です。マゼンタの色素は、緑を吸収して、青と赤が出てきます。一 方、黄色の色素は青の色素を吸収して赤と緑が現れます。マゼンタと黄色を重 ねると、赤のみが透過して赤く見えます。

    Date: Fri, 5 Apr 2002 01:27:16 +0900
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  • 86.

    振幅反射率とエネルギー反射率


    Q: 初めてメール致します。
    基礎的な事で恐縮なのですが、なかなか納得できず教えて頂きたいのですが、 標題にあります振幅とエネルギー反射率(透過率)の意味が、理解できません。 できるだけ、簡単に説明していただけないでしょうか。
    宜しく御願い致します。
    Date: Sat, 13 Apr 2002 15:57:47 +0900
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    A:MK様、佐藤勝昭です。
     光は電磁波です。電界と磁界が直交して伝搬します。
    電界をEとしますと、電磁波のエネルギーPは|E|^2に比例します。
    電界についての複素反射率rを考えると、入射光の電界をEin、反射光の電界をErefと して、
     r=Eref/Ein
    として表されます。一方、エネルギーの反射率Rは, 入射光のエネルギーPin、反射光 のエネルギーPrefとすると、
    R=Pref/Pin=|Eref|^2/|Ein|^2=|r|^2
    と表されます。
    Date: Sat, 13 Apr 2002 18:33:10 +0900
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  • 87.

    斜めギザギザ構造からの発色(反射光)について

    Q: T社のYです。
    HPを拝見し、その内容の高さ・濃さに感激しております。 構造発色に関して、直角三角形の斜辺を上にして並べた構造(刧刧凵Fこれらを隙間 なく並べた構造です)からの反射光の色は、回折でしょうか?干渉でしょうか? 私の理解の範囲は、以前の御質問にもあったCDの虹色は回折(2dsinθ=nλ)、水 面上の油膜の虹色は干渉(4ndcosθ=mλ、n:屈折率)が分かっている程度です。光 学の素人に、分かりやすく解説頂きたくよろしくお願い致します。
    Date: Fri, 19 Apr 2002 21:46:14 +0900
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    A: T社Mさん、佐藤勝昭です。  メール有り難うございました。 斜めギザギザ構造の周期が光の波長程度のものは、一般に「回折格子」と呼ばれてお ります。隣り合う構造の滑らかな面で反射された光線の間の干渉で生じる回折によっ て着色します。溝の中心の間隔d、入射角Θi、回折角(強めあって出てくる方向)Θ d、単色光の波長λとすると、nを整数として  d(sinΘi−sinΘd)=nλ の関係により、隣り合う溝から反射した波面間の光路差が波長の整数倍の時に強め あって回折光が出てきます。従って、回折現象には干渉の現象が関与しています。 Date: Sat, 20 Apr 2002 20:22:40 +0900
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    Q2:佐藤先生、早速にお答え頂き、誠にありがとうございます。

    恐れ入りますが、再度、お教えください。
    「干渉で生じる回折」という表現が分かりにくく、再度ご説明いただけますでしょう か?
    すると、@細溝構造、A積層膜構造、B斜めギザギザ構造からの反射光の着色の現象 は、すべて異なる原理的と考えてよろしいでしょうか? また、これらの回折および干渉光を強くするには材料の特性がどうあるべきでしょう か?
    Date: Sun, 21 Apr 2002 09:57:07 +0900
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    A2;Y様、佐藤勝昭です。
    基本的には、@細溝構造、A積層膜構造、B斜めギザギザ構造のいずれも光の干渉が 関係しています。Aは積層方向に見たとき1次元のファブリペロー共振器で、特定の 波長の光のみを反射または透過します。@Bは回折格子で波長に応じた特定の角度方 向に反射する現象です。Aの変形として誘電体の円柱を2次元に並べた2次元フォト ニック結晶もあります。特定の波長帯の光の伝搬が抑制される現象です。いずれも光 の波動の振幅が特定の位置で強調される現象で、一般にブラッグ反射と呼ばれる波動 の位相の強めあいが関与する現象です。
    ギザギザなど2次元の構造を作る場合は、方向によって色が変わりますから、玉虫 色(虹彩色iridescence)といわれます。オパールの虹色はコロイド状に微粒子が規則 的に配列したことによって生じる典型的なiridescenceです。2次元フォトニック結晶 という見方もできます。
    Date: Sun, 21 Apr 2002 16:35:48 +0900
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    Q3:佐藤先生
      またもや早速にご連絡頂きありがとうございます。
      Aの構造では、反射強度R=(n1^2-n2^2)/(n1^2+n2^2):n1,n2は屈折率:の原理的 な関係がよく知られておりますが、@、Bには、このような構造を形成している物質 の特性との関係が明らかではないか、種々の要因があって単純に明記できないとのこ とでしょうか?
    何度も申し訳ありません。
    フォトニッククリスタルは私も大変興味があります。
    また、将来ご質問させて頂くかもしれません。
    Date: Sun, 21 Apr 2002 16:56:05 +0900
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    A3:Y様、佐藤勝昭です。
     回折格子からは高次光が回折しますが、回折光が特定の次数に集中するよう構造を 最適化したものをブレーズ格子といい、最も強い回折が生じる出射角をブレーズ角と いいます。
     回折格子の効率については、その道の専門書があるはずです
    Date: Sun, 21 Apr 2002 23:30:16 +0900
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    AA:佐藤先生
    ご丁寧なご回答いただき、おぼろげながら、全体像がわかったような気がしていま す。ありがとうございました。私の知識のなさで、的を得ていない質問多々あったと 思いますが、即答いただき、先生のこのような啓蒙活動にあらためて、敬意を表しま す。専門書で勉強意欲が湧いてきました.
    Date: Mon, 22 Apr 2002 01:59:47 +0900
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  • 88.

    空気と水の質量


    Q1: こんにちは。
    以前質問をさせていただいたAと申します。
    その節は大変ありがとうございました。
    その後も先生のHPを拝見し、楽しみながら勉強させていただいております。

     さて、再び分からない問題が出てきてしまいましたので、よろしければ教えていた だけますでしょうか。
    物質の質量の事です。
    気体や液体が、他の物質に与える影響を調べております。
    ものの本で、空気の質量は28.986gということが分かりましたが、水(淡水)や海水 の質量は何グラムなのでしょうか。
    地上と水中での影響を比率で比較したいので、重さを知りたいのです。
    また、質量の求め方などやさしい計算などあれば、教えていただけますでしょうか。
    いつもかってな質問をさせていただいて申し訳ありませんが、宜しくお願いいたしま す。
    Date: Mon, 22 Apr 2002 03:17:03 +0900
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    A2: A様、佐藤勝昭です。
     メール有り難うございます。HPをお読み頂き感謝します。
    > ものの本で、空気の質量は28.986gということが分かりましたが、
    > 水(淡水)や海水の質量は何グラムなのでしょうか。
    さてご質問の「質量」とは、単位体積あたりの質量(密度)でしょうか。
    1モルの質量でしょうか。空気の28.89というのは1モル(22.4リットル) の分子量のことです。密度にしますと1.29×10^-3g/cm^3です。空気の 密度は、温度や気圧によって異なります。詳細は、理科年表(丸善)の 「物理/化学」の物性の項にあります。
    水の密度は、もともと体積の単位の定義に使われていたのです。1964年 までは1リットルとは「1気圧において最大密度の温度(約4℃)におけ る純粋な水1kgの体積が1000.028cm^3である」と定義されていたのです。
    従って、細かいことをいわなければ密度は1.00です。しかし、厳密には、 水の密度は温度によって異なります。これも理科年表に出ていますので ご自分でお調べ下さい。「淡水」という言い方は、川の水という意味で しょうか? その場合は、含まれるミネラルなどによって大きく変化す ると思います。同じ理科年表によれば、海水の密度は、1.01-1.05と書 かれており、これは場所によってかなりのばらつきがあるのだと思いま す。
    > 地上と水中での影響を比率で比較したいので、重さを知りたいのです。
    何に対する影響ですか?浮力のことをおっしゃっているのでしょうか? 浮力については、排除した体積に液体の密度をかけただけの力が上向き に働くことが知られています。
    > また、質量の求め方などやさしい計算などあれば、教えていただけま
    >すでしょうか。
    物質の化学式がわかれば、原子量を使って1モルあたりの分子量を求め ることができます。1モルとは22.4リットルです。従って気体の場合は、 分子量を22400cm^3で割れば密度が得られます。固体結晶の場合は、結 晶の単位胞に何分子入っているかを調べ、単位胞の体積を調べて、まず 1分子あたりの体積を計算し、アボガドロ数倍すれば1モルの体積がわ かります。先に求めた分子量を、この体積で割れば単位体積あたりの質 量、すなわち密度が計算できます。(ただし、1気圧、25℃における 値です。)液体や非晶質の物質の密度は、それほど簡単ではありません。 構造のモデルを立ててやれば、計算できると思いますが、モデルに依存 するので、実際には実験的に決めるしかないと思います。
    Date: Tue, 23 Apr 2002 12:35:30 +0900
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    Q2:   早速の質問への回答ありがとうございました。
    実は今回、ものが地上と水中で落下する時受ける抵抗を調べておりました。(地上で は風、水中では対流(海流)などの影響は無視して)
    詳しい事は私には分かりませんが、引力による落下は地上では空気による抵抗を受 け、水中では水による抵抗を受けるわけですよね。
    そのとき落下する同じ物体が受ける抵抗は、地上と水中ではどの位(何倍)違うのか を知りたかったのです。
    先生のご説明を拝見すると、水は空気より1000倍(978倍)の重さがあると解 釈してよろしいのでしょうか。(細かい事は無視したとして)
    また、地上で「A」というものを落下させた時に受ける抵抗を「甲」とした時、 「A」を1000%(978%)に拡大して水中で落下させれば受ける抵抗は「甲」 になるのでしょうか。

     今になって、大学は物理を専攻しておけば良かったと悔やまれます。 いつもご面倒をおかけしてすみません。
    また、私の説明の不備から、ご理解され難いかと思われますがお許しください。
    Date: Wed, 24 Apr 2002 02:27:23 +0900
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    A2: A様、佐藤勝昭です。
     抵抗は、質量だけでなく、流体の粘性が関与する現象です。
    この問題は、流体力学など複雑系の物理の専門家がお答えした方がよい と思いますので、私の学科の複雑系工学講座の先生にこのメールを転送 して考えて貰います。
    Date: Wed, 24 Apr 2002 21:05:41 +0900
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  • 89.

    ガラスの高温での結晶化


    Q: ME会社のDAVIDです!
    HPを拝見し、その内容の高さ・濃さに感激しております
    基礎的な事で恐縮なのですが、なかなか納得できず教えて頂きたいのですが 非晶質ガラスを13500℃まで加熱するとき、結晶化が加熱段階で起こりますか? そして、核生成は普通表面で起こりやすいが、そのとき物質の移動は融液と関係が 有りますか?、もし関係があるとしたら、その融液がどこから来ましたか? もう一つは1350℃でできた結晶は冷却する時は相転移などが状態図に従って 起こる可能性がありますか?分かりやすく解説頂きたくよろしくお願い致します。
    Date: Wed, 24 Apr 2002 11:36:52 +0900
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    A: DAVID様、佐藤勝昭です。
     HPをご覧いただき有り難うございます。
    私はガラスの関係の仕事をしていないので、正しくお答えできる自信が ありません。ガラス関係の専門家にお尋ね下さい。
     一般論ですが、非晶質を加熱するとき結晶化が起きることはあります。 たとえば、非晶質合金を空気中で加熱するとき、酸素と反応して結晶が 形成されるようなケースです。また、もともと液体状態が無理やり凍結 して非晶質になったため、熱平衡では存在しない組成となっていたよう な場合にゆっくり昇温したことで平衡状態として相分離や析出が起きた りして、結晶相が現れる様な場合です。これは、DTAなどを測定すれば ピークが生じるのでわかると存じます。この際の結晶相分離は、核発生 と成長という過程をとると思われますが、今のような場合に必ずしも、 表面からとは限らず、反応熱などによって不均一な部分から析出が起き る可能性もあります。そのとき、平衡状態図上は融液と共存ということ もあり得ます。
    一般論でお答えしました。
    Date: Wed, 24 Apr 2002 12:27:19 +0900
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  • 90.

    励起子ポラリトン


    Q: こんにちは。筑波大学の小山と申します。
    以前、GaAsの屈折率とキャリア密度の依存性について(特に屈折率の増大に関し て)の質問をしました。その節は、非常に有用な回答を頂き、ありがとうござい ました。おかげさまで実験データの解析もすることができ、今、論文を執筆して おります。本当にありがとうございました。

    今回も宜しくお願い致します。
    半導体(主にGaAs系)を用いた光デバイスとして励起子ポラリトンを用いたレーザ が提案されていると聞きました。興味を持ったので、色々な文献をあたってみた のですが、十分な認識を得るに至りませんでした。そこで、Webにて検索したと ころ、佐藤先生の質問への回答ページに「励起子ポラリトン」の言葉を見つけま した。
    突然のメールで失礼ですが、もし、よろしければ

    @励起子ポラリトンについて
    Aそれを用いたレーザ発振について

    教えて頂けませんでしょうか?また、それに関する文献などありましたら、お教 え下さい。
    お忙しい中、すみませんが、宜しくお願い致します。

    失礼します。

    Date: Sun, 12 May 2002 16:54:37 +0900
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    A: 小山様、佐藤勝昭です。
     メール有り難う。前の回答がお役に立てて嬉しいです。
    ご質問の励起子ポラリトンについてお答えします。
    ポラリトンというのは、ω-k分散のグラフにおいて、光学モードのフォノンの分散曲 線と、光の分散関係(ω=ck)がクロスするときに、相互作用があると、両方の分散曲線 に反発が起き、上の分枝(upper polariton)と下の分枝(lower polariton)の間に分裂 が生じ、ギャップが開くことが知られています。アルカリハライドのレストストラー レン反射はこれによります。光子とフォノンが相互作用しているため、光とイオン分 極がエネルギーのキャッチボールをしている状態になっています。
     励起子ポラリトンは、光とカップルする相手が光学フォノンではなく、励起子であ るという点が、ポラリトンとの違いで、upper polariton, lower polaritonの分散が 分裂する様子は、同じです。光子と励起子(電子分極)がエネルギーのキャッチボール をしている状態です。スタンフォードのサイトに
    山本先生による よい講義録が載っています。
     20年くらい昔に、CuClなどで励起子ポラリトンが見出され、現阪大教授の伊藤正 先生が東北大学におられた頃に、非線形光学を用いた研究論文を出しておられまし た。
     GaAsやGaN系の量子構造に閉じ込められた励起子ポラリトンについては、非線形光学 特性など面白いことが多いのですが、レーザへの応用研究が始まったのはごく最近のことです。 励起子ポラリトンについては、私の友人の1人で東大の五神真教授 gonokami@ap.t.u-tokyo.ac.jpが詳しいので、そちらにおたずね下さい。
    Date: Mon, 13 May 2002 00:59:20 +0900
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  • 91.

    金属の熱膨張係数


    Q: こんにちは。B社でプロジェクターの研究・開発をしておりますYと申 します。
    先生のHPを興味深く拝見させていただきました。とても分かり易く書かれていてHPの 維持にもかなりの時間と労力が使われていることに敬服いたしております。

    私も最近仕事を続けていくうちに基本的なことで分からないことが山ほど出てきてそ の都度先生の書かれているようなサイトを見ては基礎知識を増やしている毎日です。 今後ともこのような物性の啓蒙活動をされていかれることを切に希望いたします。

    今回お尋ねしたいのは、金属の熱膨張係数と線膨張係数の違いです。ガラスと同じく らいの熱膨張係数を持つ材料をHPより探していたところ、この2つの表記にあたり、 よく分からなくなってしまいました。

    熱膨張係数は単位(/℃)として書かれているのに対し、線膨張係数については(at 22℃)と書かれていて単位が見当たりません。熱膨張係数というからにはその金属に 熱を加えた場合に体積の膨張する度合いを示すものと考えられますが、線膨張係数と いうのはいったい何を示すのでしょうか?また具体的には直径10mm長さ30mmのニッケ ルに100℃の熱を均一に加えたとすると、その長さの変化はどのように計算すればよ ろしいのでしょうか?

    ちなみに某HPではニッケルの熱膨張係数は0℃〜100℃で13.3x10^-6/℃ 線膨張係数 は(x10^-5)22℃ということです。

    お忙しいこととは存じますがよろしくお願いいたします。
    Date: Thu, 16 May 2002 18:33:43 +0900
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    A: Y様、佐藤勝昭です。
     メール有り難うございます。
     膨張率(膨張係数)についてのご質問ですが、理化学辞典(岩波)によれ ば、「圧力一定のもとで物体が膨張するとき、その比率の温度変化に対 する割合を表す量。普通は体積変化に関する体膨張率α=(dV/dθ)/Vo、 (Vは体積、θは温度、Voは0℃における体積)を意味するが、固体の場 合は、長さの変化に対する線膨張率β=(dl/dθ)/lo,(lは長さ、loは0 ℃における長さ)を用いることもある。・・・(中略)・・膨張率の定義 としては、標準にとる体積や長さを上のようにVo, loとしないで、α= (dV/dθ)/Vのように各温度での体積や長さに対する相対的な比を用いる こともある。」と書かれています。
     新版「物理定数表」(朝倉書店、1969)では、固体の線膨張率として、 β=1/l(dl/dT)とする定義を採用し、Niについて293K(20℃)でのβとし て、12.8×10^-6 deg^-1と記されています。
     ご質問の熱膨張係数(単位deg^-1)は、長さに対する膨張率である「線 熱膨張率」を表しています。
     長さ30mmのNiに100℃だけ温度上昇させたときの伸びdl=β×l×100= 12.8×10^-6(deg^-1)×30(mm)×100(deg)=12.8×3×10^-3(mm)=3.84× 10^-2(mm)となります。直径の方は無視して下さい。
     一方、各温度におけるdl/lo(長さの伸びを0℃における長さで割った もの:無名数)は「線熱膨張」と定義されています。さきほどの線熱膨 張率を用いて、22℃の「線熱膨張」を計算すると、dl/lo=β×22=12.8 ×10^-6(deg^-1)×22(deg)=28.2×10^-5となります。

     ホームページは便利ですが、きちんとしたことは、ご面倒でも図書館 まで足を運んで、きちんとした書店から出ている書物で調べられた方が、 安全だと思います。
    Date: Thu, 16 May 2002 20:00:54 +0900
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    AA:佐藤勝昭教授殿、

    Y@Bです。丁寧なご回答ありがとうございました。
    やはり図書館に自分の足を運んで調べてみることは基本ですね。 ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
    Date: Fri, 17 May 2002 11:05:55 +0900
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  • 92.

