講義科目の概要

専門基礎科目(工学部共通)

講義科目名   概要
 線形代数学Ⅰ   本講義では、行列に関する性質を学び、高等学校で習得した数学の内容を抽象的な理論と関連づけて理解することを目的とする。いくつかの数をひとまとめにして考えるとき、行列を用いると効果的に計算を行うことができる。工学の諸分野におけるさまざまな現象を記述し解析する上で、線形代数学で学習する内容は必須のものとなっている。行列に関する種々の計算技術を習得することは、より抽象的なベクトル空間などの諸概念を理解する助けになるので、本講義では演習を通してその習得を実践する。本講義の到達基準は、行列に関する諸性質を学び、具体的な計算技術を身につけることである。
 微分積分学Ⅰおよび演習  1変数関数の微分積分とその応用について学ぶ。極限の考え方を理解し、高度な計算力を身につけることが目標である。まず実数の基本的な性質である連続性について説明し、極限の考え方から出発して微分を定義し、その計算法を習得する。その過程で三角関数、逆三角関数、指数関数、対数関数などの関数の性質も学ぶ。積分については、微分と積分はたがいに逆演算であるという微分積分学の基本定理を説明し、不定積分、定積分の計算法を学び、その応用として図形の面積や曲線の長さなどの意味と計算法を習得する。具体的な到達基準は以下の通りである。
(1)基本的な関数の微分積分が出来るようになること。
(2)関数の最大値・最小値の計算を理解すること。
(3)面積や曲線の長さの計算法を習得すること。
基本的には初めの時間に講義を行い、次の時間で演習を行う。
 線形代数学Ⅱ  本講義では、平面や空間を一般化したベクトル空間、ベクトル空間の間の線形写像を定義し、線形写像を調べる方法を学ぶ。この方法を学ぶ上で、線形代数学Iで学んだ行列が重要な役割を果たす。線形写像は直線を直線に写す扱いやすい写像であるが、さまざまな場面に現れ利用されている。本講義では特に、ベクトル空間の基底や次元、線形写像の像、核などの基本的な事柄を学び、さらに、固有値および固有ベクトルについての理解を深める。本講義の到達基準は、ベクトル空間、線形写像、固有値、固有ベクトル、内積、行列の対角化などを理解し、具体的な計算ができるようになることである。
 微分積分学Ⅱおよび演習  本講義では、多変数関数の微分積分について学ぶ。多くの自然現象は多変数関数を用いて記述されるため、本講義の内容は工学において必須のものである。講義では2変数関数を主に扱う。まず2変数以上の関数について偏微分を学び、応用として関数の極値の判定法について学ぶ。次に2重積分や3重積分を学び、応用として図形の体積を計算する。平面上の線積分についても定義し、後に無限級数について学習する。多変数関数の微分積分に関する諸概念を理解し習得するとともに、演習をとおして確実な計算力を身につけることが、本講義の到達基準である。
基本的には初めの時間に講義を行い、次の時間に演習を行う。

 

専門基礎科目(生体医用システム工学基礎)

講義科目名   概要
 臨床医学概論  医療技術の開発に資する技術者の育成のためには、様々な診療科(内科、外科(循環器外科、消化器外科)、脳神経外科、産婦人科、皮膚科など)の特色、医療現場の実際、および必要とされる医療技術を理解していることが求められる。本科目では、複数の医療関係者を外部から招へいし、各診療科、各医療分野の概要について理解することを目標とする。到達基準は、各診療科の特徴、従来の医療技術・医療機器、各診療科における問題点とニーズについて理解できることとする。講義はオムニバス形式で全15回の座学とする。
 生理学  医療技術の開発に資する技術者の育成のためには、診断・治療の対象となる生体の機能を理解していることが求められる。2年次で生体医用工学Ⅰを習得するためには、低学年において生理学の基礎を押さえておくことが必要である。本科目では、生命現象の機能的構成および生体の恒常性を維持する機構について学習し、生物の諸器官に関する機能と病態との関係について理解できることを目標とする。到達基準は、生命機能を物理的および化学的性質から理解するための様々な法則を理解していること、生命機能を評価するための工学的測定方法を理解し、病態との関係について説明できることとする。講義は全15回の座学とし、序盤(1~5回)で血液循環および物質の摂取・排出について、中盤(6回~10回)で内部環境の恒常性、終盤(11回~15回)では演習課題も含め、神経および生体機能の調整を理解する。
