担当教員:伊豆田猛 大地まどか 片山葉子 多羅尾光徳 半智史 船田良 吉田誠 渡邉泉
この科目では,環境資源科学科において必要な生物学関連の応用的な実験手法を習得します。
1.植物に対する酸性雨による土壌酸性化の影響
日本に広く分布する種類の土壌を人為的に酸性化し,それにともなう土壌化学性の変化とそれらの土壌で育成した植物の成長との関係を調べます。
人為的に酸性化した土壌に植物を植えています。
2.環境中の微生物の分布・観察
東京農工大学府中キャンパス周辺の河川・湧水・池から採水した試水中に存在する一般細菌群・大腸菌群・脱窒細菌群の密度を測定します。石面付着微生物群集の顕微鏡観察も行います。
環境試水中の微生物を培地(微生物を培養するための基質)に接種しています。
3.細菌の形質転換
大腸菌細胞に薬剤耐性遺伝子をコードしたプラスミドを導入します。薬剤耐性能の獲得を指標としてプラスミドが細菌に導入されたことを確認します。
4.細菌による汚染物質の分解
p-Nitrophenolを環境汚染物質のモデルとし,細菌が汚染物質を分解するときの分解速度定数を求めます。
5.植物バイオマス資源の微生物分解と保存(1):セルロース分解の解析
腐朽した樹木や土の上に置いたセルロース膜について,簡易偏光顕微鏡を用いて観察を行い,セルロースが自然界で生分解する様子を理解します。
5.植物バイオマス資源の微生物分解と保存(2):抗菌剤のバイオアッセイ
担子菌類を用いて木材を腐朽するタイプの違いの識別法を理解するとともに,抗菌剤の効力を調べる方法を理解するために寒天培地を使用する簡便なバイオアッセイ法を行います。
6.植物バイオマス資源の形成と生物評価・分類(1):樹木成長のしくみ
肥大成長のための側生分裂組織(形成層帯・形成層始原細胞),および分化過程にある木部と成熟した細胞,外樹皮や内樹皮(師部組織)の構成細胞を顕微鏡観察し,それらの組織的特徴と肥大成長の仕組みを理解します。
7.植物バイオマス資源の形成と生物評価・分類(2):バイオマス資源の生物評価・分類法
木本資源の物理的指標としてもっとも重要な比重の変動が,木部を構成している細胞腫の構成比率や形態と関係していることを理解します。