    カーボン粒子を含むゴムの誘電損失


    Q: 佐藤先生。
    どうもはじめまして。A社のNと申します。
    誘電体材料の現象についてご指導頂きたくメールいたします。
    ゴム中にカーボン粉末を分散させたシートの誘電率虚部(周波数10〜80GHz)は、 どのようなメカニズムで誘電損失を生じているのでしょうか。
    参考書等で調べてみると、高い周波数(周波数10〜80GHz)では、静電容量に電流が 流れるため、抵抗にも電流が流れると書いてあるのですが、今ひとつピンときません。 また高周波での誘電損失を上げたい場合、材料のどのような物性値、形態を制御すれ ば良いのでしょうか。
    突然のご質問、大変恐縮なのですがご指導いただけないでしょうか。
    よろしくお願いいたします。
    Date: Mon, 20 May 2002 16:09:27 +0900
    -----------------------------------------------------------
    A: A社N様、佐藤勝昭です。
     メール有り難うございました。
    ゴムは誘電体で、カーボンは伝導体(電気抵抗体)ですから、 カーボン粉末を分散させたゴムシートは、等価的には抵抗Rとコンデン サCが直列につながった回路と見ることができるでしょう。すると、こ の回路のインピーダンスはZ=R+(1/iωC)と書けます。
     もしωが1/RCよりも小さいならばR<<1/iωCとなるのでZ=-i/ωCとな って、ZはCのみで表されます。従って見かけの誘電率は実数部のみとな り損失は無視できます。逆にωが1/RCよりも大きいならばZ=Rとなり、 見かけの誘電率は虚数部のみとなります。
     Rが小さいほど損失は大きくなるのですが、クロスオーバの周波数ω= 1/RCも大きくなるので、高い周波数でしか効果がありません。
     カーボン粒子の抵抗を下げるには、低抵抗金属の添加(グラファイト 構造にはいろんな金属をインターカレートできるので、低抵抗化可能) がよいのではないかと存じます。
     これ以上は、一般論の範囲を超えますので、別途ご相談下さい。
    Date: Mon, 20 May 2002 16:40:39 +0900
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    AA: 佐藤先生
    早速のお返事どうもありがとうございました。
    大変参考になりました。等価回路として考えると納得いきます。
    また今後もご指導のほどよろしくお願いいたします。

    まずはお礼まで。
    Date: Tue, 21 May 2002 08:14:28 +0900
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  • 93.

    亜鉛の光吸収係数


    Q: 私はT大学のTと申します。先日、私の先輩が金属の光吸収係数について 佐藤先生に質問メールを差し上げ、回答をいただきました。ありがとうござ います。金属の光吸収係数はSpringerから出ているLandolt-Boernsteinの ハンドブックシリーズがあり、その中のNew SeriesのV-15bという巻のp210 からのOptical properties of pure metals and binary alloysという節の中に 単体の金属は載っているという事はわかりました。しかし私たちの大学の図書 館にその本はなく、コピーを取り寄せることなら出来るようなのです。そのため ページ数を指定しなければならないので、金属、特に亜鉛(Zn)の光吸収係数 が載っている具体的なページ数を教えていただけないでしょうか?文章が長く なってしまい申し訳ありません。どうかよろしくお願いします。
    Date: Mon, 20 May 2002 23:09:46 +0900
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    A: T様、佐藤勝昭です。  LB II-15b p.372-373です。かなり荒っぽいデータしかありません。 今、図書館にいってコピーしてきたので、scannerでjpgとしたものを添 付します。
    p372, p373
    Date: Tue, 21 May 2002 11:08:19 +0900
    ---------------------------------------------------------
    Q2:  昨日メールを差し上げたT大学のTです。Znの定数表 をわざわざ送っていただき、大変ありがとうございます。 感謝しております。ところで、このデータでは5μm〜8μm、 特に8μmの光吸収係数を求めることはできるのでしょうか? 8μmのZnの光吸収係数を知りたいのですが、どうしたらよい のでしょうか?昨日に引き続き、お忙しいところ大変恐縮です が、どうかよろしくお願いします。
    Date: Tue, 21 May 2002 13:51:51 +0900
    ---------------------------------------------------------
    A2:T様、佐藤勝昭です。
     メール有り難うございます。あの表から、読みとれないとは、勉強不 足ですね。λ=8μm(hν=1.2398/λ=0.155eV)における消光係数は、表 からκ=40.7ですから、消光係数と吸収係数の関係式α=2πω/c=4π κ/λを使えば、
     α=4×3.14×40.7/8×10^-6[m]=6.39×10^7[m^-1]
     =6.39×10^5[cm^-1]となります。
    (α=2πω/cについては、たとえば、山田興治、佐藤勝昭他著:機能 材料のための量子工学[講談社1995] p.148をご参照下さい。)
    Date: Wed, 22 May 2002 12:46:38 +0900
    -----------------------------------------------------------
  • 94.

    CIS太陽電池におけるCdSの役割


    Q: はじめまして、T大学、工学研究科応用理学専攻N研のEといいます。
    突然で申し訳ないのですが、いくつかお聞きしたいことがありますので、答えて頂けるとうれしいです。

    質問1
     現在、私はCIS太陽電池の界面層であるCdSの研究をおこなっております。 ここで、CdSの役割ですがp‐CIS上に、n‐ZnOを直接製膜しますと両者の 接合がうまくゆかないということで、界面層としてCdSが用いられているわ けですが、このうまくゆかない理由が知りたくて今回メールさせて頂きました。 以下に現在自分が考えております理由を示しておきます。
    1.  CISの表面は非常に凹凸が激しいためこのような表面上にはZnOがうまく   製膜できないのではないだろうか。
    2.  CISのバンドギャップが1.04eV、一方のZnOは3.2eVであり両者のバンド   ギャップの大きさに3倍程度の差があるためバンドの接合がうまくゆか   ないのではないだろうか。
    といったようなことを考えてみたのですが、確かなことがわかりませんので、 是非教えて頂きたいと思います。

    質問2
     CBD法によるCdSのCIS上への製膜が、PVD法で行なった場合よりも良いとされ る理由はいくつかありますが、その中の1つにCBD法によるCdSは高抵抗である ため、太陽電池のシャントパス抵抗を低減できるというものがあります。とこ ろで、シャントパス抵抗とはなんなのでしょうか。またこの抵抗を低減できる から良いとされるのは何故なのでしょうか。ぜひ教えて下さい。

     大変お忙しいとは思いますが以上の件よろしくお願い致します。 それでは、失礼します。
    Date: Wed, 22 May 2002 19:49:25 +0900 (JST)
    ----------------------------------------------------------------
    A: E様、佐藤勝昭です。
     私は、最近はCIS太陽電池から遠ざかっているので、最新の解釈がど うなっているのか把握できていないのですが、私の知る範囲でお答えし ます。

    > 質問1
    > 1. CISの表面は非常に凹凸が激しいためこのような表面上にはZnOがうまく
    >   製膜できないのではないだろうか。
    sato> CISがでこぼこであっても、CdSは付着するのですから、それは理 由にはなりません。CISではa=5.78Å、CdSの閃亜鉛鉱構造ではa=5.8Å なので、格子整合に近いのですが、ZnOはウルツ鉱構造で、格子定数はa =3.25、c=5.2ですから格子定数の違いの方が関係しそうですが。
    > 2. CISのバンドギャップが1.04eV、一方のZnOは3.2eVであり両者のバンド
    >   ギャップの大きさに3倍程度の差があるためバンドの接合がうまくゆか
    >   ないのではないだろうか。
    sato> CdSの働きは、当初考えられたn形層としてではなく、障壁(バリ ア)層として働いていると考えられています。CBDでは、CdがCISに拡散 して界面付近がn形層となって、Burried junctionになっているのでは ないかとされています。龍谷大の和田先生はその立場です。ZnOをスパ ッタやMOCVDなどでつけても、Znの拡散が起きないのでn-CISができない ということも考えられます。実際昭和シェル石油では、CBDでZn系の膜 をつけて高い効率を出しています。
    >
    > 質問2
    >  CBD法によるCdSのCIS上への製膜が、PVD法で行なった場合よりも良いとされ
    > る理由はいくつかありますが、その中の1つにCBD法によるCdSは高抵抗である
    > ため、太陽電池のシャントパス抵抗を低減できるというものがあります。とこ
    > ろで、シャントパス抵抗とはなんなのでしょうか。またこの抵抗を低減できる
    > から良いとされるのは何故なのでしょうか。ぜひ教えて下さい。
    >
    シャントというのは並列という意味です。太陽電池では、pn接合の拡 散電位差を用いて電子とホールを分離し、さらにCIS/CdSではCdSバリア 層によって、キャリアの再結合を防いでいますが、CdSが低抵抗だと、 並列に抵抗をつないだのと同じになって、再結合が起きるのでしょう。 詳しくは、太陽電池に関する書物をお読み下さい。

    なお、T大学開発工学部の勝井先生、松下先生のグループはCISをは じめ多元化合物を研究しています。そちらにもお尋ね下さい。
    Date: Wed, 22 May 2002 21:01:07 +0900
    ------------------------------------------------------------
    Q2: T大学、工学研究科 N研のEです。

    わざわざ質問に答えて頂きありがとうございました。もう1つ質問させていただきます。

    質問
     CIS上に直接ZnOが製膜し難いのは格子整合のためだということですが、 単結晶膜ならば格子不整合がデバイスの能力を大きく左右するというこ とがわかるのですが、多結晶膜の場合格子整合だとか結晶構造の違いだと かいったことはどの程度効いてくるのでしょうか。

    度々質問して申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。 それでは、失礼します。
    Date: Wed, 22 May 2002 22:08:25 +0900 (JST)
    -----------------------------------------------------------
    A2: E様、佐藤勝昭です。
     以前にCdS/CISのTEM像を見たことがありますが、CdSはCIS多結晶膜のそれぞれの結 晶粒に対してエピタキシャルに成長していました。下地(基板)が多結晶の場合も、格 子整合がとれる系では、上に載せた膜の結晶は下地と無関係に成長するのではないよ うです。このあたりが、重要な点と思います。
    Date: Thu, 23 May 2002 00:23:43 +0900
    -----------------------------------------------------------
    AA2: T大学、工学研究科 N研のEです。

    度々、質問に答えて頂きありがとうございました。
    今後も質問(疑問が生じる度に)させて頂きたいと 思いますので、よろしくお願い致します。 それでは、失礼します。
    Date: Thu, 23 May 2002 01:53:01 +0900 (JST)
    -----------------------------------------------------------
  • 95.

    bilayer-CIS太陽電池における低抵抗CdSの役割


    Q3-1:T大学、N研のEです。
    いつも質問させて頂いております。

    以前、佐藤先生にCIS太陽電池デバイスを作製するにあたりバッファー層の CdSが高抵抗である方が良い理由をお聞きしました。ところで最近、CIS/CdS (高抵抗)/CdS(低抵抗)/ZnOというデバイス構造があることを知りました。 この低抵抗のCdSの役割は何なのでしょうか。もしご存知でしたら教えて下さ い。
    よろしくお願い致します。それでは、失礼します。
    Date: Sat, 6 Jul 2002 00:44:48 +0900 (JST)
    ---------------------------------------------------------------
    A3-1:E様、佐藤勝昭です。
     多分低抵抗CdS/ZnOの界面の性質を改良するためだと思います。
     私はその論文は知りません。現論文を読んでみて理由が書いてないか確かめて下さ い。それでもわからないなら、その論文をお送り下さい。
    Date: Sat, 6 Jul 2002 01:06:05 +0900
    ---------------------------------------------------------------
    Q3-2:Eです。
     前回の質問であるCIS/CdS(高抵抗)/CdS(低抵抗)/透明導電膜という 構造についてですが、この構造は論文にではなく次の本にかかれていました。
      薄膜太陽電池の基礎と応用
      小長井 誠 編著

    この本にCIS太陽電池について書かれている章があり、“bi‐layer”法による 作製の説明をしている部分で図示されていた構造です。この構造をもう少し正確 に記述しますと、
    ガラス/Mo(2μm)/CuリッチCIS(2μm)/InリッチCIS(1μm)/ 高抵抗CdS(0.05μm)/低抵抗CdS/透明導電膜

    となっております。これは、私の推測ですが、CdSは1980〜90年前半では主 に真空蒸着法により作製されていたようです。このときのCIS(or CdTe) 太陽電池におけるCdSは窓層として考えれていたようで、特性としては低抵抗、 高透過率のものが求められていたようです。様々な論文をみますと、Inなど をドープしてひたすら低抵抗化しようとしています。したがって、この構造 はバンドギャップの異なる窓層を2層積層していると考えられます。しかし、 このような構造を作ることでどのような利点があるのかわかりません。
    以上の事柄につき何かコメントを頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。
    それでは、失礼します。
    Date: Tue, 9 Jul 2002 23:16:49 +0900 (JST)
    ---------------------------------------------------------
    A3-2: E様、佐藤勝昭です。
     bi-layer法はCISの作製技術としては大変クラシックなもので、CBD- CdSがまだ使われなかった頃のものです。これはBoeing社のMickelsenら が開発した手法です。Cu-rich CISは結晶性がよくgrainが大きいので、 最初はこれを蒸着しますが、ほとんど金属的なので、In-rich層を蒸着 して全体としてほぼstoichiometryに持っていきます。この上に窓層の CdSを蒸着法で作製するのですが、CdとInの相互拡散を防ぐために低温 でCdSを積みます。しかし、これでは高抵抗になるので、Inなどを添加 したCdSを低抵抗化して、透明電極とのマッチングをとっていました。
     1970年代の話ですから、Eさんもあまり深く追求する必要はない と思います。
     それから、何度も言うようですが、私は、最近CISから離れているの で、龍谷大学の和田先生twada@rins.ryukoku.ac.jpなど、この関係の最 近の専門家にメールされることをお勧めします。
    Date: Wed, 10 Jul 2002 19:07:13 +0900
    ---------------------------------------------------------
    Q3-3: Eです。
     前回の質問に対しての解答ありがとうございました。ところで、 佐藤先生は私のことを理論家と思われているのではないでしょうか。 実は私は実験家であります。CdSの作製は現在CBD法が主流でありま すが、CIS太陽電池デバイスの量産を考えた場合間違いなく、オール ドライプロセスでデバイスを作製した方が効率はいいはずです。そ こで、私は敢えて抵抗加熱の真空蒸着法によりCdSを作製しておりま す。しかしどのような実験をすればオリジナルになるのかというこ とで現在頭を悩ませております。さて、今日佐藤先生から頂いた解答 に関しましていくつか疑問点がありますので、質問させて頂きます。
    CdとInの相互拡散を防ぐために低温でCdSを積むと高抵抗になるという ことですが、このとき抵抗値はどの程度の値なのでしょうか。私の経験 ですと例えば室温でガラス基板上にCdSを堆積さますと、抵抗値は室温で 数kΩです。CBD法でもCdSを作製したことがあるのですが、このとき抵 抗値は室温で数百MΩでした。したがいまして、私のCdSに対する認識と しましては数kΩという値は低抵抗であるということになります。また、 低抵抗化して透明電極とのマッチングをとるということですが、何の マッチングをとるのでしょうか。

    お手数ですが、解答の方よろしくお願い致します。
    龍谷大学の和田先生にも前回佐藤先生にさせて頂いた質問をしてみようと 思います。メールアドレスなど教えて頂きありがとうございました。
    それでは、失礼します。
    Date: Wed, 10 Jul 2002 22:08:38 +0900 (JST)
    ---------------------------------------------------------
    A3-3:E様
    E様、佐藤勝昭です。
     Boeing社のCdSについて論文に書いてある以上のことまで私が知っているわけがない でしょう。
     なんでもQ&Aは、特定の問題についてコンサルタントするためのものではなく、 みんなが情報を共有するとよい話題についてお答えするものです。
     まして、私は、あなたの指導教官ではありません。もっとコミットせよというなら N先生を通じてきちんとしたルートで話しを つけて下さい。ネットでのサービスに甘えてはいけません。
    Date: Fri, 12 Jul 2002 00:37:51 +0900
    -------------------------------------------------------------
    Q3-4:Eです。
    度々の質問で佐藤先生の時間をとらせてしまい申し訳ありませんでした。 確かに、私はネットでのサービスに甘えておりました。すいませんでした。
    それでは、失礼します。
    Date: Fri, 12 Jul 2002 02:57:15 +0900 (JST)
    -------------------------------------------------------------
    Q4:Eです。
    前回は本当に申し訳ありませんでした。あのような議論は、よくよく 考えてみれば自分の指導教官とすべきことでした。おいそがしいとこ ろ、申し訳ありませんが今回も質問させて頂きます。
    CIS系にかぎらず、太陽電池にはサブストレート型とスーパーストレート型 の2種類の構造があります。今のところ、CIS系太陽電池においてスーパー ストレート型では高い変換効率は得られていないそうですが、異なったバン ドギャップをもつCIGSを用いてタンデム型の太陽電池を作成するとき、スー パーストレート型は重要な技術になるそうです。それはなぜなのでしょうか。
    お忙しいところ、申し訳ありませんが解答を頂ければ幸いです。
    それでは、失礼します。
    Date: Sun, 14 Jul 2002 16:12:38 +0900 (JST)
    ------------------------------------------------------------
    A4: E様、佐藤勝昭です。
     サブストレート形というのは現行の大部分のCIS電池のように金属基 板の上にCIS/CBD-CdS/透明電極とした構造です。当然のことながら光は 膜側から入れます。これに対してスーパーストレート形は、アモルファ スシリコン太陽電池のように、透明基板側から光を入れるタイプをいい ます。この場合は透明基板側に窓層を置く必要がありますから、透明基 板上に透明電極をつけその上にCBD-CdSをつけ、その上にCIS多結晶をつ けます。タンデム構造だと、このCISの上にバンドギャップの狭い材料 の太陽電池構造を積むことになります。
    サブストレート形でタンデムにしようとすると、狭いバンドギャップ材 料をMo/ガラス等につけ、その上にCISをつけることになります。
    スーパーストレートでも、タンデムのサブストレートでもMo/ガラス以 外の基板にCISを成膜しなければならないので大きな結晶粒が得られな いので、なかなか難しいのです。
    Date: Thu, 18 Jul 2002 19:59:43 +0900
    --------------------------------------------------------------
    AA4:Eです。
    お忙しい中丁寧な解答をありがとうございました。
    それでは、失礼します。
    Date: Thu, 18 Jul 2002 23:17:02 +0900 (JST)
    --------------------------------------------------------------
  • 96.