 生物学  物理学、電気電子、機械といった工学とは異なるカテゴリーの学問である生物学も、現代の工学技術者、特に医療関係の研究者にとって必須の常識であり、更に工学の視点との接点や共通点が多々存在する。本講義では、「生物学入門」を受講したことを前提に、生物学の基礎から最先端の生物学の話題に至るまでを概観する。生物学が身近で極めて重要な科学である、ということを実感できるようになることを到達目標とする。講義は全15回の座学とし、前半(1〜7回)で主に遺伝学の深淵について、後半(8回〜15回)で呼吸に代表される細胞の代謝から、細胞間の相互作用であるマクロな生体分子反応に発展させる。
 生体医用工学Ⅰ  医療技術の開発に資する技術者の育成のためには、様々な診療科(内科、外科(循環器外科、消化器外科)、脳神経外科、産婦人科、皮膚科など)で使われている医療器具・装置の原理、現状の医療界のトレンドなどを網羅的に把握していることが求められる。本科目では、現在の医療現場で広く普及している診断・治療技術や最先端の医療機器について理解することを目標とする。到達基準は、既存または開発段階にある医療技術・医療機器の原理と特徴、開発の背景、制限や問題点について理解できることとする。講義は全15回の座学とし、講義1回あたり1つの医療技術・医療機器に関する講義を行う。
 数理統計学  医療に関する調査や実験で得られたデータを扱うためには、数理統計学は非常に重要な学問である。特に生体医用工学を扱う技術者としては、データが示す傾向から、それが生じた背景や傾向を読み取ることが求められる。本講義は、データ解析の基本的な概念である確率分布、平均、分散、標準偏差の意味を修得して実践できる実力を身につけ、さらに代表的な統計的推論の方法としての各種推定法および検定法の考え方について考察する。同時に、医療データに関する様々な実例を演習問題として解析し、これらへの理解を深め、実用出来るようになることを目標とする。講義は全15回の座学とし、序盤でデータ整理の基本的手法である確率変数ならびに確率分布について、中盤で各種推定法、検定法の詳細について解説し、終盤で演習を中心にした実際の解析方法について実践する。
 工学基礎数学  物理現象を理解し説明するにあたり、数学は極めて強力な道具となる。本講義では、物理を学ぶ上で不可欠となる微分方程式、ベクトル解析の基礎的事項について学ぶ。数学が便利かつ強力かつ不可欠な道具であることを認識し、基本的な使い方を習得することを到達基準とする。講義は全15回の座学とし、前半で複素平面と線形上微分方程式の解法を、後半で多重積分とベクトル場について講義する。
 工学応用数学  本科目では、力学、電磁気学、振動・波動、などで登場する物理現象を題材として数学的な解析手段を横断的に眺め、微分積分学、線形代数学などの数学科目で学んだ知識との関係を理解させる。物理現象を記述する道具としての数学を修得し、その応用能力を高め、物理現象を記述する具体的な表現方法や計算手法を修得することを目標とする。講義は全15回の座学とし、前半でベクトル解析を、後半で複素関数論へ展開させる。
 化学基礎  あらゆる工学は物質材料と深く関連し、また生命世界を支配するのも物質世界であるため、化学は物質世界についての膨大な知識をきちんと脈絡をもって体系的にとらえる上で大変に有効な分類学である。本講義では非化学系の学生にとっても近づきやすいよう、物理的視点を多く盛りこみながら、化学のトピックスを解説する。化学的な現象について覚えるのでなく、考えることができるようになることを目標とする。講義は全15回の座学とし、序盤(1〜5回)で元素の起源や環境について、中盤(6回〜10回)で酸化還元および分析の基礎、終盤(11回〜15回)では化学反応や刺激伝達に発展させる。
 生物学入門  高校の生物の内容を確認した上で、本学科で開講されている生物学、生理学、生化学などの授業において生命現象を深く学んで行く上での基礎を身につけることを目的とする。分子から細胞、そして個体までのつながりと、その形成に必要な遺伝子の発現や発生・生殖、動物や植物の形と機能など、生物学を全般に渡って広く学ぶ。講義と演習から成る全15回とし、序盤(1〜5回)で生物と細胞の基礎について、中盤(6回〜10回)で遺伝および遺伝子の詳細について、終盤(11回〜15回)では生物の進化過程における適応と恒常性維持、生態系などの具体的トピックスへと発展させる。
 力学  「力学」は物理や工学において最も基本となるものであり、これを習得するとともに、物理的なものの考え方、アプローチの仕方を身につけることを目的とする。到達基準は、微分方程式ができること、ニュートンの運動方程式、等加速度運動、調和振動子の運動、エネルギー、運動量、質点の周回運動、質点系の運動、剛体の並進・回転運動を理解していることとする。講義は全15回の座学とし、前半(1~7回)で運動の三法則を軸とする物体の運動(古典力学)について、後半(8回~15回)で質点系、剛体における運動へ発展させる。
