纐纈明伯副学長が、応用物理学会「化合物半導体エレクトロニクス業績賞(赤﨑勇賞)」を受賞

2014年2月20日

纐纈明伯副学長が、応用物理学会「第4回化合物半導体エレクトロニクス業績賞(赤﨑勇賞)」を受賞することが決定しました。

この賞は、赤﨑勇先生(名古屋大学名誉教授、名城大学教授)が2009年に京都賞を受賞された際の賞金の一部を基金として設立され、化合物半導体エレクトロニクス分野で特に顕著な進展のあった研究を顕彰するものです。

業績の概要は次のとおりです。

『纐纈明伯氏は、一貫してGaAsに代表されるⅢ-Ⅴ族化合物半導体およびGaNに代表される窒化物半導体の気相エピタキシャル成長に関する研究に従事してきました。特に、化合物半導体の気相エピタキシャル成長法に化学反応の熱力学解析を適用することにより、MOVPE法、HVPE法およびMBE法における成長条件と成長量および成長組成の関係を明らかにしてきた業績は高く評価されます。同氏が提案している熱力学解析法は、フィッティングパラメータなどを一切用いずに、公表されている物理量(生成の自由エネルギー変化量)のみを用いるもので、使用原料と成長条件のみで決まる普遍的な結果が得られる点に特徴があります。
さらに、同氏は気相成長の成長メカニズムの解明のために、原子・分子レベルで測定が可能なその場観察装置を考案・構築し、多くの知見を明らかにしました。例えば、化合物半導体の最表面からの原子の脱離過程に関する成果から、世界で初めてGaN自立基板の創製を実現しています。このように、基礎的な研究の成果から多くの新しい実用的な成長法が提案され、さらに企業による事業化にも大きく貢献しました。
以上のように、纐纈明伯氏の業績は非常に顕著であり、第4回化合物半導体エレクトロニクス業績賞としてまことに相応しいものです。』

なお、本賞の受賞式は、3月17日、青山学院大学(第61回応用物理学会春季学術講演会会場)で行われます。

歴代の受賞者とその業績はこちら(別ウィンドウで開きます。)

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