    高熱伝導率材料


    Q: 佐藤勝昭先生、はじめまして。 私は、ウシオ電機勤務の池内満と申します。先生のHPの「物性 なんでもQ&A」を拝見させていただきました。
        連続的にハイパワーで動作するデバイスの場合、廃熱が重要な問題になります。 高い熱伝導率を持つ絶縁体材料として、BeO、c-BN、ダイヤモンド、グラファイト(C 軸に垂直な方向)、SiC、AlN等がありますが、室温付近で、これらの材料がなぜ高い 熱伝導性を示すのかがわかりません。
      Kittelの「固体物理学入門」によると、フォノンによる熱伝導率Kとして
        K = (1/3) C v l
    (C:比熱、v:フォノンの速度、l:フォノンの平均自由行程)を導いています。サファ イアのように、低温における熱伝導率は高くても、高温(室温)では、フォノン散乱 が増加するため、熱伝導率が急激に低下するのは理解できます。なぜ、上記のような 材料は、熱伝導率の低下が少ないのか、不思議です。(CuやAgのように、熱伝導に電 子輸送の寄与が大きいものは納得できるのですが。)
      室温付近で、高い熱伝導率を持った絶縁体材料は一般的にどのようなものなのか、 その材料の作製できる可能性について、ご教授いただければ幸いです。
    Date: Fri, 24 May 2002 09:54:50 -0700
    ------------------------------------------------------------
    A: 池内様、佐藤勝昭です。
     絶縁体材料の熱伝導はフォノンによるものです。一般的には、
           Θ
    κ∝(T^3/vs)∫ τ(ω)(x^4/(e^x-1)^2)dx
           0
    ただし、x=(h/2π)ω/kTです。kはボルツマン定数です。
    ここにT:温度,vs:音速,Θ: デバイ温度、ω:フォノン周波数,τ : 散乱時間 です。(Callaway:Phys. Rev. B (1954) 1046)
    デバイ温度は、関与するフォノンの周波数の上限をνmとするとΘ=hνm/kで与えられ ます。フォノンの周波数は元素の質量のルートに反比例しますから軽い元素ほどνmは大きい のでΘは高くなります。
    散乱の緩和時間τの逆数は散乱の確率を表しますが、これは、欠陥による散乱、ウム クラップ散乱、粒界散乱の和になっています。従ってこれらの散乱が小さいほど緩和 時間τは長くなります。
    BeO、c-BN、ダイヤモンド、グラファイト(C>軸に垂直な方向)、SiC、AlN等はいずれ も比較的軽い元素から構成され、デバイ温度が高いという点は共通でしょう。
    その他には、粒界散乱の少ない単結晶がよいとか、欠陥の少ないものがよいとか、挙 げることができます。
    Date: Sat, 25 May 2002 01:13:25 +0900
    -----------------------------------------------------------
    AA: 佐藤勝昭先生、
      池内満です。 早速、丁寧な御返事、ありがとうございました。
    高熱伝導材料を探すための、考え方の取っ掛かりがわかりました。「デバイ温度が高 く、不純物や欠陥の少ない単結晶の材料」という方向で調べてみます。
    今後とも、ご指導のほど、よろしくお願いします。
    Date: Sat, 25 May 2002 07:59:14 -0700
    -------------------------------------------------------------------------
  • 97.

    水の結合角


    Q: Mです。ご多忙中のところを大変恐縮ですが、佐藤勝昭先生にお教えを賜りたくメールをさせ ていただきました。水(液体)のH−O−Hの結合角度の測定に関しまして素人の立場から質問させてい ただきます。水ビジネスとしてこれまで多くの種類の水、あるいは浄水装置が販売されてい ますが、身体に良いという医療面での利用から、配管や容器のスケール除去にいたるまで、多 岐にわたっております。その中で水の結合角度が104.5度という記述が多く見受けら れますが、その結合角度は本当に正しく、固定した値なのでしょうか。
    下記の点につきまして教えていただきますようお願い致します。
    (1)液体の水の結合角度を実際に測定し、角度を求めた研究者名、測定装置、測定方法
    (2)その結合角度を求めるまでのステップ(計算式を含む)
    (3)温度の影響、あるいは試験装置からの材質成分の溶出等による不純物の影響が もし考えられるとすれば、結合角度にどのような影響を及ぼしていることが考 えられるでしょうか。鉄、亜鉛、銅、・・・等の金属不純物の混入による結合角度への 影響はどのように考えたらよいでしょうか。
    (4)液体としての水の結合角度の測定を日常のルーチン分析としてとらえた場合、 簡単に実施できるものでしょうか。それとも結合角度を測定することは非現実的なこ とでしょうか?
    (5)塩類によるものではなく、浄水装置を通した結果、凝固点(氷点)がマイナス 5度Cという水があったと仮定した場合、その水の結合角度に変化が起きていることは考え られるでしょうか。たとえば結合角度が145度、あるいはそれ以上に大きくなるようなことが起 こり得るでしょうか。
    以上、よろしくご教示をお願い致します。
    Date: Tue, 28 May 2002 15:22:57 +0900
    ---------------------------------------------------------------
    A: M様、佐藤勝昭です。  メール有り難うございました。集中講義のため新潟大学に出張していたためお返事 が遅くなり申しわけありません。
     私は、固体物理が専門なので、液体の分子のことはよくわかりません。それで、私 の所属する学科で、化学に詳しい鵜飼先生に尋ねてみました。
    鵜飼先生は、「・・・このようなことにきちんと答えられる人が果しているでしょうか?私 ではお役にはたちませんし、どなたか代わりの人といわれても、すぐに思い当たりま せん。」ということで、一般論としてと断った上、次のようなサジェスチョンを頂き ました。取り急ぎ、それをもって返答とさせて頂きます。
    ----------------------------------------------------
  • 私のわかる範囲ではぼんやりとしかお答えできませんが、水の結合角の測定は 基本的にM様の目的にはそぐわないように思われます。
    「水の結合角度が104.5度」というのは気相の水の結合角です。多分、水蒸気の 電子線回折で決めたものとおもいます。ポテンシャルエネルギー曲面の最低エネル ギー位置を言っているに過ぎず、3モードのゼロ点振動で揺らいでいます。平均角度 が測定されるだけです。量子化学計算による孤立した水分子の結合角は、かなりよく 再現されています。また、温度が上がれば回転分布があがり、平衡原子配置はずれま す。
    そもそも結合角はOH結合の電子対と、O原子の孤立電子対の反発によるものです。 液体の水の中では水素結合がありますので、不純物が混じる以前に電荷の不均衡、2 つのHO結合(水素結合があれば実質3つのHO結合)の不均衡を起こして結合角は 変わっていると思います。具体的にいくつかは知りませんが多分角度が開くのではな いでしょうか。
    また衝突により絶えずついたり離れたりしていて同一の構造を保っていないと思いま す。水の中での H^+の移動度がものすごく高いのは電子移動して水素結合の位置を変 えるだけで、実質 H^+が輸送できたことになってしまうからです。 またすべての水が中性ではなくて10^-7程度は電離して、H3O^+ とOH^-になって、その まわりに水分子がついてイオンのクラスターを作っています。
    今だと液体の水の角度は放射光による回折やEXAFSなどが利用可能だと思います が、不勉強で成果を知りません。ルーチン分析としては可能だと思いますが。
    「浄水装置を通した結果、凝固点(氷点)がマイナス5度Cという水があったと仮定 した場合、その水の結合角度に変化が起きていることは考えられるでしょうか。たと えば結合角度が145度、あるいはそれ以上に大きくなるようなことが起こり得るで しょうか。」というご質問ですが、これは何かそういったデータをおもちなのでしょ うか?例えば減圧条件で水を凍らせてみたとか、冷却のし方で過冷却状態を作ってし まったとか?どちらにせよ相転移していなければ液体の状態と代わらないと思います が。
    以上正確なところがわからずご質問に対してはまったくお役にたたず申し訳ありま せん。
  • ------------------------------------------------------------------
    ということです。
    他の方にも当たってみますが、ご質問にぴったりの研究者はいないのではないかと存 じます。
    Date: Fri, 31 May 2002 01:21:54 +0900
    ------------------------------------------------------------------
  • 98.

    太陽電池の本


    Q: こんにちは、T大学工学研究科、N研のEです。
    佐藤先生。
     太陽電池に関する本についてですが、今私は薄膜太陽電池の基礎と応用 と言う本を時間があるときに読んでおります。しかしもっと基礎的なこと 例えば、太陽電池の発電原理などから書いてある本で何か佐藤先生のお勧 めの本がありましたら、ぜひ教えて下さい。
    よろしくお願いいたします。

    それでは、失礼します。

    Date: Sat, 1 Jun 2002 17:47:03 +0900 (JST)
    ----------------------------------------------------------------
    A:E様、佐藤勝昭です。
     太陽電池の基礎に関しては「太陽エネルギー工学」(浜川・桑野編、培風館1994)がおす すめです。ISBN4-563-03603-X C3355です。
    Date: Sun, 2 Jun 2002 16:19:05 +0900
    -----------------------------------------------------------------
  • 99.

    ランセット磁区


    Q: はじめまして。高岡と申します。

    調べ物をしていたところ佐藤先生のホームページに検索であたり、訪問をさせていただきました。
    なんでもQ&Aというコーナーで質問をさせていただきます。
    磁区観察をするにあたって、ランセット磁区というものがどういうものなのか(B-Hカーブへの影響など) わからないのでよろしかったら教えていただけないでしょうか。

    あと、磁区の特性等でお勧めの文献がありましたらよろしかったら、お願いいたします。

    基本的な質問で大変恐縮で申し訳ありませんが、 よろしかったらおねがいいたします。
    Date: Fri, 31 May 2002 22:13:25 +0900 (JST)
    -----------------------------------------------------------------
    A: 高岡様、佐藤勝昭です。
     Lancet磁区というのは、変圧器の磁心に使われる{110}面で<001>の方 向性を持った方向性電磁鋼板(Goss鋼板)において、磁化容易軸が表面か ら約1°以上傾いたとき現れるランセット形(尖頂アーチ形)の補助磁区 のことです。
     詳細は、文献をお読み下さい。
    A. Hubert et al. Z. Angew. Phys. 15 (1965) 521. Y.A.S.Shur et al. Fitz. metal. metalloved., 22 [5] (1966) 702. 詳しくは、専門家、たとえば、新日鐵の新井聡さん にお尋ね下さい。
    Date: Mon, 3 Jun 2002 12:40:29 +0900
    --------------------------------------------------------------------
  • 100.

    金属結合について


    Q:佐藤勝昭先生、ウシオ電機勤務の池内満です。 先般、高熱伝導材料について御指導 いただき、たいへん、ありがとうございました。
        さて、金属の原子間ポテンシャルを探していて、金属結合とは何なのか、わから なくなってしまいました。 金属原子の原子間ポテンシャルとして
      Φ(r) ∝ (cos(a r))/r^3 (a=4πsqrt(2mEf)/h)
    のような、周期的に変動しながら小さくなる表記がありました。
    (河村行雄著「パソコン分子シミュレーション」 海文堂 1990、p.19、2.10式)
      金属結合について、先生のホームページの「金属についてのQ&A」コーナーで、 次のように説明をされています。
    (11)マイナスの電荷の海にプラスの電荷が浮かんでいて、プラスの電荷が等間隔 に並ぶと静電エネルギーが低くなる。
    (15)...金属結合は、原子の外殻電子のうちs,p電子が結晶全体に広がることによっ て全エネルギーが低下することが原因です。

      イオン結合や共有結合の場合は、原子どうしが近づいたときのクーロン力や交換 力のような、はっきりした物理的イメージが持てるのですが、金属結合については、 イメージがつかめません。 『金属の場合(たとえばNaの場合)、原子どうしが近づ き、3s電子が摂動をうけ、エネルギー的に拡がったバンドを形成し、バンドの下に沈 んだ電子の持つエネルギーと自由空間のエネルギーの差が結合エネルギーになる』と 漠然と思っていました。しかし、この描像では、なぜ「プラスの電荷が等間隔に並ぶ」 のか、わかりません。また、プラスイオンは電子によって静電遮蔽されていてイオン の電子殻どうしが接触しない限り、大きな斥力にはならないのではないでしょうか?
        金属の電子構造にとって重要な「周期的なプラス電荷の配列」の成因と、金属中 のプラスイオンの感じる(原子間)力について、ご指導いただきたく、よろしくお願 いします。
    Date: Wed, 05 Jun 2002 19:16:02 -0700
    ------------------------------------------------------------------
    A:池内様、佐藤勝昭です。
     金属の凝集(Cohesion in metals)は固体物理の古くて新しい問題で、 ほとんどの固体物理学の教科書が扱っています。
    古くは、Zeitz:Modern Theory of Solids (McGraw-Hill, 1940)Section 78 (p.348-)
    近藤淳「金属電子論」(裳華房1983)第4章のp.60付近。
    最近では、M.P.Marder: Condensed Matter Physics (John Wiley&Sons, 2000) Chap.11 Cohesion of Solids, 11.4 Metals (p.272-)にわかり やすく論じてあります。
    凝集エネルギーを自由電子球同士の距離Rsの関数として書くと、電子雲 とイオン殻の古典的なクーロン相互作用、電子の運動エネルギー、交換 エネルギーの和で書かれ、Rs=1.6a0の時に極小になります。これは、実 験結果の値が2-6であるのと比べて小さいのですが、これは電子相関の 効果だと考えられています。
    いずれにせよ、電子同士、電子とイオンのさまざまな相互作用の結果自 由電子球同士がある距離離れて周期的に並ぶとエネルギーが極小になる と考えているのです。
    詳しくは、上記参考書をお読み下さい。
    Date: Wed, 5 Jun 2002 20:57:49 +0900
    -------------------------------------------------------------------
    AA:佐藤勝昭先生、池内満です。
     御多忙の中、早速の御返事、ありがとうございました。 御紹介いただいた本を調べてみます。
      まずは、お礼まで。
    Date: Wed, 05 Jun 2002 21:50:41 -0700
    -------------------------------------------------------------------
  • 101.

    誘電体中の光の伝搬


    Q:Mです。光の伝搬について1つお聞きしたいことがあるんですけど、光が誘電体の中に入ると 誘電体の反対側からまた光が出てきますよね?つまり光は伝搬してますよね?
    その仕組みというか、どうやって光は伝搬しているかを簡単でいいので教えていただ けると有難いのですが。
    よろしくお願いします。
    Date: Mon, 17 Jun 2002 17:14:14 +0900
    ---------------------------------------------------------------------
    A:M様、佐藤勝昭です。
     よい質問ですね。
     光は、誘電体に入ると、誘電体の中で電気分極を引き起こします。こ のとき、光のエネルギーは失われません。(virtualな励起状態だから です。)誘電体中では、光の場と電気分極の波とがエネルギーのやりと りをしながら進んでいきます。誘電体を出て行くときは、電気分極から エネルギーを返して貰って、純粋な光に戻るのです。
    ------------------------------------------------------------------
     誘電体中を伝わるときは、電気分極の波を引きずりながら進むので、 光の位相速度が遅くなるのです。
    Date: Mon, 17 Jun 2002 18:29:33 +0900
    ------------------------------------------------------------------
  • 102.

    うつぶせの洗面器


    Q:はじめまして。武井と申します。
    物性なんでもQ&Aを見て来ました。
    場違い、不躾な質問で申し訳ありませんが、 ネット上で調べてみてもわかりませんのでご教授ください。

    昨夜、小学1年生の娘とお風呂に入っていると、 洗面器を逆さにしたまま水中から持ち上げようとして、 「どうしてこんなに重たいの?」と尋ねられました。
    どうして洗面器内の水の量以上に重くなるのでしょうか?
    私は表面張力ではないかと思いましたが、 その線で調べてみても回答は得られませんでした。
    ぜひご教授くださいますようお願い申し上げます。
    (子供にも理解できるように教えていただけると なおさらありがたいです。)

    追伸。
    「リンゴはなぜ赤い」勉強になりました。
    独学で物理を勉強しようとしていた中学生の頃を思い出しました。
    Date: Fri, 28 Jun 2002 21:14:20 +0900
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    A:武井様、佐藤勝昭です。
    メール有り難うございます。
     洗面器の水が外に流れ出ないのであれば、洗面器を底面積S,高さhの円 柱とすると、底面積S,高さhの水柱があるのと同じですから、水柱の重 さだけのはずです。洗面器内の水の量以上に重くなるというのは 引き上げようとするとき、もっと下の水まで引き上げようとするので、 重く感じるのでしょう。もし、深さが無限の洗面器なら、10mまで水を持ち 上げることができます。それ以上あげると天井に真空ができてしまいま す。 Date: Wed, 3 Jul 2002 12:23:19 +0900
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  • 100.