 電磁気学概論  電磁気学は、言うまでもなく理工系の技術や研究の基盤の1つである。本講義では、生体医用システム工学の専門分野に必要な電磁気学の基礎に関する知識を与えることを目的としている。式を覚え、与えられた問題に対して適用する能力を養うのではなく、電磁気的な力・相互作用と、それによって現れる現象の本質を理解することを到達目標とする。講義は全15回の座学とし、序盤(1〜5回)で基本となる静止電荷と静的電場の相互作用、クーロンの法則について、中盤(6回〜10回)でガウスの法則を基本とする電場、電位、保存力と言った概念、終盤(11回〜15回)では演習課題も含め、重力場、仕事、ポテンシャルの概念を理解させる。
 電磁気学応用  医療技術を開発する人材育成のためには、計測装置の原理や体内での物理現象を理解していることが求められる。本科目では、1年次に学習した電磁気学概論を基礎とし、医療技術に関わる電磁気現象をモデル化し、理解できることを目標とする。到達基準は、静電気学・静磁気学および電磁波現象を理解し、それらの知識を医療における工学的課題や生体内の物理現象に運用できることとする。講義は全15回の座学とし、序盤(1〜5回)で電磁気学の基礎を復習し、中盤(6回〜10回)・終盤(11回〜15回)では講義と演習を交互に行いながら、具体的問題に対する電磁気学の運用力を身につけさせる。
 連続体物理  血流、細胞の変形、細胞のメカノセンシング等を物理的に理解する上では、生体を分子集合体ととらえてその巨視的物性に着目し、連続的に分布した媒質とみなす近似が有効となる。本科目では、このような連続体の基礎的な扱い方を学習し、また生体へ応用することを到達基準とする。講義は全15回の座学とし、前半(1~7回)で連続体の変形や流れの表現方法、力との関係を結ぶテンソルの概念などを理解し、後半(8回~15回)で基礎方程式が理解できること、またその基礎方程式を発展させて血流や細胞の平衡形状を用いて表現する。
 熱統計力学  医療にかかわる計測・診断技術を開発するにあたり、生体の機能や仕組みを物理的観点から理解し、デバイス開発等の応用に繋げるためには、熱力学及び統計力学の考え方を身につける必要がある。本科目では、熱統計力学の基本的な考え方について学び、この考え方を生体機能や身の周りの現象の理解に活用できることを目標とする。到達基準は、熱力学の基本原理に立ち返り身の周りの現象を説明できること、統計力学の基本的な考え方に基づき原子・分子レベルの運動を説明できることとする。講義は小グループ単位の議論と発表を含めた全15回の座学とし、前半(1~7回)で熱力学の考え方と応用について、後半(8回~15回)で統計力学の考え方と応用について学ぶ。
 量子力学  本講義では量子力学が生まれた経緯から、行列力学と波動力学の関連を述べる。次に波動と粒子の二重性を持つ量子力学的粒子の運動を扱う基礎理論を学ぶ。基礎方程式であるシュレーディンガー方程式を一次元の問題に適応して解きながら、量子力学の特徴を理解する。その上で、量子力学の基本的枠組みを、数学的な道具立てを整理しつつ考える。量子力学の基本的概念(波動関数の意味、演算子の意味、測定など)を理解し、量子力学的な状態の特徴を説明できることを到達目標とする。講義は全15回の座学とし、序盤(1〜5回)でシュレディンガー方程式について、中盤(6回〜10回)で演習を含めて拘束条件の適用、終盤(11回〜15回)ではヒルベルト空間を含む量子力学の基本的枠組みを解説する。
 波動物理  医療技術を開発する人材育成のためには、計測装置の原理や体内での物理現象を理解していることが求められる。本科目では、光や電波および音波に関する物理現象に対して、波動現象として総括的に理解できることを目標とする。到達基準は、波動現象の基礎を理解していること、光・電波および音波に関する計測技術との関連性を理解していることとする。講義は全15回の座学とし、前半(1〜7回)で振動・波動現象の基礎、後半(8回〜15回)では光・電波と音波に関する理論を解説する。
