第1期科学技術基本計画において、我が国の研究開発能力を強化すべく、「ポストドクター等1万人支援計画」が盛り込まれて以来、ポストドクター研究者層の充実・強化が図られてきました。しかし、増大したポストドクター等の高い専門能力を充分に活用する場の整備が追いつかず、ポストドクターの過剰・就職難の問題を生じ、大きな社会的損失となっています。
近年、科学技術と社会の関わりが深化・多様化する中で、博士号取得者等の高度な専門性を有する人材が、多様な方面に進み、その能力を活用されることが期待されています。産業界の強い要望としては、博士修了者に対し、「高度な専門能力」以外に社会性、循環型の思想、文化・芸術を理解し、人と対話のできる、視野の広い博士としての力を求めている半面、博士課程修了者は特定領域の専門知識や経験に偏り、研究職に固執しがちで、市場ニーズや社内事情を認識し全体最適を追及する姿勢が物足りないとされ、敬遠されてきた側面もあります。
我が国では、博士課程修了者の明確なキャリアパスが示されておらず、不透明であることから、優秀な人材がポストドクターを経て研究者を目指す道を敬遠したり、博士課程の進学を避けたりする事になれば、科学技術関係人材の質と量の確保に深刻な事態になりかねません。
この様な現状を踏まえ、昨年3月に閣議決定された第3期科学技術基本計画においては、「ポストドクターに対するアカデミックな研究職以外の進路も含めたキャリアサポートを推進するため、大学や公的研究機関の取組を促進するとともに、民間企業等とポストドクターの接する機会の充実を図る」こととされました。
文部科学省は、「科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業」を平成18年度に立上げ、博士号取得者等の高度な専門性と広い視野を有する人材が、大学等の研究機関以外の多様な方面へ進み、その能力を発揮できるよう支援事業を開始しました。「東京農工大学キャリアパス支援センター」は、この事業として平成19年度(平成19年度〜21年度)に採択されたプロジェクトです。 |