    誘電体を含むコンデンサ


    Q: はじめまして。私は工業大学の大学院生でFと申します。
    今回、佐藤先生にお尋ねしたいのは電磁気学の誘電体を含む平行板コンデンサーの話です。
    この分野の本をいろいろと調べてみたのですが、よく理解することができなかったので、 思い切って質問のメールを送ることにしました。

      図のように並行板コンデンサーの間に誘電体が挿入されているときの静電容量を考えたいのですが、これを図(a)のように分けて考えた場合と図(b)のように分けて考えた場合では、それぞれ違う答えが出てしまいます。(a)の考え方の方が正しいそうですが、なぜ(b)の考え方では正しい答えが出ないのでしょうか?
    Date: Sun, 07 Jul 2002 23:07:45 +0900
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    A: F様、佐藤勝昭です。
     メールありがとう。質問に答えます。
    (a)図の左のコンデンサにおいて右のコンデンサと同じ位置(破線)で電位を 計算すると、左のコンデンサではV/2ですが、右のコンデンサではV/(1+εr)と なって、電位差が異なるのです。もし電位が等しければ(b)図のようにしても よいでしょうが、電位が等しくないので、(b)とは等価ではないのです。
    Date: Tue, 09 Jul 2002 01:13:26 +0900
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    QQ: ご返答ありがとうございます。
    こうやって先生の説明を読むと、本当に基本的なことだったなぁと思います。 ちょっと難しく考え過ぎていました…
    本当にありがとうございます。
    Date: Tue, 09 Jul 2002 17:47:52 +0900
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  • 104.

    電子レンジによる炭素の加熱


    Q: 佐藤勝昭先生,突然のメールで失礼します。
    同志社女子中高物理科の北野功治と申します。
    電子レンジに炭素の粉をいれて加熱すると,マイクロ波を吸収してたいへん高温にな るのですが,そのメカニズムがよくわからず困っています。ご教示いただけましたら 幸いです。どうぞよろしくお願い致します。
    Date: Mon, 8 Jul 2002 21:12:21 +0900
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    A: 北野様、佐藤勝昭です。
     電子レンジによる物質の加熱には、誘電損失によるものと、直接の抵 抗損失による分があります。
     水やご飯が加熱されるのは、誘電損失があることが原因です。電子レ ンジではマイクロ波を物質に当てますが、この電磁波によって分子が振 動するときに、電磁波と位相をそろえて振動すれば吸収は起きないので すが、分子振動が電磁波の振動から遅れると、電磁波の吸収が起きます。 これによって物体の加熱がおきます。
     一方、また、物質に電気伝導性があっても、マイクロ波の吸収が起き ます。金属は電気伝導性がよく損失が非常に大きいのですが、抵抗が低 すぎて表面付近でマイクロ波の電界をショートしてしまうので、表面付 近でバチバチと放電してしまいます。炭素は適当な大きさの抵抗をもち マイクロ波が中に侵入するので、その抵抗成分によってマイクロ波が吸 収され加熱されるのです。カーボンに直流電源をつないだとき加熱が起 きるのと同じ原理です。
    Date: Tue, 9 Jul 2002 12:07:08 +0900
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    QQ:佐藤勝昭先生 私の「電子レンジによる炭素の加熱について」のメールに早速ご返答いただきたいへ んありがとうございます。
    抵抗損失という,水の加熱とはまったく違う仕組みで加熱されていたのですね。 水の場合もマイクロ波の振動数で振動することが熱運動になると(勝手に)考えてい ましたので,ずれが加熱の原因という点が特に勉強になりました。
    お忙しいところをわざわざ早速にご返答いただき感動です。どうもありがとうござい ました。
    Date: Tue, 9 Jul 2002 12:33:00 +0900
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  • 105.

    物質の温度低下について


    Q: 始めましてN電気工業の林と申します。先生ひとつ教えてください。物質には金属、 非金属などいろいろな物質があると思いますが、外気温が低下していったときにそれ につられて最も早くかつ低下していく物質は何でしょうか?できればイオン化傾向の ように順番をつけて知りたいのですが。つまり変温動物ならぬ変温物質を知りたいの です。特にガラスより早いものかつ低下するものが知りたいです。よろしくお願いし ます。
    Date: Mon, 8 Jul 2002 22:29:22 +0900
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    A: 林様、佐藤勝昭です。
     メール有り難うございます。
    よく海水は温まりにくく冷めにくいのに対し、陸地は暖まりやすく冷め やすいので、昼と夜で温度差が逆転して、昼と夜では逆方向の風が吹く などという話を聞かれると存じます。これは、陸地の比熱が海水の比熱 より小さいことによります。比熱とは、「単位質量の物質の温度を単位 温度だけ上昇させるのに要する熱量」(岩波:理化学辞典)です。陸地 は砂や岩石でできているとすると、その比熱は0.84ー1.0(Jg^-1K^^1)で す。これに対して水の比熱は4.2、海水は3.93です。従って、陸地は海 より4倍も暖めやすく冷めやすいのです。
     このように暖めやすさ冷めやすさを表すのが比熱です。正しくは定圧 比熱容量というのだそうですが、これが小さいものほど、冷めやすいと いえます。この一覧表は、理科年表(丸善)に掲載されています。たとえ ば、2002年版のp504には様々な物質のモル熱容量が載っています。(こ れはモルあたりですから、グラムあたりにするには、分子量で割る必要 があります。)これによれば、モル熱容量は物質によらずほぼ一定値で 20-50JK^-1mol^-1という値をとります。質量あたりにするとずいぶん差 がでます。
    種々の物質の比熱容量(グラムあたり)は1986年版理科年表のp468に出て います。同じガラスでも、クラウンガラスは0.67, フリントガラスは0. 50, パイレックスは0.78, 石英ガラスは0.84-1.04です。岩石やセラミ ックスで ガラスより小さなものは見あたりません。金属や合金なら比 熱容量の小さなものはいっぱいあります。真鍮は亜鉛の含有量で異なり ますが0.37程度と小さく、ステンレスは0.51程度です。
    化学便覧にも多くの物質の比熱が掲載されているので、参考にしてくだ さい。
    Date: Tue, 9 Jul 2002 11:47:38 +0900
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  • 106.

    ハーフメタルについて

    Q: A社のBです。昨日(2002.07.11)の結晶工学スクールでは短い時間にもかかわらず、 バンドダイヤグラムに関する御話をわかりやすくして頂きありがとうございまし た。
    そこで質問があるのですが、お答えできる範囲で御回答して頂けないでしょうか?
    (質問)
    御講演の時に出てきました「ハーフメタル」についてよくわかっていません。 御話の中で「TMR、スピン偏極で注目されている…」とおっしゃっていました。 単語からスピントロニクスに関することだと思います。

    講演のときのOHPの図だとdownスピンが占有するバンドは半導体的であり、 upスピンが占有するバンドは金属的である物質=ハーフメタル という認識で正しいのでしょうか? (図面からの想像)

    もし上記の私の解釈が正しければなぜupスピンとdownスピンでバンドが違うのか?

    講演ではハーフメタルとしてPtMnSbを例示されていました。
    Mn(3d電子系)はHund則によると5重縮退しており、軌道量子数l=3からdownスピン、 次にl=2にdownスピン、…と先にdownスピンが占有するので、upスピンとdownスピン の電子の占有率が異なるのでそれがバンドに効いてきている(?)のでしょうか?

    またもし上記の私の認識が正しい場合は、PtMnSbのつくる結晶場によって、5重縮退 が分裂する(?)可能性はないのでしょうか?(その場合、downスピンとupスピンはどの ように占有されるのでしょうか?)

    以上、生半可な今までの知識(特にHund則)で自分なりの考えを記載しましたが、 御回答よろしく御願い致します。
    Date: Fri, 12 Jul 2002 15:41:40 +0900
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    A: B様、佐藤勝昭です。
     大学の自己評価作業と、21世紀COE(いわゆるトップ30)の作 業がかち合っていて、お返事が遅くなりました。
    ご質問の件簡単にお答えします。
    > (質問)
    > 御講演の時に出てきました「ハーフメタル」についてよくわかっていません。
    > 御話の中で「TMR、スピン偏極で注目されている…」とおっしゃっていました。 単語からスピントロニクスに関することだと思います。
    >
    > 講演のときのOHPの図だとdownスピンが占有するバンドは半導体的であり、 upスピンが占有するバンドは金属的である物質=ハーフメタル という認識で正しいのでしょうか? (図面からの想像)

    sato> その認識で結構です。

    > もし上記の私の解釈が正しければなぜupスピンとdownスピンでバンドが違うのか?

    sato> 講演でもお話ししたように、Feにおいても、d-電子帯のうちup- spinバンドとdown-spinバンドは交換相互作用のために分裂しています が、分裂が十分でないため、up-spinバンドとdown-spinバンドの重なり が生じています。もし、up-spinバンドがそのままで、down-spinバンド だけがずっと高いエネルギー位置に移動したなら、ハーフメタルになる でしょう。実際のハーフメタルのバンド構造はもっと複雑なので、そん なに単純ではありませんが・・・。

    > 講演ではハーフメタルとしてPtMnSbを例示されていました。
    > Mn(3d電子系)はHund則によると5重縮退しており、軌道量子数l=3からdownスピン、 次にl=2にdownスピン、…と先にdownスピンが占有するので、upスピンとdownスピン の電子の占有率が異なるのでそれがバンドに効いてきている(?)のでしょうか?

    sato> PtMnSbにおけるMnのd電子軌道はPtやSbの電子と混成しています からそんなに単純ではありません。Mnのモーメントは4μBですからMn3+ になっています。バンド計算でハーフメタル性を指摘したのはオランダ のde Grootら(JAP 55, 2151 ('84))です。計算したらそうなったという だけで、詳細な解釈はありません。その後多くの人が計算を手がけてい ます。H.Ebertの相対性理論を取り入れた理論的考察(JAP 69, 4627 (1991))によればMn3dバンドの交換分裂は3eVもあり、down-spinの3dバ ンドは、フェルミ準位より1eV上にあります。V.N.Antonovによる最新の バンド計算では、Mn のdown spin3d帯とSbのdown spin 5s, 5dが混成し てdown spin側の伝導帯の底を作っています。down spinの価電子帯の頂 はPtの6p, Mnの4p, Sbの5pが混成して形作っています。一方、フェルミ 準位付近のup spinのバンドは主としてMnのp-d混成軌道にPtやSbのpが 加わったものとなっています。

    > またもし上記の私の認識が正しい場合は、PtMnSbのつくる結晶場によって、 5重縮退が分裂する(?)可能性はないのでしょうか?(その場合、downスピンと upスピンはどのように占有されるのでしょうか?)

    sato>PtMnSbのような系では、局在したMnイオンのイメージで結晶場を 考えることができません。なぜなら、多数の自由電子の存在のために、 核からのクーロン力や、Hund則に効く電子間のクーロン相互作用は遮蔽 を受け、もとの形ではあり得ないのです。また、混成のために、原子の 軌道角運動量はよい量子数ではなくなっています。従って、ご質問のよ うな局在モデルでなく、結晶全体に広がったバンド電子のモデルの方が、 この系をよく説明できるのです。
    Date: Thu, 18 Jul 2002 19:29:46 +0900
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    AA: 佐藤勝昭 様
    御世話になります。A社のBです。
    メール拝読致しました。
    御多忙な業務の中、御返答して頂き、ありがとうございました。 教えて頂きました文献で勉強させていただきます。

    従来の半導体(独立した一電子の近似モデル)と違い、 このようなPtMnSbなどの物質は局在電子と遍歴電子の相関がある多電子のモデルな ので難しいのですね…。

    また、勉強してわからない事があるとは思います。 そのときはまた御質問などさせていただく事があると思いますが、よろしく御願い 致します。
    Date: Fri, 19 Jul 2002 10:46:36 +0900
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  • 107.

    X線消滅則について


    Q: 同志社大学機能材料工学科のSC-219です。  ホームページを見て、初めて質問メールをします。x線回折における消滅則に ついて、各構造について出来たら教えてください。
    Date: Fri, 12 Jul 2002 18:38:51 +0900
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    A: SC-219様、佐藤勝昭です。  超多忙のため、お返事が遅くなりました。
     X線回折の消滅則については、Kittelの第2章に詳しく説明してあり ますから、それを読んでください。
    体心立方格子では、指数(v1,v2,v3)に対してv1+v2+v3=奇数なら消滅 面心立方格子では、3つとも奇数か、3つとも偶数でないと消滅 すべての構造については、International Table of Crystallographyと いう書物を参考にしてください。
    Date: Thu, 18 Jul 2002 19:45:12 +0900
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  • 108.

    光学定数から薄膜の反射率を計算できますか?


    Date: Mon, 29 Jul 2002 17:19:55 +0900
    Q: はじめまして。N社Sと申します。

    先生のHPを拝見させて頂き、光学定数に関する質問等を見つけました。かねてか ら疑問であった点について、ご教授願いませんでしょうか?

    表題にも書きましたが、薄膜(厚さd、約50nm)の光学定数n、kの各波長 においての測定値が判っている場合、その値から、単色光が垂直入射したときの 薄膜からの反射率を計算することが出来ますでしょうか?それとも何か不足の ファクターがありますか? 計算式が分かると有り難いのですが。

    よろしくお願いいたします。
    ---------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 29 Jul 2002 22:03:51 +0900
    A: S様、佐藤勝昭です。
     薄膜の吸収や反射には、多重反射と干渉が関与してきます。
    薄膜の場合、空気と基板の界面、基板との界面という2つの界面が関与してい ます。(もちろん基板の裏からの反射も多少関係ありますが、通常は無視しま す。)
    空気(屈折率1とします)と薄膜の界面での電界の反射率r0, 電界の透過率t0と しますと、
    r0=(1-n-ik)/(1+n+ik), t0=1-r0
    膜から空気への反射率は-r0、透過率は1+r0です。
    一方、薄膜と基板(屈折率ns)の電界の反射率r1, 電界の透過率t1については、
    r1=(n+ik-ns)/(n+ik+ns), t1=1-r1
    となります。
    従って、反射の電界Erは、(空気との界面での反射光)+(基板との界面での反射光 が空気との界面を透過した光)+(基板での反射光が空気との界面で反射され、 基板で反射し空気との界面を透過した光)+・・・・となります。薄膜の中を通過 するとき、光は位相の変化を受けるので、それも考慮すると、
    Er=E0r0+E0(1-r02)r1exp(i2φ){1-r1r0exp(i2φ)+(-r1r0)2exp(i4φ)+・・}
    =E0r0+E0(1-r02)r1exp(i2φ)/{1+r1r0exp(i2φ)}
    =E0{r0+r1exp(i2φ)}/{1+r1r0exp(i2φ)}
    と表せます。ここにφ=2π(n+ik)d/λは薄膜の中を光が進むときの位相の変化 です。(これは複素数です)従って
    電界の反射率rは、
    r=Er/E0={r0+r1exp(i2φ)}/{1+r1r0exp(i2φ)}
    で表されますから、光強度の反射率Rは
    R=|r|2=r*r (r*はrの共役複素数)
    によって計算できます。
    このように、反射率を計算するには薄膜の光学定数だけでなく、基板の屈折率 も必要です。
     藤原史郎編「光学薄膜」(共立出版1985初版)p.12-18が参考になります。
    ---------------------------------------------------------------------
    Q2: Date: Tue, 30 Jul 2002 13:52:25 +0900
    N社Sです。
    早速のご回答ありがとうございます。このような質問に迅速に、また、わざわざ 出典までお調べ頂きまして感激しております。どうもありがとうございました。

    具体的な事例を申しますと、シリコンウエハ(d=750μm)上のシリコン酸 化膜(d=50nm)からの反射率を求めたかったのです。そのときに、シリコ ン酸化膜を透過した光が、シリコン表面に到達し、そこからから反射するとした 場合の反射率の割合を計算したかったのです。
    この場合、シリコン酸化膜からの反射率と透過率を計算すれば、シリコン基板の 屈折率も必要でしょうか?

    再三ですが、よろしくお願いいたします。

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    A2:Date: Tue, 30 Jul 2002 14:14:14 +0900
    S様、佐藤勝昭です。
     メール有り難うございます。シリコンの酸化膜SiO2(あるいはSiOx)は 石英ガラスですから、紫外光まで透明です。従って、50nmのSiO2なら多 重反射を考えなければ全く無意味です。基板面の反射にはSiの光学定数 が必要です。この場合、n, kともに必要です。私が書いた式においてns =n2+ik2として下さい。シリコンおよびSiO2の光学定数の正確な値 はPalikのHandbook of Optical Constants of Solids (Academic, 1985) に載っていますからそれを使ってください。SiO2(amorphous)はp749, Siはp552です。
    ------------------------------------------------------------------
    Q3:Date: Tue, 30 Jul 2002 16:33:24 +0900
    たびたびすみません。N社Sです。
    本当にありがとうございます。
    頂いた式は理解できました。

    ついでといってはなんですが、これに関してあと2点ほど質問があります。
    たいへん初歩的な質問で恥ずかしいのですが、複素数の計算方法です。光学定数 n−ikをどうやって計算するかです。エクセルで複素数を計算するコマンド等 ありましたか?関数電卓で、複素数計算可能なものあるのですが、今手元にない んです。
    あと、ご紹介頂いたHandbook of Optical Constants of Solidsですが、 このデータブックは、光学定数以外にどのようなデータがあるのでしょ うか。
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    A3:Date: Tue, 30 Jul 2002 19:46:16 +0900
    S様、佐藤勝昭です。
     私は、電界の式にexp(-iωt)の形を採用しているので複素屈折率とし てn+ikを採用していますが、結果は変わりません。
     エクセルでは計算できませんが(注02.08.19:間違い
    エクセルで計算できるそうです。) Mathematicaなら式の通り、あるいはFortranでも複素数が使えます。
     複素数がいやなら、面倒ですが、実数部と虚数部に分けて計算してください。
    なお、Handbook of Optical Constants of Solidsには、光子エネルギー と屈折率、消光係数の関係が出ています。
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  • 109.