 プログラミングⅠおよび演習  現代の科学技術においてコンピュータの活用は欠かせない。特に、コンピュータを操るためのプログラミングは、研究者や技術者には不可欠な能力となっている。本科目では、計算機シミュレーションや実験装置の制御に広く用いられるC/C++言語について学ぶ。C/C++言語の文法を学び、基礎的なプログラムの作成技法について学ぶ。特に、コンピュータのハードウエアに密着したプログラミングができるC/C++言語の特徴を理解する。さらに、オブジェクト指向の考え方を理解し、最近のプログラミング環境にも対応できるようにする。達成基準は、自らの力で基礎的なプログラムを作る能力を習得できていることとする。講義と演習から成る全15回とし、コンピュータのハードウエア(1回)、データ型・演算子・式(2回)、制御の流れ(3〜4回)、関数とプログラム構造(5〜6回)、ポインタと配列(7〜8回)、文字列の扱い(9回)、構造体(10回)、入出力(11〜12回)、オブジェクト指向(13〜14回)、画像の扱い(15回)について学ぶ。
 プログラミングⅡおよび演習   「プログラミングⅠおよび演習」で習得したC/C++プログラムの作成技法について発展させ、データ処理、画像処理を含めた複雑なプログラミングを抵抗なくこなせることを目指す。解析解を求めることが困難な数学的問題、数値シミュレーションといった基礎的な計算処理の基礎的な課題を積み上げる。またポインタ・構造体といったデータを扱うプログラミング技術についても学ぶ。講義と演習から成る全15回とし、序盤(1〜5回)で画像処理を含めたグラフィックについて、中盤(6回〜10回)でポインタや文字列の扱い、終盤(11回〜15回)では演習課題も含め、各種シミュレーションへの応用へと発展させる。
 電気回路  生体医用計測、医用機器には必ず電気回路が関わっており、将来それらの開発に従事するには、電気回路の基礎を修得することが必須条件である。本科目では、抵抗、コンデンサ、コイルからなる直流回路、交流回路について学び、その応答を導出できることを目標とする。到達基準は、電気回路に関する法則を理解し、直流回路、交流回路の回路解析ができることとする。講義は全15回で、適宜演習を交えつつ行う。前半(1〜7回)では、簡単な構成の回路について学び、複素数を用いた解析までを扱う。後半(8回〜15回)では、前半の内容をもとに回路網解析の基本を学ぶ。
 電子回路  医療技術の開発に資する技術者の育成のためには、現代社会を支えるエレクトロニクスの基本知識が必要である。本科目では、半導体における電子物性の基礎を学んだ上で、ダイオードやトランジスタの原理を理解する。さらに、アナログ・ディジタル電子回路の基本を修得することを目的とする。講義は全15回の座学とし、前半(1~7回)で固体のバンド構造および半導体の基礎について、後半(8回~15回)で半導体素子の原理を理解しアナログ・ディジタル電子回路へ発展させる。

 

専門科目 

 講義科目名 概要 
 生体医用工学Ⅱ  医療技術の開発に資する技術者の育成のためには、様々な診療科(内科、外科(循環器外科、消化器外科)、脳神経外科、産婦人科、皮膚科など)で使われている医用画像診断装置の原理、現状の医療界のトレンドなどを網羅的に把握していることが求められる。本科目では、今後の医療現場で必要になると考えられる、現在開発中の医療技術について理解することを目標とする。また、異なる画像診断法を組み合わせたマルチモーダル技術や診断と治療を同時に行うセラノスティクス技術についても触れる。到達基準は、既存または開発段階にある医用画像診断技術・機器の原理と特徴、開発の背景、制限や問題点について理解できることとする。講義は全15回の座学とし、講義1回あたり1つの医療技術・医療機器に関する講義を行う。
 生命倫理  生命倫理が成立した背景には、科学技術、特に医療の進歩に伴う生命観、死生観の大きな変化にどう対応すればよいか、という切実な問題意識がある。本講義では特に医療技術者となる上で必要な、人間や動物に対する生命倫理が持っている意味を踏まえた上で、様々な問題について具体的に考えていく。生命倫理という学問分野の現代的意義を理解し、科学技術がもたらした影響力の大きさ、深刻さに対する健全な問題意識を養うことができることを到達基準とする。講義は全15回の座学とし、序盤(1〜5回)で生命倫理が誕生したきっかけや生命倫理の特徴について、中盤(6回〜10回)で生命の始まり、生命の選別、生きる権利といった具体的なトピックスを掲げ、終盤(11回〜15回)では主に生命の終りについて問題提起し、生命観を養う。
 計測・制御  医療に関わる計測装置においては高い信頼性が求められるが、どんな装置を使っても、計測結果には必ず誤差が含まれる。本科目では様々な計測方法を学び、必要とされる計測精度が得られるように自ら測定方法を計画できるようになることを目標とする。また近年では電子化・自動化された計測装置が増えており、状態フィードバック制御など自動制御の基礎理論を理解することも目標とする。到達基準は、計測結果の確率的な取り扱いを理解して誤差の大きさを予測できること、状態フィードバック制御を理解していることとする。講義は全15回の座学とし、前半(1~7回)で計測工学を学び、後半(8回~15回)で制御理論を学習する。
