エンジンフレーム足回りミッションカウルその他
エンジン
エンジンはホンダのスーパーカブ50(セルつき)のエンジンを使います。エコラン用にホンダが用意しているエンジンを、ホンダのバイク屋で注文するところから、エコランのマシン作りが始まります。
エンジン自体は10万円ほどで買うことが出来ます。ただし、このエンジンはエコラン以外には使用しないという制約があります。
フレーム
フレームには鋼材を使います。チームによって材料が違いますが、ENELABでは鉄材を使っています。1メートルあたり100円程度の材料から数千円する高価な材料までありますが、ENELABでは1メートルあたり200円程度のものを12メートルくらい買い、それを切断・溶接して製作しています。また、大学にある鋼材も使っているので3000円程度になると思います。
足回り
タイヤ・ホイール等にはエンジンの次にお金がかかっています。自転車用のタイヤを3本使います。タイヤは燃費に直接関係する部分なのでここでは高価な物を使いたいところです。
後輪はロードレーサー用の上級モデルのハブ(自転車軸)に20インチのリム(ワッカ)を自転車専門店で組んでもらっています。前輪は、軸を片方のみで支える構造ですので、車椅子競技用のハブに20インチのリムで組んでもらいました。前後輪ともチューブはウレタンチューブを使い、タイヤはミシュランのエコラン用が主流ですがENELABではIRCのエコランタイヤを使っています。3本で6万円くらいになります。
ミッション
ミッション(減速機構)は工業用ギアを作っている会社に特注したスプロケットを使用しています。何種類かのギヤとチェーンを購入するので、全部で1〜2万円くらいかかります。
カウル
少ない費用で、強度を保ちながらより軽く、より格好良いカウルの設計を目指しています。カウルの形状はあまり燃費には相関がなく、重量に大きく関わります。
ENELABでは、CADで設計し、FRP(樹脂と繊維の複合材料)を用いて作ります。実際にカウルを製作するときは、設計図を元に作った型にガラス繊維を樹脂で塗り固めて作ります。チームによってはCFRPを使うこともありますが、その場合信じられないくらいのお金がかかります。
その他
その他には、スピードメーター、ブレーキ、ミラーなどがあります。ブレーキは自転車用の物を使います。チームによってはディスクブレーキを使っているところもあります。そういったものをあわせて1〜2万円かかると思われます。
エコランマシン1台作るのに平均20万円かかるといわれています。上級チームになると、数百万円かかっているチームもありますが、その他の多くのチームは廃材を利用したり、ありあわせの材料を使ったりしてリサイクルとコストダウンに日夜努力しています。
燃費では結果が出ていないチームもこういったところできちんとエコロジーに努力を注いでいるのです。