    コメント「エクセルで薄膜の反射率が計算できる」


    Date: Sun, 18 Aug 2002 16:02:53 +0900
    C1: 大塚電子の大川内です。
    先生のHPを見ておりましたら、2002.07.29にN社Sさんの「光学定数から薄 膜の反射率を計算できるか」という ご質問の中に、「エクセルで計算は可能か?」と いう問いがございました。
    私の手元にあるMicrosoft Excel 2000には、いくつかの複素数関数が用意されてお り、これらを使うことにより結構短時間に先生の式を用いて反射率の計算を行う事が できましたので、エクセルシートを
    添付書類でお送りさせて頂きます。Windows上でご 覧頂けます。

    SiO2、Siの屈折率消衰係数nkはHandbook of Optical Constants of Solidsから内挿し て、各波長のn, kを求めました。
    先生がHPにお書きになっていらっしゃるのは垂直入射の反射率の式で、せっかく計算 するなら、各入射角に対応した計算をしようと思いましたが、P成分とS成分をそれぞ れ計算するのが面倒になり、結局垂直入射(0度入射)のみで計算するようにしました。 膜厚値を入力すると、そのSiO2膜厚値の反射率が計算されます。

    エクセルで計算すると。比較短時間で計算できますし、オーバーヘッドも少なくて良 いのですが、複素数の四則演算にも関数を使わなければならないので、式が煩雑にな りやすく、これ以上複雑な反射率の計算にはやはりC++やFortranなどを使った方が、 良いと思った次第です。

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    Date: Mon, 19 Aug 2002 02:05:50 +0900
    CC: 大川内様、佐藤勝昭です。
     エクセルで複素関数が使えることをお教え頂きありがとうございました。
    この情報をHPに貼り付けることをお許しいただけるでしょうか。
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    Date: Mon, 19 Aug 2002 09:54:41 +0900
    CA: このようなものでよろしければ、どうぞお使いください。
    これからも、よろしく御願い申し上げます。
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    (添付のExcel file の著作権は大塚電子椛蜷内様にあります。また、佐藤は計算式をチェック していませんので、結果について責任を持てません。ご利用される場合は、各自チェック 願います。)
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  • 110.

    North Coast EO-817 Detector


    Date: Thu, 1 Aug 2002 16:44:51 +0200
    Q: Dear Prof. Sato,
    I am looking for technical information on a liquid nitrogen-cooled Ge detector (North Coast 817L). Indeed, a laboratory will lend one to our team but unfortunately none in their lab is able to give some accurate technical specifications (sensitivity, time resolution) because they have lost the notice and because they do not have use it since a long time.
    A research made on internet lead me to your web site. In the list of your equipment I have seen that you have excately the same detector: Please, could you give some informations on the performance of this detector ? If you have a notice (in english) , would it be possible for you to send me a copy ?
    Many Thanks in advance for your help.
    Best regards,
    Olivier Guillois
    -----------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 6 Aug 2002 16:51:00 +0900
    A: Dear Dr. Guillois
    I looked for manuals for EO817 Ge-detector and finally found an old copy of the manual.
    There were three types EO-817, EO-817L and EO-817P, NEP
    corresponding to 2x10-14 WHz-1/2, 1x10^-15 WHz-1/2, and 2x10-14 WHz-1/2, respectively. The last type is characterized with its fast response; 200-300ns. I was wrong to have written to you that our detector is 817S. In reality the type that I used in the time response measurement was EO-817P.

    The detector needs a power supply. The specification of model 823A Bias supply is as follows:
    1. Bias voltage range: 0-500V in 50V steps
    2. Bias polarity: negative
    3. Bias volyage variation with line voltage: plus-minus 1% change for plus-minus 10% line voltage change
    4. Short circuit curent: 50 microamperes
    5. Internal resistance: 20 megohms
    6. Preamplifier power: plus-minus 12V; each at 10mA
    7. regulation: 0.05% line and load
    8. ripple: 1mV RMS
    9. Input voltage: 105-125VAC, 60Hz or 210-250VAC, 50Hz; 5W

    The specification of EO-817 detector is as follows:
    1. Operating temp.: 77K
    2. Operating bias: -300V typical
    3. Detector area: 0.25cm2
    4. NEP(1.4, 100, 1): 2x10-14 WHz-1/2 (1x10-15 for 817L)
    5. Responsivity: 4x108 V/W (5x109 for 817L)
    6. Time constants: Two switch selectable;
      approx. 0.1-0.2 (L) and 0.5-1.0 msec (H),
      (approx. 1-2 and 5-10 msec for 817L)
    7. Window: sapphire
    8. Operating position: Vertical or horizontal

    According to the manual supplied by Japanese agency, the time response depends on the response of the preamplifier installed in the detector and is different from sample to sample.
    Therefore the time response was measured by one of my student and found that the EO-817P detector has a serious oscillating response around 0.2 mirosecond as shown in the
    attached file.
    The detector EO-817P became out of order by accident and I bought EO-817L, for which I never have tried to measure the time response.

    The spectral Response available is as attached. No details can be resolved from the figure. My feeling is that the edge position around 1800nm wavelength is slightly enhanced.
    You'd better calibrate the spectral response using a calibrated standard halogen lamp.

    Best regards,
    Katsuaki
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    Date: Tue, 6 Aug 2002 09:56:00 +0200
    AA:Dear Prof. Sato,
    Many thanks for your answerand the given informations. That's very kind of you, and no doubt it will help us. . I will read it more in details but I can already say that these are the informations I needed concerning the time response.

    Best regards,
    Olivier Guillois.
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  • 111.

    ウイレマイトの誘電率


    Date: Wed, 7 Aug 2002 14:28:05 +0900
    Q: N社のUと申します。
    ウイレマイト(Zn2SiO4)の誘電率を調べていてこのサイトにたどり着きました。 屈折率、比重、硬度は出てくるのですが、誘電率がなかなかありません。
    ウイレマイトの誘電率が記載されている文献がありましたらご紹介していただけないでしょうか。 屈折率から誘電率を計算できると思いますが、知りたいのは1MHz付近の誘電率です。
    勝手な質問で申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。
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    Date: Wed, 7 Aug 2002 16:07:28 +0900
    A: U様
    メール有り難うございます。たしかに、alfa-Zn2SiO4(Willemite)の格子 定数、屈折率の異方性のデータは、ne=1.715, no=1.695 (Na D-line)として Landolt BoernsteinIII/d1に載っていますが、誘電率のデータはないですね。
    もしイオン分極による誘電率の寄与があまり大きくなければ、ε=n2とし て2.94程度ではないかと存じます。
    この物質はMnを添加することにより緑色蛍光材料としてPDPなどに使われていますので、 蛍光体屋さんに聞けばわかるのではないかと思い、蛍光体の権威であるT大学のY先生に伺いましたが、 ご存じないということでした。必要なら、ご自分で測定されるほかないのではないでしょうか。
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    Date: Wed, 7 Aug 2002 16:38:06 +0900
    AA: 佐藤先生
    早速のご回答、ありがとうございます。
    また、別の先生にも聞いていただき大変感謝しております。
    実はウイレマイトを合成して測定を行なっていますが、客観的なデータとして文献値があればと思い調べています。
    測定の方は、イオン分極による寄与がかなり大きくなっています。
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  • 112.

    ウィレマイトの誘電率がわかりました


    Date: Tue, 13 Aug 2002 11:06:05 +0900
    佐藤先生
    ウイレマイトの誘電率の件ではいろいろとご指導いただき大変感謝しております。
    新たな情報を入手することができましたので、お知らせします。

    東京大学工学部環境海洋工学専攻 「技術官ネットワーク」 のサイトにもメールで質問をだしてまして、回答をいただきました。以下に その内容をお送りします。(掲示板のQ253に対する回答)

     ウイレマイトは日本語では亜鉛結晶釉と言って、陶器の釉薬の1つとして、 用いられる物で、白や水色、橙色などがあります。結晶はかなり大きく、 直径4〜5cmにもなるものもあります。名前の通り、酸化亜鉛(亜鉛華)が 多く含まれます。ウイレマイトの研究は日本では陶器を作っている一部の 研究者しか研究していないため、参考文献が少ないのです。これに対し、 アメリカではかなり研究されているようです。コロンビア大学の研究施設 としてErathscapeという組織があってそこで物性値などをインターネットで 公開していました。それによると以下の表のようになっていました。(森田)
      誘電率
    理論値(計算値) 8.62〜13.78
    実験値      8.08〜14.35

    参考文献:EarthscapeのHP
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    Date: Tue, 13 Aug 2002 12:57:55 +0900
    U様、佐藤勝昭です。
     重要な情報をお教え頂き有り難うございました。
    さっそく紹介させて頂きます。
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  • 113.

    なぜ、コイルの中に磁石を入れるだけで、電気が生じるのですか


    Date: Sun, 18 Aug 2002 16:43:52 +0900
    Q: どこの、ページを見ても調べることができなっかったので このページに、アクセスしました。
    僕は、中学生です。最近、電磁誘導について習いましたが 疑問に思ったことがあったので質問します。
    電磁誘導の理屈はわかったのですが、 なぜ、コイルの中に磁石を入れるだけで、電気が生じるのですか。その理由を教えて 下さい。
    なるべく、早く教えてもらえると幸いです。
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    Date: Mon, 19 Aug 2002 02:02:22 +0900
    A: 伊藤君、佐藤勝昭です。
     メールありがとう。コイルに電流を流すと磁界が発生することは知っていますね。
    逆にコイルに静磁界を加えた時はどうでしょう?このときはコイルに電気は生じませ ん。
    しかし、磁界を変化させたときはどうでしょう。するとコイルには、磁界の変化 をさまたげようとして、逆向きの磁界を発生させる方向に電気が流れるのです。
    この 電気は磁界の変化が終わるとなくなってしまいます。これが、電磁誘導の仕組みなの です。
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  • 114.

    メタルの上に材料を積層したときの反射率の求め方


    Date: Thu, 22 Aug 2002 14:28:18 +0900
    Q1: はじめまして。M社のYと申します。
    先生に教えて頂きたいことがあります。

    フレネル係数を用いて、メタル上に誘電体を積層した時の反射率(周波数帯:18〜40 GHz)を求めています。 現在、メタルの誘電率を0とおいて、各界面のフレネル係数を求め、計算してみました。
    この結果、積層している誘電体の誘電率・誘電損失をいろいろと変化させても、反射率が全て 1になってしまい、誘電率の違いによる反射率の変化が見られません。
    これは、メタルの誘電率が間違っているためでしょうか?
    どのようなメタルの誘電率で計算すればよいか教えて頂きたいと思っています。

    よろしくお願いします。
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    Date: Thu, 22 Aug 2002 18:54:28 +0900
    A1: Y様、佐藤勝昭です。
     メール有り難うございました。
    光学定数から反射率が計算できますかの質問の回答に述べたように 誘電体の第1界面の振幅反射率r0、基板との第2界面での反射率r1とすると、 誘電体/基板という構造の振幅反射率は
    r=Er/E0={r0+r1exp(i2φ)}/{1+r1r0exp(i2φ)}
    となります。
    従ってもし、基板の誘電率が0、従って屈折率が0であれば、r1=r1=(n+ik-ns)/(n+ik+ns)=(n+ik)/(n+ik)=1
    また、誘電体の消光係数kを0とすると、r0=(1-n)/(1+n):実数
    従って、r={r0+exp(i2φ)}/{1+r0exp(i2φ)}
    エネルギーの反射率RはR=r*r={r02+2r0cos2φ+1}/{1+r02+2r0cos2φ}=1
    となり、確かにφ=2π(n+ik)d/λの如何に関わらず反射率は1です。
    しかし、メタルの誘電率はゼロではありません。自由電子プラズマ振動を考慮したDrudeの法則により、マイナスの大きな値になっています。たとえば、銀の0.005eV(=1.2THz)における誘電率の実数部ε'は-193000, 虚数部ε"は731000、屈折率n=531, 消光係数κ=689となっています。(Landolt Bornstein III-15b) Drudeの式に従えば、周波数が低いともっと大きな負の値になっているはずです。その値を用いて計算し直して下さい。プラズマ周波数はメタルによって異なりますから、メタルとして何を用いたのかが重要です。
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    Date: Fri, 23 Aug 2002 10:42:28 +0900
    Q2: 佐藤勝昭先生

    早速、丁寧な御返事ありがとうございます.
    不明な点があったので、それについて先生に教えて頂きたいと思います。

    @銀の0.005eV(=1.2THz)における誘電率の実数部ε'は-193000, 虚数部ε"は 731000、屈折率n=531, 消光係数κ=689となっていますが、n=√ε で屈折率 を求めると、値が異なるのですが、この場合は、どのようにして屈折率は求め るのですか?n=√ε では求められないのですか?

    お忙しいところすみませんが、よろしくお願いします。
    以上
    ---------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 23 Aug 2002 12:49:47 +0900

    A2: Y様、佐藤勝昭です。
     ご質問にお答えします。
    n=√εの式は、複素数についても成り立ちます。
    n+ik=√(ε'+iε")として、両辺を二乗し、実数部と虚数部を比較すれ ば、ε'=n2-k2、ε"=2nkが得られます。
    逆に解けば、
    n2={ε'+√(ε'2+ε"2)}/2, k2={-ε'+√(ε'2+ε"2)}/2
    が得られますから、それぞれのルートをとれば、n, kが求められます。
     山田・佐藤他著「機能材料のための量子工学」(講談社)p148参照下さ い。
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    Date: Fri, 23 Aug 2002 11:11:10 +0900
    AA: 佐藤勝昭先生
    早速、丁寧な御返事ありがとうございます。 この与えられた式を用いて、計算してみます。
    また、勉強してわからない事があるとは思い ます。そのときはまた御質問などさせていた だく事があると思いますが、よろしく御願い致 します。
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  • 115.

    電子の性質について教えてください。


    Date: Sun, 01 Sep 2002 21:38:46 +0900
    Q: 私は、現在水質分析の仕事をしているNといいます。最近電子の性質について 疑問に思ったことがあるので質問させていただきます。
    電気(電子)が流れて電球や電化製品が動くと思うのですが 最近、「電子は非常に安定で質量や特性が変わっているわけではなく 電子が通過しただけで電球がついたりする。」と言う事を聞いたのですが 電球や電化製品を動かしたエネルギーはどこから生まれるのですか?
    それは、電子が流れたときの摩擦か何かでエネルギーが生まれるのでしょうか? だとするとその電子を動かしてるエネルギーはどこから来るのですか? 非常に基礎的な事だとは思いますが、どうか教えてください。

    まことに勝手なこととは思うのですが、電子の物性について研究している大学で おすすめの所などありましたら教えていただければと思います。
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    Date: Mon, 2 Sep 2002 02:00:12 +0900
    A: N様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございます。電子についてのご質問にお応えします。
    あなたが読まれた文章の「電子は非常に安定で質量や特性が変わっているわけで はなく電子が通過しただけで電球がついたりする。」というのは、「電子自身が壊れ て仕事をするのではなく、電子のもつ運動エネルギーによって仕事をする」というこ とを表しているに過ぎません。
     電子が動くと電流になります。電子を「動かす」には電子に運動エネルギーを与え なければなりません。Nさんもよくご存じ のように、電球のフィラメントのような導体に電流を流すには、電圧を加えなければ なりません。電球に加えた電圧Vと流れた電流Iの積IVが電力Pです。電力とは、毎秒消 費されるエネルギーを表しています。このことは、電球をともすために加えた電圧の 供給源である電池や発電所からP=IVだけのエネルギーが毎秒供給されているのです。  つまり、電子を動かすために電源からエネルギーを供給していて、電球ではそのエ ネルギーがフィラメントにおいて消費され、熱に変換され、「黒体輻射」の原理で光 に変換されます。中野さんが「電子が流れたときの摩擦か何かでエネルギーが生まれ る」と書いておられますが、電子が流れるときに導体を構成する原子の振動によって 摩擦が生じ、電子のもっていた運動エネルギーを消費しているのです。
    上に述べたような電子の基本的な性質は、高校の教科書に載っています。
     導体だけでなく、半導体中の電子の動きや物性を理解するには、「電磁気学」の知 識が必要です。さらに詳細に理解するには、「量子力学」の知識が必要です。  電子について学ぶには、どこの大学でも、理学部物理学科、工学部電気電子工学 科、工学部応用物理学科などで学ぶことができます。もちろん私の所属する「工学部 物理システム工学科」でも、もちろん学ぶことができます。
     しかし、大学の物理コースでは、何に役立つかわからない基礎から出発して、徐々 に専門に近づくようにカリキュラムが編成されていますから、知りたいことに到達す るまで、3年もかかりまどろっこしいし、結局、試験に通るためだけに勉強するよう になってしまいがちです。わざわざ大学に行かなくても、本屋さんで、量子力学、電 子物性の関係の教科書を買ってきて、独学で勉強されればよいと思います。大学に 行っても、自分で勉強する気持ちにならない限り、教授がすべてのことをやさしく教 えてくれるとは限りません。自分で学ぶ姿勢さえあれば、独学で十分です。わからな いところが出てきたら、それを理解するために必要な基礎に帰って、そういう本を 買ってきて読めばよいでしょう。
     すでに、お仕事に就いておられる方なら、社会人入学制度や、聴講生、科目等履修 生などの制度もあります。放送大学の「物理学」を受講されてもよいでしょう。大学 に入ることにこだわらないでよいのではないでしょうか。
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    Date: Tue, 03 Sep 2002 21:54:07 +0900
    AA:電子について質問したNです。
    無から有が生まれるのかな?
    とか思っていましたが流石にそんなことはないと言うことが分かりました。 大学入試の件ですが、佐藤教授のおかげで選択肢相当広がりました。
    これからちょっと放送大学のホームページでも見てみようと思っています。

    本当にありがとうございました。
    ちなみに、行かないとは思いますが、もし農工大に行くようなことがあったら、仲良くしてください。では
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  • 116.