 医用画像工学  近年、携帯電話に代表されるあらゆる電子機器にカメラが搭載され、デジタル画像は余りにも身近になっている。また生体医用システム工学分野において、画像診断の要素は不可欠である。本講義では、画像を扱うための基本知識として、ハードウェアとしての画像機器の扱い、ソフトウェアとしての画像処理プログラミングのアルゴリズムについて講義を行う。達成基準は、画像の基本知識はもとより、与えられた課題に対するアルゴリズム構築を行う能力を習得できていることとする。講義は全15回の座学とし、序盤(1〜5回)で画像の基礎と入出力機器の概要について、中盤(6回〜10回)でパターン認識に蛇表される画像処理の基礎、終盤(11回〜15回)では演習課題も含め、医用画像を用いた応用を展開する。
 A I 入門  最近の人工知能(AI)の発達は目覚ましいものがあり、医療分野においても活用が進んでいる。本科目では、AIの基本的な考え方をディープニューラルネットワークに基づき学び、最新のAI技術について理解するための基礎を学ぶ。最初に、AIのプログラミングでよく使われるプログラミング言語であるPythonについて学び、その後、ディープラーニングで用いられる基本的なアルゴリズムについて学ぶ。また、最近のAIツールの使い方についても学ぶ。達成基準は、AIで用いられるディープラーニングの基本的な考え方が理解できていることとする。講義は全15回の座学とし、Pythonプログラミング(1回)、パーセプトロン(2回)、ニューラルネットワーク(3回)、ネットワークでの学習(5〜6回)、ディープニューラルネットワーク(7回)、畳み込みニューラルネットワーク(8〜9回)、リカレントニューラルネットワーク(10〜11回)、オートエンコーダ(12〜13回)、AIソフトウェア(14〜15回)について学ぶ。
 化学物理  生体の化学反応や状態変化を理解するためには、熱統計力学を応用して状態を記述することが重要である。本科目では、熱統計力学から状態変化を理解し、また生体へ応用することを到達基準とする。講義は全15回の座学とし、前半(1~7回)で統計力学的なエントロピーの定義の再確認からスタートし状態の変化の向きについて学ぶ。また、後半(8回~15回)では自由エネルギーを導入して温度や圧力一定の条件下での状態変化の向きや平衡状態を理解できること、また化学平衡や相平衡などへ応用する。
 固体物理  物質のあらゆる特性(力学・電気・磁気・光的な刺激に対する応答性)を原子レベルでミクロに理解しようとする学問が固体物理学(凝縮系物理学や物性物理学ともいう)である。固体物理学は物理分野の最先端で今も活発に基礎研究が盛んであるが、電子工学、材料科学、化学、生物学、情報工学、医用デバイス工学など、多くの分野を支える基盤となっている。本科目では、固体の結晶における周期性、フォノン、自由電子などについて学習し、波数空間とバンド構造を理解することを目標とする。到達基準は、固体内の伝導現象を原子レベルで説明ができることとする。講義は全15回の座学とし、前半(1~7回)で結晶学と金属電子論について、後半(8回~15回)でバンド構造や医用デバイス工学に関連する最先端研究へ発展させる。
 光エレクトロニクス  光は、計測、通信、画像などさまざまな分野で利用され、最近では医療分野での利用も進んでいる。光は、光線、波動、粒子としての性質をもつため、その応用範囲は広い。本科目では、光の性質を、光線、波動、粒子の順に理解する。具体的には、空間中の光として、幾何光学、反射・屈折、干渉、回折などについて学ぶ。つぎに、物質中の光として、偏光、結晶、光ファイバなどについて学ぶ。最後に、電子と相互作用する光として、LED、半導体レーザー、フォトディテクタなどについて学ぶ。到達基準は、現代の光技術を、光線、波動、粒子の立場から適切に理解するための基礎が習得できていることとする。講義は全15回の座学とし、空間中の光を1〜5回目で、物質中の光を6〜10回目で、電子と相互作用する光を11〜15回目で学ぶ。
 量子技術概論  医療技術を開発する人材育成のためには、計測装置や医用デバイスの原理を理解していることが求められる。本科目では、2年次に学習した量子力学を基礎とし、生体分子や固体デバイスにおける様々な量子現象をモデル化し、理解できることを目標とする。到達基準は、複素ベクトル空間における量子状態を記述できること、光や電波と原子・分子および固体との相互作用を理解できることとする。講義は全15回の座学とし、序盤(1〜5回)で複素ベクトル空間と量子状態、中盤(6回〜10回)で量子力学における摂動論、終盤(11回〜15回)ではMRIなどを題材にして量子力学と医療計測との関連性を概観する。
