1. 越境大気汚染の航空機観測
(畠山史郎:地球環境変動分野)
中国などの急速な経済発展にともなって、東アジア地域では大気汚染物質の放出量が急激に増加しています。本研究室では、アジア大陸から輸送されてくる大気汚染物質、特にエアロゾルと呼ばれる微小な粒子状物質を飛行機を用いて東シナ海などの海の上で観測しています。今回は実験室を観測機のキャビンに見立て、実際に観測で用いる測定機器類を動かして、大気汚染物質の測定や、エアロゾルのフィルター上へのサンプリングなどを行い、観測の様子を見ていただきます。
2. 身近な河川の化学物質汚染を調べよう
(高田秀重:環境モニタリング分野)
医薬品、抗生物質、環境ホルモン、合成洗剤….私たちの日常生活では大変多くの種類の化学物質を使っています。それらが河川や海洋を汚染して、生態系に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。体験教室では、一緒に多摩川へ水を採りに行き、川の水を研究室に持ち帰り、分析機器を使って、合成洗剤中の難分解化学物質(蛍光増白剤)を測定します。
2007年の一日体験教室の様子
3. 大気中の硫黄化合物を分解する土壌微生物
(片山葉子:環境修復分野)
微生物は私達の周辺のあらゆる環境に生息しています。日頃、これらの微生物のはたらきに気がつくこともなく私達は暮らしていますが、これらの微生物は地球環境の恒常性の維持にとって、とても大きな影響をあたえています。そこで、その作用について大気の微量成分のひとつである「硫化カルボニル」という物質について注目し、この物質が土壌微生物によって分解される様子を、ガスクロマトグラフィーという分析機器を用いて調べます。
4. 身近な医薬品を合成してみよう
(芳賀尚樹:グリーンケミストリー分野)
私たちは、日常,好む好まざるに関わらず、多くの医薬品の世話になって生活しています。「医薬品」と「環境」は一見したところ関係ないように思うかもしれません。人間や家畜が普段服用している医薬品は服用された後、すべてが代謝されるのではなく、分解されずに薬の活性をもった状態で体外に排泄されることもあります。これら分解されずに排泄された医薬品は、下水処理過程において完全には除去されないので、水環境を汚染するという深刻な問題を引き起こします。今回は、古くから使われてきた医薬品の一種であるサリチル酸を原料とする医薬品のいくつかを自分の手で合成して、環境汚染物質としての医薬品を意識してもらうことを目的とします。
5. 巨大な樹幹を形成する樹木の中身を覗いてみよう
(船田良:植物環境分野)
樹木は、巨大な樹幹を形成しながら、長期間成長します。樹幹は、太陽エネルギーによって二酸化炭素が固定されてできたところで、木質バイオマスとして有効利用されています。樹木がどのようにして巨大な樹幹を形成しているのか、色々な顕微鏡で覗いてみましょう。
6. 古紙をリサイクルして再生紙を作ってみよう
(岡山隆之:資源リサイクル分野)
皆さんの努力で日本の古紙回収率は74%まで達しています。皆さんが毎日使っているいろいろな種類の紙の中にも古紙が使われています。紙のリサイクルは、貴重な森林資源を無駄遣いすることなく有効に利用するとともに、ごみの減量やCO2の排出抑制にもつながります。実験では、新聞紙やちらし古紙から印刷されているインクを取り除いて再生紙を作ってみます。できた再生紙の性質を調べて普通の紙と比較してみましょう。
7. 植物由来プラスチックをつくろう
(粕谷夏基:バイオマス分解分野)
化石資源への依存による地球温暖化が懸念される今、従来の石油プラスチックに代わる新たな材料としてバイオマス資源が注目されています。そこで、皆さんには実際に木質バイオマスであるセルロースを化学的に改質し、酢酸セルロースのプラスチックフィルムをつくってもらいます。植物から得られるプラスチックがどんなものか自分の手で体験してみましょう。バイオマス資源に興味のある方、参加お待ちしています。
8. 住宅に使われる木材中に含まれているかもしれない重金属を見つけよう
(服部順昭、安藤恵介:生活環境分野)
木造住宅にはその耐朽性を高めるために保存処理が施されています。その薬剤には、現在では使用されておりませんが、ヒ素やクロムなど廃棄の際に環境に悪影響を与える重金属を含んでいるものがあります。このような薬剤を使用している廃材はその他のものと区別して処理するよう定められていますが、良い識別方法はありません。当研究室で開発中のシステムを用いて、木造住宅の廃材に有害な重金属が含まれているか識別してみましょう。
|