    導波管の磁場と磁性体


    Date: Tue, 3 Sep 2002 19:09:21 +0900
    Q: はじめまして、S研のNと申します。
    磁性体の化学分野の応用を模索しており、マイクロ波照射実験を始めたのです が、矩形導波管中の磁界の強さがどの程度のものなのか分かりかねています。 多分、相当に弱いと思っており、インピーダンスやエネルギーから試算できない かと考えています。実際には(たとえば100WでWRJ-2導波管の最大振幅)、 どの程度なのでしょう。
    (
    添付ファイル「導波管の磁界計算」) そして、そこで得られる振幅は小さくても周波数の高い交番磁界中で、 磁性体に熱的損失が生じるはずですが、その磁性体がサブミクロンの紛体であっ ても、質量が同等ならば、単磁区粒子と同じ程度のような熱損失が生じるのでしょう か。

    また、高周波においてμ''も減衰するようですが、これもsnoek_limitと呼んで いいのでしょうか。
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    Date: Wed, 4 Sep 2002 10:01:18 +0900
    A: N様、佐藤勝昭です。
     メール有り難うございました。私は、電波吸収は専門外なので、詳し くはその道の専門家(たとえば、電波吸収体の研究者)にお尋ね下さい。 ここでは、一般的な回答をしておきます。
     添付された文書にあるマイクロ波磁界の推定は、間違いないと存じま す。実際に強いマイクロ波電磁界を得るには、キャビティの構造にして 共振させる必要があります。強磁性共鳴(FMR)の実験ではマイクロ波キ ャビティの磁界の強い部分に試料を置いて測定します。従って、磁界は キャビティのQをかけた大きさに強められていると思います。  マイクロ波の吸収は、異方性磁界により磁気モーメントが歳差運動を 起こす強磁性共鳴(自然共鳴)の周波数付近で最大になります。共鳴周 波数以上では、μはローレンツ形の変化をします。μ'はこの共鳴周波 数付近から単調減少します。μ"は共鳴周波数付近で最大をとり、徐々 に減少します。μ"の周波数依存性は共鳴曲線のなせるわざで、これは Snoekの限界ではありません。
     回転磁化機構を仮定すると、異方性の強いものほど共鳴周波数は高く なりますが、初透磁率も落ちるので、μの高周波特性に限界があるとい うのがSnoekの限界線の考えです。
     粉体は、微粒子の集合体ですが、ある寸法より小さいと微粒子は単磁 区になっていると考えてよいのではないでしょうか。この寸法は、 100nm程度と考えられます。微粒子同士が接近して互いに磁気的に結合 しているならば、多磁区構造をとるかもしれませんがマイクロ波領域で は磁壁移動による共鳴は考えられないので、基本的には回転磁化機構が 有効です。従って、Snoekの機構は粉体にも適用できると存じます。
    ------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 4 Sep 2002 11:34:49 +0900
    AA:早速の御回答ありがとうございます。

    佐藤先生の講義や著作への質問や、身の回りの物理現象に関する質問など、 バラエティに富み、また盛況なQ&Aコーナーにひかれ、甘えて質問をさせていた だきました。

    電磁波に関する質問は過ぎたものとも思いましたが、 それは、磁性体に対するミクロな領域への磁場エネルギー注入を考えているから のことで、物性に重きを置きながらも、電磁波の物理的作用もにらんでいることを表明する 若干の気持ちもあり、前置きのようなつもりでさせていただきました。

    なかなかに的確なご回答を頂き、少し雲が晴れるような気持ちがいたしました。
    今後もサイトを拝見すると共に、御付合い・交流が出来ればと願っております。

    何か新しい知見が得られたときなど、ご意見を伺わせていただきたいと考えてお りますし、固体物性などの見識が乏しいので、つまらない質問さえしてしまうかもしれません。
    その折は、お時間と気持ちの許せる範囲でよろしくお願いします。

    まずは、挨拶までに。
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  • 117.

    デバイ温度と結合力


    Date: Sat, 14 Sep 2002 02:48:42 +0900
    Q: 現在、磁性の勉強を行っているN大のHと申します。
    結合力の違いによってデバイ温度に差が出てきますが、 共有結合、イオン結合、金属結合の結合力を比較する 方法はありますか?
    -----------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 14 Sep 2002 21:00:55 +0900
    A: N大H様、佐藤勝昭です。
     メールありがとう。ご質問のデバイ温度と結合力の関係ですが、簡単な式で直接に 結びつく関係にはありません。
     デバイ温度ΘDとは、フォノン(格子振動)の最大の角振動数ωDを温度に換算した量 ですが、フォノンの状態密度はω2に比例して増加するので、フォノンの振動数の重 み付き平均と考えてもよいでしょう。音響モードのフォノンの振動数ωは構成する元 素の質量の和をM、結合の定数をCとすると、ω2∝C/Mで表されます。従って、結合力 が強くても、質量が大きいとあまり大きな値をとりません。逆に、結合力が弱くて も、軽い元素なら大きな値になります。結晶において、元素同士を結びつける結合力 ですが、凝集エネルギーが尺度となります。凝集エネルギーを距離で微分したものが 結合力です。
     希ガスの結合は、弱いファンデアワールス結合ですが、2-20kcal/mol程度です。金 属結合も電子の海に原子核が浮かんでいるので弱い結合です。凝集エネルギーは 100kcal/mol程度です。イオン結合は静電エネルギーによるので強い結合です。イオン 結晶の代表格アルカリハライドは200kcal/mol程度です。共有結合は電子の交換力で結 合しているので強い結合です。ダイヤモンドの凝集エネルギーは711kcal/mol、シリコ ンは446kcal/mol程度です。
     一方デバイ温度を比べますと、ファンデアワールス力では、Ar:92K、Kr:72K, Xe:64K、金属結合では、Li:344K, Na:158K, K:91K, Rb:56K, Cs:38K(重い程小さくな ります)、共有結合では、C:2230K, Si:645K, Ge:374K, Sn:200K, Pb:105K (これも重 いほど小さくなっている)
     磁性体を勉強しておられるようですが、遷移金属のFe, Co, Niは、Li, Kなどの単純 な金属結合ではありません。d電子のため共有結合に近い強い結合をもっています。 Fe,Co,Niの凝集エネルギーは400kcal/mol程度です。デバイ温度は450K程度です。
     以上の内容はキッテルの固体物理学に掲載されていることを紹介したまでです。自 分でじっくり本を読んでください。

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  • 118.

    Si半導体中の電子の有効質量


    Date: Wed, 18 Sep 2002 14:30:49 +0900
    Q: はじめまして、K大のIと申します。
    Si半導体にドナー不純物をドープしたときの電子の有効質量はドープした物質に よって違いはあるのでしょうか?

    googleで検索した結果 「物理システム工学科2年次「材料物性工学概論」(94 番教室)第10回プリント 2000.6.15」 のHTMLで 「シリコン中の伝導電子の有 効質量比m*/mは0.25」 となっていたのですが、K大の集中講義では 「Si結晶 中のリンドナー不純物に束縛されている電子の有効質量は0.45m」 と教え てもらいました。リンの代わりにアンチモンをドープしたら有効質量も代わるの でしょうか?
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    Date: Fri, 20 Sep 2002 13:37:57 +0900
    A: K大I様、佐藤勝昭です。
     お返事が遅くなりました。
    シリコンにn形不純物をドープして、不純物に束縛された電子を熱的に 伝導帯の底に励起した場合、その電子の有効質量は、不純物の如何に関 わらず、シリコンのバンド構造で決まります。シリコンの伝導帯の構造 は複雑で、多谷(multi valley)となっているので、正確には方位によっ て違ってきます。さらにそのvalleyの等エネルギー面は回転楕円体で表 されるので、軸方位に平行か垂直かで質量が違ってきます。たとえば、 Siの<100>谷における伝導帯電子のm*/mは<100>に平行な場合0.916と重 く、<100>に垂直な場合0.192と小さくなっています。私が講義プリント で示した0.25という値は、電気伝導に寄与する平均的な値です。
     一方、あなたがお尋ねの「Si結晶> 中のリンドナー不純物に束縛され ている電子の有効質量は0.45m」というのは、不純物に束縛されて その周りを運動している電子であって、伝導電子の有効質量ではありま せん。水素のようなモデルを考えると、ドナーに束縛された電子のエネ ルギー準位(伝導帯の底とのエネルギー差)ΔEは、 ΔE=m*e4/(8ε2h2)で与えられます。ΔEは光学的に調べることがで きるので、これからm*を見積もることができます。束縛している中心が 変わればこの値は当然変わってきます。ドナーとしてリンを考えた場合 とアンチモンを考えた場合では、違っていても不思議はありません。 たとえば、GaP中のドナーの束縛エネルギーは酸素では893meV、硫黄で は104meV、セレンでは102meV、テルルでは89meVです。この違いは原子 の電気陰性度の違いによると考えられ、中心殻効果と呼ばれています。  おわかりいただけたでしょうか。 -----------------------------------------------------------
    AA:Date: Fri, 20 Sep 2002 18:59:47 +0900
    佐藤勝昭先生、K大学3回生Iと申します。
    先日、電子の有効質量について質問させていただきました。見当違いの質問に対して丁寧なお返事大変感謝しております。
    いただいたメールは大変参考になりました。ありがとうございます。

    先生のHPの油絵を壁紙にさせていただきました、お気に入りは「古城のある風景」と「セーヌを望む」です。新しい作品にも期待しております。
    すてきな作品ありがとうございました。
    ------------------------------------------------------------------
  • 119.

    硬さと反発係数


    Date: Sat, 21 Sep 2002 10:27:25 +0900
    Q: はじめまして、H高のMです。 うちの高校では卒業前に自分でテーマを決めて実験をして発表をするのですが、僕は 物体の硬さと反発係数の関係について調べたいと思っています。このページの下のほ うで硬さは定量化できないと書いてあったのですが、物体をばねと考えてばね係数の ようなもので表すとか、物体をある一定の力で押したときの変化率などで表すという 事はできないのでしょうか? ------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 21 Sep 2002 14:41:38 +0900
    A: M君、佐藤勝昭です。
     メールありがとう。硬さと反発係数の関係を調べるのは面白いですね。
    硬さを表す方法としては、モース硬度、ビッカース硬度、ショアー硬度などありま す。モース硬度は、基準になる硬度の天然鉱物とこすり合わせて、傷のつきかたで決 めます。ビッカース硬度はダイヤモンドのピラミッド型の角錐や球を材料に押しつけ ることによって生じる圧痕の面積と負荷荷重の関係(負荷荷重/圧痕の面積)で硬さ を表示する方法です。ショアー硬度は、先端にダイヤモンドを取り付けた小さなハン マーを試料表面に落下させたときの跳ね上がりの高さから求めた硬さのことを言いま す。ハンマーを落とすときの高さをh0、跳ね上がりの高さhとするとショアー硬さHSは 次式で定義されます。HS=(10000/65)×(h/h0)。これと反発係数を関係づけることがで きるでしょう。あとは自分で考えてください。
     バネ係数に相当する物理量は、弾性率といいます。応力と歪みの関係を表す比例係 数です。弾性率が大きいということは、同じ力で押しても歪みが小さいのですから、 硬いと言えるでしょう。
    体積弾性率を掲げると、C(ダイヤモンド)は4.43、Cu(銅)は1.37、Fe(鉄)は1.68、 Au(金)は1.73です。一方、モース硬度は、C(ダイヤモンド):10、Cuは2.5、Auは2.5で す。よく対応していますね。
    いろいろの硬度は機械系の教科書かハンドブックを見て下さい。
    --------------------------------------------------------------
  • 120.

    シート抵抗について


    Date: Mon, 23 Sep 2002 16:17:51 +0900
    Q: 法政大学で物性工学について学んでいるHです。現在イオン注入層 の電気的特性の評価について研究しております。そこでシート抵抗について疑問に 思ったことがありましたので質問いたします。
    Q1. シート抵抗Rsは、抵抗率ρ(Ω.cm)/接合深さd(cm)で、電気的に活性な不純物の 濃度と反比例の関係にあるρを接合深さdで割った値ですよね。 そこで次元だけを 考えると(Ω.cm)/(cm)=Ωとなりますが、なぜ(Ω/□)という次元で与えられるので しょうか? 慣例的に使われているのでしょうか? すみませんがよろしくお願い致 します。
    ----------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 27 Sep 2002 02:10:23 +0900
    A: H君、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございました。応用物理学会出席のため、お答えが遅くなり、ご めんなさい。
    シート抵抗という概念は、ウェハーや薄いドープ層の評価のために用いられる便宜上 の概念です。材料の抵抗率を測定するのに比べ材料の抵抗を測るのは易しいからで す。4端子法で測定すれば、ある係数をかけるだけで求められるからです。
    抵抗率ρ、厚さtの層のシート抵抗Rsは、あなたの言うように、
    Rs=ρ/tで定義されます。厳密に言えば、シート抵抗の単位はΩですが、しばしば、 Ω/□(正方形当たりΩ)と書きます。こう書くのは、Rsが与えられたとき、長さL、 幅Wの長方形の抵抗値Rが、R=Rs×L/Wですぐに計算できるからです。
    また、4端子法からRsを求めることや、シート抵抗についてのQ&Aは、
    フォーポイントという計測器会社のページ を参照してください。
    -------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 28 Sep 2002 12:18:28 +0900
    佐藤先生、お忙しい中大変分かりやすい解説をして頂きましてどうもありがとうござ いました。とても参考になりました。
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  • 121.

    光学的バンドギャップとホトニックバンドギャップ


    Date: Sat, 28 Sep 2002 15:02:55 +0900
    Q: はじめまして、O社のK と申します。
    太陽電池関係の文献を読んでいると「光学的バンドギャップ」という言葉が出 てきます。この言葉と「ホトニックバンドギャップ」とは同義なのでしょうか ?
    ネットで「光学的バンドギャップ」を調べていてこのページに到達しました。 NETには「知っていて当たり前」のような文献しか無く区別がつきません。ま た、太陽電池の材料で「光学的バンドギャップが狭い方が有利」とは少ない光 エネルギーで多くの電子正孔対ができるから発電効率がよくなる為、と理解し ていいのでしょうか?宜しくお願いいたします。
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    Date: Mon, 30 Sep 2002 15:48:34 +0900
    K様、佐藤勝昭です。
    メールありがとうございます。
    おたずねの件ですが、光学的バンドギャップとフォトニックバンドギャ ップは全く別の概念です。
     半導体の電子のエネルギー構造が価電子帯(Valence Band)と伝導帯 (Conduction Band)から成り立っていて、その間に電子がとることので きないエネルギーの範囲があることはご存じですね。このエネルギー範 囲のことを禁制帯(Forbidden Band)または、バンドギャップ(Energy Band Gap)といいます。バンドギャップの大きさを通常はEgと書きます。 バンドギャップができる理由は、電子の波が結晶格子の周期的なポテン シャルエネルギーと相互作用をして、特定の波長の電子波が定在波とな ることによって生じます。詳しくは固体物理学の教科書を読んで頂く必 要がありますが、要するに電子が波であることから由来しています。  このバンドギャップの値を決める方法として、キャリア(伝導帯の電 子または価電子帯のホール)密度の温度依存性から決める方法と、光吸 収スペクトルにおいて吸収係数が立ち上がるエネルギーから決める方法 があります。「光学的バンドギャップ」というのは、このように光吸収 スペクトルから求めたバンドギャップのことです。
     一方、「フォトニックバンドギャップ」というのは、光の波長と同程 度の周期をもつ人工的な周期構造において、光波がとることのできない エネルギー帯が生じるという現象を、電子波のアナロジーで、フォトニ ックバンドギャップと名付けたもので、1次元の周期構造については、 光学の言葉で「ふぁぶりぺろー共振器」として知られている話です。多 層膜の干渉による着色などと同様の現象です。最近は、2次元、3次元 の周期構造が人工的に作製できるようになったので、それを使って、低 閾値の半導体レーザを作るなどの試みが行われています。京大の野田先 生、横浜国大の馬場先生などが有名で、多くの解説を書いておられます。 要するにフォトニックバンドギャップは光の波 についての現象です。
     次に、太陽電池の材料で「光学的バンドギャップが狭い方が有利」と いう話ですが、これは、昔からLoferskiの法則というのがあって、太陽 光の分光エネルギー分布との関係で、最も変換効率の高いバンドギャッ プは、1.4-1.5eV付近にあることが理論的に知られています。必ずしも バンドギャップが低い方が有利とはいえません。
     おそらく、貴方は、アモルファスシリコンの太陽電池のことを調べていて、 そのような表現にゆき当たったのでしょうが、太陽電池に用いられる 水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)のバンドギャップは1.7eV付近にあり、 太陽光の分光エネルギー分布の内、低いエネルギー(=長波長)の光を 光電変換できないので不利という話を読まれて、そういう質問になった のではないかと推察します。アモルファス太陽電池においては、低エネルギー 部分を補うため、a-SiGe:H太陽電池とのタンデムにしたり、多結晶シリコン やCISの太陽電池とのタンデムにするなどの工夫もされています。
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  • 122.

    RFイオンプレーティング用コイルのマッチング


    Date: Wed, 2 Oct 2002 16:14:29 +0900 (JST)
    Q: T大学、工学研究科のEと申します。
    お忙しいところ申し訳ありませんが、下記のことにつきまして ご存知でしたら、教えて下さい。

    現在、私はRFイオンプレーティング装置の放電の実験を毎日のように やっております。今回お聞きしたのは高周波電力を印加するRFコイル についてです。
    質問
    1. マッチングのとりやすさとコイルの太さ、コイルの巻き方には関係  があるのでしょうか。現在、コイルの材質にはSUS304を用い、太さ  は3φです。コイルの形状は螺旋状に1,2回まいてあります。一応  Arガスで放電はしています。

    2. RFコイルの技術的なことに関する文献などご存知でしたら、教えて  下さい。

    よろしくお願い致します。
    それでは、失礼します。
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    Date: Thu, 3 Oct 2002 12:40:29 +0900
    A:E様、佐藤勝昭です。
     イオンプレーティングについて、私は以前にS電気のK氏とと共同研究し、 CuInS2の薄膜を作っていましたが、私自身では経験がありません。
     一般にインピーダンスマッチングはコイルのインダクタンスと抵抗値 によって決まるのですが、ステンレスは銅に比べて抵抗率が高いので、 マッチングがとりにくいかと存じます。またコイル部分だけでなくどの くらいマッチングボックスから離れているかにも関係してきます。また コイルの太さも抵抗値に関係すると思います。特に13MHzの高周波はコ イルの表皮を流れるので、太いものは表面積が大きいので抵抗が低くマ ッチングをとりやすいと思います。巻き方についてですが、1−2ター ンと言うことなのであまり影響がないと思います。
     イオンプレーティング装置の場合、コイルだけでなく、チェンバーが 小さいと周りのチェンバー(アースに落ちている)との間に浮遊容量もあ るので、コイルだけのインピーダンスでは説明できない部分もあるかと 存じます。従って、ケースバイケースになりますので納入業者とよくご 相談された方がよいでしょう。
     この件についても以前のCdS/CISの場合と同様、指導教官とよく討議 して下さい。
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    A2:追伸
     S電気でRFイオンプレーティングをやった経験をお持ちのS研究員に 話を伺ったところでは、放電を起こすだけだからステンレスの抵抗値は 問題にならない。マッチングボックスで十分対応できるといっていました。
    彼らは1/4インチ(6mm)φのステンレスを6ターンくらい巻いていたとの ことです。浮遊容量は多少問題になるが、マッチングについては問題ない とのことでした。太いものを用いている理由は、放電でやられて細くなる ので、なるべく太いのを用いているが、1/4インチは人力で曲げられる 限界といっていました。
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  • 123.