 医用超音波工学  超音波は可聴域以上の高周波の音波を指すが、医療分野では生体内の情報を得られるツールとして全科において不可欠の物理現象である。特に胎児の診断で用いられる画像は超音波に限定される。さらに超音波は、そのエネルギーを空間的に集中させることによって、局所的に熱を上昇させたり放射力を生成できるため、診断だけでなく治療にも応用される。本講義では、「波動物理」を受講したことを前提に、超音波の特性を十分に理解し、超音波を用いた実験に必要な知識を理解したことを到達基準とする。講義は全15回の座学とし、序盤(1〜5回)でドプラ効果や音響インピーダンスを含む医用超音波の基礎について、中盤(6回〜10回)でマイクロバブルに代表される造影剤を含んだ診断技術、終盤(11回〜15回)ではHIFUに代表される治療応用とその仕組みについて解説する。
  医用メカトロニクス  近年、計測装置の電子化・自動化が進んでいる。かつては健康診断で多数の受診者から採取した血液サンプルを一つずつ人が検査していたが、近年では大量に並んだ試験管からロボットアームを使って少しずつ血液サンプルを測り取り、自動的に計測装置にかけることが可能になっている。本科目では、医用計測装置の自動化、ロボット化に必要な技術を学ぶことを目標とする。到達基準は、医用計測装置に使われる送液ポンプやモータなど機械部品の仕組みを理解すること、ロボットの設計法や制御方法を理解することとする。
 放射線化学  医療技術者として放射線に関わる場合、イオン化、励起、結合の切断等を含む、放射線のエネルギーの物質への付与と化学的変化を理解しておくことは重要である。そのために必要な情報を提示するとともに、放射線防護と法令の考え方についても理解しておく必要がある。講義は全15回の座学とし、序盤(1〜5回)で放射線生物学的知見を解説し、中盤(6回〜10回)で放射線物理学、放射線生物学についてのエッセンスを概説、終盤(11回〜15回)では治療を視野に入れつつ放射線傷害と防護および放射線防護体系について講義する。
 生体機能工学  医療にかかわる計測・診断技術の開発には、生体の機能や仕組みを生物学的かつ物理学的に理解し、工学的視点からそれらを定量的に議論できる力が必要となる。本科目では、力学、流体力学、電磁気学、熱統計力学の観点から生体の機能について学び、生体機能を定量的に説明できることを目標とする。到達基準は、生体機能を生物学的かつ物理学的観点から定量的に説明できることである。講義は小グループ単位の議論と発表を含めた全15回の座学とし、密度、粘性、拡散、熱特性、電気抵抗、音と光の各テーマについて、1テーマ2~3回で行う。
 医用計測・機器  生体医用計測、医用機器は日進月歩で技術が進化しており、様々な手法が開発されている。本科目では、特に電気的手法、光学的手法に基づく医用計測の原理とその応用機器について扱う。講義を通じ、将来新たな医用計測技術や機器を開発する上での基礎を修得し、課題意識を涵養することを目標とする。到達基準は、各種計測手法の基本原理、ならびに各機器の適用範囲、利点、欠点等について正しい理解を得ることとする。講義は全15回で、前半(1〜7回)は、主に手法の確立している電気的測定法を中心に扱う。後半(8回〜15回)は、最近研究が盛んになっている光学的な手法を中心に進める。
 生体フォトニクス  現在、医用診断・治療機器開発における光学(フォトニクス)の重要性が高まっている。フォトニクスを診断・治療技術に応用するためには、生体組織と光の相互作用(吸光、光散乱、蛍光など)を理解することが重要である。本科目では、光と生体組織の相互作用を利用した計測、分析、治療や生体調節作用について学び、医用診断・治療機器の原理を理解することを目標とする。到達基準は、生体組織の光学特性値と生理学、生化学、病理学との関連性について理解できること、生体内の光の伝搬について、理論的および数値的な扱いができること、光の生体に対する作用(熱的・音響的・機械的作用、化学的作用、組織再生促進など)を説明できることとする。講義は全15回の座学とし、序盤(1~5回)で光と生体組織の相互作用、光学特性値と生体内機能性色素蛋白および組織・細胞構造との関係について、中盤(6回~10回)で光の生体に対する作用について、終盤(11回~15回)では演習課題も含め、生体内の光伝搬解析を理解させる。
