超音速飛翔体から発生するソニックブームの特性に関する研究

鎮守 浩,郡司 優一,阿部 秀昭,岸本 崇,

高倉 葉子,亀田 正治,東野 文男 (農工大)

超音速で飛行する物体は,その周りからさまざまな圧力変動が発生します.このような圧力変動は空気中を伝播するにつれて整理・統合され,2つの衝撃波をともなうN型の圧力変動に収れんします.この変動を「ソニックブーム (sonic boom)」と呼びます.本研究では,小型飛翔体模型を実際に飛ばすことができる装置(ballistic range)を用いて,ソニックブームに対する飛翔体形状の影響を実験的に調べたり,数値シミュレーションによる検証を行っています.

図1 ソニックブームの形成過程.飛翔体遠方では,2つの衝撃波の間をゆるい膨張波がつなぐ形 (N型波) に収れんする.

図2 バリスティックレンジによる飛翔体試験結果:(a) シュリーレン写真, (b) ソニックブーム圧力波形.飛翔体直径は20 mm,圧力測定位置は側方250 mm.飛行マッハ数1.2

図3 ソニックブームの形成過程に関する数値シミュレーション結果

図4 先頭形状の違いによるソニックブーム強度の変化.少し膨らんだ形(type 2)のものが強度極小になる