    エバネッセント波について


    Date: Thu, 3 Oct 2002 08:34:49 +0900
    q: はじめまして。*大のKと申します。偶然このHPをみつけ、訪問させていただきまし た。
    私は今エバネッセント波について勉強しているのですが、その発生する原理がよくわ かりません。私は下のような式を自分で解き(誤っているかもしれませんが)電磁波 が全反射するときにも透過光に指数関数的に減少する電磁波があるというところまで はおぼろげながらわかってきたのですが、それが原子、分子レベルで何がおこってい るのかがわかりません。できればなるべく言葉でエバネッセント波の発生する原理を 教えていただけないでしょうか?ご迷惑をおかけいたします。よろしくお願いしま す。

    屈折率N>nとなる媒質T、Uに電磁波がNからnに入射し、その入射角、反射角を θ、屈折角をθ’としたとき、透過光の電界ベクトルは (kは波動ベクトル、Y軸 は画面に垂直にとり、Z-X面で考えている)
        E(x,y,z,t)=E。exp(jwt)exp{jk(xcosθ’+zsinθ’) −@ 
    となりスネルの法則より
       sinθ'=N/n *sinθ  -A
    cosθ'*cosθ'=1-(N/n)(N/n)sinθ*sinθ      -B  
                
    B式を@式のcosθ'に代入すると、入射角θが臨界角以上(sinθ">n/N)で入射した ときx成分は指数関数的に減少する。
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    Date: Thu, 3 Oct 2002 10:53:55 +0900
    A: *大K様、 メールありがとうございます。
     エバネセント波について、ご自分で勉強されたことは、正しいです。
    あなたの計算通り、臨界角を超える入射角で媒体1から媒体2に入った 光の波動ベクトルは、媒体2の中では純虚数になり、伝搬することがで きません。従って、光の場は存在するが、伝搬せず距離とともに減衰す るのです。
     これのミクロな物理的意義ですが、媒体1と媒体2の境界面付近にお ける電気双極子の振動から生じる電磁界が位相をconstructiveに(強め 合うように)そろえておれば媒体2の中へと伝搬しますが、臨界角以上 で入射するとdestructiveに(打ち消し合うように)合成され、前には 進行しなくなるのです。しかし、電気双極子のすぐそばには伝搬しない 電磁場(近接場)が存在しており、これは伝搬する波ではないので強め合ったり 弱め合ったりすることはなく、媒体2に向かって電磁波が進行しない場 合にも残るのです。これがエバネセント波です。電気双極子としては、 原子でも分子でもよいと思います。
     もし微小な電気双極子が伝搬する電磁波の中に置かれたとしますと、 その電気双極子は電磁界で振動しますが、その周りには近接場が存在し ます。その場の及ぶ範囲に別の電気双極子を置きますと、今度は両者が 結合した系となり、2番目の電気双極子から伝搬する電磁波が発生する ことになります。これが、走査型近接場顕微鏡(SNOM)の原理です。
     電磁場を第2量子化してフォトンという粒子を考えますと、近接場は フォトンのトンネリングと考えることができます。従って、フォトント ンネル顕微鏡(PTM)という概念が生じます。厳密に言えば同じではない のですが、近接場顕微鏡とほとんど同じものと考えられます。
    -------------------------------------------------
    Date: Tue, 8 Oct 2002 01:04:39 +0900
    Q2: *大Kです。先日は質問にお答えいただきありがとうございました。早くに丁寧な回答 をしていただいたにも関わらず、お礼のメールが遅れ申し訳ありませんでした.
     あのあと、さっそくSNOMについて調べてみたのですが、そこで使われている光ファ イバプローブについて少し疑問があったので、教えていただけないでしょうか?
    Q:文献に光ファイバプローブはエッチングすることによりコア部とクラッド部のエッ チングスピードの違いから先鋭化することができ、さらにアルミを蒸着して先端の一 部だけエッチング除去することで微小開口をもつファイバプローブを作ることがで き、その開口の大きさが励起波長以下ならば、励起光は全反射しファイバの先端には エバネッセント波が誘起される、とあったんですが、開口径が励起波長より小さいと なぜ励起光は全反射するのでしょうか?
    -------------------------------------------------
    Date: Tue, 8 Oct 2002 13:00:24 +0900
    T様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございました。光は回折限界によって光の波長λと とレンズの開口数NAで決まるd=0.6λ/NAより小さなスポットに集光でき ません。(普通のレンズではNAは約0.6です)これと同じ理由で、波長よ り小さなピンホールがあると光は通り抜けられないで全反射するので す。
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  • 124.

    逆格子の参考書


    Date: Thu, 3 Oct 2002 16:13:18 +0900
    Q: 島根大学Hです。HP拝見させていただきました.
    物理を勉強してます。
    質問:逆格子がどうしても頭に描けないのです。
     良い参考書があれば教えてください。
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    Date: Thu, 3 Oct 2002 16:50:20 +0900
    A: H様、佐藤勝昭です。
     逆格子を学ぶ特効薬はありません。地道に式をフォローし、自分で例 題を解いてみて初めて納得できるものです。
     私は、Kittelの固体物理学の第1章Crystal Structures, 第2章 Reciprocal Latticeを丁寧に読み、問題を解けば、一応の理解が得られ ると思います。私の研究室では、英語版を4年生のための輪講で読んでおり、 この2章に4−5回の時間をかけています。
     あと、
    応用物理学会結晶工学分科会の結晶工学スクールのテキストが わかりやすくできています。テキストが欲しい人は応用物理学会にメー ルして下さい。島根大学なら梶川 靖友先生が結晶工学分科会の幹事なので先生に尋ねてみて下さい。
     実際には、X線回折や、電子線回折の実験をするときに必然的に必要 になりますので、そのときに勉強した方が身に付くと思います。
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  • 125.

    鉄心のB−H特性


    Date: Wed, 09 Oct 2002 16:28:32 +0900
    Q: 衛藤久幸です。ちょっとお聞きしたいのですが、
    (1)鉄心のB−H特性が飽和を示すことについて磁区(domain)      の概念から考察せよ。
    (2)ヒステリシス曲線の大きさや形と、磁性材料の用途との間に       はどのような関係があるか。
    この2題がわからないので、教えてください。お願いします。
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    Date: Wed, 9 Oct 2002 19:51:53 +0900
    A:衛藤様、佐藤勝昭です。
     宿題(課題)を直接専門家に聞くのはカンニングと同じです。
    私の講義録をヒントに自分で考えてください。
    (1)
    「材料物性工学概論」第12回講義  第11回の問題:
     「電子物性工学U」第9回(12/4)の学習内容
    (2)「材料物性工学概論」第13回プリント 2000.7.6 第12回の問題解答
    ----------------------------------------------------------
    Date: Thu, 10 Oct 2002 08:41:19 +0900
    QQ: お返事ありがとうございました。
    佐藤先生の講義録を参考にして考えてみます。
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  • 126.

    複素誘電率について


    Date: Thu, 10 Oct 2002 02:48:05 +0900

    はじめまして。 私は、工業大学で誘電体の研究をしている学部生のTと申します。

    複素伝導率(σ’、σ”)と複素誘電率(ε’、ε”)についてですが、いろんな書 物やホームページで調べてみたのですが、難しく書かれてあって理解できません。 この2つの用語について、わかりやすく優しく教えていただけないでしょうか。

    よろしくお願いします。
    ----------------------------------------------------
    Date: Thu, 10 Oct 2002 14:36:53 +0900
    T様、佐藤勝昭です。
     メールありがとう。
    あなたは、電気電子の学生であるとしてお答えします。
    普通は、誘電率も伝導率も実数で、誘電率は絶縁体に対し用い、伝導率 は金属や半導体に使うと考えているかもしれませんが、それは直流に対 してのみ通用する概念です。交流理論では、交流の電界E、電流密度Jに ついてsin, cosを使わずに、それぞれ、E=E0exp(jωt)、J=J0exp(jωt) で表します。(ここにE0, J0は実数とします。また、交流理論では虚数 の単位をjで表します)
     伝導率σはJ=σEで定義されます。もし伝導率σの物体に角周波数ω の高周波電界E=E0exp(jωt)を加えたとき、φラジアンだけ位相の遅れ た電流密度J=J0exp(jωt-jφ)の電流が流れたとしますと、
     σ=J/E=(J0/E0)exp(-jφ)となります。ここでJ0/E0=σ0とおくと、
     σ=σ0 exp(-jφ)=σ0 cosφ-jσ0 sinφと表せます。実数部をσ'、 虚数部をσ"と表すと、σ=σ'-jσ"となります。これを複素伝導率と いいます。ここにσ'=σ0 cosφ、σ"=σ0 sinφです。伝導率の実数部 は、電界と同位相で流れる電気の流れやすさを表しています。一方、虚 数部は、電界に対して90度位相が異なる電流の流れやすさを表してい ます。
      同様に、誘電率εは電束密度Dと電界Eの関係を与える係数で、D=ε Eで定義されます。もし誘電率εの物体に角周波数ωの高周波電界E= E0exp(jωt)を加えたとき、電束密度D=D0exp(jωt-jφ)で表せるとし ますと、
     ε=D/E=(J0/E0)exp(-jφ)となります。ここでD0/E01とおくと、
     ε=ε1 exp(-jφ)=ε1 cosφ-jε1 sinφと表せます。実数部をε'、 虚数部をε"と表すと、ε=ε'-jε"となります。これを複素誘電率と いいます。ここにε'=ε1 cosφ、ε"=ε1 sinφです。
    電束密度Dと電気分極Pの間には、D=ε0E+Pの関係が成り立ちます。従 って誘電率の実数部は、電界と同位相で生じる電気分極Pに対応してい ます。一方、虚数部は、電界に対して90度位相が異なる電気分極に対 応しています。
     電束の時間的変化があると変位電流Jp=dD/dtが流れます。このDにD= (ε'-jε")Eを代入すると、Jp=jω(ε'-jε")E=ωε"E+jωε'Eと書く ことができます。これを=σEと書くと、σ'=ωε"、σ"=ωε'となりま す。σとεでは実数部と虚数部がひっくり返っています。誘電率の虚数 部は、伝導率の実数部と同じ働きをする、つまり、エネルギーの消費を ともなうということがわかります。それで、誘電率の虚数部を誘電損失 と呼ぶのです。電子レンジで食品が暖まるのはこの誘電損失のためです。  誘電体の良さを測るための尺度としてtanδ=ε"/ε'が使われます。 この数値が小さいほどよい誘電体になります。
    --------------------------------------------------------
    Date: Thu, 10 Oct 2002 15:39:39 +0900
    QQ:こんにちは、昨日質問をした工業大学のTです。
    お忙しい中、お返事ありがとうございました。
    大変勉強になり、これからもがんばって研究を続けていきたいです。
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  • 127.

    円偏光の反射


    Date: Fri, 11 Oct 2002 09:33:02 +0900
    Q:初めまして、T社のKと申します。
    HPで「物性なんでもQ&A」コーナーを拝見しました。
    早速ですが教えてください。
    ピックアップ光学系ではLDから出た直線偏光を、これを透過する向きに 設置された偏光板に通し、さらに1/4波長板で円偏光(たとえば右回転)に 変換し、この光を反射面(光ディスク)に当て、戻ってくる光を左回転の円偏光 とし、この光が元の1/4波長板を通ると直線偏光に戻り、偏波面の方向が 往路と90°変るので次の偏光板で遮断されてしまい、ディスクからの反射光 をLDに戻さないよう光アイソレーターとして利用されてます
    さてここで教えてください。
    上記光学系でLD→偏光板→1/4波長板と通ってきた光を金属面に斜め(入射 角45度程度)に入射させた場合、反射光の円偏光の回転方向は反転するので しょうか?
    よろしくお願いします。
    --------------------------------------------------
    Date: Fri, 11 Oct 2002 10:42:11 +0900
    T社K様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございました。
    ご質問の円偏光の回転方向ですが、入射光の進行方向をz軸にとったと き、z軸方向に右ねじを進める方向を右回りとしておきます。電界ベク トルの先はx軸正からy軸正へと回転します。これが反射してもこの回 転自身は保存されますから、反射光の進行方向をz'軸にとって、その方 向についてみれば、左回りに回転していると考えられます。
    ----------------------------------------------------
    Date: Fri, 11 Oct 2002 16:16:09 +0900
    Q2:佐藤先生
    T社のKです。
    ご回答ありがとうございました。
    回転方向は反射しても変わらず、出射側から見た場合と入射側から見た 場合では見る方向が違うために反転するという理解でよろしいでしょうか? 次のような問題を解決したいのですが偏光を使う等何か良い方法はないでしょうか?
  •  レーザー光を金属物体(径200μm程度のハンダボール)に斜めからスポット結像  させ、そのスポット像を正反射側の位置検出素子(PSD素子)に結像させ三角測量法  にてボールの高さを測定したいのですが、ハンダボールが密集しているため隣接する  ボールに散乱光が当たりノイズとなり測定誤差がでてしまいます。そこで1次反射光  のみ透過し、2次もしくはそれ以上の反射光をカットしたいのですが何か良い方法は  ないでしょうか?
  • -------------------------------------------------------
    Date: Fri, 11 Oct 2002 19:51:26 +0900
    A2:K様、佐藤勝昭です。
     金属では屈折率だけでなく消光係数が大きいのでガラスの場合のよう なp偏光とs偏光の違いによる反射率の差は大きくありません。また、 半田ボールによる反射では、表面の凹凸などのため、偏光が保たれない 可能性があります。偏光によって1回反射と2回反射を区別するのは大 変困難かと存じます。
     むしろ、顕微鏡下で、密集した金属ボールを移動させ、垂直に光を当 て戻ってきた光を検出して、サーボでレンズを動かし、焦点を結ぶよう に追いかければ(丁度、光ディスクのフォーカスサーボの原理)、どれ だけレンズを動かしたかで高さを読みとることができるでしょう。
     なお、個別のご相談は、ネットでのオープンな議論になじまないので、 これくらいにとどめておきます。
    -------------------------------------------------------
  • 128.

    表面プラズモン共鳴バイオセンサーについて


    Date: Tue, 15 Oct 2002 11:47:09 +0900
    Q: 佐藤勝昭 先生

    はじめまして。私は生物系の学部に所属していますM.A.と申します。突然メール致し まして誠に申し訳ありません。
    後輩に質問されて検索していましたら、先生のHPの質問コーナーにたどり着きまし た。
    私たちは、溶液中の生体高分子の相互作用を解析するため、表面プラズモン共鳴バイ オセンサー(Surface Plasmon Resonance Biosenser)について調べています。 生物系ですのでアプリケーション中心に調べていたのですが、装置の原理に興味を 持った後輩から色々と質問され、答えられずに困っております。
    質問の一つは、
    「エバネッセント波は縦波か横波かどちらか?」 というものです。
    単純に、「電磁現象だから横波じゃないの」とこたえたのですが、明らかに納得して いない様子で・・・・・

    もう一つは、
    センサーの金属表面と高分子を、適当な長さの分子(リンカーと呼んでいます)で結 合するのですが、 「リンカーの長さと感度は、どのような関係にあるのか?」
    というものです。

    先生の御専門とは異なるかもしれませんが、ご存知であれば教えて頂けないでしょう か?
    お忙しい中誠に申し訳ありませんがHP上かメールでお返事頂ければ幸いです。
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    Date: Tue, 15 Oct 2002 12:55:29 +0900
    A: M.A様、佐藤勝昭@parisです。
     エバネセント波の電界は空間的には振動しない波ですが、時間的には光の周 波数で振動しています。電磁波の電界は横波ですから、エバネセントになって も縦波になることはありません。
     Linkerということばははじめて知りました。高分子と金属表面の間のエバネ セント結合をさせるための媒体とすれば、その距離が長ければ長いほど、結合 が弱くなるでしょう。
     旅先で、資料なしにお答えしているので間違っているかもしれません。
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    Date: Tue, 15 Oct 2002 15:34:30 +0900
    AA: 佐藤先生

    早速のお返事どうもありがとうございます。
    教えていただきましたことを参考に、色々調べてみたいと思います。

    Linkerについてですが、センサー表面の金属(一般には金)と固定したいタンパクの 結合は非常に弱いため、金と強く結合するチオール基を有するリンカーをタンパクに 結合させたり、あるいは金の表面をタンパクと親和性のある物質でコーティングする などの方法がとられています。
    どちらの方法にせよ、金属とタンパクの距離が離れてしまいますので、感度は低下し てしまうでしょう。

    ところで先生は現在パリにいらっしゃるのですか?
    パリに住んでいる知人から、「こちらの様子を知りたければこのWebカメラを見るよ うに。」と教えてもらいました。

    http://www.canon.fr/frames/webcam.htm

    そちらはまだ暗いようですね。
    このような時間にお手数をかけまして申し訳ありませんでした。
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  • 129.