 医用デバイス工学  現在の少子高齢社会において人々が健康で安全な生活を送るために、病院、在宅において疾病の早期発見を行うための「生体分子を高感度に検出するセンサ」が必要である。本科目では、バイオセンサの基礎を学んだ上で医用に関わるデバイス工学の話題を理解することを目的とする。講義は全15回の座学とし、前半(1~5回)でバイオセンサの基本概念、分類について、中盤後半(6回~15回)でグルコースや抗原を検出するための電気化学センサの構造、機能を理解し、最新のバイオセンサへ発展させる。
 科学英語ゼミ  科学技術の成果報告や討議は世界の共通語である英語を用いて行われている。科学技術を正しく理解し、自らの成果を発表していくために、科学技術に関する的確な英語表現を身につける。特に生体医用システム工学に関する論文を抄読し、その内容をプレゼンにより説明できることを到達目標とする。全15回の演習とし、小グループ毎に各教員が担当するゼミ形式とする。
  抗体免疫学  私たちの体には、外からの侵入や体の中に発生した異物を、体内から排除し病気にかからないで健康を保とうとする「免疫」という働きがある。本科目では、アミノ酸、タンパク質の基礎知識から抗体分子を中心に、免疫分子の構造、機能、多様性を理解することを目的とする。講義は全15回の座学とし、前半(1~7回)で細菌感染、ウイルスに対する防御反応について、後半(8回~15回)で免疫分子の構造、機能、多様性を理解し、免疫と病気のメカニズムへ発展させる。
 臨床医学基礎Ⅰ  本講義では、「臨床医学概論」を受講したことを前提に、医療技術者として医療現場で必要となる程度の医学の知識を解説する。臨床医学基礎Ⅰでは、主に組織学と呼ばれる学問分野を中心に、生体組織とは何か、その構成細胞の種類と、各細胞の機能と相互作用によって成り立っている臓器について、構造と特徴を理解することを到達目的とする。講義は全15回の座学とし、序盤(1〜5回)で上皮組織や筋組織について、中盤(6回〜8回)で神経組織やリンパ管、終盤(9回〜15回)で消化器系、呼吸器系、泌尿器系から生殖系などの器官について解説する。
 臨床医学基礎Ⅱ  本講義では、「臨床医学概論」を受講したことを前提に、医療技術者として医療現場で必要となる程度の医学の知識を解説する。臨床医学基礎Ⅱでは、高等動物の肉眼レベルの正常な外部形態、内部構造を学習する。主として動物性機能に関係する器官、すなわち運動器、感覚器、神経系、外皮の形態を学習する。到達目標は、それらの概略を説明できるようになることとする。講義は全15回の座学とし、序盤(1〜5回)で骨や関節について、中盤(6回〜10回)で視覚器や聴覚器などの感覚器、終盤(11回〜15回)で主に脳の機能について解説する。
 生化学  本講義では、生体を構成する様々な物質について、また生命を維持するための多くの反応機構に関与する物質について、その構造や性質、機能や分析法などを概説する。生命体は、その形や動きは多種多様で実に様々なものが存在しているが、生化学的に捉えれば、全てが共通の物質からなり、体内で起こっている反応を司る酵素の構造や性質もあらゆる生物で本質的には同一である。基本となる物質の構造や機能、生体内での役割を理解することを最低限の到達目標とする。講義は全15回の座学とし、前半(1〜7回)でアミノ酸やタンパク質の構造や機能について、後半(8回〜15回)で糖質や酵素の性質から反応速度論を含む生体内の代謝メカニズムについて解説する。
 病理学・薬理学  医療技術の開発に資する技術者の育成のためには、診断・治療の対象となる疾患が発生する基本原理や薬物の作用機序を理解していることが求められる。3年次以降で生体医用システム工学に関する研究を推進するためには、病理学・薬理学の基礎を押さえておくことは重要である。本科目では、各種の病態がどのような疾患を引き起こすのかについて、また、生体内外の物質と生体の相互作用について学習し、各臓器の持つ組織構築と病態との間の関係と薬物と生体の相互作用の結果生じる現象ついて理解できることを目標とする。到達基準は、病因に基づく疾患の分類、疾患の構造基本単位、各種病態における組織学的変化、主要な疾患の基本およびそれらの病態を理解することとする。また、薬物受容体や細胞内シグナル伝達系、イオンチャネルの基本について説明できることとする。講義は全15回の座学とし、前半(1~7回)で病理学について、後半(8回~15回)で薬理学の基本について理解させる。
 特別ゼミⅠ  特にSAIL入試で入学した学生を対象とし、研究室での研究活動を体験させる。具体的にはゼミに参加して討論を行ったり、実験の補助を行うことによって座学では体験できない経験をさせる。生体医用システム工学に関する研究動向を理解し、配属された研究室の目的を把握できたことを到達目標とする。全15回に渡って研究室を訪問し、研究活動を行う。