    金属の有効質量


    Date: Tue, 15 Oct 2002 21:44:56 +0900
    Q: HPの物性なんでもQ&Aを見てメールを送りました
    . N大学のOと申します.
    大学での研究で金属中の電子と格子の相互作用を調べております.
    室温でのAu,Ag,Cu,Al,Ni,Ti,Mo,Cr,Zrの電子の有効質量の値を知りたいので すが教えてもらえないでしょうか?
    またどういった本を参考にすればよいでしょうか?
    ---------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 16 Oct 2002 13:08:27 +0900
    A1: N大学 O様、佐藤勝昭@Parisです。
     旅先で資料がないので、簡単なお返事しかできません。
    金属の有効質量は、サイクロトロン共鳴あるいはドハースファンアルフェン効 果の実験があれば、決められると思いますが、どの資料を読めばよいかわかり ません。たとえば、Seitz-TurnbullのSolid State Physicsのシリーズに、金 属のサイクロトロン共鳴、とか、Schbnikov-de Haasのchapterがあったと思い ます。あとは、光学的な決め方です。Landolt BoernsteinのHandbookシリーズ に金属の光学的性質を集積したものがあります。(ホームページの金属の誘電 率とか光学定数の質問回答にあるはずです。)これには金属の反射率からどの ようなDrudeのパラメータで説明できるかが出ています。やや任意性があるの で、正確かどうかわかりません。Au,Ag,Cuのような貴金属の場合、m*/m=1とし ていたのではないかと思います。遷移金属のNi,Ti,Crは3dバンドが狭いので m*/m>1の可能性があります。
    帰国後調べてみます。
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    Date: Wed, 23 Oct 2002 13:08:31 +0900
    A2:O様、佐藤勝昭です。
     LB N.S. III 15b は見つかりましたか?手元のコピーによれば、 Drudeの式に用いている有効質量比(m*/m0)は, 下記の通りすべての金属 について1.0を使っています。()内は、光学以外のデータのようですが、 原著に当たっていないので、よくわかりません。
    Au: 1.0 (0.98-1.04),Ag: 1.0 (0.87-1.06),Cu: 1.0 (1.45),
    Al: 1.0 (1.41-1.55),Ni: 1.0,Ti: 1.0,Mo: 1.0,Cr: 1.0,Zr:1.0
    となっています。
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    Date: Wed, 23 Oct 2002 13:27:36 +0900
    N大のOです.
    AA:メールありがとうございました.
    図書館でLBを調べたところわかりました.
    現在,金属をフェムト秒レーザで加熱し,その後の表面の温度変化をプローブする実 験をおこなっております.その際,電子ーフォノンカップリングファクタという, 電子と格子の相互作用の大小をあらわすパラメータを計算するときに有効質量が必要 だったのです.本当にたすかりました.
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  • 130.

    液晶ディスプレーのIPSモード


    Date: Fri, 18 Oct 2002 15:44:13 +0900
    突然のメール送信をお詫び申し上げます。N株式会社のMと申します。
    先生のHPを拝見させて頂き、かねてから疑問であった点について、質問させていただきます。

    従来、LCDの表示モードはTN,STN等が主流でしたが、近年、LCDの広視野角化(高速応答)を目的として、IPS,VA等の表示モードが出てきました。
    IPSでは、『片側の基板に電極を2本配置し、両電極間に発生する電界によって、液晶を同一平面内で回転させることにより、光の透過量をコントロールしている』と、種々の文献、資料等で説明されております。
    (⇒ "http://www.nanoelectronics.jp/kaitai/lcd/4.htm")
    IPSにおいても、ラビング処理が施されていると思いますが、ラビングの影響により、基板界面の液晶は、ラビング方向と同一方向の配向を保っていると推測します。故に、電界によって液晶が回転しうるのは、液晶セル内において中心部のみであると考えられるので、TFT側から入ってきた光は、セル内中心部分に近づくに従い、旋光しますが、CF側に抜けていくときには再びもとの配向(ラビング方向と同一方向)に戻り、結局、光の透過量が変わらないのではないかと考えられます。

    Q:何故 IPSモードでは液晶を基板と同一面内で回転させることで2枚の偏光板を通り抜ける光の透過量をコントロールすることができるのでしょうか?

    TNモードのように、液晶分子に沿って偏光面が回転するイメージをもっている私には、IPSモードのしくみがよくわかりません。
    お忙しい中、恐縮ですが、お教え頂ければ幸いです。
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    Date: Mon, 21 Oct 2002 16:26:16 +0900
    N社M様、佐藤勝昭です。
    A: メールありがとうございました。国際会議のためパリに出張していたのでお返事が 遅くなり申しわけありません。
    私は最近の液晶ディスプレーの動向をよく把握していませんので、本学、電気電子工学科の飯村靖文助教授にお話しを伺いました。
    IPS液晶に電界を印加したとき、「基板界面では配向しており電界による液晶分子のねじれが両界面のすぐそばで起きていて、真ん中付近は一様に面内回転している」というM様のご指摘はその通りだそうです。電極の大きさが数十ミクロンもあるのに、液晶の膜厚が数ミクロンと薄いので、電界は一様にかかっていると考えてよいそうです。
     確かに、液晶の厚さが数10ミクロンもあれば、偏光がねじれに沿って回転しながら伝搬する「導波モード」で考えてもよいのですが、TNの場合もIPSの場合も、最近の5μm以下の薄いセルの場合、「ねじれに沿って偏光が回転する」というのは素人にわかりやすくするための説明で、実際にはretardationの大きさが適当であると丁度端っこで直線偏光にするように設計することができるのです。ねじれの部分は薄いので、retardationにほとんど効かず、真ん中付近のdirecterの回転によるretardationだけで決まっているのだそうです。
     ここのところがわかりにくいのですが、たとえば、半波長板の光軸に対し+45°傾いた直線偏光を入れると−45°傾いた偏光が出てきますね。半波長板の中でどのような偏光状態で伝搬するかは考えなくてよいでしょう。それと同じようなものだと考えてください。
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  • 131.

    光触媒


    Date: Fri, 18 Oct 2002 19:19:19 +0900
    佐藤勝昭様

    初めまして.M株式会社のFと申します.
    Webで光触媒について調べているうちに,先生のHPに たどり着きました.半導体の光触媒(水の完全分解)作用に関して,質問があるの で,お答えいただける範囲でよいので,教えていただけませんでしょうか.

    Q1.酸化チタンなど光触媒は光照射によって発生する 表面付近のキャリアに分布が水の酸化還元反応を引き起こす という解釈は間違っていないでしょうか?また,水や水素・酸素の 拡散律速を無視した場合,キャリア濃度の分布が大きい(光照射量が多い) ほど水の分解は促進すると考えていいのでしょうか?

    また,Q1を前提として質問させていただきますが,

    Q2.光を照射せずに酸化チタンに通電した場合もキャリア分布が発生 すると思うのですが,水の分解が起きるのでしょうか? Q3.光の照射と同時に電極を近づけて光触媒に電圧をかけた場合, キャリア分布が大きくなると思うのですがそれによって水の分解反応が 促進されたりするのでしょうか?

    Q4.キャリアの分布ができる材料は多々あると思うのですが 光触媒に限らず,キャリア濃度に分布ができる場合(例えば熱電材料), 水の分解は光触媒反応と同様に起こると考えてよいのでしょうか?

    見当違いな質問をしているかもしれませんが,ご教授ください. よろしくお願いいたします.
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    Date: Sun, 20 Oct 2002 16:42:17 +0900
    A: F様、佐藤勝昭です。
     光触媒において、光がどのような作用を引き起こすかは、まだ完全には理解されて いないのではないでしょうか。UV光が関与するのですから、バンドギャップを越えて 電子励起が起き、キャリアが生成することは確かでしょう。水のRedox(酸化還元電位) とTiO2の価電子帯の頂の関係がどうなっているかはわかりませんが、TiO2のホールが 水に注入されるならば、電気分解を引き起こすことは確かです。「表面付近のキャリ アが水の酸化還元反応を引き起こす」という定説が間違っているとは思えません。
     しかし、TiO2の中を流れる電流による単なる通電では、キャリアの分布の変化は起 きないので、電気分解は起きないでしょう。もう一つ別の電極(たとえばPt)との間 に電流を流すのであれば起きると思います。この際光の照射があれば、電気分解は推 進されるでしょう。しかし、表面付近のキャリア濃度に分布ができるだけでは起きな いでしょう。酸化還元電位との関係などいろいろな条件が必要ではないでしょうか。
     しかし、私は光触媒だけでなく「触媒作用」については、完全な素人です。間違っ た解釈をすると、あなたをmisleadすることになるといけませんので、個別のお答えを 控えさせて頂きます。
    -------------------------------------------------------------- Date: Mon, 21 Oct 2002 09:54:45 +0900
    AA: 佐藤 勝昭様
    お察しのとおり,光半導体が光を受け取ってなぜ キャリアを生成するのか,などの理論的な理解が できていません.半導体物理の入門書を入手しましたので 少しずつ勉強していきたいと思っています.
    お忙しいところ,お返事ありがとうございました.
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  • 132.

    金属のキャリア濃度


    Date: Mon, 28 Oct 2002 13:40:54 +0900
    Q2: N大学のOです.
    先日はどうもありがとうございました(
    有効質量の件). 再度,お聞きしたいことがありましてメールしました.
    実は電子濃度ne(m-3)をしりたいのですが,Kittelの固体物理学入門には いくつかの物質についての値は載っていたのですが,Mo,Ni,Ti,Zr,Nb,Vなどの 載っていない物質に関してデータは見当たりませんでした.
    LBにも見当たりませんでした.
    参考になるものがありましたら教えてください.
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    Date: Mon, 28 Oct 2002 20:16:39 +0900
    A2:O様、佐藤勝昭です。
     Drudeの式から求めたキャリア濃度nはplasma frequency ωpから求め られます。拙著「光と磁気」(改訂版)p.64 式(4.16)より
    、 ωp2=(n e2/m*ε0)です。したがって、ωp[rad/s] がわかれば、 n=m*ε0ωp2/e2 [m-3]として求められます。 一例として、Moのh'ωpは文献によってばらついていますが、5.2-6.2eV の間にばらついています。仮に、6eVとしておきますと、ωp=9.11x10 15[rad/s]です。これを代入すると
    m*=m=9.1x10-31[kg]、e=1.6x10-19[C]、ε0=8.85x10-12[F/m]として n=9.1x10-31x8.85x10-12x(9.11x1015)2/(1.6x10-19)2 =2610x1025=2.61x1028[m-3]=2.61x10-22[cm-3]ということになります。
    h'ωpはLBに出ていますので、同様に計算してください。
    ただし、LBでは、どのような式を使ったかが、A, B, C, Dとなっていま すので、正確には、それぞれの文献に戻ってください。しかし、だいた いの値でよいのなら、上記の方法でも大きな違いはないと確信していま す。
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    Date: Tue, 29 Oct 2002 11:06:49 +0900
    佐藤様,名古屋大学のOです.
    早速,LBおよび佐藤様の「光と磁気」にて調べてみます.
    どうもありがとうございます.
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  • 133.

    金属微粒子のプラズモン励起


    Date: Tue, 29 Oct 2002 01:59:46 +0900
    Q: 初めまして、N大のKと申します。
    HPで「物性なんでもQ&A」コーナーを拝見しました。
    早速ですが教えてください。
    物性の勉強をしているのですが、「金属微粒子のプラズモン励起のメカニズム」につ いてなかなか理解することができません。わかりやすい説明をお願いしたいと思いま す。よろしくお願いします。
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    Date: Tue, 29 Oct 2002 12:34:45 +0900
    A: Kさん、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございました。
    金属では、自由電子の集団運動のためにプラズマ振動がおきます。その固有周波数はプラズマ周波数とよばれます。プラズマ(角)周波数をωpとすると、ωp=√(ne2/m*ε0)の関係が成り立ち、ダンピング項がなければ、ωp以下では誘電率は負となり、光は全反射されます。
     一方、金属薄膜が誘電率εmの誘電体と接しているとき、界面に電荷の揺らぎが生じる(界面上に正電荷の分布と負電荷の分布が波状に生じる)と、それによる表面プラズマ振動が存在しますが、この波は界面から離れるに従って指数関数的に減衰するエバネセント波です。表面プラズマ周波数ωspは、ωspp/√(1+εm)で与えられます。  同様に誘電率εmの媒質中に分散した誘電率ε(ω)の金属微粒子でも表面プラズマが考えられます。微粒子が球状をしているとしますと、
    ε(ω)=1-ωp22=-{(l+1)/lmを満たす角振動数ωのところで、整数lで指定される表面プラズマが生じます。l=1のモードはFroehlich modeと呼びます。l→∞では、平面の表面プラズマになります。(この文章は、大成誠之助「固体スペクトロスコピー」(裳華房1994)のp31「表面プラズマ」の項を参照しました。)

     プラズモンというのは、プラズマ振動を第2量子化して得られる量子で、振動の振幅が大きいのはプラズモン量子が多数励起されたと解釈するのです。
     以上、金属微粒子においては、金属自身のプラズマ周波数より低いとびとびの周波数でプラズマ振動が起きるのです。これを微粒子で表面プラズモンが励起されたといいます。微粒子の周りにはエバネセント場があるので、ここにもう一つの微小物体を近づけると、散乱され伝搬する光波に転換されます。これが、金属微粒子を用いた近接場顕微鏡(SNOM)の原理です。

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  • 134.

    透明電極


    Date: Tue, 29 Oct 2002 15:51:03 +0900
    Q: はじめまして。
    私は、H大学学校教育教員養成課程に所属していますSという者です。
    突然メール致しまして誠に申し訳ありません。
    私は、「光合成とエネルギー」をテーマに卒論を書いているのですが、実験の最に 必要になった、透明電極について調べていてこのWebページにたどり着きました。 質問は、「透明電極とはどのような物なのか。」「どこが開発した物なのか。」「 購入するにはどうしたらいいか。」という3点です。
    お忙しい中誠に申し訳ありませんがご存知であれば教えて頂ければ幸いです。 よろしくお願いいたします。
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    Date: Tue, 29 Oct 2002 20:31:14 +0900
    A: H大S様
     メールありがとう。透明電極とは、SnO2:Sb(アンチモン添加酸化スズ, 通常NESAと呼ばれる)、In2O3:Sn(スズを添加した酸化インジウムindium tin oxide=ITO)、ZnO:Al(アルミニウムを添加した酸化亜鉛)など、酸 化物の薄膜で導電性のあるものをいいます。一般に酸化物はバンドギャ ップ・エネルギーEgが大きく、光学吸収端が紫外線の領域にあるので、 可視光は吸収されず透過しますから透明です。多くの酸化物はキャリア (電子またはホール)密度が低いので絶縁体になりますが、NESAやITOや ZnO:Alなどはキャリア密度が高く、金属的な伝導を示します。これが透 明電極の原理です。
    (電子情報通信学会編「先端デバイス材料ハンドブック」オーム社1993, p430, または, 応用物理学会編「応用物理ハンドブック」丸善2002, p. 389参照)
     透明電極の歴史は古く長い間主流としてはNESAが使われていました。 たぶん、米国の航空機用ガラスの会社が霜の付着防止用として電流が流 せるガラスを開発したのが最初だと思います。
    PPGという航空機部品の 会社のホームページには
    「In 1946, PPG introduced NESA glass windshields with a transparent electrically conductive coating for deicing and defogging capabilities on commercial and military aircraft. When commercial jets appeared in the mid- 1950s, they were equipped with bird-resistant windshields of laminated NESA glass. NESA glass windshields are designed for aircraft equipped with AC power. A conductive coating of pyrolytic tin oxide is applied to the inboard surface of the windshield's outboard ply. Resistivity range is approximately 30 ohms/square and higher, and power dissipation 6 watts/square and lower. 」とあります。
    ITO付きガラスの購入は、日本電気硝子梶A旭硝子梶A日本板硝子鰍ネ ど液晶用の透明導電膜付きガラスを作っている会社に問い合わせてくだ さい。
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    Date: Fri, 01 Nov 2002 12:04:38 +0900
    AA: H大学のSです。早速のご回答ありがとうございました。
    旭硝子鰍ノ問い合わせをし、資料請求をしました。
    また質問することもあると思いますが、そのときは宜しくお願いいたします。
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  • 135.

    キャリア活性化


    Date: Tue, 29 Oct 2002 19:01:58 +0900
    Q: 東京農工大学 佐藤先生
    お世話になります。
    突然このようなメールをさせて頂き失礼かもわかりませんが、ご容赦下さい。
    私は自動車会社の研究所で化合物半導体(SiC)の研究開発をしております。
    実は「温度とキャリア濃度」の相関を調べておりまして、先生のHPを拝見 させて頂きました。
    先生の、学生の向学のために尽力されていらっしゃる様子に感じ入りました。

    それで、唐突で恐縮ですが質問させてください。
    「物質の不思議Q&A」の「半導体の不思議」で、 No25の先生の回答の内容についてです。 基本的なことです。

    「ドナーやアクセプタの束縛エネルギーをΔEとすると、キャリア数nは
    n=n0*EXP(-ΔE/kT)
    という式を挙げられ、例えばΔE=100meVの不純物のときは、室温でn=0.018n0となり、2%以下しか 活性(キャリアを放出)しない」とご説明されています。
    また、それより下では、シリコン中のドナーの束縛エネルギーを24meVと計算され、同様に室温で40%程度 活性(キャリアを放出)する、と書かれています。

    私は、
    n∝EXP(-ΔE/kT)は認識しておりましたが、その係数がn0(不純物濃度)だと は、知りませんでした。
    また、私の認識では、「室温の熱エネルギー〜25meVで、束縛エネルギーが24meV であれば、ドナー(もしくはアクセプタ)はほぼ100%キャリアを放出する」 というものですが、間違っていますでしょうか?

    それとも、私は、先生の書かれた「束縛エネルギー」を、いわゆるバンドギャップ中 の「不純物準位」と解釈しておりますが、違いますでしょうか?

    突然質問させて頂きまして恐縮です。
    もしご回答が頂けるのでしたら、何かのついでのおりで構いません。

    まずはご質問方々ご挨拶まで。
    日産自動車梶@金子佐一郎
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    Date: Tue, 29 Oct 2002 21:02:15 +0900
    K様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございました。
     ご指摘の通り、キャリア密度の正確な導出は、もう少し複雑です。
     佐藤勝昭編著「応用物性」(オーム社1991)の第2章のp39に詳しく出 ていますが、正確にはフェルミ分布を考えなくてはなりません。
    この本の式(2.27)にありますように自由電子濃度が低いn<Ndの領域では n=√(NdNc/g)・exp(-Δεd/2kT)と書いてあります。つまり正確にはドナー の活性化エネルギーはドナーの束縛エネルギー(伝導帯から測ったドナ ー準位の深さ)の1/2なのです。従って、24meVの束縛エネルギーの場合 はexp(-12/50)=0.7866となり、80%活性化しています。
     また、Noというのは間違いで、√(NdNc/g)とするのが正し