 特別ゼミⅡ  特にSAIL入試で入学した学生を対象とし、研究室での研究活動を体験させる。具体的にはゼミに参加して討論を行ったり、実験の補助を行うことによって座学では体験できない経験をさせる。生体医用システム工学に関する研究動向を理解し、配属された研究室の目的を把握できたことを到達目標とする。全15回に渡って研究室を訪問し、研究活動を行う。
 生体医用システム工学実験Ⅰ  2年次の生体医用システム工学実験Ⅰでは、4週に1テーマ、年間で下記6テーマを行う。おおむね10人程度のグループに分かれて実験テーマを割り当てられるが、各テーマ内で更に4〜5人の小グループに分かれて同時並行的に、あるいはやや異なる内容の小テーマを交互に入れ替えて行う。到達基準は、実験内容を理解し適切に実験を行うことができるか、実験データを解析し結論を導くことができるか、結果について科学的な考察ができるか、上記を適切にレポートにまとめることができるか、総合的に内容をプレゼンテーションできるか、を総合的に判断する。
 生体医用システム工学実験Ⅱ  3年次の生体医用システム工学実験Ⅱでは、4週に1テーマ、年間で下記6テーマを行う。おおむね10人程度のグループに分かれて実験テーマを割り当てられるが、各テーマ内で更に4〜5人の小グループに分かれて同時並行的に、あるいはやや異なる内容の小テーマを交互に入れ替えて行う。到達基準は、実験内容を理解し適切に実験を行うことができるか、実験データを解析し結論を導くことができるか、結果について科学的な考察ができるか、上記を適切にレポートにまとめることができるか、総合的に内容をプレゼンテーションできるか、を総合的に判断する。
  生体医用システム工学特別演習Ⅰ  4年生前期の各研究室において、教員の指導の下に演習を行い、卒業論文の内容に反映できる基本要素を構築する。到達基準は、日常から必要十分な時間をかけ、熱意をもって粘り強く真面目に課題に取り組んでいるかどうか、学問的・社会的背景に基づいて、研究の目的を明確に理解し、検討を試行錯誤して行っているかどうかを総合的に判断する。
 生体医用システム工学特別演習Ⅱ  4年生後期の各研究室において、教員の指導の下に演習を行い、卒業論文の内容に反映できる基本要素を構築する。到達基準は、日常から必要十分な時間をかけ、熱意をもって粘り強く真面目に課題に取り組んでいるかどうか、学問的・社会的背景に基づいて、研究の目的を明確に理解し、検討を試行錯誤して行っているかどうかを総合的に判断する。
 生体医用システム工学特別実験Ⅰ  4年生前期の各研究室において、教員の指導の下に実験を行い、その結果を元に卒業論文に向けた研究の方向性を明確にする。到達基準は、以下の要素を総合的に判断する。(1)日常から必要十分な時間をかけ、熱意をもって粘り強く真面目に課題に取り組んでいる、(2)学問的・社会的背景に基づいて、研究の目的を明確に理解している、(3)目的に対応させた研究手法の検討を試行錯誤して行っている、(4)目的の達成に向け、具体的に活動を進めている、(5)得られた結果を論文の形式にまとめ、丁寧にかつはっきりと説明できる。
 生体医用システム工学特別実験Ⅱ  4年生後期の各研究室において、教員の指導の下に実験を行い、その結果を元に卒業論文に向けた研究の方向性を明確にする。到達基準は、以下の要素を総合的に判断する。(1)日常から必要十分な時間をかけ、熱意をもって粘り強く真面目に課題に取り組んでいる、(2)学問的・社会的背景に基づいて、研究の目的を明確に理解している、(3)目的に対応させた研究手法の検討を試行錯誤して行っている、(4)目的の達成に向け、具体的に活動を進めている、(5)得られた結果を論文の形式にまとめ、丁寧にかつはっきりと説明できる。
 研究室体験配属  研究室での本格的な研究活動の前段階として、各研究室で行われている具体的な課題の内容を理解し、次年度以降の卒業研究をスムーズに進めるための準備を行う。生体医用システム工学実験ⅠおよびⅡで培った研究の内容の理解、結論の導出と考察までの展開を、実践段階に適用する。研究室に既に所属している先輩と交流し、協力・討論する能力が備わっているかも評価対象とする。研究室内で開催される定期的な報告会にも参加させる。
卒業論文 研究室に配属され、具体的な課題に取り組むことにより、問題解決のための周辺知識および技術を身につけるとともに、医療技術に貢献し、今後国内のみならず世界でも戦える技術者として自立するための能力を養う。研究室内で開催される定期的な報告会以外に、学科全体では秋頃に中間発表会、年度末に最終発表会を開催し、習熟度合いを評価する。

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